ビットコインの誕生と進化の歴史!ピザ2枚が200億円になった経緯

最近、テレビや新聞でも名前を聞くようになった仮想通貨。初めての仮想通貨がビットコインであり、いまではその時価総額は約30兆円を超え、日本では仮想通貨法によりビットコインが合法化され、ECサイトやリアルな店舗での決済や送金にも拡大しています。ビットコインは誰が作ったのか?・・・

ビットコインは200810月にナカモト・サトシと名乗る匿名の人物がインターネット上にホワイトペーパーを提唱したことにより始まりました。初めてのビットコイン取引は米国で25ドルのピザ2枚を10,000BTCで取引したと言われており、その価格は1BTC0.28円です。20181月現在の価格は1ビットコイン=約200万円となっており、約700万倍超に値上がりしております。ピザ2枚200億円です(笑)。

ビットコインは2009年に誕生して依頼、プログラム的な進化を繰り返しながら、Mt.Gox事件のように犯罪事件化することもあったり、非中央集権的な仕組みなために法定通貨を発行する政府との戦いがあったりして、紆余曲折しながら市場規模を拡大させてきております。元祖仮想通貨であるビットコインの歴史を正しく認識することが、ビットコインを含めたあらゆる仮想通貨の将来展望の糧になるのではないでしょうか。

 

1. ビットコイン誕生と進化の歴史

ビットコインは200810月にナカモト・サトシがインターネット上に投稿したホワイトペーパーをもとに作られた暗号通貨です。どのようにして、暗号通貨(仮想通貨)ビットコインは誕生して進化して至ったのでしょうか。

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1-1. ビットコイン誕生以前

ビットコインの発祥の起源をたどると、インターネットの誕生が前提条件となる。人間がコントロールする仕組みである中央を持つ通貨に対する問題を解決するために、中央を持たない電子通貨・電子決済構想は80年代から議論されていた。ビットコインの原型とされる技術とされているのが、デビット・ショーンが1983年に考案した電子通貨「デジタルキャッシュ(DigiCash)」と言われている。

その後、1997年にアダム・バックが「Hashcash」を提唱し、「Proof-of-Work(プルーフ・オブ・ワーク)」および「分散型マイニング方式」を提唱。1998年にウェイ・ダイが「b-money」という計算的パズル(暗号)を解くことで各々が合意形成を可能とする構想を発表。2005年に暗号学者のハル・フィニーが「reusable proof of work」においてHashcashとb-moneyを組み合わせることを提唱している。ただし、これらのシステムには攻撃者によってネットワーク全体を乗っ取られる可能性が指摘され実用化にいたらなかった。

1-2. ナカモト・サトシのホワイトペーパー

2008年10月に、ナカモト・サトシを名乗る人物が、インターネット上の暗号技術に関するメーリングリスト上に投稿されたP2P電子キャッシュシステムについてのホワイトペーパーが提唱される。既存の技術である、「暗号解読」と「Proof-of-Work(プルーフ・オブ・ワーク:仕事量の証明)」を活かした仕組み上に、「ブロックチェーン」の概念を入れることによって、ネットワークへの攻撃者による仮想通貨の2重消費を防止するシステムを実現した。

1-3. ビットコイン進化の歴史

誕生

ナカモト・サトシのホワイトペーパーを基に、オープンソース上でビットコインのソフトウェアが開発され、2009年1月3日に、ビットコインの最初のブロックチェーン(ジェネシス・ブロック)が誕生した。1月12日にビットコインの提唱者であるナカモト・サイトから、暗号学者であるハル・フィニーに初めてビットコインが送信されました。当時10ビットコインを贈ったと言われていますが、今のビットコイン/日本円にして約2,000万円となります。

初値

その後、2009年10月にNew Liberty Standardにより、ビットコインと法定通貨との交換レートがだされてビットコインに初めて値段が付いた。このときNew Liberty Standardはビットコインのマイニング(採掘)に掛る電気料金をもとに計算したとされ、1ドル=1309.03BTC、1BTC=0.00076ドル。日本円になおすと、1BTC=約0.08円です。現在1BTC=約200万円なので、実に2,350万倍になります。テンバーガーなんて目じゃなく夢がありますね!

