
仮想通貨FXとはレバレッジを使った仮想通貨投資の方法のひとつで、現物取引とは仕組みが全く異なります。
仮想通貨FXは、利益を得るにも損失を出すにも、現物取引ほど時間はかかりません。早く利益を上げることができる一方、大きな損失になる可能性もあります。
まずは、仮想通貨FXとは何なのかを知り、なぜ大きな利益を出せるのか、同時に仮想通貨FXを行う際のリスクや注意点をしっかりと確認しておきましょう。(コインペディアでは、外資戦略コンサル出身のトレーダーによる、ビットコイン相場戦略を公開しています。)
目次
1. 仮想通貨FXってなに?
仮想通貨FXとは、FXのルールや手法を用いた仮想通貨の取引方法です。
仮想通貨とFXでは、投資対象や手法に違いがありますが、仮想通貨取引にFXの要素を合わせることで、少ない資金でも大きな取引が可能になりました。
1-1. 仮想通貨FXと従来のFXの違い
仮想通貨FXと外国為替取引のFXとの違いは「投資対象」です。コインに投資するのが仮想通貨FX、法定通貨(円やドル)に投資するのがFXです。
仮想通貨FXは投資対象が違うだけで、仕組みとしては従来のFXと同じです。レバレッジをかけて取引を行うため「仮想通貨レバレッジ取引」とも呼ばれます。
外国為替取引のFXはリスクが高いことでも知られていますが、そのハイリスクは仮想通貨FXでも同じです。
1-2. 現物取引と仮想通貨FXの違い
現物取引と仮想通貨FXの違いは、以下の2点です。
- 取引をするコインを実際に所有しているか否か
- 利益の出し方
現物取引の場合、取引するにはBTCやETHなど、ウォレットに所有しているコインが必要です。
取引をして利益を出すには、所有しているコインを、買った時よりも高く売らなければなりません。
仮想通貨FXはコインを所有しない
一方、仮想通貨FXでは、コインを所有していなくても「取引を行ったという仮定」で取引が成立します。ウォレットからコインの入出金はありません。
仮想通貨FXでは、取引開始時の価格と終了時の価格の差分が利益となるのです。
- 現物取引:所有するコインをより高く売って利益を出す
- 仮想通貨FX:コインは所有せず、取引の開始と終了時点の価格差で利益を出す。
レバレッジがかけられる
仮想通貨FXでは、小額で取引をする場合でも、レバレッジをかけることで大きな額での取引が可能です。
例えば、1万円を元手に10倍のレバレッジをかければ、10万円の取引ができます。
取引対象の価格が10万円から15万円に上昇した場合、1万円の取引では5千円しか利益が出ません。
一方、レバレッジをかけた10万円で取引していれば、5万円の利益が出るということなのです。
下げ相場でも利益が出る
現物取引の場合、利益を出すには、買った時よりも高く売るしか方法はありません。しかし仮想通貨FXは、下落相場でも利益を出せる「ショート」という考え方があります。
BTCの価格が下落しそうなとき「売り注文」から取引を開始することができます。これを「ショートポジション」と呼びます。
予想通りに価格が下落すれば、ショートポジションとして取引を開始した時の価格(売ったとみなしたとき)から、取引終了時の下落した価格(買ったとみなしたとき)の差分が利益になります。
逆に「買い注文」から取引を開始するのは「ロングポジション」といいます。この場合もロングポジションとして取引を開始した時(買ったとき)の価格と、取引終了時(売った時)の上昇した価格の差分が利益になります。
仮想通貨FXには、ロングポジションとショートポジションの2パターンで利益を得るチャンスがあるということです。
2. 損失も大きくなる
仮想通貨FXは上述のように、大きな利益を得るチャンスがあります。一方、予想が外れた場合に出る損失も大きな金額となりますので、注意が必要です。
仮想通貨FXで損失を出してしまう原因は、過剰な倍率でレバレッジをかけた取引です。そのため取引所では、投資家を守る仕組みとして追証(おいしょう)とロスカットが用意されています。
2-1. 追加で支払いが生じる「追証(おいしょう)」
仮想通貨FXを利用する際には、あなたが取引を行うための資金を十分に持っていることを証明するために、証拠金を預けます。
証拠金を元に、数倍のレバレッジをかけた取引をするのですが、あまりにも含み損が膨らみすぎると、追加で証拠金を支払わなければなりません。
預けていた証拠金だけでは信用が足りなくなるのです。これが追加証拠金、つまり「追証(おいしょう)」です。
追証の基準
追証の基準は仮想通貨取引所によって違い、bitFlyerでは証拠金維持率が100%を下回った場合、coincheckでは80%を下回った場合に追証となります。
追証なしとなっている取引所もありますが「不足金」という形での追加請求や、証拠金以外で取引所に預けている資産が不足分に充当されるなどのルールがあります。またロスカットの基準を上げたり、レバレッジの倍率が低くしたりするなどして、損失が大きくなりすぎないように調整されています。
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2-2. 取引を強制終了させるロスカット
追証が支払えず、含み損が増え続けるとロスカットされます。ロスカットは、これ以上の含み損を投資家に与えないために、強制的に取引を終了させ、決済する仕組みです。
仮想通貨FXでロスカットされる時には、すでに大きな損失を抱えていることがほとんどです。
一気に利益を得たい気持ちが、過剰なレバレッジをかけてしまいます。しかし、倍率の高いレバレッジはロスカットと隣り合わせであるという意識を持たなければなりません。
ロスカットの基準
