
ビットコインは安全なのか。ビットコインを購入する前に知っておきたい重要な情報ですよね。
ここで大切なのは、何が安全で何が危険なのかを、区別して知ることです。
本記事では、ビットコインの仕組みは安全であること、セキュリティや価格の乱高下には注意しなければならないことなどを、1つずつ確認します。
目次
1. ビットコインは安全?
ビットコインが安全か否かの答えは、次のような表現になります。
「ビットコインの仕組みは安全性が高い」
これは、ビットコインシステムと、ビットコインの管理面を切り離して考えるべきだということです。
改ざん不能なブロックチェーンで記録を管理する
ビットコインの仕組み自体は、安全性が高いと言えます。それは、ブロックチェーンと呼ばれる電子台帳上に取引データが記録されるからです。
ブロックチェーンには、いつ・誰が・誰にビットコインを送ったのか、ビットコインが誕生した時からのすべてのデータが記録されています。そして一度ブロックチェーンに記録されたデータは、不正アクセスや改ざんが極めて難しく、現実的には不可能と言われています。
ブロックチェーンはいつでもだれでもチェックできる
ビットコインの送受信は、荷物の配送状況のように、リアルタイムで追跡が可能です。全ての記録をみんながチェックできるという仕組みが、公平性や安全性を担保しています。
2. ビットコイン取引に潜む危険
ビットコイン取引の危険性は、ビットコインの仕組みよりも、管理体制(セキュリティ)や、コイン価格の乱高下にあります。
2-1. ハッキング(クラッキング)の危険
ビットコイン取引で最も騒がれるのが、ハッキング(クラッキング)被害です。それは、取引所や個人のウォレットの双方に当てはまります。
取引所へのハッキング
2018年のコインチェックをはじめ、取引所へのハッキング被害はニュースでも大きく取り上げられました。主な原因は、取引所が管理するウォレットによるものです。
本来、ビットコインなど暗号資産(仮想通貨)はインターネットと切り離された「コールドウォレット」で管理するほうが安全です。ハッカー(クラッカー)は、インターネットでアクセスできるホットウォレットから暗号資産を盗むからです。
しかし、ハッキング被害が多く報告されていた頃、ウォレットはインターネットに接続されたホットウォレットで管理されていました。コールドウォレットでは、取引をする度にウォレットをインターネットに接続するという、手間と時間がかかってしまうためです。
そのためハッカーの標的となり、多額の暗号資産が流出することとなりました。
事件を受けて、国内取引所では日常的なユーザーの取引や送金に使用する以外の暗号資産はコールドウォレットで保管するように対策が進んでいます。
ユーザーのウォレットへのハッキング
ユーザーがビットコインを管理するウォレットにもハッキング被害があります。これも取引所のウォレット管理と同じ理由です。
インターネットに接続されているホットウォレットは、誰でも触れるATMをイメージすれば分かりやすいでしょう。
自身のビットコインを守るには、取引所が行うのと同じように、ハッカーの手の届かないコールドウォレットに保管する方が安全なのです。
取引発生時のハッキング
取引発生時のハッキングとは、ビットコインの購入や売却、送受信時に発生する取引(トランザクション)へのハッキングです。
トランザクションが発生した時、そのデータはまだブロックチェーンに記録される前段階となります。改ざんや不正アクセスができなくなるのは、ブロックチェーンに記録された後なので、トランザクション発生時は改ざんが可能なのです。
万が一、改ざんされたトランザクションがブロックチェーンに書き込まれた場合には、データの巻き戻し(ロールバック)によって、正しいデータに戻される対処が行われることもあります。
▶51%攻撃を受けるとどうなる? 仕組み・実例・攻撃対策
2-2. 投資対象としての危険
ビットコインには、投資対象としても大きな危険性があります。それは、価格の変動が激しいという点です。
1日で10%以上の値動きも
