
近年、ブロックチェーンエンジニアのニーズが増えています。この記事にたどり着いた方の多くは、ブロックチェーン業界への転職を検討しているのではないでしょうか?
そこで本記事では、ブロックチェーン業界の求人状況や将来性について解説した上で、ブロックチェーンエンジニアになるための方法や学習する際におすすめの書籍とWebサイトを紹介していきます。
目次
1. ブロックチェーンエンジニアになる方法とは?
ブロックチェーンエンジニアになるための方法を解説していきます。ただ、その前にブロックチェーンエンジニアに関する基礎知識を整理していきましょう。
1-1. ブロックチェーンエンジニアは2種類いる
ブロックチェーンエンジニアという言葉が指す意味は、大きく分けて2種類あります。
ひとつめが「ブロックチェーン自体の開発者」であり、もうひとつは「ブロックチェーンを使ったアプリケーションの開発者」です。現在、ブロックチェーンエンジニアと呼ばれている人たちの多くは、後者に分類されます。
「ブロックチェーン自体の開発者」は、「ビットコイン」や「イーサリアム」といったブロックチェーン自体の機能改善を検討し、実装していくエンジニアです。数は少ないものの、暗号技術や数学などに関して高度な知識を持ち、基盤となるブロックチェーン(ビットコインやイーサリアムなど)の機能やセキュリティを強化しています。
ブロックチェーンってどんな仕組みだっけ?という方へ
「そういえばブロックチェーンについて、よく知らないから知っておきたい」という方は、先に以下の記事をご一読ください。エンジニアが簡単に解説しています。
一方で、「ブロックチェーンを使ったアプリケーションの開発者」とは、ビットコインやイーサリアムなどの基盤となるブロックチェーンを使い、アプリケーションを開発している人たちのことです。仕事内容としては、一般的なアプリ開発と大きな違いはありません。ただし、後述するように、ブロックチェーン特有の知識は必要となります。
すでに、一般ユーザー向けのアプリがリリースされているので、興味のある方は以下の記事もご覧ください。ブロックチェーンを活用したゲームやSNS、証明書アプリなどを紹介しています。
▶ブロックチェーンアプリは意外と多い! 手軽なゲームやサービスを紹介
1-2. ブロックチェーンエンジニアって需要あるの?
ブロックチェーンエンジニアになろうか考えている方にとって重要な要素は、「ニーズや将来性があるのか」という点ではないでしょうか?
結論から書くと、ブロックチェーンエンジニアへの需要はあり、業界的にも将来性があります。
例えば、世界最大級のビジネス特化型SNS「LinkedIn」が、2020年1月9日に公開したブログ「The Most In-Demand Hard and Soft Skills of 2020」(訳:2020年もっとも需要のあるハードスキルとソフトスキル)では、AIなどを抑えて、もっとも需要のあるスキルにブロックチェーンが選ばれました。
さらに、国内では「トヨタ」や「三菱UFJフィナンシャル・グループ」、「日本通運」など、製造業や金融、物流業界のトップ企業(グループ)が、ブロックチェーンを活用したシステム開発に乗り出しており、ブロックチェーンを活用したプロジェクトが着実に増えています。
1-3. ブロックチェーンエンジニアになる方法とは?
さて、ブロックチェーンエンジニアになるためにはどうすれば良いのでしょうか?ここでは「求められるスキル」と「仕事探し」の2点について整理していきましょう。
求められるスキル編
まず、スキル面で最低限求められるものは「ブロックチェーン特有の用語への理解」と「ソフトウェア開発のスキル」の2つです。
ブロックチェーンを使った開発の経験が無い方は、まずブロックチェーン業界で使われている用語を理解しなければなりません。公開鍵暗号やデジタル署名、ハッシュ関数やマイニング、スマートコントラクト、UTXOモデル、アカウントモデルなど、覚えるべき用語はたくさんあります。
ただ、ブロックチェーンを使った開発は、既存のプログラミング言語を使って行われることが多いので、ソフトウェア開発の経験があれば、キャッチアップは十分に可能です。言語としては、GoやJavaScript、Javaなどがよく使われています。
Solidityというスマートコントラクト開発のために考案された、新しい言語が利用されることもありますが、SolidityはC++やPython、JavaScriptを参考にして作られているので、いずれかの言語を使った経験があれば学習コストはそこまで高くありません。
また、ブロックチェーンを用いた企業向けのシステムを開発する場合には、Microsoft AzureやAWSといったクラウドサービスが使われることも多いので、これらサービスを利用した経験もあると有利です。
ソフトウェア開発の経験が無い場合は?
