
FXや仮想通貨の取引にはさまざまな方法があり、自動売買もそのひとつです。
ツールを起動すれば自動で利益を出してくれる自動売買は非常に効率が良い方法ですが、もちろんデメリットも多く存在します。特に仮想通貨において自動売買はあまり広く浸透しているとはいえないため、使いこなすにはある程度の慣れが必要になるでしょう。
本記事では、そんな仮想通貨の自動売買について概要からメリット・デメリット、具体的な自動売買ツールについて解説しています。
目次
1. 仮想通貨の自動売買とは
仮想通貨の取引というと、皆さんはどのような取引をイメージされるでしょうか。
一口に取引といっても、頻繁に売買を繰り返すデイトレードから、将来的な価格上昇を見込んでの長期保有など、さまざまです。
しかし、それらの取引の多くは裁量取引と呼ばれるものです。
裁量取引とは、投資家の分析に基づく判断で売買をする取引であり、最も一般的な取引方法です。
それに対し、ツールを用いて自動的、もしくは半自動的に売買をおこなう取引を自動売買、またはシステムトレードとも呼びます。
自動売買ツールを利用した取引
自動売買とは、売買ごとに投資家の意思を介さず、ツールを用いて売買をおこなう取引のことです。
ツールは一定のルールに基づいて売買をおこなうようにプログラミングされており、24時間取引を続けることも可能です。
自動売買はFXの分野において広く認知されており、さまざまな自動売買ツールが存在します。
例えば、EA(Expert Advisor)と呼ばれる自動売買プログラムは、さまざまな種類がネット上に公開されており、ダウンロードすれば誰でも自動売買をすることができます。
EAには無料で使用できるものもあり、無料EAだけで利益を出すことも十分可能です。
さて、仮想通貨の自動売買ツールはFXほど豊富ではないものの、いくつか存在します。
使い方も一般的なFXの自動売買ツールとほぼ同じであり、特別敷居が高いというわけではありません。
むしろ裁量取引にはないようなメリットもあり、自動売買の方が利益を出せるという人もいます。
では、まず仮想通貨の自動売買について、そのメリットとデメリットについて解説しましょう。
2. 仮想通貨の自動売買のメリット
自動売買には、裁量取引にはないさまざまなメリットがあります。それぞれ順に説明しましょう。
2-1. 自分が相場を監視していなくても取引をしてくれる
自動売買の最も大きなメリットともいえるのが、労力がかからないことです。
コンピュータを起動しておく必要はありますが、人間が作業をする必要はなく、すべてプログラムに任せることができます。
ゆえに、24時間365日取引をおこなうことができ、非常に効率的に利益を挙げることができます。
ただし、すべての自動売買ツールが完全に放置できるというわけではありません。
多くの自動売買ツールは、ロット管理や大まかなトレンドの方向などを指定しなければ十分力を発揮できないことが多いです。
使い道を誤れば逆に損失を出してしまうことも珍しくないでしょう。
自動売買ツールを使用するときは、そのツールの特性をよく理解することが重要です。
2-2. あらかじめ決めたルールを厳守できる
ツールは当然ながら感情を持たないので、人間のように負けて熱くなったり、勝って調子に乗ったりということがありません。
よくいわれるように、メンタルは取引をおこなううえで非常に重要です。
その点において、定められたルールを厳守できる自動売買ツールは非常に取引に適しているといえます。
いかなる相場でもルール通りに確実に取引ができることは、人間にはない大きなメリットといえるでしょう。
2-3. プロが作ったツールを利用できる
自動売買では、優秀なプログラムが組み込まれたツールを利用することができるのも大きなメリットです。
相場は安定して利益が出せるようになるまで何年もかかるともいわれているほど、厳しい世界です。
生き残っていくだけでも大変な世界で、プロが作った優秀なツールは非常に心強い味方といえます。
3. 仮想通貨の自動売買のデメリット
上述したように、自動売買にはさまざまなメリットがあります。一方でデメリットも存在し、しっかりと把握しておかないと大きな損失を被ることもあります。
3-1. 目を離している間に損失が膨らむ可能性がある
自動売買は、もし相場の値動きとツールが噛み合わないと、大きな損失を出してしまうことがあります。
もちろん裁量取引においても同様のことがいえますが、目を離している時間が長い自動売買はよりリスクも大きいです。一定の含み損を超えたら損切りするよう設定するなどの対策をしておくとよいでしょう。
また、どんなに優秀な投資家でさえ100%の予想ができないのが相場です。
優秀だった自動売買ツールが相場の急変動によって利益が出せなくなることも大いにあり得ます。
裁量取引と同じく、レバレッジをかけすぎないことや、ボラティリティが激しい時期に無理をしないことが大切です。
3-2. 何もかも任せられるわけではない
自動売買ツールは、放置するだけで利益を生む金のなる木ではありません。
ロット管理やエントリー頻度など、あらかじめ指定しなければならない条件が複数ある場合がほとんどです。
それに加え、思うように利益が出ていないときは自分の判断でツールを停止する必要もあります。自動売買もまた、相場への理解が必要なのです。
3-3. FXに比べツールの種類が少ない
本来自動売買はFXの分野で発達した取引方法です。その分FXの自動売買ツールは非常に多くの種類がありますが、仮想通貨の自動売買ツールはまだまだ少ないといわざるを得ません。
必然的に売買のやり方もバリエーションが少なく、取引のパターンも限られます。
将来的に発展の余地は十分あるとはいえ、やはりFXの自動売買ツールの量と比較すると少なめです。
4. 仮想通貨の自動売買ツールの紹介
ここまでで、仮想通貨の自動売買に関して一般的な特徴などについて解説しました。
最後に、代表的な仮想通貨の自動売買ツールと、その特徴を紹介しましょう。※各サービスの情報は2020年3月30日に調査しました。
4-1. QUOREA