初決済

2010年5月22日に、ビットコインフォーラム上で、ピザ2枚をビットコインで買うとの取引が成立し、25ドル分のピザ2枚を10,000ビットコインで購入したのが、ビットコイン決済の最初と言われています。1BTC=0.28円になり、現在のビットコイン価格が200万円であることを考えると、2枚のピザの値段は200億円を超えることになります。そのため、ビットコインナー(ビットコイン愛好者)の間では、毎年5月22日を「ビットコイン・ピザ・デー」としてピザを食べてお祝いすることになっています。

取引

その後、ビットコインは、2010年7月にビットコイン取引所であるMt.Gox(マウント・ゴックス)がサービスを開始し、一般の人がビットコインを買うことができるきっかけになりました。また、2010年9月に、世界初のマイニングプールであるSlush’s poolによって初めてのビットコインのマイニング(採掘)に成功しました。

媒体

また、2010年7月にコンピューター系ニュースを取り扱うSlashdotに、2011年4月に米国大手雑誌メディアのTIME誌に取り上げられて一般認知度が徐々に上がっていきました。その結果、ビットコイン価格は上がり、2011年6月には1BTC=31.91ドル(現在の為替レートで(1BTC=約3,574円)を付けました。ちょうど1年前にピザが付けた値段に比べて、1BTCが0.0025ドルから約32ドルなので、この1年間で1万2,800倍に値上がりしていることになります。

EC

ビットコインはMt.Gox開設以降に世界中でビットコイン取引所が続々開設されるとともに、大手の電子商取引(EC)サイトでもビットコイン決済を導入する動きが広がりました。2012年11月にはWordpressがビットコイン決済を受け付け始めたのを皮切りに、2014年1月に米国大手家具通販(EC)サイトのOverstock.comが、2014年6月に米国ネット旅行最大手のExpediaが、2014年7月には米国PC販売大手のDell.comがビットコイン決済を導入しています。

採掘

2012年11月28日には、ビットコインで初めて半減期を迎えました。半減期とは、ビットコインのマイニング(採掘)報酬が半減する時期のことを指します。ビットコインはその発行数量は初めから2,100万ビットコインと決められています。2009年からビットコインのマイニング(採掘)によってもらえる報酬は1ブロック50BTCでした。そこから21万ブロック(1,050万BTC)毎に、1ブロックあたりのマイニング(採掘)報酬が半減していくよう取り決められています。

半減期

2012年11月28日から生成されるブロック毎の報酬は25BTCと半減しました。その後、2016年7月9日にも2回目の半減期を無事迎えており、現在では1ブロックあたりのマイニング(採掘)報酬は12.5BTCとなっています。半減期の前後では、そのインパクトからビットコイン価格が大幅に上下する傾向にあります。ビットコインをマイニング(採掘)しているマイナーにとっては収入が半分になる死活問題です。マイニング報酬が半減しても、電気代・サーバ費用・人件費は半減してくれません。しかし半減期後の価格から半減期前の価格推移を考えると、過去のケースでは半分どころか大幅に上昇しています。1回目の半減期の2012年11月から2回目の半減期の2016年7月までに、ビットコイン価格は60倍以上になっています。

51%

ビットコインの進化の中で、その構造上もっともリスクが高くなったのは、2014年6月の51%攻撃リスクです。分散台帳をもとにネットワーク化されているビットコインの最大の弱みは、そのネットワーク全体の51%を支配することができれば2重譲渡することが可能となり、不正な取引を正当化するこができてしまうことです。2014年に、Ghash.ioというマイニングプールがハッシュレート(採掘力)の51%に達しそうになり、51%攻撃が可能な状態になりかけました。この時、Ghash.io内のマイナーが別のマイニングプールに移ることにより危険事態が回避されましたが、この時、大幅にビットコイン価格は下げています。

リスク

ビットコインは、その誕生以来、不正事件やマネーロンダリング(資金洗浄)などの黒歴史を繰り返すとともに(3章参照)、中央がないディセントライズド(decentralized)なプロログラムである暗号通貨・仮想通貨に対する、国・中央銀行などとの法規制との戦いのなか(2章参照)、そのユースケースを広げることによって、ビットコイン価格を大幅に上げてきました。その結果、ビットコインのネットワーク自体が混雑するというスケーラビリティ問題に直面することとなります。

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1-4. ビットコインの分裂

順調に進化をし、ユースケースを増やして、その重要性が増しているビットコインですが、実は大きな問題に直面していました。ビットコインの構造上、10分に1回ブロックを生成されていますが、そのブロックサイズは現状1MBが上限と決められています。そのため理論的には秒間7トランザクションしか処理ができなく、需要が広がっていく中でのスケーラビリティ問題はビットコイン創世の時から問題提起されていました。

