仮想通貨取引で損失が拡大するケース4例と、その具体的対策・対処法

仮想通貨取引を行う際に、損失が出ることを恐れている人も多いのではないでしょうか。

仮想通貨元年といわれた2017年。仮想通貨取引で利益を得たユーザーが多く現れ、何人もの億り人を誕生させました。しかし2018年初めに起きたビットコインの暴落で、連鎖するように多くの仮想通貨価格が下落。大きな損失を抱えた人も大勢いたことでしょう。

この記事では仮想通貨取引で損失が拡大するケースと対策方法、損失が出た時の対処法を紹介。損失を抱えている時の税金計算についても解説していきます。損失を抑える取引方法を学んで、大切な資産を守りましょう!

1. 仮想通貨で損失が拡大するケース

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投資対象として注目される仮想通貨ですが、大きな損失が出て頭を抱えるユーザーも少なくありません。とあるネット掲示板では「ガチな損失額を書いていこう。自分は698万の損失が出た」といった内容を投稿している人もいました。

仮想通貨で損失が出るケースには、どういった場合はあるのでしょうか? 1章では仮想通貨投資で損失が拡大するケースのなかから、よくある4パターンを厳選して紹介していきます。

ケース1:価格暴落 

損失が生まれるもっとも一般的なケースは価格の下落。仮想通貨はまだ若い通貨のため、法定通貨と比べると価格が安定していません。そのため価格暴落があり得るリスク資産なんです。

下の表をご覧ください。仮想通貨・株の1日あたりの最大下落率を比較した表です。リサーチしたところ、仮想通貨の下落率が圧倒的に高い数値を記していることがわかりました。

対象下落率
仮想通貨:BTC/JPY25.49%
株:日経平均株価4.73%

※調査対象期間 2018年1月1日~6月14日

25.49%の下落率を記録したのは、2018117日。前日の終値が1,433,999円に対し1,068,530円まで下落しました。1日で365,469円の値下がりです。これだけでもかなり大幅な値下がりですが、実はこの前日も16.14%の下落率を記録。2日間でマイナス641,470円という大暴落が起きました。

この暴落の引き金となった原因のひとつとして、中国政府による仮想通貨の規制強化が考えられます。中国では2017年から規制を行っていました。しかし2018年1月15日に、仮想通貨取引を行えるサイトにアクセスをできなくするなど、規制をさらに厳しくする考えが報じられました。

ネガティブなニュースをきっかけに仮想通貨を売却するユーザーが増え、大きな下落を招いたと考えられます。

参考:Bloomberg China Escalates Crackdown on Cryptocurrency Trading

株では大幅な損失から投資家を守るためにストップ安という値幅制限がありますが、仮想通貨にはありません。中央で管理する人がいないため、今後値幅制限が設けられることも考えづらいでしょう。

短期間で数十万円の大暴落を記録しているビットコインですが、調査期間内には27.97%の値上がりを記録した日も。201811日~614日の調査期間内には、1日で10万円以上の大きな価格変動が起きた日数は10日間ありました。

しかしこれらは過去の記録であって、これから先は価格がどう動くかはわかりません。ただ「数十%規模の暴落があり得る」と心に留めておいてよいかもしれません。

ケース2:高値買い&安値売りをくり返す

高値買い&安値売りを損失拡大のテンプレートといっても過言ではないので? これは文字通り、高値で買った仮想通貨を安値で売るという行為をくり返すことで生まれる損失です。

まだ取引経験がない人は「そんなバカなことはしないでしょ」と思うかもしれません。しかしよくある仮想通貨投資の失敗例のひとつなんです。

以下の例をご覧ください。高値買い&安値売りで損失が拡大する典型的なパターンです。以下のような売買をくり返すと高値買い&安値売りになってしまいます。

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  1. 90万「トレンド通貨に乗り遅れではいけない!」
  2. 85万「まだ下がるかもしれないから今のうちに損切りしよう」
  3. 87万「これ以上下がらなそうだな……。上がりきる前に購入しよう」
  4. 83万「さらに下落が続くと危ない!」
  5. 93万「売却した途端に急騰した……。少し安くなってから購入しよう」

購入した仮想通貨が下落し始めたところで焦って損切り。損失分を取り戻そうとして売買をくり返した結果、さらに損失が膨らんでしまうケースです。

ケース3:高レバレッジをかけている

レバレッジは証拠金を納めることで、その数倍の取引が可能になるシステム。たとえば10万円を証拠金として入金し、10倍のレバレッジをかけると100万円分の取引ができるようになります。そのため利益も10倍になりますが、損失も10倍に……。ちょっとした下落でも大きな損失を生むリスクがあるのです。

