
「ビットコインは取引所から別の取引所へ移動させられるの?」
答えはYESです。一度自分のウォレットを経由する必要はなく、取引所から取引所へ直接移動させることが可能。スマートフォンからもパソコンからも、簡単に送金できます。
この記事ではビットコインをほかの取引所へ移動させるやり方を紹介。実際に送金している様子を解説していきます。また移動する際に必要な出金(出庫)手数料や注意点もまとめました。ぜひ参考にしてください。
目次
1. ビットコインの移動は簡単!用意するのはビットコインアドレスのみ
取引所から別の取引所へビットコインを移動させるやり方は簡単。まずは移動先の取引所で口座開設を済ませておきましょう。使用するデバイスはスマートフォンでもパソコンでもOK。準備が必要なのは移動先のビットコインアドレスのみです。
たとえば取引所Aにあるビットコインを取引所Bへ移動させる場合、一般的には以下の方法で出金手続きを行います。
- 取引所Aにあるビットコインの出金用ページを開く
- 取引所Bのアカウントページにあるビットコインアドレスをコピー
- 1に2を貼り付け、移動させたいビットコインの数量を入力
- 出金申請を出す
さまざまな仮想通貨の取引所が存在しますが、ビットコインの出金方法に大差はないでしょう。移動させる際は自分のウォレットを経由せず、取引所から取引所へ直に送ることができます。また身分証明書を提示する必要もありません。
2. 作業時間1分!ビットコインをほかの取引所へ移動させる方法
実際に取引所から別の取引所へビットコインを移動させてみました。今回は仮想通貨関連のランキングを公開しているCoinMarketCapを参考に、2018年5月7日現在、日本の仮想通貨取引所で取引高1位のbitFlyerから2位のbitbankへビットコインを送金。やり方を解説していきます。スマートフォンで操作を行う人はすぐ下から、パソコンを使う方はコチラからスキップしてください。
■ スマートフォンから操作を行う場合
- bitbankにログイン後、メニューから「入金」を選択▼
※bitFlyerにbitbankのビットコインアドレスを登録済の方は4へ進んでください。
- ビットコイン(BTC)の「入金」をタップ▼
- 「預入」にあるビットコインアドレスをコピー▼
- bitFlyerのアプリを起動し、メニューから「入出金」を選択▼
- 「ビットコイン」をタップし「出金」を選択▼
- 「外部ビットコインアドレスを追加」を選択▼
※既にビットコインアドレスを登録済みの方は宛先を選択し8へ進んでください。
- 「ラベル」の入力と3でコピーしたデータを「ビットコインアドレス」に張り付け保存▼
ラベルはファイル名のようなイメージです。ビットコインアドレスは覚えづらい文字列。複数のアドレスを登録した時に、どのアドレスがどこへ届くものか区別するために名前をつけます。わかりやすいラベルをつけましょう。 - 送金先のビットコインアドレスを選択▼
- 「出金数量(BTC)」を入力して出金をタップ▼
bitFlyerでは出金手数料として0.0004BTCが必要です。そのため保有している資産の満額を送金することはできません。1BTCを持っているとすれば、送金可能額は0.9996BTCとなります。 -
「出金を確定する」をタップ▼
これでbitFlyerからbitbankへの送金手続きが完了です。実際に送金すると、出金手続きを行ってから14分後にbitbankから入金完了のお知らせメールが届き、送金したビットコインが反映されました。
bitFlyerでは基本の手数料0.0004BCTに追加するかたちで認証の優先度の調整が可能です。つまり手数料を高く設定すれば、最低限の時間で送金が完了する可能性が高くなるということ。選択できるのは、
- 普通(+0.0000BTC)
- やや高い(+0.0001BTC)
- 高い(+0.0002BTC)
- 最高(+0.0005BTC)
の4パターンです。2018年5月7日現在のビットコイン送金手数料の相場は0.0004BCT以下。基本で設定されている手数料で、十分にスムーズな送金ができると考えられます。
■ パソコンから操作を行う場合
- bitbankのアカウントメニューから「入出金」を選択▼
※bitFlyerにbitbankのビットコインアドレスを登録済の方は4へ進んでください。
- ビットコイン(BTC)の「入出金」をクリック▼
- ビットコインアドレスをコピー▼
クリップマークをクリックするとコピーできます。 - bitFlyerへログインし、メニューから「入出金」を選択▼
- 「BTCのご送付」をクリックし、3でコピーしたビットコインアドレスを登録▼
※既に送金先のビットコインアドレスを登録している人は6へ進んでください。
まずは「ラベル」を入力します。ラベルはファイル名のようなイメージです。ビットコインアドレスは覚えづらい文字列。複数のアドレスを登録した時に、どのアドレスがどこへ届くものか区別するために名前をつけます。わかりやすいラベルをつけましょう。
そして「新しいビットコインアドレス」の欄に、3でコピーしたビットコインアドレスを貼り付けます。「追加する」ボタンをクリックすると登録完了です。 - 送金するビットコインアドレスを選択▼
- 「送付数量」を入力▼
優先度についてはコチラで紹介しています。 - 「ビットコインを外部アドレスに送付する」をクリック▼
これでbitFlyerにあるビットコインをbitbankへ移動する手続きが完了しました。出金したビットコインが反映されるには10分程度の時間がかかります。
