【初心者向け】ビットコインの問題点をわかりやすく解説、解決策は?

ビットコインの問題

ビットコインのことを調べていると、スケーラビリティ問題8月1日問題51%攻撃など、いろいろな「○○問題」を目にします。

これらを見て、不安にかられている人も少なくないでしょう。

確かにビットコインにはいくつかの問題がありますが、多くの人がその解決策を探っており、その中にはビットコインの問題ではないものもあります

今回は、ビットコインの取引を始めようと思っている人やすでに始めている人に向けて、ビットコインの問題をわかりやすく解説していきます。

この記事で分かること(ビットコインの問題点)

1. ビットコインの問題点

ビットコインは仮想通貨(暗号資産*)の中でもっとも古く、これまでに仮想通貨の問題点を数多く経験してきました。

その結果を受け様々な仮想通貨が誕生し、ビットコイン自体も変わりながらいまに至っています

そんなビットコインが抱えている問題点を紹介しましょう。

*2019年5月、呼び名を「暗号資産」とする改正資金決済法が可決されました(参考|日本経済新聞

1-1. スケーラビリティ問題

ビットコインの問題(送金遅延)

2017年、ビットコインの送金詰まりや手数料の高騰などの問題があったことを覚えている人は多いと思います。

「スケーラビリティ問題」というのは、それらの問題の根本原因なのです。

ブロックのサイズが決まっている

ビットコインのブロックサイズは1MBに決まっており、最大で4,000件程度の取引しか格納できません

もしそれ以上の取引が発生すると、ブロックに格納されない取引が生まれてしまうことになります。

決済時間の問題(送金詰まり)

ブロックに格納できない取引は、後回しにされてしまいます

ビットコインは10分に1つブロックが生成されますので、うまくいけば10分後に処理されます。

しかし、利用者の急増などによって10分間に4,000件以上の取引が申請されるようになれば、いつまで経ってもブロックに格納されない取引が出てきてしまいます。

そうなると長時間待っても決済できない「送金詰まり」が発生するのです。

手数料の問題

取引をブロックに格納するのは、ブロックを生成しているマイナー(マイニングを行う人)です。

マイナーは取引をブロックに収める報酬として手数料を受け取っているので、できる限り手数料が高い取引をブロックに収めようとするでしょう。

また、そんな状況を見越した利用者は高めの手数料設定の取引を申請するでしょう。

その結果、手数料がどんどん高騰していくことになります。

Segwitに対応させる対策を取った

スケーラビリティ問題に対しては、Segwitという技術を使った対策が施されています。

これは、ブロックサイズを増やすことなく格納できる取引の数を増やす対応です。

ただし、数多くのウォレットや取引所がいまだ対応しておらず、完全には普及しきれていないのが現状です。

1-2. 環境への影響

ビットコインの問題(環境への影響)

ビットコインの決済処理でありセキュリティの要であるマイニングは、ビットコインから切り離せません。

しかし、マイニングには膨大な電力が必要です。

そのため、ビットコインの存在が環境へ悪影響を与えているという考えがあります。

マイニング競争

ビットコインのマイニングには数多くのコンピュータが使われており、それらが世界中で莫大な電力を消費しています

ハワイ大学のカミロ・モラ博士が2018年に公開した論文によると、マイニングの電力を賄うだけで地球温暖化を2℃も促進する影響があるというのです。

参考|Nature Sustainability

マイニングのやり方を変えれば解決するかも

ビットコインのマイニングは、膨大な電力を消費するため環境に優しくないと言われています。また、高性能なコンピュータを準備できない個人は、これからマイニングに参加することが難しくなっているという問題もあります。
そこでビットコイン以外の仮想通貨では別のマイニング方法を採っているものがあるのです。例えば、イーサリアムはコインを多く長期間持っている人がマイニングに成功する方法を採ろうとしており、実現すれば電力消費は大幅に減少することになるでしょう。

1-3. 8月1日問題

ビットコインの問題(8月1日問題)