2016年末頃からユースケースが広まった結果、従来の金融システムより「早く安い」仕組みであったビットコインが、ネットワークの混雑によりより高い報酬を出す取引を先におこなう特性上、「遅く高い」仕組みになってしまうう可能性がでてきました。そこで、スケーラビリティ問題を解決するために、ビットコインのソフトウェアBitcoin Coreの開発者コミュニティは、ブロックサイズはそのままでソフトウェアを回収する「SegWit(Segregated Witness)」を提案した。対して、ビットコインのマイナーコミュニティはブロックサイズを広げるハードフォークを伴う「Bitcoin Unlimited」を提唱した。

シリコンバレーのBitcoin Coreと、中国企業が大半を占めるマイナーにおいて、米中の仕様争いが起こり、ビットコイン自体の分裂騒動に広がった。最終的には、両陣営は歩み寄り、一旦SegWitを実装し、数か月後にブロックサイズを2MBに引き上げるハードフォークを行うSegWit2xにまとまった。ただし、中国の有力マイニングファームBitmainを中心とするマイナーによってビットコインは分裂し、ビットコインキャッシュという新たな仮想通貨と分裂をした。ビットコイン保有者は分裂後、同数のビットコインとビットコインキャッシュを持つこととなった。

2. ビットコインと政府の戦いの歴史

ビットコインは、その思想が中央政府からの独立した決済通貨の流通を志向しており、ディセントライズ(decentralized)な無政府主義者に支持されて拡大してきており、しばしば各国の中央政府や規制機関との軋轢を生むことがあります。原因のひとつは、匿名性によるマネーロンダリング(資金洗浄)に係る犯罪防止の観点、もう一つは、中央政府の通貨発行権を脅かす仮想通貨の本質的構造です。その点では、政府による規制によりビットコイン価格が大幅に下がるケースもありますが、脆弱な政府機関の仕組みのキャピタルフライト先としてビットコインが高騰するケースもあります。

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2-1. FBIレポートが流出

2012年5月、米国FBI(連邦捜査局)が、ビットコインが犯罪に使われるリスクについて研究している内部レポートが流出した。FBIは、マフィアや犯罪者が犯罪行為(非合法活動)において、取引決済手段やマネーロンダリング(資金洗浄)などへのビットコインの利用を警鐘している。また、マネーロンダリング(資金洗浄)対策として、KYC(本人確認)の規制を早急に入れることも指摘している。この時点でビットコインの時価総額は1,000億円にも満たない状態なので、FBIでは既にモニタリングをしていたことに驚きを隠せないですね。

2-2. キプロス危機によりビットコイン価格が急騰

2013年に起こったキプロス危機により、ビットコイン価格が急騰して、一時1BTC=266ドル(1BTC=約3万円)を付けた。キプロス危機とは、2013年にユーロ圏内の国であるキプロスで起こった金融危機のことである。前年の2012年に起こったギリシア危機の余波を受け、隣国で且つ住民の大変がギリシア系であるとともに、経済構造が観光に頼っているなどギリシアと似た状況にあったキプロスにおいて、銀行経営が立ちいかなくなる状況が生じました。その遠因として、タックスヘブン(租税回避地)としてロシアマネーをあつめており、マネーロンダリング(資金洗浄)疑惑もありました。

キプロスの金融危機の対策として欧州連合が支援の条件としたのが、全銀行預金への最大9.9%の課税を導入することでした。その結果、キプロス国民により、キプロス国内の銀行からの預金の引き上げがおこり、キプロスの銀行の現金が不足して、銀行での預金の引出制限や海外への送金制限がおこり、先進国で21世紀初の預金封鎖がおきました。先進国での預金封鎖を目の当たりにした世界中の投資家は、国家による法定通貨の脆弱性を意識して、デジタルマネーである仮想通貨ビットコインへのキャピタルフライがおこったと言われています。このキプロス危機以降、国家の存亡の危機がおこった時、例えばウクライナ問題やシリア内戦問題の時、ビットコインなどの政府のいない暗号通貨への需要が高まると言われています。

2-3. 中国政府による規制

2013年12月5日、中国政府の中央銀行である中国人民銀行が、中国国内の金融機関に対してビットコインの取扱を禁止する規制を発表した。中国人民銀行は、銀行などの公的な決済機関だけでなく、中国最大のビットコイン取引所であるBTC Chinaなどにも取引規制を指示したと言われている。結果、ビットコイン価格に大きく影響し、12月4日に1BTC=1,240ドルと史上最高値圏にいたものが、12月7日には1BTC=600ドルとに大暴落し、短期間に半値になる事態がおこった。

ディセントライズな無政府主義的なビットコイン思想は、中国共産党一党支配の中国政府にとって、その取扱いは非常に神経質になっていると考えられました。また、厳しい外貨規制を行っている中国人民銀行にとって、ビットコインを含む仮想通貨は抜け穴になるとともに、元に対する信任を否定する可能性を恐れていると言われています。