ビットコインは、価格の乱高下が激しいことも特徴の一つです。1日で10%以上価格が動くこともあるため、大きな利益につながることもありますが、無計画な取引を行えば大きな損失になる可能性もあります。
例えば、ビットコインを大量に持っている人が一気に売り出せば、一瞬で価格は下落してしまうのです。そのタイミングを、正確に予測することは誰にもできません。
世界情勢に左右される
ビットコインは、法定通貨(円やドル)の逃げ道としても利用されます。
世界で有事(戦争や天変地異)が起こった場合、法定通貨の信用が下がる懸念が広がり、資産をビットコインへ移動させる傾向があるのです。
有事の際にはビットコインが買われ、法定通貨が安全と思われればビットコインが売られます。ビットコイン市場では、世界情勢に伴った価格の乱高下が起こり得るのです。
2-3. 詐欺が横行している
ビットコインへの投資は儲かるという期待を持つ人もいますが、そこに目をつけた詐欺が問題になっています。
ビットコインを購入させて、詐欺師のウォレットに入金させたり、セミナーなどで「トークン」と呼ばれるオルトコイン(アルトコイン)を購入させたりする手口を使います。
架空の事業を発表し投資家からビットコインを集めるなど、以前からあった投資詐欺の手口と同じものも多く報告されています。どのような詐欺の手口があるのかを知ることで未然に防ぐ必要があるのです。
3. おすすめ取引所
ここからは、セキュリティの観点を踏まえて初心者が利用しやすい取引所を紹介します。ビットコインを安全に取引するには、万が一の時に個人でも対処がしやすく、サポートも信頼できる取引所を選びましょう。
世界9位の高評価「bitFlyer」
bitFlyerは日本国内の取引所で、データ・ランキングサイト「クリプトコンペア」の取引所ランキングでは、世界で第9位にランクインしています。(参考:クリプトコンペア(CryptoCompare))
サービス開始以降で大きな流出事故も発生していません。
bitFlyerのアプリ
また、スマホアプリは直感的で使いやすいことも特徴です。iOSのApp Storeでは、スコア4.2と高評価を得ています。
事故を経て大手金融傘下へ「coincheck」
Coincheckは、以前NEMのハッキング被害により、大きな事件となりました。その後マネックスグループ傘下となり体制を強化。被害についても被害を補償するなどの対応を行っています。
また、2019年11月12日に、XLM(ステラルーメン)の取引を開始するなど、BTC以外のコイン(オルトコイン)の種類が豊富なことでも人気の取引所です。
Coincheckのアプリ
CoincheckのアプリもbitFlyer同様、初心者にも使いやすいという声が多く、AppStoreのレビューも4.2の高評価。web版と若干機能が違いますが、手軽に使いたい人にはおすすめです。
▶【初心者】コインチェックアプリの使い方ガイド|便利機能も解説
GMOグループ傘下「GMOコイン」
GMOコインは管理体制の不備による行政処分を受けましたが、取引所の管理体制の見直しが完了し、2019年2月に行政処分解除が解除されました。
運営会社「GMO株式会社」が一員でもあるGMOインターネットは、「GMOクリック証券」などインターネットや金融事業も擁しています。証券取引やFXのノウハウがあり、金融取引に対する信頼性とセキュリティに対する安全性は高いと言えるのではないでしょうか。
GMOコインのアプリ
GMOコインのアプリは「GMOコインウォレット」とFX専用の「ビットレ君」の2つがリリースされています。通常の取引では「GMOコインウォレット」を利用します。
▶GMOコイン2つのアプリの使い方|違いや買い方をキャプチャで解説
行政処分ゼロ「DMM Bitcoin」
DMM Bitcoinは開設以来、行政処分を一度も受けたことがありません。国内のほとんどの取引所がなんらかの処分を受けている中で、安定した運営を行っているといえるでしょう。
筆者は以前、DMMグループに勤めた経験があるのですが、動画配信や英会話など、広い分野に渡る事業を展開する一方、DMM FXやDMM.com証券を含めた金融事業には特に慎重な企業でもあるのです。
