ビットコインに潜む様々なリスク

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ビットコインって管理者もいないし、価格も大きく変動するし、分裂したりして危険なイメージが強いですね。ビットコインで運用しようとしているヒトにとって、そのリスクがどこにあるのかを正確に把握することが重要です。ビットコインはこれまで、取引所がつぶれたり、盗まれたり、犯罪に使われたりしてきていますので、ビットコインの持つリスクについてまとめてみました.

1. ビットコイン相場変動のリスク

ビットコインのリスクの中で最も注意が必要なのはその価格変動リスクです。ビットコインは常時取引されているので、実は価格変動だけでなく、取引時間や流動性、レバレッジなど取引するうえでのリスクがまだまだ潜んでいます。

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1-1. 価格変動リスク

ビットコインを含めた仮想通貨全般は24時間365日中絶え間なく価格が変動します。1日に10%以上の値段がうごくこともあります。中国政府が規制を強化した結果、ビットコイン価格が大暴落したり、ビットコインの分裂の話を先取りして価格が下がり続けたりしたこともあります。ビットコインの将来性が疑われるとか、そのネットワークが破綻した場合には、ビットコイン価格がゼロになる可能性もあることを留意して運用しましょう。

1-2. 流動性(リクイディティ)リスク

ビットコインはまだドルや円の取引のFX取引(為替取引)と違って、その売買取引量が大きくはありません。特に個別の取引所においては、より流動性リスクがあり、少しの売り注文や買い注文で大きく値段を飛ばすこともありますので、取引所の売買取引量に着目して取引を始めましょう。

1-3. 取引時間のリスク

ビットコインは24時間365日、世界中の様々な取引所で売買されています。つまり、常に値段が変動していることになります。仮に日本時間夜中の就寝中にもビットコイン価格は動いています。仮に寝ている時に大暴落したりするリスクは常時あります。また、ビットコインのプログラムはアメリカで決められることが多く、ネットワーク自体は中国のマイニングファームが握っていますので、最新の情報更新が日本時間中心ではないので一層の注意が必要です。

1-4. レバレッジリスク

ビットコイン取引には、信用取引や先物取引、FX取引など、証拠金を利用したレバレッジ取引が行われている取引所があります。レバレッジ取引では、リターンも大きくなりますが、そのリスクも同じ乗数だけ大きくなります。例えば10倍のレバレッジ取引をした場合、価格が10%下がるだけで全証拠金なくなります。取引所によっては、自動決済される場合がほとんどですが、証拠金が足りなくなって追加証拠金(追証)を求められる場合もありますので、レバレッジリスクには注意が必要です。

 

2. ビットコインの盗難リスク

ビットコインはデジタルな存在ですので、紙幣や硬貨のように目に見えて管理することができません。通常はウォレットと呼ばれるデジタルなお財布で管理することになります。ビットコイン取引所で売買するときには、取引所のウォレットで管理され、引き出して自分で管理する場合は自分のウォレットで管理することになります。その時、取引所であっても自己管理であっても、ビットコインが紛失・盗難にあるリスクがあることを認識してください。

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2-1. 取引所のリスク

2-1-1. ハッキング・リスク

ビットコイン取引所での一番のリスクは、取引所自体がハッキングされてビットコインを含めた資産が盗まれてしまうリスクです。実際に、2014年に破綻した当時世界最大のビットコイン取引所だったMt.Gox(マウント・ゴックス)もハッキングによるビットコインの盗難が破綻の原因だったといわれています。2016年には香港の大手ビットコイン取引所のBitfinex(ビットフィネックス)もハッキングにあい7,200万ドル(約80億円)ものビットコインを盗まれています。

日本ではビットコイン取引所が金融庁による仮想通貨交換業者登録が必要となり、登録事業者は顧客資産の分別管理を求められていますので、取引所がハッキング被害にあっても、あなたのビットコインは保護されることになりますが、取引所自体が破綻する原因になりますので、ハッキングにあうような取引所は避けたほうがいいでしょう。

2-1-2. システム障害リスク

取引所のシステム障害が起きたときのリスクは考慮しておかなければなりません。20175月に日本の大手ビットコイン取引所のコインチェックで、システム的に異常事態がおきました。当時18万前後だったビットコイン価格が急騰して100万円まで上昇する事件がありました。実際にはシステムトラブルでの価格上昇だったのですが、取引所を利用していたお客さんは喜んでビットコインを売って利益をあげました。しかし、コインチェックは、システム障害であることを告知して取引を障害前の状態まで戻すロールバックという対応をしました。高値でビットコインを売ったお客は、なかったことになって元の値段に戻されてしまいました。取引所とお客の間で揉めることになりました。取引所のシステムが脆弱だとそこで取引するのは大きなリスクとなってきます。