2-4. ニューヨーク州のビットコイン規制BitLicense発表

2015年6月に米国ニューヨーク州にて、ビットコインに関する事業を免許制とするBitLicenseが正式に発表された。ニューヨーク州金融サービス局が2014年1月から提案してきた、政府機関が初めてビットコインを技術として受け入れたうえで、取り締まるための法規制である。BitLicenseでは、ビットコイン取引所・販売所サービス、ウォレットを利用した送金・受金サービス、仮想通貨の発行・管理サービス等についてはライセンスの取得を義務付けている。政府による規制としては厳しくはないとの判断とともに消費者保護が進むとの思惑もあるが、世界中の国をまたぐビットコインに規制を入れること自体がこの時議論となった。

 

もっともはやくライセンスを取得した企業は、ゴールドマンサックスなどから資金調達をしているビットコインウォレットサービスのCircle社です。2017年現在でBitLicenseを取得できた会社として、仮想通貨取引所やウォレットサービスを手掛けるCoinbase社、仮想通貨XRP(通称:リップル)を発行するRipple社、Circle社の3社で、大手ビットコイン事業者である、Bitfinex社、Kraken社、Poloniex社、Genesis Mining社などはニューヨーク州からの撤退を宣言しライセンス取得をしていない。

 

2-5. EUでの付加価値税(消費税)非課税が決定

2015年10月22日、ビットコインをはじめとする仮想通貨にとって大きな決定がくだされた。欧州司法裁判所(ECJ)は、ビットコインの売買に係る付加価値税(VAT、日本では消費税にあたる)の適用除外の判決を下した。EUにおける最高意思決定機関である欧州司法裁判所(ECJ)がビットコインに付加価値税がかからない理由として、ビットコインは支払手段であるとの認識を認めた。

元々欧州中央銀行(ECB)はビットコインに対して付加価値税の課税要求を各国にしていたところ、ビットコインのフォーラム運営者のスウェーデン男性が、スウェーデンの司法に提訴して、スウェーデン最高裁判所により付加価値税の適用外である判決を勝ち取ったことが発端にある。その後、スウェーデン最高裁判所が欧州司法裁判所(ECJ)に対し付加価値税非課税をEU全域に広めるべきである意見書を出した。その結果、欧州司法裁判所(ECJ)が、ビットコインは有形固定資産ではなく、支払手段であるとの決定を下した。この動きは世界中に広がり、日本でも国税庁は当初、ビットコインを含む仮想通貨全般に対して、売買都度に消費税が掛る通達を出していたが、2017年4月の仮想通貨法の施行とともに、2017年7月1日からビットコインを支払手段と認めて、消費税の非課税取扱になった。

2-6. 改正資金決済(仮想通貨法)の成立

日本国内でのビットコイン取引所に関する法案である、改正資金決済法(仮想通貨法)が2016年5月に参議院本会議で可決され法案が成立しました。2009年にビットコインが誕生し、2011年にMt.Gox(マウント・ゴックス)が日本でビットコイン取引所を運営開始しているのにもかかわらず、いままで、ビットコインをはじめとする仮想通貨の法的位置づけがなく、グレーな状態が続いていました。

金融庁では、Mt.Gox破綻事件に代表されるような消費者保護の観点とともに、犯罪組織による犯罪収益のマネーロンダリング(資金洗浄)対策を早急にしなければならない状態でありました。しかし、一方で金融イノベーションの根幹であるビットコインをはじめとする仮想通貨・ブロックチェーンによる、Fintechイノベーションを規制により阻害することは、激化する金融市場での国際競争力の低下に陥るとの判断もあり、早急にビットコインをはじめとする仮想通貨に対しての定義付けを行うこととルールの整備をはかりました。

成立した仮想通貨法では、仮想通貨交換業を登録制として、仮想通貨交換事業者と位置付けております。仮想通貨交換事業者は、1,000万円を最低資本金とし、利用者保護と利用者への本人確認を必須としております。利用者保護では、利用者財産の分別管理の義務化とともに、分別管理状況の公認会計士または監査法人による外部監査を義務付けております。仮想通貨法は、2017年4月から施行され登録事業者の申請を受け付けております。2017年9月29日には、金融庁より、第一弾の仮想通貨事業者が発表され以下の会社が登録を完了しております。

