
「ハッシュレートが価格にも影響する」
そんな話を聞いたことはありませんか? ハッシュレートの上昇は、価格に影響することもあります。
今回の記事では、そもそもハッシュレートとは何なのか、また実際のチャート例を踏まえて数値の上昇と価格との関係性などを紹介していきます。
目次
1. ハッシュレートとは?
この項目では、ハッシュレートの概要、調べ方、これまでと現在のチャート、分布などを確認していきます。
1-1. マイニングの計算数を示した数値
ハッシュレートを一言でいうと、「マイニングの計算数を示した数値」です。ハッシュレートが高いほど、ネットワーク全体で多くの計算を解くことができます。
単位が示すのは1秒間の計算数
ハッシュレートの単位「hash/s」が示すのは、「1秒間あたりの計算数」です。具体的には、以下のような単位を使い表記します。
- K (キロ)hash/s → 1秒あたり1000回の計算が可能
- M (メガ)hash/s → 1秒あたり100万回の計算が可能
- G (ギガ)hash/s → 1秒あたり10億回の計算が可能
- T (テラ)hash/s → 1秒あたり1兆回の計算が可能 など
なお「Thash/s」であれば「TH/s」というように省略系で記述します。
そもそもマイニングとは、取引の承認を行ってブロックをつなげる作業です。前のブロックの取引が正しいことを承認するためには、後ろのブロックとつなげるための答(「ナンス」と言います)を計算で求めなければいけません。この答にたどり着くために“どれだけの計算が行われているのか”を示すのがハッシュレートです。
ブロック生成数に応じて難易度を調整
ハッシュレートの変化は、ブロックの生成時間にも影響を与えます。ビットコインではこの時間が一定になるように、計算の難しさが調整される仕組みが採用されています。
Bitcoin.org|Bitcoin: A Peer-to-Peer Electronic Cash System(pdf)
マイニングの容易さがわかる
ハッシュレートからは、「マイニングの容易さ」を読み取ることができます。値が高いほど競争が激しいため難しくなりますが、低ければ競争が少ないため容易であると推測できます。
調べ方
ハッシュレートは「Blockchain.com」など、仮想通貨(暗号資産*1)関連の情報を提供するウェブサイトなどで確認することが可能です。

*2019年3月、呼び名を「暗号資産」とする法律案が金融庁から第198回国会へ提出されました(参考|第198回国会における金融庁関連法律案)
1-2. ハッシュレートの推移

ハッシュレートはビットコイン発行後から上昇が続き、2018年9月ごろには約6,180万 TH/sまで達しています。
その後、ビットコイン価格の下落に伴い採算が取れなくなった事業者が撤退したことなどから、2018年12月ごろまで下落しましたが、2019年7月現在では約7,450万TH/s ほどまで回復しています。
1-3. マイニングプール分布表

上記の画像は、ハッシュレートの分布表です。
もっとも大きなシェアを占めているのが、中国に本社を構えるBitmainが運営するBTC.comで、21.1%となっています。
加えて、同社はAntpoolの運営も行っており、2つのプールを合計したシェアは33.4%となっていることから、分布内でBitmainが大きな存在感を持っていることがわかります。
2. ハッシュレート上昇の影響
ここからは、ハッシュレートの上昇と関係性のあることや、価格へどのような影響が発生するのかなどを確認していきましょう。
2-1. 価格上昇の可能性
ハッシュレートが上がるとセキュリティも上がる
ハッシュレートの上昇は、セキュリティの向上と関係があります。
ハッシュレートが上がるということは、マイニングに参加しているマイナー、つまり取引の検証をする人が増えるということです。
取引の検証を行う人が増えるため、不正が発見されやすく、正しい取引だけが承認されるようになります。
またハッシュレート全体の半分以上の計算力が必要になる「51%攻撃」を防ぎやすくなります。
世間の関心が高まりがハッシュレート上昇を引き起こすことも
ハッシュレートの上昇からは、関心の高まりが伺える場合もあります。
なぜなら、関心の高まりによって買い手が増え価格が上昇する(または上昇を期待できる)ことで、採算が取れると見込めた新規マイナーの参入や既存業者の機器投入が起こるからです。
実際にハッシュレートが復調傾向にある2019年に入ってから、小規模プールの増加やマイニング事業者の大規模な機器購入も報告されています。
コインテレグラフ|ドイツの仮想通貨マイニング企業が4475台の機器購入 | ビットコインのハッシュレート過去最高更新、競争激化が明確に
世間の関心の高まりは価格上昇につながる
関心が高まることと価格が上昇することには密接な関係があります。
以下はgoogleでの「ビットコイン」の検索数の推移。“ビットコインバブル”と呼ばれた2017年12月には、月間270万回以上も検索されています。

2-2. 「ハッシュレートの上昇=価格の上昇」ではない
ハッシュレートの上昇による価格への影響は、少し曖昧です。「相関性があった例」と、「相関性がなかった例」の2つの例から検証していきましょう。
相関性があった例:2019年4月からの価格上昇
上記の画像は、ビットコインの米ドル取引価格とハッシュレートの過去180日間のチャートです。
2019年の4月初め頃から2019年の7月現在までの期間をみると、ビットコイン価格とハッシュレートはどちらも上昇しています。
つまり、この期間においては両者に相関性があることがわかります。
相関性がなかった例:2018年1月からの価格下落
上記の画像は、ビットコインの米ドル取引価格とハッシュレートの過去2年間のチャートです。
2017年の12月中頃から2018年の10月末までの期間をみると、ビットコイン価格は下落していますが、それとは対照的にハッシュレートは上昇しています。
つまり、この期間においては両者の相関性がなかったことがわかります。
価格への影響は曖昧
2つの例から考えると、ハッシュレートの上昇が必ずしも価格の上昇に結びつかないことがわかります。
そのため、「価格への影響は曖昧」と結論づけられます。
価格の動きをつかみたいならテクニカル分析もおすすめ
ビットコインは投資家が増えたために、チャートの動きが他の金融投資対象に近くなっているという人もいます。
チャートの動きから価格の動きを予測するテクニカル分析も、予測には有効です。
まとめ
以上、ビットコインのハッシュレートについて解説してきました。この記事のポイントを、あらためてまとめておきましょう。
- ハッシュレートはマイニングの計算数を示した数値
- 単位が示すのは1秒あたりの計算数
- 仮想通貨の情報を配信しているウェブサイトなどで調べることができる
- 数値の上昇と価格との相関関係は少し曖昧
今回紹介したように、ハッシュレートからはさまざまな情報を読み取ることができます。みなさんも、今後の推移など注目してみてください。
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