2-1-3. 取引所詐欺のリスク

2017年10月に仮想通貨XRP(通称:リップル)の取引において、詐欺容疑で浜松のリップルトレードジャパンの代表者が逮捕されました。リップルトレードジャパンはお客から現金を預かり、XRPを購入するとだまして、実際には自分で現金を受け取っていた疑いがもたれています。ビットコイン取引所においても、現金を振り込んでそのまま詐欺行為をおこなう事業者も存在しますので、取引する取引所は金融庁の登録事業者を選択することをお勧めいたします。ビットコイン取引所詐欺だけじゃなく、ビットコインの値上がり益をうたうハイプ(ハイパー・イールド・インベストメント・プログラム)とか、ICO(イニシャル・コイン・オファーリング)詐欺などにも注意してください。

2-1-4. 取引所の破綻リスク

2014年にハッキングにあい破綻した当時世界最大のビットコイン取引所だったMt.Gox(マウント・ゴックス)のように、取引所そのものが破綻する可能性は少なからずあります。銀行が破綻しても、預けた預貯金は預金保険機構によって1,000万円まで補償されますが、ビットコイン取引所が破綻した場合は、預けているビットコインや現金は保全されるわけではありません。資金決済法の改正によって、ビットコイン取引所が登録制になり顧客資産が分別管理されることとなっていますが、実際に取引所が破綻した場合には顧客資産が必ずしも守られているわけではないことをリスクとして認識しておきましょう。破綻の原因には、資金不足とハッキングによる資金流出と計画的な破綻(詐欺)などがありますので注意しましょう。

2-2. 自己管理の場合の盗難リスク

 

2-2-1. プライベートキーの紛失

ビットコインのウォレットはパブリックキーとプライベートキーによって管理されています。パブリックキーはIDのようなもので、プライベートキーは暗証番号のようなものと言えます。つまり、プライベートキーを紛失してしまうと、2度と自分のビットコインを取り出すこともできなくなってしまいます。また、プライベートキーを盗難してしまうと、自分のビットコインを盗まれてしまうリスクが高くなります。ビットコインのプライベートキーはビットコインそのものと言っていいほど大切なものですので、その管理が最大のリスクとなります。

2-2-2. パスワード紛失

ビットコインのウォレットには、その管理にパスワードを用いるものが多くあります。当然パスワードを紛失すると、ビットコインを取り出すことができなくなるリスクはありますので、その管理方法には気を付けなければなりません。

2-2-3. ペーパーウォレットやハードウォレットの紛失・盗難

ペーパーウォレットやハードウェアウォレットでビットコインを管理する場合、前述のプライベートキーやパスワードだけでなく、現物ウォレットの管理にも気を付けなければいけません。特に、小さなハードウェアウォレットに理論上幾らでも管理することができるので、ハードウェアごと盗難・紛失すると大変なことになりますので、現物のリスク管理に十分注意してください。

 

3. ビットコインの構造上のリスク

ビットコインは分散型ネットワークの上で運営されており、法定通貨のように中央集権的な管理組織が存在しておりません。中央集権組織が存在していないために、その利用コストが安いであるとか、ヒトによる問題(誤謬・詐欺・政策の失敗・盗難など)が起きない反面、いくつかの構造上のリスクを抱えています。ビットコインの根幹にかかわるリスクですので、必ず認識しておいたほうがいいでしょう。

 

3-1. 51%攻撃のリスク

ビットコインの分散型ネットワークは暗号技術と合意形成アルゴリズムによって二重支払リスクを防いでいるのですが、悪意のあるグループによって、ネットワーク全体のハッシュレート(採掘速度)の51%(正確には50%以上)を支配されると、二重支払が可能となってしまいます。悪意のあるグループによって、不正取引が「正」と書き換えられてしまうリスクがあります。2013年にはGhash.ioマイニングプールによりハッシュレート(採掘速度)が50%を超えそうになり、ビットコインの価格も大暴落しました。現在ではビットコインのネットワークが拡大して現実的に51%のハッシュレート(採掘速度)をとることが現実的でなくなってきていますが、ビットコイン以外の取引量の少ないほかの仮想通貨では同様のリスクにさせされる可能性はあります。そのため、51%攻撃のリスクをなくすために、生み出されたマイニング方法が、プルーフ・オブ・ステイク(POS)「保有による証明」やプルーフ・オブ・インポータンス(POI)「重要性による証明」です。