  • 関東財務局001 株式会社マネーパートナーズ
  • 関東財務局002 QUOINE株式会社
  • 関東財務局003 株式会社bitFlyer
  • 関東財務局004 ビットバンク株式会社
  • 関東財務局005 SBIバーチャル・カレンシー株式会社
  • 関東財務局006 GMOコイン株式会社
  • 関東財務局007 ビットトレード株式会社
  • 関東財務局008 BTCボックス株式会社
  • 関東財務局009 株式会社ビットポイントジャパン
  • 近畿財務局001 株式会社フィスコ仮想通貨取引所
  • 近畿財務局002 テックビューロー株式会社

参照:金融庁 

2-7. 中国人民銀行の取引所閉鎖

2017年1月5日、ビットコイン価格が過去最高を記録したなか入ってきた情報として、中国人民銀行が中国国内のビットコイン取引所の経営者を呼び出したとの噂が市場を駆け巡った。その結果、2013年12月の中国政府による金融機関への規制を想起させ、ビットコイン価格は急落した。実際には、中国人民銀行上海本部と上海市金融局が、中国国内の大手仮想通貨取引所である、BTCC社、OKCoin社、Huobi社の3社を呼び出して、業務体制の整備とともに自己検査状況に対する指摘をしたと言われている。各取引所に中国人民銀行職員が数名単位で常駐してビットコインをはじめとする仮想通貨と元などの法定通貨の交換において、厳しい規制を行っていると言われた。

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中国では、外貨管理制度を導入しており、海外資金流出による人民元安を防ぐために、厳しい海外送金規制を行っている。2017年10月の5年に1度の中国共産党大会を前にして、海外資金流出における抜け穴となっているビットコインを含む仮想通貨取引を管理・監督下に置いたと考えられる。この政府介入を機に中国元建てのビットコイン取引が大幅に急減し、仮想通貨法が制定された日本のビットコイン取引所での日本円建てのビットコイン取引が市場を席巻する契機となる。

中国政府は、取引所規制に続いて、2017年9月には中国国内での仮想通貨発行による資金調達手段であるICO(イニシャル・コイン・オファリング=新規仮想通貨公開)を全面的に禁止することを決めた。中国当局は、ICOなどを違法な調達手段であるとして企業だけでなく個人売買でも禁止をおこなった。この結果、ビットコインを含めた仮想通貨全般で一時的に大幅に価格が急落した。また、中国に続いて韓国でも、ICO(イニシャル・コイン・オファリング)の全面禁止を決定している。また、中国当局の規制により、中国最古のビットコイン取引所であるBTCC社は2017年9月30日をもって全面的に取引を停止し取引所を閉鎖した。また、世界最大のマイニングプールを運営するViaBTCも同時期にビットコイン取引所を閉鎖して影響が広がっている。

3. ビットコインの黒歴史(ビットコイン事件簿)

ビットコインが、中央管理者がいないディセントライズな仕組みにより、公平性が強くコストが低いメリットがある反面、匿名性が強く盗難・悪用されやすいとともに、法定通貨との交換レートのボラティリティが高く投機的側面が強いデメリットがあげられる。そのため、2009年の誕生以来、数々の事件をおこしネガティブな印象を与えている側面もある。

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3-1. ビットコイン初期バグ

2010年8月にビットコインのプログラムの脆弱性を突いて、1,840億BTCが不正に偽造されました。当時のビットコイン価格1BTC=6円換算でも1兆円を超える仮想通貨偽造事件であり、ビットコインの歴史上、最大最悪のセキュリティ事件である。ただし、事件後すぐにビットコイン開発チームにより修正対応がなされた結果、偽造コインの影響は残っていません。ビットコインの決められた総発行量が2,100万BTCなので、1,840億BTCという途方もない偽造が行われたことになります。

3-2. シルクロード事件

2013年10月にビットコインの闇の部分を強烈に際立させる、闇サイトのシルクロード(Silk Road)を運営するロス・ウルブリヒトがFBI(米連邦捜査局)により逮捕される、シルクロード事件が起こります。シルクロードとは、Deep Web上のオークションサイトです。ただし、シルクロードで取り扱っている商品は、麻薬などの薬物や、拳銃、流出クレジットカード、殺人依頼などを取り扱っていました。そして唯一の取引手段として、ビットコインが決済手段として使われていました。

Deep Webとは、検索エンジンンのクローラを拒否することにより検索エンジンから辿ることのできない闇サイトのことを指します。実はシルクロードがビットコイン決済を始めたことにより、それまでのビットコインの価格形成に多大な影響を与えたと言われています。ウルブリヒトは2013年10月にサンフランシスコの図書館でFBI(米連邦捜査局)に逮捕され、闇サイトのシルクロードも閉鎖されました。FBIはウルブリヒト逮捕により、144,000BTCを押収したと言われております。

