
BitMEXでは日本時間2020年4月30日23:00をもって、日本国内居住者の新規口座開設が停止されました。
(参照)BitMEX
レバレッジ倍率最大100倍の仮想通貨FXができる取引所BitMEXは、取引板を使った取引所形式での注文方法を提供しています。
BitMEXは国内取引所と比べ複雑な注文方法が多く使いづらいと感じている人も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事ではBitMEXの注文方法について詳しく解説していきます。
▶ビットコイン・仮想通貨のFXとは? おさらいするならこの記事
目次
1. BitMEXの注文画面
まずはBitMEXの注文画面に何があるのか理解していきましょう。
①発注画面
発注画面から自分が取引したい金額を入力して注文を出します。BitMEXで取引する場合には、一番多く使うところでしょう。
②レバレッジ倍率変更画面
レバレッジ倍率変更画面から、自分の注文に対するレバレッジ倍率を変更することができます。BitMEXではレバレッジを1倍から100倍まで設定して取引することができます。
③取引商品の選択
BitMEXでは8種類の仮想通貨から取引するものを選ぶことができます。
- ビットコイン(BTC)
- カルダノ(ADA)
- ビットコインキャッシュ(BCH)
- EOSトークン(EOS)
- イーサリアム(ETH)
- ライトコイン(LTC)
- トロン(TRX)
- リップル(XRP)
このうち、ビットコインとイーサリアムだけは無期限(Perpetual)契約で取引することができます。
無期限契約とは、満期や決済期日がなく証拠金をベースに取引を行うことのできるいわゆるFXのこと。
こちらの記事では無期限契約についての解説をします。
④ オーダーブック(売り)
赤色で表示されているオーダーブックは、BitMEXのビットコイン(無期限契約)内での売り注文を表示させたものです。
⑤ オーダーブック(買い)
緑色で表示されているオーダーブックは、BitMEXのビットコイン(無期限契約)内での買い注文を表示させたものです。
⑥ チャート
BitMEXでのチャートを表示させたものです。
上部にあるタブには、時間軸を変更したり、インジケーターという取引を行う際に役立つツールを表示させたりすることができるボタンがあります。
⑦ デプスチャート
デプスチャートとは、BitMEX内での買い注文と売り注文の数量を視覚的に表示しているチャートのこと。数量の多い注文のほうが表示される範囲が大きくなります。
⑧ 最近の取引
最近の取引では、直近にBitMEXで行われた取引を表示しています。
全体的に見て緑色の注文が多ければ買い注文が、赤色の注文が多ければ売り注文がBitMEXで多く成立していることになります。
⑨ ポジション画面
ポジション画面では、現在自分が持っているポジションや出している注文、約定された注文を見ることができます。
ポジション画面にある「ポジションを決済」ボタンを使えば、決済を簡素化できるのでとても便利です。

仮想通貨のFXにおけるポジションとは、新規注文を出して決済注文が約定するまでの注文を保持している状態の事です。ポジションを持つことから決済することまでが1つの取引の流れです。
2. BitMEXの基本的な注文方法
それではBitMEXの基本的な注文方法を解説します。
2-1. 指値注文(メイカー注文)
指値注文とは、自分で取引したい数量とレートを指定する注文方法のことです。取引を成立させるよりも自分が取引したい価格を優先させたいときに選択する注文方法です。
取引板の注文とマッチングすれば約定します。
指値注文の手数料は?
BitMEXでビットコインの指値注文を出した場合、取引が成立するたびに-0.025%の手数料が発生します。
2-2. 成行注文(テイカー注文)
成行注文とは、数量を指定すると取引板に並ぶ注文から自動でレートを拾い約定される注文のことです。
レートを指定することなく注文をすることができます。
指値注文よりも約定するスピードが速く、すぐに取引を成立させたいときに利用します。
成行注文の手数料は?