暗号資産事業もまた、ユーザー管理やセキュリティ管理に対する高い意識が、行政処分を受けない理由だと言えるでしょう。
世界第4位の評価「Liquid」
Liquidは、クリプトコンペアでbitFlyerよりも上位にランキングされており、4位に位置する取引所です。(参考:クリプトコンペア(CryptoCompare))
評価が高い取引所ですが、初めて投資をする人には操作方法が若干わかりにくい印象があります。
しかし分析ツールが豊富で、日本円以外にドルやユーロでも取引が可能なので、取引に慣れてチャート分析なども行いたい場合には、非常に便利な取引所だと言えます。
4. 安全性の高いウォレットで守る
ビットコインを安全に所有するためには、ウォレットでの管理が必要不可欠です。取引所に預けておくコインは、必要最小限にとどめておきましょう。
4-1. 始めやすいモバイルウォレット
ウォレットを利用するならば、モバイルウォレットが便利です。常にインターネットに接続されているホットウォレットなのでハッキングのリスクはありますが、取引所に預けっぱなしにするよりは狙われにくくなります。
BRD
BRDは、モバイルウォレットの中でも非常にシンプルで、操作しやすいのが特徴です。個人情報の登録不要、かつ無料で利用できるため、手軽に使い始めることができるのも魅力のひとつ。初心者が利用するウォレットとして、使いやすいウォレットです。
またバックアップフレーズがあるので、スマホが故障したり機種変更したりしたときにも復元できます。
BRDウォレットの作り方は以下の記事で解説しています。
Ginco
Gincoもまた、操作のしやすいモバイルウォレットです。運営元が日本法人なので、万が一トラブルが発生しても、日本語でサポートを受けられるのは大きな強みだと言えます。
BRD同様、スマホの破損や紛失時もバックアップキーを使って復元が可能です。
以下の記事ではBRDやGincoのほかにもモバイルウォレットを紹介しています。
4-2. より安全性の高いハードウェアウォレット
モバイルウォレットよりも安全なのが、ハードウェアウォレットです。オフラインでビットコインを管理するので、ハッキングリスクが低く、長期保管や大量保管に向いています。
専用端末を購入する必要がありますが、安全性を重視したい人はぜひ使ってみましょう。
Ledger Nano S
Ledger Nano S(レジャー・ナノ・エス)は、Ledger社が提供するハードウェアウォレットです。
ビットコイン以外にも、リップル(XRP)やその他の豊富なオルトコインに対応しています。形状はUSBメモリに近く、持ち運びにも便利ですし、万が一なくした時は、復元方法も用意されていますので安心して利用できます。
Ledger Nano Sは、Amazonなどでも中古が販売されていますが、必ず正規店、あるいは正規代理店で購入してください。中古品は本体にウィルスが仕込まれていたり、リカバリーフレーズが取得されていたりする危険があります。
TREZOR
TREZORも、オフラインで安全管理ができるハードウェアウォレットです。
基本的にはLedger Nano Sと同じですが、XRPに対応していない機種もありますので注意が必要です。XRPやADAも保管したい場合は、「TREZOR Model T」を選択してください。
TREZORについても、必ず正規販売店で購入しましょう。中古品は本体にウィルスが仕込まれていたり、リカバリーフレーズが取得されていたりする危険があります。
以下の記事では、Ledger nanoSやTREZORのほかにもハードウェアウォレットを紹介しています。
まとめ
ビットコインの安全性は、仕組みや管理方法、価格の乱高下など、どの部分に着目するかによって変わります。
ビットコインの仕組みは安全性が高いと言えますし、管理方法はそれぞれのセキュリティ意識に左右されます。また、価格の乱高下については、世界情勢も意識する必要があるのです。
ビットコインが安全か否かは、各要素を区別して判断し、最も安全な手段とツールで取引を開始しましょう。
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