公式サイト | https://quorea.jp/ |
日本語対応 | 可 |
対応取引所 | bitFlyer/Liquid |
利用料金 | 登録費用:無料 利用料:月間売買代金の最大0.05% |
最低運用資金 | 10,000円~ |
QUOREA(クオレア)は、誰でも比較的簡単に自動売買のシステムを作成できることが特徴のツールです。
自分でシステムを作成しなくても利用でき、システム(投資ロボット)を選択し資産を運用する仕組みです。
また、過去のチャートを参照し、システムの期待値を可視化して判断できる機能も備わっています。
代表的な仮想通貨の自動売買ツールのなかではお手軽さもあって非常におすすめできるツールです。
4-2. マネコ

公式サイト | https://moneco.jp/ |
日本語対応 | 可 |
対応取引所 | Liquid/BitMEX |
利用料金 | サーバー利用料:500円/月 取引手数料:最大0.03% 運用手数料:利益の20% |
最低運用資金 | 10,000円~ |
マネコは、プログラムされたシステムが自動で売買する仕様ではなく、プロトレーダーの取引を真似て取引することが可能なツールです。
いわゆるフォロートレードであり、プロトレーダーに任せることで高いリターンが望めます。
また、プロトレーダーは複数参加しており、一人ひとり過去の取引結果や取引スタイルがわかるようになっています。
一般的な自動売買とは少し毛色の違うツールですが、システムには出せない短期間での大きなリターンを得ることも可能ですので、興味のある方は検討してみるとよいでしょう。
4-3. CRYPTOTRADER

公式サイト | https://cryptotrader.org/ |
日本語対応 | 英語のみ |
対応取引所 | BINANCE/BITTREX/POLONIEX 他 |
利用料金 | Basic+プラン(最安):0.0027BTC ~ |
資本量 | ~$1,000まで |
CRYPTO TRADER(クリプトトレーダー)は、海外の自動売買ツールです。
運営が始まったのは2013年と、仮想通貨関連のサービスとしては歴史が古いです。
海外発のツールということもあり、海外の仮想通貨取引所に数多く対応しています。
また、世界中で使用されるプラットフォームであるので、より優秀なツールが日々作成されています。
他に紹介したツールと比べ、使用料が約2,000円+各ツール月額使用料と少々高くなってしまうのは難点ですが、その分確かな質のツールを提供しています。
海外取引所をメインで使用しているという方や、海外のプログラマーによって作られたツールに興味がある方におすすめです。
まとめ
本記事では仮想通貨の自動売買について、さまざまな面から解説しました。
自動売買はうまく回すことができれば労力をかけずに利益を生み出せるため、非常に有用なものです。
しかし、自動売買も魔法の道具ではなく、自分の資金量や性格などにマッチしたツールを選ぶことが重要です。
また、相場が想定外の動きをした場合はツールを停止させるなど、人間の判断が必要になる場面も多々あります。
自動だからといって過信せず、しっかりと管理することが大切といえるでしょう。
とはいえ、やはり放置しても利益を生めるという魅力は他にありません。
利益を出せるようになるまでの勉強や分析は、裁量取引のそれと同じくらい大変かもしれませんが、努力する価値は十分あります。
気軽に運用できる自動売買ツールも数多く存在しますので、興味のある方はぜひ運用を検討してみてはいかがでしょうか。