BitMEXでビットコインの成行注文を出した場合、取引が成立するたびに0.075%の手数料を支払います。
2-3. ストップ成行注文
ストップ成行注文とは、現在の注文に対して相場が不利な状況の時に、成行注文で約定させることができる注文方法。トリガ価格を下回るとすぐに執行され約定するので、いわゆる損切りするための注文方法として使われています。
自分が出した注文と同時に損切りしたい価格へストップ成行注文を入れることで万が一相場が急転した際に損切を行うことができます。
ストップ成行注文は新規注文も出すことができます。
例えば価格が上昇するトレンドに乗って市場に参入したい場合、あらかじめ予約を入れておくことができます。
ストップ成行注文の手数料は?
BitMEXでビットコインのストップ成行注文を出した場合、成立するたびに0.075%の手数料を支払います。
3. BitMEXの応用的な注文方法
うまく利用することで有利な取引を行うことができる応用的な注文方法は、ストップ成行のあるタブ(▼)からそれぞれ選ぶことができます。
3-1. ストップ指値注文
ストップ指値注文は、自分の想定していたラインに価格が到達したら市場に参入しようと考えているときに、あらかじめ注文を出すことができる注文方法です。トレンドの転換を意識して注文を出す場合に有効でしょう。
損切には不向き
「ストップ成行」と混同されがちですが、損切りには向いていません。
急激な価格変動が起こった場合、ストップ指値注文だと、注文を出すことができても約定しない可能性があるためです。損切りとして使うなら、例え手数料が高くてもすぐに約定する「ストップ成行注文」を利用するべきでしょう。
「Post only」は外しておこう
ストップ指値で注文を出し、トリガが発動した際に「post only」にチェックが入っていなければ「成行(テイカー)」扱いで決済されます。「post only」にチェックが入っていた場合は成行にもならずキャンセル扱いになります。
どちらに転んでも想定外の手数料がかかるか、損切できず思わぬ含み損を抱えてしまうため損切には不向きなのです。
Post Onlyとは、注文を出したとき指値注文(メイカー注文)のみ注文が出される機能です。成行注文(テイカー注文)になっていた場合注文は自動的にキャンセルされます。手数料を節約する機能と言えるでしょう。
ストップ指値注文の手数料は?
BitMEXでビットコインのストップ指値注文を出した場合、成立するたびに-0.025%の手数料が発生します。
3-2. トレイリングストップ注文
トレイリングストップ注文とは、価格の変動に合わせ利確または損切ラインが自動的に推移する注文方法です。
常にチャートを確認できない人にとっては重宝する注文方法です。
ポイントはレートではなく値幅
指定した値幅より価格が下落した場合は約定し、価格が上がった場合は値幅もそのまま上昇します。もしも価格が上昇した後下落したときは、最初に指定した値幅のラインで注文が約定します。
トレイリングストップ注文の手数料は?
BitMEXでトレイリングストップ注文をした場合、成立するたびに0.075%の手数料を支払います。
3-3. 利食い(成行)
利食い(成行)とは、利確するラインを成行注文で設定しておく注文方法のことです。トリガ価格を設定することで、トリガ価格が現在価格を上回った時に成行注文を出します。成行注文なのですぐに約定することから、確実に利益を確定させることができます。
注意事項として、新規の注文で利食い(成行)注文を出す場合は、「トリガ時に決済」のチェックを必ず外しておいてください。
チェックを外しておかなければトリガが発動した時に注文がキャンセルされます。
注文自体は出せてしまうのでしっかりと確認しておかなければ予期しない損失を被ってしまうこともあるかもしれません。
3-4. 利食い(指値)
利食い(指値)とは、決済するラインを指値注文で設定しておく注文方法のこと。自分の注文に利益が出ている際や新規注文でも有効です。
こちらも「利食い(成行)」と同様「トリガ時に決済」のチェックを外すことを忘れないでくださいね。
4. BitMEXの注文キャンセル方法
BitMEXで注文した取引をキャンセルさせるにはポジション画面で行うことができます。以下がBitMEXで注文をキャンセルする手順です。
- ポジション画面にある「アクティブな注文」タブをクリックします
- 注文一覧にあるキャンセルしたい注文を選択し、右端に表示される「キャンセル」ボタンをクリックします