ロスカットの基準も、仮想通貨取引所によって異なります。追証のあるbitFlyerやCoincheckでは、含み損が証拠金の50%を下回った場合を基準としています。
追証のない取引所では、その水準は高く設定されており、DMM Bitcoinなどは80%でロスカットされます。
3. 仮想通貨FXの心構え
仮想通貨FXは利益も大きい反面、損失も大きくなります。損失を膨らませないための心構えを紹介します。
- ショートポジションを意識する
- 自分だけの取引ルールを決める
- テクニカル分析も意識する
- レバレッジ手数料に注意
3-1. ショートポジションを意識する
仮想通貨市場が下落相場の時は、仮想通貨FXでのショートポジションを意識しましょう。
現物取引では、コインの価格が下落している時、損切りをするか、価格が上昇するまで保有し続けるかという、損失を確定させるかいつとも知れない上昇期を待つかという選択肢しかありません。しかし仮想通貨FXは、ショートポジションを使いこなすことで下げ相場でも利益を出せる可能性があります。
3-2. 自分だけの取引ルールを決める
仮想通貨FXを始める場合には、必ず自分だけの取引ルールを作りましょう。
取引ルール例
- 〇〇まで利益が出たら取引をやめる
- 〇〇まで損失が出たら取引をやめる
- ロングかショートかを迷った時は取引をしない
- 人の意見に左右されそうならば取引はしない など
レバレッジをかければ大きな利益を期待できますが、それは同時に損失を招くリスクもあるのです。
FXで勝ち続ける、あるいは負け続けていると、勝負にのめり込んでしまい最終的には損失を出して終わってしまいます。自分で決めた取引ルールを守ることで、リスクを最小限に抑えましょう。
3-3. テクニカル分析も意識する
仮想通貨FXを始める時には、テクニカル分析を意識しましょう。
FXで取引を行う人たちは、決して勘で取引をしているわけではありません。チャート分析ツールを利用して、相場から読み取れる投資家の心理や次の動きを予測しているのです。
テクニカル分析で使われるものには、ローソク足や移動平均線、ボリンジャーバンドなど、さまざまな分析方法があります。仮想通貨取引所によっては、チャート画面に分析ツールが用意されていますので、利用してみましょう。
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3-4. レバレッジ手数料に注意
仮想通貨FXには、ポジションを持っているだけでかかる「レバレッジ手数料」という手数料がかかることが一般的です。取引所によっては「スワップ手数料」とも呼ばれます。
このレバレッジ手数料(スワップ手数料)は、1日ごとや数時間ごとに徴収されます。例えばショートポジション(売り注文)から取引を開始して、もっと下がってから売ろうと決済注文(買い注文)を出さないまま2日が過ぎると、2日分の手数料がかかります。
ガチホや週末トレーダーには不向き
ガチホや週末トレーダーには、レバレッジは向いていません。現物取引と同じ感覚で売買のタイミングを待っていると手数料だけで利益が消えるので、各取引所でルールをしっかり確認しておきましょう。
4. 仮想通貨FXの利益にも税金がかかる
仮想通貨取引で利益を得た場合には税金がかかります。これは、仮想通貨FXでの利益も同じです。
仮想通貨の利益は雑所得に分類されますので、20万円を超える利益を得た場合には、確定申告を忘れないようにしましょう。
5. FXができるおすすめの仮想通貨取引所
仮想通貨でFXができる取引所は多数ありますが、その中でもおすすめの取引所を紹介します。
BitMEX
BitMEXではレバレッジを最大100倍までかけられます。
またBitMEXではゼロカットシステムを導入しており、損失が自己資金を超えないように調整してくれます。
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BitMEXにはデモトレードも用意されていますので、初めてFXを体験する人でも、資金が一切必要ないデモトレードでの練習が可能です。
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GMOコイン
仮想通貨FXを手軽に行いたいならGMOコインが便利です。GMOコインでは、FX専用アプリ「ビットレ君」を提供しており、スマホひとつでFXの取引ができます。
またGMOコインはビットコイン以外のアルトコインもレバレッジをかけて取引できます。
取引通貨ペア
- BTC/JPY
- ETH/JPY
- BCH/JPY
- LTC/JPY
- XRP/JPY
1タップで注文操作が可能な「スピード注文」や、各種インジケータを用いたテクニカル分析もスマホだけで行えます。
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bitFlyer
bitFlyerでは、Lightning FXという名称でFXを提供しています。bitFlyerの特徴は、日本円だけでなくBTCでも証拠金を預け入れられることです。
また、最小発注量は0.01BTCから可能で、1BTC=100万円だった場合は、最低1万円からの取引が可能です。
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まとめ
仮想通貨FXは、現物取引よりも大きな利益を得るチャンスがあります。ただし、そこには大きなリスクがあることを理解しておかなければなりません。
追証やロスカットは投資家を守るシステムですが、これらシステムが発動した時には損失が出ている証拠です。
仮想通貨FXを利用する際には、まずデモトレードなどで感覚をつかみ、余剰資金を使って倍率の低いレバレッジで取引を始めてみましょう。