ビットコイン先物とは? 概要・メリット・現物価格との関係性を解説

ビットコインの先物とは?

ビットコイン先物には、通常の現物取引とは違うメリットがあります。

また、ビットコイン先物の価格の動きなどから、現物取引の価格予想に役立てることも可能です。

今回の記事では、ビットコイン先物の概要、メリットやデメリット、現物価格との関係性などを解説していきます。

この記事でわかること:ビットコインの先物とは


1. ビットコイン先物とは?

この項目では、ビットコイン先物の概要、仕組み、メリットやデメリットについて確認していきます。

1-1. ビットコインを指定期日までに売買する取引

ビットコイン先物とは、ビットコインを指定期日までに売買する約束を結んだ取引のことです。

取引価格は約束を結んだ時点で決定し、指定期日までの期間までであれば、いつでも決済することができます。

一般的には「差金決済」が採用されている

一般的にビットコイン先物では、取引の結果として生じた差額のみを決済する「差金決済」の仕組みが採用されています。

「差金決済」の例として、ビットコインの先物取引で10万円の利益が出た場合を考えてみましょう。

この場合、途中で発生したビットコインの売買は実際には行われず、取引の結果として生じた10万円だけを決済します。

差金決済とは

ただし、ビットコイン先物を提供する米取引所Bakktのように、期日に現物のビットコインのやり取りを行う「現物受け渡し」を採用しているところもあります。

BakktRegulated infrastructure for bitcoin markets and custody

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ビットコイン先物取引の例

たとえば4月1日に「4月10日に1BTC100万円で購入する契約」を結んだとします。このとき先物期日は410日となります。

先物の例

その後、期日前の4月5日に1BTCが「110万円」まで上昇したので、このタイミングで決済することにしました。

決済時の取引価格は「110万円」ですが、先物契約時に「100万円」での購入を約束しています。

そのため、取引価格よりも「10万円」安い価格で購入することができますね。

つまり、この取引例の場合では「10万円」が利益として決済されることになるのです。

1-2.  ビットコイン先物の仕組み・特徴

ここからは、ビットコイン先物の仕組みや特徴を確認していきたいと思います。

覚えておきたい4つの用語

    • 証拠金
    • 期日
    • レバレッジ
    • ロスカット

取引所に入金する自己資金「証拠金 」

「証拠金」は、先物取引をするために取引所に入金する自己資金のことです。 

先物取引ではこの証拠金の金額に基づいて、どれくらいの金額までの取引が可能になるかが決まります。

また、取引の運用金額に対する証拠金の割合を示したものを「証拠金維持率」と呼びます。

証拠金維持率はどれくらいの水準まで損失を許容するかなど、取引におけるさまざまな目安としても利用可能です。

取引に「期日」がある

ビットコインの先物取引には、その日までに決済をしなければいけないという「期日」があります。

期日までに決済されなかった取引は、期日が来た時点で自動的に決済されることになります。

証拠金を大きくする「レバレッジ」

「レバレッジ」は、取引可能額を大きくする倍率のことです。

レバレッジを活用することで、証拠金を数倍、数十倍と大きくすることが可能です。

たとえば、10万円の証拠金に対してレバレッジ4倍を適用した場合の計算式は、以下のようになります。

「10万円(証拠金) × 4倍(レバレッジ)= 40万円」

この例の場合であれば40万円の資金を使って、ビットコインの先物取引が可能となるのです。

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強制的に損失を確定させる「ロスカット」

「ロスカット」は、ポジションを強制的に決済し損失を確定させる仕組みのことです。

一般的には、取引所が定める証拠金維持率の水準を下回った場合に、ロスカットが発動します。

ロスカットの水準は取引所ごとに異なり、損失の拡大を防ぐことを目的として行われます。

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1-3. ビットコイン先物のメリット

この項目では、ビットコイン先物の具体的なメリットを確認していきます。

ビットコインの先物取引のメリット

元手が少額でも、レバレッジをかければ大きな額の取引ができる

レバレッジで少ない投資額でも大きな利益が狙える

ビットコイン先物はレバレッジを適用することで、大きな利益を狙うことができます。

レバレッジによって大きな金額を運用することができ、それに比例して利益も大きくなるからです。

たとえば、10万円の資金と40万円の資金で、それぞれ10%の利益が出たとします。

この場合の利益は、10万円の資金では1万円、40万円の資金では4万円となります。

このように、同じ10%であっても運用する金額が大きくなることで利益も大きくなるのです。

小額から取引ができる

小額から取引ができる点も、ビットコイン先物のメリットです。

たとえば、国内取引所bitFlyerのビットコイン先物取引では、0.01BTCから注文することができます。

1BTCの取引価格が100万円であれば、0.01BTC10,000円となります。

bitFlyerではレバレッジ4倍で先物取引をすることができるので、この場合に必要になる証拠金は2,500円と小額で済むのです。

bitFlyerLightning Futures(ビットコイン先物)とは?