ソフトウェア開発の経験が無い方で、ブロックチェーンエンジニアになりたいという方は、後述するサービスでプログラミングを学びつつ、ブロックチェーン企業へのインターン(アルバイト)などで実戦経験を積むのがおすすめです。
仕事探し編
ブロックチェーンエンジニアの求人を見つける方法としては、求人サイトで「ブロックチェーン エンジニア」と検索するか、ブロックチェーン業界に特化した転職エージェントに相談するのがおすすめです。
エンジニアとしての実践経験があり、使用言語がマッチしている場合、「ブロックチェーン特有の用語への理解」に関しては採用後でもOKというケースが少なくありません。もし、転職を考えていて、良さそうな求人を見つけたら、ぜひ応募してみてください。
2. ブロックチェーンエンジニアを目指す人向けの書籍・サービス紹介
それでは、ブロックチェーンエンジニアを目指す上で、目を通しておきたいおすすめの書籍やサービスを紹介していきましょう。基本的には書籍を2〜3冊読んで体系的な知識を身に着けた後、公式のチュートリアルなどを参照しながら、手を動かしてみるのがおすすめです。
独学だと不安な方やプログラミング初学者の方は、費用はかかりますが、スクール形式の学習方法も選択肢になります。
おすすめの書籍
まずは、ブロックチェーンに関する基礎知識を習得していきましょう。Web上の記事を読むのも良いですが、体系的な知識を身につけたい場合は、書籍を何冊か読むのが手っ取り早いです。本記事では、おすすめの本を5冊紹介します。
いちばんやさしいブロックチェーンの教本 人気講師が教えるビットコインを支える仕組み
図を使いながら易しく解説されているので、概念の理解に役立ちます。分野別にユースケースが紹介されており、どの業界のどんな場面でブロックチェーンが使えるのかを頭のなかで整理できるはずです。
▶いちばんやさしいブロックチェーンの教本 人気講師が教えるビットコインを支える仕組み(Amazon)
ビットコインとブロックチェーン:暗号通貨を支える技術
すべてのブロックチェーンの基礎となった、ビットコインブロックチェーンに関する詳細が解説されています。「いちばんやさしいブロックチェーンの教本 人気講師が教えるビットコインを支える仕組み」で具体的な仕組みが気になった方は、この本で技術的な疑問を解決できるはずです。サンプルコードも掲載されており、PythonとC++で説明されています。
▶ビットコインとブロックチェーン:暗号通貨を支える技術(Amazon)
ブロックチェーン 仕組みと理論 増補改訂版
企業間取引などで利用するシステムを開発する場合、ビットコインが使われることはほとんどありません。イーサリアムが使われたり、企業が利用しやすいように開発された「Hyperledger Fabric」(ハイパーレジャー・ファブリック)や「Quorum」(クォーラム)、「Corda」(コルダ)が採用されたりするケースが多いです。
「ブロックチェーン 仕組みと理論 増補改訂版」では、ユースケースや業界の動向から、ビットコインも含めた主要なブロックチェーンの仕組みをコードベースで学ぶことができます。様々なブロックチェーンに触れるという観点で、この本は非常に有用です。
▶ブロックチェーン 仕組みと理論 増補改訂版(Amazon)
ブロックチェーンアプリケーション開発の教科書
「ブロックチェーンアプリケーション開発の教科書」は、イーサリアムを使ったスマートコントラクト開発の実践的な書籍として役立ちます。実際のサービス開発のプロセスが解説されているので、実際のサービス開発で求められる内容が学習可能です。
▶ブロックチェーンアプリケーション開発の教科書(Amazon)
マスタリング・イーサリアム ―スマートコントラクトとDAppの構築