8月1日問題というのは、ビットコインの方向性を決める開発方針の派閥争いのことです。

2017年、スケーラビリティ問題の対応策を巡りビットコインの開発陣と有力なマイナーが利害の不一致により対立していました。

その対立の結果2017年8月1日、強引なハードフォークが行われました。開発陣はビットコインをSegwit対応に、有力なマイナーは分裂した結果ビットコインキャッシュが生まれました

そのため、この派閥争いによる問題を「8月1日問題」と呼ぶようになったのです。

ハードフォークの問題
ハードフォークは仮想通貨の根本的なしくみを変更する場合に行われます。
根本的なしくみが変更されることでハードフォーク前後の仮想通貨に互換性がなくなるため、ハードフォークは全参加者が新しいしくみに切り替えなければいけません。
もし、意見の対立を解消しないままハードフォークすると、ハードフォーク前後の仮想通貨が流通し、ビットコインキャッシュのときのような「仮想通貨の分裂」が起こってしまうのです。

スケーラビリティ問題に「どう対処するか」という運用方針の違いは、いまも完全には解消されていません。

1-4. 51%攻撃

51%攻撃も、ビットコインの根本的な部分に内在する問題です。

ただし、ビットコインで51%攻撃が行われる可能性は低いと言えるでしょう。

PoWの根本的問題
PoW(Proof of Work)はビットコインのマイニングのルールのことで、「一斉に計算して最初に答えを見つけたマイナーが勝つ」というものです。そのため、高速に計算できる計算能力の高いコンピュータを持っているマイナーは勝ちやすくなります。
もしも、すべてのマイナーの計算能力の半分以上の計算能力を持っているマイナーがいれば、そのマイナーは必ず勝てることになるわけです。
これが51%攻撃の根本的な原因であり、PoWでは避けられない問題です。

ビットコインは攻撃しにくい? 

51%攻撃を行うためには、マイニングに参加している他のマイナーすべてを合わせたものよりも高性能なコンピュータをフル稼働させる必要があります。それには大きなコストがかかることでしょう。

ビットコインのマイナーたちの計算能力は膨大で、51%攻撃をするためのコストは莫大なものになります。また、51%攻撃が可能になればビットコインの価格が暴落するのはほぼ間違いありません。

そのため、莫大なコストをかけてビットコインに51%攻撃を行うメリットはないのです。

2. ビットコインを取り巻く問題

ビットコインを取り巻く問題

ここからも、ビットコインの問題と指摘されがちな問題を紹介します。

ただし、ここで紹介する問題の原因は、ビットコインそのものではありません。常にこれらの問題を意識して、自分で対策できるようにしておきましょう。

2-1. ハッキングやウイルス

ビットコインの問題(ハッキング)

ハッキングやウイルスの被害は、仮想通貨だけの問題ではありません。ネットワークにつながっているコンピュータであればどんなコンピュータにもその危険性は潜んでいます

しかし、ビットコインは金銭的な価値が高いうえに新しい技術でぜい弱性が潜んでいる可能性も高いことから、格好の標的になるのです。

個人へのハッキング

個人へのハッキング

メールやWebサイト経由でのハッキングやウイルスは、セキュリティソフトの普及で対策でき始めていますが、いまだ被害が絶えることはありません。

また、ウイルスやマルウェアが仕込まれた中古のUSBメモリやフリーソフトなどを利用することで感染することも少なくありません。

自分のビットコインにアクセスするための鍵(秘密鍵)を知られてしまうと、簡単にビットコインを奪われてしまいます

使う予定のないビットコインはオフラインで管理するなど、慎重に管理しなければいけません。

取引所へのハッキング

仮想通貨取引所へのハッキングといえば、コインチェック事件がもっとも有名かもしれません。

その後もいくつもの取引所で仮想通貨流出のニュースが流れていますが、ほとんどがハッキングによって取引所のウォレットの秘密鍵が漏洩したことが原因なのです。

2-2. マネーロンダリング

ビットコインの問題(マネーロンダリング)

金融取引は、常にマネーロンダリングに利用される危険性があります。

そのため、ビットコインについてもそのリスクを考慮しておかなければいけません。

マネーロンダリングとは?

