
仮想通貨(暗号資産)のことを調べていて「ガチホ」という言葉を聞いたことはありませんか?
ガチホとは「ガチでホールド」という言葉の略語で、仮想通貨を長期保有して利益を狙うという投資スタイルのひとつです。
以下の記事では「ガチホ」の詳しい意味や言葉の使い方、ガチホ成功のコツを伝授します。
目次
1. ガチホとは
ガチホとは長期保有を示す投資用語の1つです。
1-1. ガチホ=長期保有
ガチホとは、値上がりを期待して特定の銘柄を長期的に保有する投資法を指します。
- がっちりホールド
- ガチガチにホールド
- ガチでホールド
などの言葉が略されて「ガチホ」と呼ばれるようになりました。「ガチホ」を長期投資とすると、短期投資には次のようなものがあります。
▶仮想通貨のデイトレードとは? 概要・やり方・取引所を徹底解説!
インターネット上では、ガチホをしている人たちの総称を「ガチホ勢」「ガチホ民」と呼ぶことも。また大きな値動きがあっても、揺らぐことなくガチホを継続する忍耐力を「握力」といいます。
「本日はビットコインの大安売りとなっております奥様!」
「でも、お高いんでしょう?150万円とかするとか聞いたわよ?」
「ところが今なら100万を切って特売価格の99万4000円!」ええ…今13000ほど負けですわ。こうなりゃガチホだ。 pic.twitter.com/qqZMkLQ9Um
— CohaChalle (@kohachare) February 26, 2020
元は株投資で使われていたスラング
ガチホは、もともと株の投資家たちの間で使われていたスラングです。
仮想通貨投資で若年層の投資家が増えるに伴い、SNSやネット掲示板を通じて一気に「ガチホ」の認知度がアップ。
今では検索エンジンの上位を仮想通貨の記事が占めるほど、仮想通貨用語のひとつとして浸透しています。
1-2. 寝かせる・気絶投資法・塩漬けとの違い
ガチホと似た意味を持つ言葉には、
- 寝かせる
- 気絶投資法
- 塩漬け
といったものがあります。どれも長期的にコインを保有し利益が生まれるのを待つ投資法ですが、意味は少しずつ違います。
“寝かせる”はただの保有
ガチホは値上がりを予想して持ち続ける状態を指しますが、“寝かせる” はそうとは限りません。
10万円注ぎ込んで買ったビットコインの価値が20万円を超えた、けど来年まで寝かせるとしよう(・∀・) pic.twitter.com/HyuaZGd8zM
— Chihiro🇺🇸@アメリカ携帯『アメスマ』 (@chihiroshinzaki) May 2, 2017
ガチホの「しっかりと握る」というよりも、「とりあえずしばらく置いておく」というニュアンスが近いかもしれません。
“気絶投資法”は情報を断つ
気絶投資法は長期的な保有だけでなく、値動きのチェックをほとんど行わずにホールドし続ける状態のこと。
btc乱高下激しすぎるッピ🤣
まぁふいんき勢の私には気絶投資法が1番やな😗— ろどす (@_LODOSS_) July 3, 2019
長期投資をしている最中に大幅値下がりが起こると、売りたい気持ちにかられますよね。
そのようなニュースに心を動かされないため、わざと情報をシャットアウトしてホールドを続ける戦略です。
“塩漬け”は売るに売れない状態
“塩漬け” とは、値下がりしてしまい仕方なく保有を続けている状態のこと。
ビットコイン動けない。
塩漬け中。
機会的ロストはこの事— Fantom (@NjTYz8r42KkNDvq) November 3, 2019
長期的な保有という点ではガチホと同じですが「損失が大きく、売りたくても売れない」といったネガティブなイメージがあります。
2. ガチホのメリット
ガチホのメリットには、以下のような点が挙げられます。
ガチホのメリット
- 日々の相場の流れを追う必要がない
- 税金がかからない
- 手間が少なくラクチン
それぞれについて解説していきましょう。
2-1. “流れを読む力” がなくてもできる
ガチホは価格の流れを読む力が備わっていなくても始められます。売り時や買い時といったコツが必要なデイトレードと異なり、テクニカルに相場を分析する必要がありません。
(テクニカルな分析手法については、コインペディアの現役トレーダーがその手法を公開していますので、興味のある方は参考にしてみてください。)
仮想通貨の今後に期待! 成長しそうなコインを見極めよう!
2020年5月現在、ビットコインの価格は900,000円台を推移していますが、数年後にはもっと上がるという人もいます。
またビットコイン以外の仮想通貨であるオルトコイン(アルトコイン)にも、成長を期待できる銘柄が多数あります。順調に成長していきそうなコインを見極めてガチホしておけば、数年後に資産が増えているかもしれません。
▶大手格付け機関Weiss Raitingによる2019年7月の格付けは?