イーサリアムブロックチェーンを用いた網羅的な技術書です。ブロックチェーンは、暗号資産(仮想通貨)をはじめとした価値を扱う技術であるため、セキュリティの重要性が高く、その主要なパターンについても解説されています。
▶マスタリング・イーサリアム ―スマートコントラクトとDAppの構築(Amazon)
おすすめのWebサイト(学習サイト、公式ドキュメント)
上記の書籍と併せて、Webサイトを用いた継続的な学習は欠かせません。ブロックチェーン業界は技術のアップデートが速いため、ビットコインやイーサリアムの公式WikiやGitHubをはじめとした公式情報を参照する場面が多くなります。
また、基礎知識を頭に入れた上で、公式のチュートリアルをやってみると、より手触りをもって技術を理解できるようになります。イーサリアムでスマートコントラクトを開発したい方には、Solidity学習サービスの「Cryptozombies」が分かりやすく、ドリル形式で学べるのでおすすめです。
その他にも、オンライン学習サービス「Udemy」では、ブロックチェーン開発のスキルが学べるコースが提供されているため、こちらもチェックしてみてください。
紹介したWebサイトへのリンク
- ビットコイン:公式Wiki、GitHub
- イーサリアム:公式Wiki、GitHub、開発者向けリソース
- Cryptozombies
- Udemy「ブロックチェーンコース」
スクール形式のおすすめサービス
独学が苦手な方やプログラミング初学者の方、学習スピードを加速させたい方は、ブロックチェーンの開発スキルを教えているスクールの受講を検討してみてください。本記事で紹介するサービスは、どちらもプログラミング未経験者にも対応しています。ただし、今回紹介した学習方法の中では、もっとも費用がかかる点には注意が必要です。
TechAcademy
現役のエンジニアに伴走してもらいながら、ブロックチェーンの開発スキルを学べるプログラムが提供されています。個別にヒアリングをした上で、目標設定や進捗管理、独自のカリキュラム作成も行ってくれるため、効率的にスキルを身につけられます。
G’s Academy(フルタイム総合コース)
エンジニアとしての就職だけではなく、IT領域での起業も視野に入れたプログラムを提供しているのが「G’s Academy」です。ブロックチェーンに関する講座は任意選択であり、ブロックチェーンに特化した講座ではありませんが、エンジニアとして活躍するための基本スキルを網羅的に学ぶことができます。
また、経済産業省の「第四次産業革命スキル習得講座認定制度」や厚生労働省の「専門実践教育訓練給付金」および「教育訓練支援給付金」に認定されているので、一定の条件を満たせば授業料の50~70%を受給可能です。
(参考:G’s ACADEMY TOKYO 「LABコース」東京・福岡ともに『第4次産業革命スキル習得口座』に認定)
まとめ
本記事でも紹介したように、ブロックチェーンエンジニアは需要が高く、ブロックチェーンを用いた開発スキルは短期的に不要になるものではありません。基本的にはソフトウェア開発の経験がある方向けの求人が多いですが、プログラミング初学者向けの学習サービスも提供されているため、未経験者であってもやる気さえあればブロックチェーンエンジニアになれます。
また、ブロックチェーン特有の用語や概念を理解する必要はありますが、学習するための様々な書籍やWebサイト、スクールが提供されています。本記事で紹介した書籍やサービスを利用して、効率的に学習を進めていけば問題ありません。
興味がある方は本記事を参考にしながら、ブロックチェーンエンジニアを目指してみてはいかがでしょうか?
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