- 注文がキャンセルされます
5. BitMEXで注文を出す際にできるオプション設定について
この章ではBitMEXでの注文で利用できるオプション設定について解説していきます。
高度なオプションもあるので取引に慣れてから利用してみるのもよいでしょう。
5-1. 指値注文の際に利用できるオプション
指値注文の際に利用できるオプションは、
- Post-Only
- 非表示(アイスバーグ注文)
- 減少限定
の3種類です。
これらのオプションを利用するには指値注文を選択し、発注画面の下部にあるチェックボックスにチェックを入れましょう。
Post-Only
Post-Onlyにチェックを入れると指値注文しかできず、成行注文はキャンセルされるようになります。
成行注文の際発生するテイカー手数料を払いたくない場合は利用すると良いでしょう。
非表示・アイスバーグ注文
非表示注文とは
非表示にチェックを入れることで、自分の注文をオーダーブックに載せないようにすることができます。自分の注文を非表示にすることで、マーケットに大きな影響を与えることもなく隠密に取引できます。
指値・ストップ指値・利食い指値注文時に使用可能です。
アイスバーグ注文とは
アイスバーグ注文とは大量の注文を小分けにして注文を出すオプションのこと。
非表示のチェックボックスにチェックを入れ非表示のところの数量を入力することで、その数量分が非表示注文になります。
減少限定
指値注文には「減少設定」というチェックボックスがあります。
減少限定にチェックに入れることで、決済注文を出すとき保有ポジション以上の指値注文はキャンセルされます。
反対にチェックを外すと、保有ポジション以上の注文を出すと反対注文を指値で出せます。今保有しているポジションを整理するために利用するオプションです。
5-2. ストップ注文の際に利用できるオプション
ストップ注文の際に利用できるオプションは、
- トリガ(直近・インデックス・マーク価格)の基準価格を選択
- トリガ時に決済
- 注文の有効期限を設定(ストップ指値注文のみ)
の3種類です。
これらのオプションはストップ注文(ストップ指値成行・トレイリングストップ・利食い(指値・成行))を選択することで利用できます。
トリガ(直近・インデックス・マーク価格)
BitMEXでの基準となるトリガ価格を選択することができます。いずれの基準を選択することでトリガ価格に基づいた注文が執行されるようになります。
トリガ基準価格 |
構成 |
直近価格 |
BitMEXでの現在の取引価格 |
インデックス価格 |
BitstampとGDAXの取引価格を参照した価格 |
マーク価格 |
インデックス価格とファウンディング手数料を用いて算出された価格 |
トリガ時に決済
トリガ時に決済にチェックが入っている場合、決済注文において保有しているポジションを減らすだけの注文が出されるようになります。
自分の保有しているポジションに対してそれ以上の注文を出した場合、保有ポジション以上の注文はキャンセルされます。
注文の有効期限を設定 (ストップ指値注文のみ)
ストップ指値注文には注文の有効期限を設定するオプションがあります。
注文の有効期限を設定するには、指値注文を選択し「Good Till Cancel」のタブをクリックします。
注文の有効期限は、「Good Till Cancel」・「Immediate or Cancel」・「Fill or Kill」の3種類から選べます。
有効期限 |
内容 |
Good Till Cancel |
指値注文が一部約定した場合でも、注文が残っている場合オーダーブックに残ります |
Immediate or Cancel |
指値注文が一部約定した場合、残りの未約定の分はキャンセルされます |
Fill or Kill |
指値注文の全数量が約定可能である場合に限り注文が約定します |
デフォルトではGood Till Cancelが選択されています。
まとめ
BitMEXの注文方法について解説いたしました。
BitMEXで注文する際に気をつけておくことは以下のとおりです。
- BitMEXの注文画面を理解しておこう
- BitMEXの基本的な注文方法は最低限理解しておこう
- 無理に高度な注文方法を利用する必要はありません
- 注文をキャンセルするにはポジション画面にあるアクティブな注文から行える
まだ注文方法の操作に不慣れな方はデモトレードで試してみることをおすすめします。
こちらの記事を参考にBitMEXでの取引に挑戦してみてくださいね。