ウルブリヒトの所有していたビットコインとは別にシルクロードが管理していた約3万ビットコインについては、その後、オークションに掛けられて2014年6月に著名なベンチャーキャピタリストであるティム・ドレイパーが1,940万ドル(日本円にして約22億円)で落札している。ティム・ドレイパーが30,000BTCをそのまま保有しているとして、現在のビットコイン価格に換算すると、なんと600億円となる・・・。

参照:テッククランチ(2013年10月3日) 

3-3. Mt.Gox(マウント・ゴックス)事件

Mt.Goxは2009年にトレーディングカードの交換所として設立された。複雑な社名の由来は、Magic The Gahtering Online eXchangeの頭文字を略して、Mt.Gox(マウント・ゴックス)と付けられた。2010年にいち早くビットコイン取引所に事業を転換している。その後、2011年3月にマーク・カルプレスが運営するTibanne社に買収されて、日本を本社とする初めてのビットコイン取引所となる。

Mt.Goxはその後、急速に取引規模を拡大させて2013年4月には、世界のビットコイン取引の70%超の売買シェアを持つ世界最大のビットコイン取引所となっていく。元来トレーディングカードの交換所であることから、急速なビットコイン取引の拡大に社内の管理体制・セキュリティ体制が追いついていなかったとの指摘は従来からでていたが、それでも世界最大のリクイディティ(流動性)を持つMt.Goxへビットコイン取引は吸い寄せられた。

何度かのハッキング被害にあいながらも拡大を続けたが、2014年2月23日、マーク・カルプレスは突如として、ビットコイン財団の取締役辞任と、自身のTwitterアカウントの消去をおこない、翌24日Mt.Goxは全取引を中止して取引所を閉鎖した。閉鎖当時、マーク・カルプレスは記者会見で、85万BTC(当時の価値で約480億円)と現金約28億円がハッキング被害により消失したと発表している。

その後、2015年8月1日に警視庁はMt.Gox社長のマーク・カルプレスを、顧客口座を不正に操作した疑いで逮捕し、8月21日に顧客資産約3億2,100万円を着服した業務上横領容疑で再逮捕された。当時、大手新聞社は1面で事件を「ビットコイン社長逮捕」と報じて話題になった(ビットコイン自体に社長はいない)。2013年10月に顧客資産から3億2,000万円を無断で着服して外部に送金していた疑いがもたれている。マーク・カルプレスの裁判は現在も継続中である(2017年10月)。

閉鎖・倒産したMt.Goxの清算手続きでは、確定債権者への債権額が456億円にものぼった。当時のMt.Goxの破産管財人が発表した資産総額は、約20万BTCと現金10億円で、当時の評価で約120億円相当しかなかった。破産手続き開始から3年がたち、2017年7月にMt.Goxの債権者への返済がおこなわれたのだが、ビットコイン価格が大幅に上昇した結果、約600億円相当の配当が債権者へ返済されることとなった。Mt.Goxで損したと思われていた顧客は全員おまけつきで債権回収が行われるという倒産史上初のできごとがおきた。また、後述するBTC-eのビニックが2017年7月に逮捕された結果、Mt.Goxのマーク・カルプレスが主張していたハッキング被害についても、真犯人がいた可能性が広がり、マーク・カルプレスの裁判結果に注目が集まっている。

参照:ビットコインニュース(2014年10月14日) 

参照:エキサイトニュース(2017年7月12日) 

3-4. 大手ビットコインBitstamp・Bitfinex盗難事件

2015年1月にMt.Gox閉鎖後の世界4番目の規模をほこるビットコイン取引所Bitstampが、ハッキング被害にあい、19,000BTC、当時の価値で510万ドル(約5億円)のビットコインを不正に引き出される事件はおこった。また2016年8月にも、当時ビットコイン/ドルの最大取引所である香港のBitfinexが、ハッキング被害にあい、119,756BTC、当時の価値で6,350万ドル(約70億円)のビットコインが不正に引き出されている。

いずれもホットウォレットからビットコインを盗まれており、ビットコイン取引所のセキュリティ管理が大きな問題となった。両事件の直後には、ビットコイン価格が急落しており、大規模取引所がビットコイン価格へ短期的には大きな影響を及ぼしていることを証明することとなった。

参照:ビットコインニュース(2015年1月6日) 

参照:ビットコインニュース(2016年8月3日) 

3-5. BTC-eマネーロンダリング事件

2017年7月26日にブルガリアでビットコイン取引所BTC-eを運営するロシア人のアレクサンダー・ビニックがアメリカ検察当局にギリシア北部の村で逮捕された。ビニックは運営するビットコイン取引所BTC-e上で、詐欺や麻薬密売などの不法に得た犯罪利益をマネーロンダリング(資金洗浄)していた疑いがかかっている。ビットコイン取引所BTC-eで行っていたマネーロンダリング(資金洗浄)の総額は40億ドル(4,400億円以上)と言われている過去最大級のマネーロンダリング事件になる。