2-2. 含み益には税金がかからない
仮想通貨で得た利益は雑所得として扱われ、最大45%の税金を納めなくてはなりません。
課税対象になる条件は、
- 仮想通貨を現金や商品に換えた時
- ほかの仮想通貨と交換した時
というもの。
つまり条件に当てはまらないガチホは、いくら含み益があっても税金がかからないのです。“ガチホ最強” といわれる理由のひとつですね。
取引回数が少ないから税金計算もかんたん
また売買を行ったとしても、短期売買と異なり取引回数が少ないから税金計算がラクチン。
確定申告を簡単に済ませたい人には、ガチホでの投資スタイルが向いているのではないでしょうか。(暗号資産の税金計算について詳しく知りたい方はこちらの記事が参考になります。)
2-3. 手間が少ないので楽
ガチホを決め込んでしまえば、動かざること山の如し。時が経つのを待つだけなので、ほとんど手間がかかりません。短期で売買する場合は、24時間365日アンテナを張ることになるでしょう。コツをつかむまで時間もかかります。
一方のガチホは、一日中チャートとにらめっこをする必要はありません。年間の取引回数も少なく済むので、短期売買の投機よりもラクチン。
ガチホは忙しい人でも取り組めるほど、手間が少ない投資法です。
3. ガチホの注意点
ガチホ手法で投資を始めるにあたって、初心者が気をつけたい注意点をまとめました。
ガチホの注意点
- 必ず現物で保有する
- 塩漬けにならないよう注意する
詳しく解説していきます。
3-1. 現物でやること
レバレッジ取引や仮想通貨FXでのポジション(決済前の注文)が残っている状態では、絶対にガチホをしないようにしましょう。
レバレッジ取引は持っているだけで手数料がかかる
ほとんどの場合、レバレッジ取引や仮想通貨FXではポジションを持っているだけで手数料がかかります。
額は取引所によって様々ですが、例えばGMOコインの仮想通貨FXでは日ごとに0.04%のレバレッジ手数料が設定されています。
ガチホすればするほど手数料で資産が消えていくため、ガチホに意味がないどころか損失が膨らむことになります。
現物取引は持っているだけなら手数料なし
現物取引の場合、資産を持っているだけで発生する手数料はありません。
長く保有することを目指すガチホなので、余計や手数料が取られないよう必ず現物で保有するようにしましょう。
3-2. “塩漬け” に注意
ガチホをするなら握力と同時に、引き際の判断力も必要です。
無価値になる可能性も
前述したように “塩漬け” には「売りたくても損失が大きくて売る気になれない」という意味があります。
今後値上がりの気配がないコインをホールドしていても、利益を得ることは難しいでしょう。最悪の場合、コインが無価値になるケースも。そうなれば100%の損失です。
損失があっても売る
もう値上がりの希望が持てないと判断した場合は、マイナスがあっても売りに出す決断が必要。判断が早ければ早いほど損失を抑えられます。
現実逃避せずに “損失があっても売りに出す勇気” を持ちましょう。
4. ガチホ成功のコツ
ガチホの投資スタイルで仮想通貨を運用するなら、以下の3点を意識しましょう。
ガチホ成功のコツ
- 「自分ルール」で握力を鍛える
- 定番コインを保有する
- ウォレットで安全に管理する
4-1. 握力を鍛える
ガチホは価格の乱高下に耐える力が必要です。通称「握力」と呼ばれる力。
投資を始めたら、自分の持っているコインの値動きが気になりますよね。
- 史上最高の価格がついている
- みるみる下落している
そんな瞬間こそ、握力が試されている時です!
自分ルールを作ることで誘惑に負けない!
ほかの投資家たちが活発に売買を行っていると「今こそ売り時ではないのか?」、「これ以上ホールドすると損失が増えるのでは?」とガチホを継続すべきか迷いが生まれます。
しかし一時的な乱高下に反応して売買をするやり方は、ガチホとはいえません。気持ちのぶれが大きい人ほど、投資に失敗するという声もあります。
ガチホをしている時は、精神的にキツい場面が何度も訪れるでしょう。さまざまな誘惑に負けないよう、
- ○○円ほどの価格変動は気にしない
- 価格が□□円になるまで売りに出さない
というルールを設けておけば、ぶれない気持ちでガチホを続けられるかもしれませんね。
4-2. 定番コインでガチホする
定番コインと呼んでも過言ではないビットコイン、またイーサリアム やXRP(通称:リップル)といったオルトコイン。これらのコインは日本の取引所でも扱っています。
情報収集しやすいから危険を察知できる
定番コインをガチホするメリットは、多くの人がTwitterやブログで情報を共有している点。特に日本で取り扱っている仮想通貨なら、リアルタイムの情報が得やすいでしょう。
急なアクシデントや事件にも即反応できますね。
購入は国内取引所がベスト
仮想通貨の購入は国内取引所で行うのが、オーソドックスで安全といわれています。
使い方がわからないときなどのサポートも日本語で受けられるので、投資デビューの方は定番コインからスタートして、感覚を養ってみてはいかがでしょうか?
