仮想通貨の投資信託とは? 金融庁の規制や米国での場合まで解説

仮想通貨の投資信託

仮想通貨は通常、仮想通貨取引所で購入します。しかし近年の仮想通貨の普及により、仮想通貨を組み込んだ投資信託も話題に上がるようになりました。ただ、制度の整備が十分でないなどの理由で購入できる仮想通貨投資信託がないのも現状です。

本記事では、投資信託の基礎知識をはじめ、現状の仮想通貨投資信託の状況などについて解説していきます。

この記事でわかること(仮想通貨の投資信託)


1. 仮想通貨の投資信託とは?

仮想通貨(暗号通貨)を入手する際、ほとんどの方が仮想通貨取引所を使用して入手しているかと思います。

一方、株式は証券口座を開設して個別株を購入するという方法に加え、投資信託やETF、先物や株価指数CFDなど、さまざまな形式の派生商品を取引することができます。

実は近年、仮想通貨にもこのような派生商品が誕生する流れができつつあります。

投資信託がどのようなものかよく知らない初心者から、ある程度知識のある方まで役に立つ内容を取り上げていますので、ぜひご参考ください。

1-1. そもそも投資信託とは?

はじめにそもそも投資信託とは何か、現在どのような仮想通貨の投資信託があるのかといった基礎的な内容について触れていきたいと思います。

投資信託とは、一言でいえばプロの投資家にお金を預けて運用してもらい、その運用益を受け取れる仕組みの金融商品になります。個別株などに比べ、投資の知識や技術に乏しい方でも気軽に投資ができることが大きなメリットです。

また、投資信託には多くの種類があり、以下のようにそれぞれ異なる特徴を持ちます。

  • 新興国株への投資
  • 国内、海外先進国株へ分散投資
  • 株式、債権、REIT、外貨、現金など多くのジャンルに分散投資
  • 医療分野株や日用品関連株など、ジャンル別に投資

どのような投資信託に投資するかは、自分の知識や自分が求めるリスクリターンと照らし合わせて考慮するべきでしょう。一般的に新興国株への集中投資などはハイリスクハイリターン、さまざまな投資対象への分散投資はローリスクローリターンといわれています。

1-2. 仮想通貨を組み込んだ投資信託

さて、投資信託とは上述したようにプロに運用を任せることが特徴の金融商品ですが、仮想通貨を投資対象に組み込んでいる投資信託は存在するのでしょうか。

結論をいえば、日本にはありません

しかし、米国やシンガポールなどさまざまな国で少しずつ普及しており、国によっては今後も増えていく可能性もあるでしょう。

なお、それらの投資信託の多くがビットコイン(Bitcoin)のみに投資する投資信託であり、その他のアルトコイン(オルトコイン)に投資をする投資信託はまだまだ少ないのが現状です。

1-3. ETFとの違いは?

ETFとは、Exchange Trade Fand(上場投資信託)の略であり、上場型の投資信託とも呼ばれます。混同されがちな投資信託とETFですが、プロに運用を任せるという最大の特徴は共通しています。

投資信託とETFで異なる点は以下のようになります。

投資信託とETF(上場投資信託)の違い

ETFは投資信託とは異なり、その名の通り株式市場に上場していることが大きな特徴です。上場しているため、普通の個別株のようにリアルタイムで価格が変動します。

一方投資信託は非上場であるため価格は1日1度しか変動しません。また、実際に買う方法も異なり、投資信託は販売を請け負っている販売会社から購入申請をすることになります。

ETFは個別株などと同じように証券口座を開設し、取引をして入手することになります。

1-4. 現在ある仮想通貨の投資信託

仮想通貨の投資信託(世界)

次に、具体的な仮想通貨の投資信託をいくつか紹介しましょう。

まずは、仮想通貨運用会社Grayscaleによるビットコイン投資信託(GBTC)です。

GBTCは、2020年1月に米国の証券取引委員会(SEC)に仮想通貨投資信託野の中で初めて登録をした投資信託です。この登録は金融商品としての仮想通貨が認知されるために大きな出来事であるといえます。

GBTCの運用方針は、1証券当たりのビットコイン保有比率がビットコインの価格と連動するような投資成果を目指すものとなっています。すなわち、ビットコイン価格に連動して投資家の損益も変化する、いわゆるインデックス型の投資信託になります。

GBTCのようにSECに登録される投資信託が今後出てくるかどうかで、仮想通貨市場の盛り上がりにも影響があるでしょう。

続いては、シンガポールに拠点を置くStack社によって運用されているBTCX100です。BTCX100もGBTCと同じく、ビットコイン価格に連動するインデックス型の投資信託です。