下落相場でも利益が出せる

下落相場でも利益を出せる点は、ビットコイン先物のメリットです。

具体的には、「ショート(売り)」で新規注文を行い、相場が下落することで利益を出すことができます。

ショートとは?
本来であれば持っていないビットコインを売ったと仮定して、より安い価格で買い戻すことで利益を出す投資手法です。

ビットコイン先物では差金決済の方式が採用されているので、注文時に現物を保有している必要がありません。

そのため、ショートのような取引も可能となり、下落相場でも利益を出せるのです。

たとえば、1BTC100万円の時に1BTCのショート注文を出し、1BTCの価格が90万円に下落したタイミングですべて買い戻せば、差額の10万円が利益となります。

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現物価格の予想にも役立てられる

ビットコイン先物の価格は、現物価格とも関連性があるため、価格予想に役立てることができます。

具体的にどのような関連性があるのか、詳しくは2章をご覧ください。

1-4. ビットコイン先物のデメリット・リスク

ここからは、ビットコイン先物のデメリットやリスクと、その解決策について確認していきます。

ビットコインの先物取引のデメリット

大きなレバレッジやを流動性の低下で、損失が現物よりも大きくなりやすい

大きな損失が出る可能性がある

ビットコイン先物では、大きな損失が出る可能性があります。

たとえば、流動性が低下することで希望する価格で取引ができなくなったり、ハイレバレッジ取引で損失が大きくなってしまったりということが挙げられます。

そのため、流動性が低下している時には取引をしないことハイレバレッジの取引は慣れるまで避けるようにしましょう。

ロスカットで強制的に損失が確定する

ロスカットで強制的に損失が確定することは、ビットコイン先物のデメリットの1つです。

ロスカット自体は損失を拡大させない良い仕組みですが、意図しないタイミングで入る可能性があります。

これによって、本来であればポジションを決済したくないタイミングでも、強制的に決済され損失が確定してしまうのです。

これを防ぐためにも、証拠金には余裕を持って取引するよう心がけましょう。

一般的には、1度の取引で運用できる上限金額は、証拠金に対して10%ほどが目安と言われています 。


2. 現物価格との関係性

この項目では、ビットコイン先物と現物価格との関係性について確認していきます。

2-1. 休日の価格差を埋める「ギャップ埋め」

関係性の1つとして、ビットコイン先物の取引が休みの間に発生する価格差が埋まる「ギャップ埋め」があります。

ギャップ埋めとは、金曜日の終値と月曜日の始値に価格差が生じた場合、その差が埋まるように価格が推移する傾向があるというものです。

たとえば、下記のチャート画像では、画面中央の20191025日(金)と20191028日(月)の価格に価格差が生まれていることがわかります。

ギャップ埋め(Tradingview)
出典:TradingView

また、その後は価格が下落したことで、価格差が埋まっていることもわかります。

この傾向を活かして、価格差が生まれたタイミングで現物価格の予想に役立てることが可能です。

こうした休日から生まれる価格差を使ったトレード手法は、FXの世界などでもよく使われています。

2-2. CME期日前に価格が下落する傾向がある

CME(シカゴ・マーカンタイル取引所)のビットコイン先物の期日前には、価格が下落する傾向があります。

マーケット情報などを提供するArcane Researchのレポートでは、20181月から20198月の期間でCMEの期日前に20回中15回でビットコイン価格が下落したという報告が出ています。

CME

出典:Arcane Research via kryptografen

はっきりとした原因はわかっていませんが、機関投資家による現物取引のリスクヘッジによって下落している可能性があると推測されています。

この傾向を活かすことで、現物取引における価格予想に役立てることも可能です。

なお、CMEの期日に関しては自分で設定はできず、CME側で決めています。

コインテレグラフ|仮想通貨ビットコインに価格操作の兆候?CMEの先物期日直前で何が


3. ビットコイン先物ができる取引所

この項目では、ビットコインの先物取引ができる取引所を2つ紹介します。

3-1. 国内取引所bitFlyer

補償のある取引所はbitFlyer
出典:bitFlyer

取引時間

原則24時間365日(システムメンテナンスを除く)

先物の種類

1 週間先物

2 週間先物

3 ヶ月先物

スワップポイント

建玉金額の絶対値 × 0.04% /

先物取引手数料

無料

最大レバレッジ

4

bitFlyerでは「Lightning Futures」という、ビットコイン先物の取引ができるサービスを提供しており、プロユーザー向けに作られた高性能なツールを使えます。

bitFlyer 公式サイト]

3-2. 海外取引所BitMEX

bitmexのビットコイン先物
出典:BitMEX

取引時間

原則24時間365日(システムメンテナンスを除く)

先物の種類

 

先物取引手数料

メイカー:-0.025%

テイカー:0.075%

決済料金:0.05%

最大レバレッジ

100

BitMEXは、ビットコインを含めて全8種類の仮想通貨で先物取引ができます。

また、取引板(注文が並ぶ板)に注文を出すメイカーであれば、手数料はマイナスで利用することが可能です。 

ただし、最大レバレッジ100倍で取引する際には、損失も大きくなるので注意しておきましょう。

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BitMEX(ビットメックス)レバレッジ取引|仕組み・注意点をトレーダーが解説

[BITMEX 公式サイト] 

まとめ

以上、ビットコインの先物取引について解説してきました。あらためて、この記事のポイントをまとめておきましょう。

      • ・ビットコイン先物は期日までに決済することを約束した取引のこと
      • ・価格の上昇時だけでなく下落時にも利益を出すことができる
      • ・流動性の低下やハイレバレッジ取引によって大きな損失が出る可能性がある
      • ・休日に生まれた価格差は埋まる傾向があり、現物価格の予想にも役立てることができる

今回紹介したように、ビットコインの先物取引にはデメリットやリスクも存在します。これらを十分に理解したうえで、余裕を持った取引ができるように心がけましょう。

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