BTC-eとビニックは、Mt.Gox(マウントゴックス)が破たんしたハッキングにも関与していた可能性も指摘されている。BTC-eとビニックがMt.Gox事件の真犯人であるならば、逮捕されたMt.Gox社長マーク・カルプレスの主張が正しかった可能性もある。今回の事件の特色としてグローバルな犯罪であることが面白い。ブルガリアの取引所を運営するロシア人が、フランス人の運営する日本の取引所をハッキングして、ギリシアでアメリカの検察に逮捕されている。ビットコインが国境や国籍に関係なく世界中に拡大していることを示しているのかもしれない。

参照:日テレNEWS24(2017年7月30日)

3-6. ビットコイン取引所カード詐欺事件

2016年11月に、日本国内大手ビットコイン取引所であるコインチェックにて起きたビットコイン詐欺事件で、警視庁サイバー犯罪対策課により、30代の男性会社員3名が逮捕されました。大手新聞の社会面やテレビでも大々的に放映される事件となりました。手口は単純で、偽造クレジットカード(盗難クレジットカード)を使い、ビットコイン取引所でクレジットカード決済を使いビットコインを買い、クレジットカードの口座引落がされて偽造が発覚する前に、取引所のビットコインを自分のもつ複数のビットコインウォレットに送金して、その後、ほかのビットコイン取引所で現金化する方法です。

ビットコインの取引はブロックチェーンにより取引実態を追いかけることが可能なために、警視庁と取引所の協力のもとに犯行が発覚し犯人逮捕までにいたった事件です。2017年4月以降、ビットコイン取引所では口座開設時の本人確認が厳密に行われるようになったため、この手のマネーロンダリング(資金洗浄)を利用した詐欺事件は間違いなく発覚することとなります。

参照:産経ニュース(2016年11月3日) 

3-7. ビットコイン投資殺人事件

2017年8月に、新聞各紙に「ビットコイン殺人事件」の記事がのった。実際にはビットコイン投資に係るトラブルでの殺人事件です。2017年6月から行方不明になっていた名古屋市の50代女性が、8月に滋賀県で遺体が発見された。この事件で、岐阜県と滋賀県の二十歳前後の2名の男性が死体遺棄事件で逮捕された。

メディアでは「ビットコイン殺人事件」と大々的に告知され、ビットコイン取引を巡るトラブルで殺人は起きたと煽ったが、実際には、50代女性がビットコイン投資を名乗ったマルチ商法セミナーでのトラブルであった可能性が高い。急速に値上がりしているビットコインや仮想通貨を語り、資金流入のみを目的とするマルチ商法(詐欺)で投資勧誘をおこなっていたと思われる。古くは金や牛肉を、最近ではイラクの通貨をネタにマルチ商法詐欺を行っている集団が、近年ビットコインや仮想通貨を題材にしてセミナーを行っているケースが後を絶たない。

参照:産経WEST(2017年8月20日) 

4. 日本のビットコインの歴史

2011年03月 マーク・カルプレスが運営するTibanne社が世界最大のビットコイン取引所Mt.Goxを買収し、日本初のビットコイン取引所が開設。
2014年02月 世界最大のビットコイン取引所Mt.Goxがハッカーによりビットコイン盗難にあったと発表し、全取引を中止し取引所閉鎖に。
2014年04月 Mt.Gox閉鎖後に、日本初のビットコイン取引所etwings(現Zaif)が開設。
2014年04月 ビットコイン取引所BTCBOXがサービス開始。
2014年05月 ビットコイン販売所bitFlyerがサービス開始。
2014年06月 ビットコイン販売所bitbankがサービス開始。
2014年06月 シンガポール拠点のビットコイン取引所QUOINEがサービス開始。
2014年09月 ビットコイン決済を手掛けるcoincheckがサービス開始。
2014年10月 ユーロ建てで世界最大のビットコイン取引所Krakenが日本でサービス開始。
2015年08月 Mt.Goxの経営者マーク・カルプレスが警視庁に逮捕される。
2016年03月 DMM.comが日本の大手ECサイトとし初めてビットコイン決済を開始。
2016年03月 仮想通貨取引に関する改正資金決済法が国会に提出。
2016年05月 改正資金決済法(仮想通貨法)が国会で法案可決。
2017年04月 改正資金決済法(仮想通貨法)が施行。
2017年09月