シンガポールは仮想通貨事業への取り組みへ積極的であり、その一環であるBTCX100のような投資信託の運用も、アジア初の試みとなっています。

このように海外ではいくつかの仮想通貨投資信託がありますが、残念ながら日本には仮想通貨投資信託はありません。後述するように日本の金融庁が積極的な姿勢をとっていないのが主な原因であり、今後の規制緩和が期待されます。


2. 投資信託の仮想通貨価格への影響

ここまででは仮想通貨の投資信託について、基礎的な情報を解説しました。

次に、仮想通貨の投資信託が普及することによるさまざまな影響について説明していきます。基本的には影響はポジティブなものであり、仮想通貨の価値向上にもプラスとなるといわれています。

2-1. 仮想通貨の一般への認知が広まる

まず第一に、投資信託という形で広まることで、今よりも一般の投資家が手を出しやすくなります。

投資信託は上述したように証券取引委員会の登録を得ている場合もあり、これまでよりも信頼性が高いという意味でも新規の投資家を増やすことにつながります。

このような新規の投資家の参入により新たな資金が流入し、仮想通貨の価格の上昇も期待できます。

(参照)ビットコイン投資信託、米ミレニアル世代の株所有率でNetflixやディズニー超え(COINPOST)

2-2. 機関投資家が参入する

もう1つの大きな要因として、機関投資家が仮想通貨市場に参入できるようになることが挙げられます。

機関投資家:ファンドにおいて投資信託やETFなどの運用をおこなっているプロの投資家。

機関投資家は顧客から集めた資金で投資をおこなうため、投資対象には安全などの観点から制限が課されます。

仮想通貨は新規性の高い金融商品であるため、今まではリスクを考慮し機関投資家の投資対象となることはありませんでした。しかし、仮想通貨の投資信託が登場したことにより、運用会社によってある程度の信頼性が担保され、機関投資家が参入できるようになります。

機関投資家が顧客から集めた大量の資金が仮想通貨に流入すると大きな価格上昇となる可能性もあるため、投資信託の存在は仮想通貨にとって追い風となります。

2-3. 今後の仮想通貨の投資信託

上述したように仮想通貨の投資信託は仮想通貨にとってプラスとなる側面が非常に大きいです。

しかし、現実として仮想通貨はセキュリティ面制度面で発展途上であることもあり、実際に投資信託として認可されることは少ないのが現状です。

仮想通貨の投資信託が普及するかどうかは、今後の仮想通貨の技術の発展次第といえます。


3. 日本における仮想通貨の投資信託

海外ではGBTCのように仮想通貨の投資信託も存在しますが、残念ながら日本には仮想通貨の投資信託はありません。それは、日本の金融庁が海外に比べ厳しく規制をしていることが理由です。

3-1. 日本では買えない

現状残念ながら日本では仮想通貨の投資信託を取引することはできません。

仮想通貨取引所で取引して入手する以外では、仮想通貨の積立投資などしか派生といえる商品はなく、仮想通貨の運用方法は限られていると言わざるを得ません。

3-2. 金融庁は慎重な姿勢

日本で仮想通貨の投資信託を購入できない大きな理由は、金融庁がかなり慎重な姿勢をとっていることが大きいです。

金融庁は2019年9月、仮想通貨の投資信託の組成を当面控える考えである方針を明らかにし、現在仮想通貨の投資信託は日本において完全に停止しています。

金融庁がこのような発表に至った理由として、値動きの荒い仮想通貨への投資は投機を助長する恐れがあることに基づくとのことです。

金融庁の発表する方針は法律的な規制となるわけではありませんが、実質的に強制力を持ちます。日本で仮想通貨の投資信託が買えるようになるのは、しばらく先になるかもしれません。


まとめ

投資信託はプロが運用をおこなうという点、かつ投資対象別にさまざまな投資信託を選択することができる金融商品です。

残念ながら仮想通貨を組み込んだ投資信託は現時点では購入できませんが、今後仮想通貨の制度やセキュリティ面での技術が向上すれば購入できるようになるかもしれません。

仮想通貨自体は多くの投資家から注目されている金融商品ですので、今後の派生商品の発達にも期待されます。

今のうちから世界の仮想通貨市場の動向に気を配っておくことで、仮想通貨の投資信託を取り巻く環境に変化が生じた際にうまく立ち回ることができるでしょう。

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