3-2. ハードフォークのリスク

ハードフォークとは、あらかじめ決められていたビットコインのルールを新ルールに変更・適用することで、旧ルールの互換性がなくなってしまうことです。ビットコインはブロックチェーンと呼ばれるブロックを連ねる形で形成していますが、ハードフォーク後には、それまでのブロックにも書き換え(アップデート)をしなければ旧仕様のまま取り残されてしまいます。ビットコインには、中央集権的な責任当事者が存在しないので、関係者(特にマイナー)の間で意見対立が起こった場合、その都度ハードフォークを繰り返すリスクがあります。ハードフォークの結果、新仕様と旧仕様と2つのコインが生まれることもありえますので、逆に価値が上がるケースもあり、一概に価格が下がるとはいえませんが、ネットワーク的には大きなリスクと考えられます。

4. ビットコインが主役でなくなるリスク

「ビットコインは最初の仮想通貨・暗号通貨であるが、最後の仮想通貨・暗号通貨かはまだわからない」と、MITメディアラボ所長の伊藤穣一氏は講演しています。ビットコインによって生まれたブロックチェーン技術を使った新たな仮想通貨・暗号通貨の進化によって、ビットコインの存在が脅かされる可能性があります。ビットコインより優秀でユースケースの多い仮想通貨が普及するとビットコインの価値が暴落するリスクがあります。

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4-1. 仮想通貨間競争

現在、仮想通貨の王様であるビットコインは最も時価総額も大きく、取引量も多く、そのユースケース(使用できる場所や機会)も仮想通貨の中では圧倒的です。しかし、最初の仮想通貨であるビットコインに比べてあとから発明された仮想通貨の中には、ビットコインより優れた特性を持つものもあります。例えば、イーサリアムはスマートコントラクトに優れており、ICO(イニシャル・コイン・オファーリング)では既にビットコインよりも使われています。今後、ビットコインが仮想通貨の主役から交代する場面が出てきたときには、ビットコイン保有のリスクが顕在化すると言えます。

4-2. 仮想通貨の地盤沈下リスク

現在、ビットコインをはじめとする仮想通貨業界自体が大変盛り上がっていますが、電子的に決済を行うことができる仕様として、電子マネーなどのデジタルキャッシュや、アリペイやウィチャットペイのようなモバイル決済などの決済手段もあります。ビットコインはブロックチェーンを活用した価値の移動を非中央集権的に可能とするイノベーションではありますが、今後、電子マネーのように中央集権型でコスト競争力があるデジタル通貨が出てくるなどの可能性もあり、その時には仮想通貨ビットコインの存在意義がなくなるリスクに発展するかもしれません。

 

5. 法律・税制などの制度リスク

ビットコインは分散型ネットワークによる非中央集権的な仮想通貨です。当然、国には法律があり法定通貨はその範囲の中で運用されています。ビットコインを使う人間は国の法律によって縛られていますので、当然ビットコインを法律の範囲に抑えようとする動きが世界中でおきています。

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5-1. 法律改正リスク

日本では20174月に資金決済法が改正されて仮想通貨法(通称)が成立・施行されました。そのため仮想通貨の定義がなされ、仮想通貨取引事業者が金融庁への登録制となっています。今後、仮想通貨を規制する法整備がおこなわれる可能性はゼロではありません。中国では仮想通貨取引所の売買が停止され、韓国でもICO(イニシャル・コイン・オファーリング)が禁止されるなど、行政による規制リスクは絶えず存在しています。

5-2. 税務リスク

ビットコインの売買にともなう所得税も大きなリスクになります。現在ではビットコインの売買で得た利益に関しては、雑所得として扱われ、総合課税として他の所得と合算して5%~最大45%の所得税がかかることになっています。同じような取引であるFX取引では、申告分離課税での雑所得と決められていて、譲渡利益の20.315%の分離課税となっています。当然、ビットコインの売買で利益を得たヒトは確定申告が必要となり、申告しない場合、追徴課税や重加算税がかかるばかりか、最悪の場合、所得税法違反で逮捕・送検される可能性もありますので、税務リスクには十分注意してビットコイン取引をするべきです。

 

まとめ

ビットコイン投資をして金融資産を運用する場合には、価格変動リスクに目が行きがちですが、仮想通貨ビットコインには様々なリスクが存在しますので、そのリスクを認識して、とれる範囲のリスクを取ることによって、大きなリターンを目指してください。