金融庁が仮想通貨取引所として11社の登録を発表。(マネーパートナーズ、QUOINE、bitFlyer、ビットバンク、SBIバーチャルカレンシーズ、GMOコイン、ビットトレード、BTCボックス、ビットポイントジャパン、フィスコ仮想通貨取引所、テックビューロー)

5. ビットコイン年表と価格推移

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2008年10月 「サトシ・ナカモト」がビットコインに関するホワイトペーパーを発表。
2009年01月 ビットコインの最初のブロック誕生。
2009年10月 ビットコインに初めて価格がつけられる(1BTC=約0.08円)
2010年05月 ビットコインで初めて決済が行われる。ピザ2枚(25ドル)が10,000BTCで交換。
2010年07月 ビットコイン取引所Mt.Goxがサービス開始。
2010年08月 ビットコインの脆弱性により1,840億BTCが偽造される事件がおこる。
2010年09月 ビットコインで初めてマイニングが成功する。
2011年03月 Mt.Goxがマーク・カルプレスによって買収され日本初のビットコイン取引所誕生。
2012年05月 FBIのビットコインレポートが流出。
2012年11月 WordPressがビットコイン決済を開始。
2012年11月 ビットコイン・マイニングで最初の半減期が実施され50BTCが25BTCに。
2013年03月 キプロスの金融危機によりキプロス国内銀行で預金封鎖が発生しビットコイン価格が急騰。
2013年03月

ビットコインが引き出せる世界初のビットコインATMサービスが開始。

2013年10月 闇サイトのシルクロード運営者がFBIにより逮捕。
2013年12月 中国政府が銀行でのビットコイン取引を禁止。
2014年02月 世界最大のビットコイン取引所であるMt.Goxが取引中止になり閉鎖。
2014年04月 本初のビットコイン取引所etwings(現Zaif)が開設。
2014年04月 ビットコイン取引所BTCBOXがサービス開始。
2014年05月 ビットコイン販売所bitFlyerがサービス開始。
2014年06月 マイニングプールGhash.ioが51%攻撃リスクが高まる。
2014年06月 ビットコイン販売所bitbankがサービス開始。
2014年06月 シンガポール拠点のビットコイン取引所QUOINEがサービス開始。
2014年07月 米Dell.comでビットコイン決済が開始。
2014年09月 ビットコイン決済を手掛けるcoincheckがサービス開始。
2014年10月 ユーロ建てで世界最大のビットコイン取引所Krakenが日本でサービス開始。
2014年12月 マイクロソフトがビットコイン決済を開始。
2015年01月 大手ビットコイン取引所のBitstampがハッキングにより500万ドル盗難。
2015年06月 米ニューヨーク州が世界初のビットコイン規制BitLicenseを発表。
2015年08月 Mt.Gox経営者のマーク・カルプレスが逮捕される。
2015年10月 欧州司法裁判所(ECJ)がビットコインは付加価値税非課税を判決。
2016年03月 DMM.comが日本の大手ECサイトとし初めてビットコイン決済を開始。
2016年03月 仮想通貨取引に関する改正資金決済法が国会に提出。
2016年05月 改正資金決済法(仮想通貨法)が国会で法案可決。
2016年07月 ビットコインで2回目の半減期がおこなわれ25BTCから12.5BTCに。
2016年08月 香港の大手ビットコイン取引所Bitfinexがハッキングにより6,350万ドル盗難。
2016年11月 ビットコイン取引所カード詐欺事件。
2017年01月 中国人民銀行が中国のビットコイン取引所を規制。
2017年04月 改正資金決済法(仮想通貨法)が施行。
2017年07月 ブルガリアのビットコイン取引所BTC-e運営者がマネーロンダリングで逮捕。
2017年08月 ビットコイン投資殺人事件。
2017年09月 中国人民銀行と中国政府はICOを全面禁止に。
2017年09月 韓国政府がICOを全面禁止に。
2017年09月 金融庁が仮想通貨取引所として11社の登録を発表。

まとめ

世界で最も先進的な法規制が成立することによって、2017年初頭から日本人および日本の取引所がビットコイン取引でもメインプレイヤーになりつつあります。ただし、ビットコインの価格の値幅はいまだに大きく上がることも下がることもあり、世界中のカントリーイベントや犯罪イベントによって大きく動くこともあります。現在、700種類を超える仮想通貨があると言われていますが、その構造的に基になっているのが、ビットコインとブロックチェーンです。これから、仮想通貨投資を考えるうえで、ビットコインの歴史を学ぶことによって、ビットコイン価格を予測することが可能になるはずですので、正しくビットコインの生い立ちを理解することが重要と考えられます。