金融庁登録済の取引所で購入できるコイン
- Bitcoin/ビットコイン(BTC)
- Ethereum/イーサリアム(ETH)
- XRP/エックスアールピーまたはザープ(通称:リップル)(XRP)
- Litecoin/ライトコイン(LTC)
- Bitcoin Cash/ビットコインキャッシュ(BCHまたはBCC)
- MonaCoin/モナコイン(MONA)
- Lisk/リスク(LSK)
- Ethereum Classic/イーサリアムクラシック(ETC)
- NEM/ネム(XEM)
- Factom/ファクトム(FCT)
- Counterparty/カウンターパーティー(XCP)
- QASH/キャッシュ(QASH)
- フィスココイン(FSCC)
- ネクスコイン(NCXC)
- CAICAコイン/カイカコイン(CICC)
- PEPECASH/ぺぺキャッシュ(PEPECASH)
- Steller Lumens/ステラルーメン(XLM)
草コインに高額投資はNG
億り人になる夢があるのは草コインへの投資。
草コインとは、時価総額が極端に低くマイナーなコインの総称。無価値になる可能性も高い一方、価格が上がれば億り人になれるかもしれないハイリスク・ハイリターンなコインです。
草コインは一獲千金の投資対象として注目されています。しかし草コインは価格がゼロになる恐れもあるだけでなく、詐欺要素の高いものも。まだコインを見極める目を養えていない初心者は、草コインへの高額投資は避けたほうがよいでしょう。
4-3. 安全な管理はコールドウォレットで
ガチホで長期的にコインを保有するなら、自身で用意したコールドウォレットでの管理がオススメ。取引所のウォレットに預けっぱなしにするのは危険です。なぜなら、
- 取引所が破たんすると預けたコインを取り出せなくなる
- 多くのコインが集中する取引所はハッカーに狙われやすい
といった恐れがあるから。
ハッキングで資産を失うのはオンラインのウォレットだから
2014年2月に起きたマウントゴックスのビットコイン消失事件ではコインを預けたままにしていたユーザーが多く、400億円を超える被害がありました。オンライン上のホットウォレットで管理をしていたことが原因ではないかといわれています。
2018年1月に起きたコインチェックのNEM流出事件も記憶に新しいですね。
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▶仮想通貨の流出はなぜ起こる? 被害総額ランキング1位は日本の取引所
コールドウォレットはインターネットにつないでいないので、凄腕ハッカーでも手を出しようがありません。多額のコインの保管方法としては、一番安全といえるのではないでしょうか。
代表的なコールドウォレット
- ペーパーウォレット
- ハードウェアウォレット
ガチホのように長期間取引を行わない場合は、コールドウォレットでコインを管理しましょう。
5. Weiss Ratingの仮想通貨ランキング
アメリカで金融や保険会社の格付けを行う大手格付け機関Weiss Ratings(ワイスレーティング)。
2019年7月の評価では、ビットコインに過去最高ランクとなる「A-」(excellent(-))をつけました。
#Bitcoin, our top rated asset, is an A- for the first time since we launched the Weiss Crypto Ratings in January 2018: https://t.co/vyb8wxympt#WeissRating #BTC #altcoins #crypto #cryptocurrency
— Weiss Crypto Ratings (@WeissCrypto) July 8, 2019
2018年1月評価ではビットコインは「C+」だったので、1年半で大きく評価を上げたことになります。
Weiss Rating公式サイトでは、ほかの仮想通貨への評価を見ることができます。
まとめ
この記事では
- ガチホとは特定の銘柄を長期で保有している状態を指す投資法
- 投資ならではのコツが必要なく、取引回数や税金計算が少なく済む
- 価格が落ちた時に「耐える」「売る」といった判断ができなければ、利益を出すのは難しい
- 草コインへの高額投資はハイリスク・ハイリターン
- 長期でコインを保有するならコールドウォレットで管理
- 大手格付け機関でビットコインが過去最高評価
ということを紹介しました。
投資対象として仮想通貨を始めたい人、買ってみたけど運用方法を模索中という方も。ぜひ参考にしてください。