取引所からウォレットへビットコインを移動させる方法も、上で紹介したやり方と同じです。入力したビットコインアドレスをウォレットのものに変更するだけ。
取引所にビットコインを預けたままにしていると、マウントゴックス事件のように破たんした時に資産を取り戻せなくなる可能性があります。取引所に預けておくビットコインは取引に使う分だけに抑え、長期保有するコインは自分で用意したウォレットへ移動させたほうが安全といえるでしょう。ウォレットのつくり方は以下の記事で詳しく紹介しています。ぜひ参考にしてください。
■ビットコインを安全かつ便利に使うためのウォレットの作り方
3. 金融庁へ登録済みの取引所のビットコイン出金手数料を比較
取引所からビットコインを移動させる時、一般的には出金手数料がかかります。
出金手数料のうちわけは、ビットコインの送金処理を行うマイナー(※)に支払われる送金手数料と、取引所に支払う仲介手数料であると考えられます。
(※)マイニングを行う人のこと。
- 送金手数料……ビットコインの送金処理を行うマイナーへ支払う手数料
- 仲介手数料……取引所のネットワーク回線利用料など取引所へ支払う手数料
- 出金手数料……送金手数料と仲介手数料を合わせた手数料
出金手数料 = 送金手数料 + 仲介手数料
基本的にビットコインの送金手数料は、ユーザーが自由に設定できます。極端にいえば1円でも1,000円でもよいのです。
しかし送金手数料が低いと送金に数時間や数日と時間がかかる、待った挙句に送金できずに戻ってくるといった可能性も。そのため取引所ではスムーズに送金を行えるであろう額、つまり送金手数料の相場より高い額を設定しているとケースがあります。送金手数料が低いと送金がスムーズに行えない理由はこちらの記事で解説しています。送金が失敗した時の対処法も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
以下に取引所からビットコインを移動させる時の出金手数料をまとめました。今回は金融庁に登録が済んでいる取引所10社を比較。以下の表をご覧ください。
サービス名 | 出金手数料 | 1BTCが100万円の時 |
Liquid(旧:QUOINEX) | 無料 | 0円 |
ビットポイントジャパン | 無料 | 0円 |
GMOコイン |
無料 (マイナーへ支払う手数料はユーザー負担) |
– |
DMM Bitcoin |
無料 (マイナーへ支払う手数料はユーザー負担) |
– |
Zaif | 0.0001BTC~選択可 | 100円~ |
フィスコ仮想通貨取引所 | 0.0001BTC~選択可 | 100円~ |
bitFlyer | 0.0004BTC | 400円 |
BTCBOX | 0.001BTC | 1,000円 |
bitbank |
0.001BTC | 1,000円 |
※2018年5月7日現在の情報です。
ビットコインの出金手数料は取引所によって異なる模様。現在ビットコインの送金に相応しい手数料はおよそ0.00006BTC。日本円にして約60円です。これよりも出金手数料が高い取引所から出金すると、ビットコインのネットワークが混雑していても比較的スムーズに送金が行えるでしょう。
4. 取引所からビットコインを移動させる際の注意点
取引所からほかの取引所へビットコインを移動させる時の注意点を解説します。
4-1. キャンペーン情報に踊らされるな!出金手数料が高つくケースも
期間限定!売買手数料無料キャンペーン実施中!
といった情報を目にすると、興味がわく方も少なくないでしょう。ビットコイン取引で利益を得るためには、売買手数料を少しでも抑えるべき。手数料が少ない取引所を選ぶことは、賢明な判断といえるのではないでしょうか。
しかし売買手数料が安い、お得なキャンペーンを行っているといった理由で取引所を転々とするのはオススメできません。なぜなら3章でも紹介した通り、取引所からビットコインを移動させると出金手数料が発生するケースがあるからです。数十円の売買手数料を節約するために、数百円の出金手数料を支払っていては元も子もない気がしませんか?
取引金額によってはむしろ損
たとえば売買手数料が0.1%の取引所で10,000分のビットコイン取引を行った場合、発生する手数料は10円です。この手数料が無料になるキャンペーンがあるとしましょう。期間内で総額100万円を超える取引を行う人なら数千円、数万円の節約ができるでしょう。1,000円程度の出金手数料がかかったとしても、利用する取引所を変える価値がありますね。反対にあまり売買を行わない人は、出金手数料のほうが高つくケースも。
別の取引所へ移動する時は、自身の取引スタイルを考慮しましょう。
4-2. 失敗するとビットコインを失う恐れも! ビットコインアドレスの入力ミスに注意
仮想通貨の取引所では、それぞれ取り扱っているコインが異なります。いくつもの取引所へ登録していると、いろいろなコインの購入や交換ができますね。
取引所Aで保有しているビットコインを、取引所Bで取り扱っているコインと交換する時は、ビットコインを移動させなければなりません。
この時に注意しなければいけないことは、送金ミスをしないこと。入力するアドレスを間違えるとビットコインを失ってしまう恐れも。ビットコインアドレスの入力は、ミスが起きないようにコピーするかQRコードの読み取り機能を使いましょう。
さいごに
ビットコインを別の取引所へ移動させる時は、今後の売買予定を考慮しなければなりません。どのような目的で、どのくらいの数量を移動させるかといった点を明確にし、余計な手数料がかからないように計画を立てることが上手な運用へつながります。ビットコインを移動させる前に、今後の売買計画を一度考えてみてくださいね。