複数の金融機関などを経由させることで、そのお金の出どころを分からなくすることです。

脱税や麻薬取引など不正な手段で得たお金が捜査機関によって差し押さえられることを防いだり、取引から自分たちの存在が浮上したりすることを防ぐための常套手段です。

マネーロンダリングの手口

犯罪や不正な手段で得たお金をいろいろな口座へ様々な口実で振り込むというのが、マネーロンダリングの手口です。

このとき、あまりに高額な振り込みはそれだけで捜査機関にマークされますので、小分けにして商品を購入する場合もあります。

ビットコインでマネーロンダリングは難しい

ビットコインは匿名性が高く、ネット上で容易に決済できますので、マネーロンダリングに使われる可能性が高いという見解があります。

しかし、ビットコインはすべての取引記録が公開されるため、少し調べればすべての取引が公のものになります。そのため、マネーロンダリングには向いていない決済手段と言えるのです。

ボラティリティの高さと利便性は表裏一体
ビットコインは相場の変動(ボラティリティ)が他の金融商品と比べ非常に高いことから、短期間で大きな収益を得られると報じられたことで話題になりました。
しかし、このボラティリティの高さそのものが決済手段として使いにくいことから、問題視されています。

3. 仮想通貨の流出はなぜ起こる? 

仮想通貨が流出したというニュースを目にしたことがある人は多いのではないでしょうか?

そこで、「なぜ?」の部分まで踏み込んでみましょう。

3-1. マウントゴックス事件

2014年に発覚したマウントゴックス事件では、約75万BTCと28億円あまりが失われました。ビットコインはインターネット上に保管していたことでハッキング被害にあいました。

その後、元社長による横領の疑いが浮上しています。横領の罪は後に無罪判決が出ましたが、原因としてマウントゴックスが顧客の資産と会社の資産を区別できていないことが要因の1つでもありました。ずさんな資産管理が事件の根底にあると言えるでしょう。

3-2. コインチェック事件

2018年には、取引量国内1位だったコインチェックから、580億円相当の仮想通貨NEMが流出しました。

原因は外部からのハッキングによるもので、大量のNEMをオンライン上に保管していたことが原因です。この事件のあと、多くの仮想通貨取引所が仮想通貨の大半をオフラインで管理していることを表明しています。

▼そのほか、ZaifやBITPointの流出事件についてはこちらで紹介しています。

3-3. 51%攻撃

コストがかかるために難しいと思われていた51%攻撃ですが、モナコインビットコインゴールドイーサリアムクラシックなどで被害が出ています。

該当の取引所が1度のマイニングだけで決済していたため、一時的に(1度だけ)51%の計算能力を得れば攻撃ができるようになっていたのが原因の1つです。

それに加えて、マイナーの計算能力の合計が低いわりに資産価値のある仮想通貨を狙い撃ちしたことで成功した攻撃だと言えます。

まとめ

ビットコインには、まだいくつかの問題が残っています。しかし、開発陣はそれを解決すべく日々改善しようとしていますし、その結果改善されている問題もあります。

  • 「スケーラビリティ問題」はSegwitで改善されている
  • 「環境問題」は今後の課題
  • 「8月1日問題」はスケーラビリティ問題をめぐる派閥の争い
  • 「51%攻撃」は、ビットコインの利用者数などから問題になりにくい
  • 「ハッキング・ウイルス」は自己責任でしっかりと注意することで回避
  • 「マネーロンダリング」はビットコインではむしろばれやすい
  • 「ボラティリティの高さ」は余剰資金で投資することでリスク管理する

中には、ビットコインに原因がなくても、まるでビットコインが悪いかのように思われている問題もあります。

ビットコインの問題の本質を理解し、余計な不安をあおる噂や報道を見分けて冷静に取引できるようになりましょう。