レバレッジの倍率が高ければ高いほど、含み損が出た時に抱える損失も拡大。ギャンブル性が高い取引方法といえるでしょう。

ケース4:取引所が破たんして仮想通貨が返ってこなくなる

仮想通貨取引に利用している取引所が破たんして、預けていた資金が返ってこなくなるケースもあります。2014年に起きたマウントゴックス事件では大量のビットコインやユーザーからの預かり金が紛失し、損失を抱えた被害者が大勢出ました。

マウントゴックス事件

2014年2月、当時仮想通貨取引市場の70%を占めていた大手取引所『マウントゴックス』から大量のビットコインが紛失した事件。当時の価格で400億円以上の被害額といわれています。
事件後にマウントゴックスは民事再生手続きの申し立てを行いましたが、廃却され破たん手続きを開始。消えたビットコインは横領されたか盗難されたかは、いまだ明らかになっていません。

マウントゴックス事件以外でも、世界中の取引所で仮想通貨紛失による破たん事例が報告されています。取引所の破たんで損失を被る人をこれ以上出さないため、日本では「仮想通貨交換業者はユーザーの資金と事業者の資金を分散して管理する」と義務づけました。しかし国によって法律が異なるため、取引所の破たんによって損失を抱える人も少なくないのが現状です。

2. 損失拡大しないための対策方法

「なるべく損失を抑えて取引をしたい!」という方も多いのでは? ここでは損失を抑えて取引する方法を紹介していきます。

対策1:少額取引なら損失が出ても小さい

仮想通貨投資で下落や暴落は防ぎようがありません。大きな損失を出したくない人は少額の投資金から取引をスタートしましょう。大きな利益を生む可能性も低くなりますが、少額取引は損失額を抑えるもっとも有効な投資方法といえるでしょう。

たとえば1,000円程度の取引を1週間ほど毎日行い、どのくらい損益が出るか試してみるのもひとつの手。少額な取引でも仮想通貨トレードの感覚がつかめるのではないでしょうか。

仮想通貨は1,000円以下の少額な取引でもスタートできます。以下は金融庁へ登録済みの取引所が規定するビットコインの最小購入単位。金融庁へ登録済みの取引所はセキュリティや管理面で厳しい審査を経ているので、少なくても怪しげな取引所ではありません。

サービス名最小取引単位1BTCの価格が100万円の時の購入金額
bitbank0.0001BTC100円
BitTrade0.0001BTC100円
BITPOINT0.0001BTC100円
フィスコ仮想通貨取引所0.001BTC1,000円
Zaif0.001BTC1,000円
bitFlyer0.001BTC1,000円
DMM Bitcoin0.001BTC1,000円
BTCBOX0.001BTC1,000円
Liquid(旧:QUOINEX)0.01BTC10,000円
Bitgate1,000円

※現物取引に限る(2018年9月26日更新)
※サービス名のリンクをクリックすると各サービスのトップページへ移動します

大きな損失を生みたくない人は、少ない金額かつ生活余剰金の範囲内で取引を行いましょう。

対策2:価格変動に一喜一憂しない

仮想通貨取引では売買のタイミングを見極めることが大切です。相場の変動に踊らされて一喜一憂し、計画性のない取引を行っていると、高値買い&安値売りになりかねません。

どうしても価格が気になりチャートを眺めては損失が出ていないか不安にかられる方は、思い切って気絶をしてみては? 気絶といっても本当に意識を失うわけではありません。気絶とは仮想通貨で使われる投資用語で、長期的な投資戦略のひとつです。

気絶投資法

気絶投資法とは、わざと情報をシャットアウトして値動きを確認しない投資戦略。気持ちのぶれをなくすため、あえて情報を仕入れないことで保有を続けやすくします。
チャート依存症の人が強制的に気絶するための手段には、以下のような方法があります。

  • パソコンの電源をオフにして寝る
  • チャートアプリをアンインストール
  • SNSを削除

大きなニュースを逃さないため、定期的に “起きて” 情報を仕入れましょう。

損失が出たら慌てて損切りをしたくなる気持ちも生まれますが、行動に移す前に回復する可能性を検討してみてください。仮想通貨取引では場面行動をせず、落ち着いて取引しましょう。

対策3:絶対に借金をつくりたくないなら「現物取引」

仮想通貨取引で損失、特に借金をつくりたくないならレバレッジをかけずに現物取引に的を絞りましょう。

現物取引は入金額分の仮想通貨取引が行える取引方法。証拠金取引と異なり取引所から資産を借り入れて売買するわけではないので、ゼロになることはあってもマイナスになることはありません。絶対に借金をつくらない取引方法です。

「証拠金取引でも追証がない取引所なら、資産がマイナスになることはない」と思っている人も多いですが、それは間違い。追証なしの取引所で証拠金取引を行っていても、借金ができる可能性があるのです。詳しくは下の記事で紹介しているので、証拠金取引に興味がある人はぜひ一読を!

現物取引はレバレッジ取引と比べ利益が小さく感じますが、その分損失も抑えることができます。そして絶対に取引で借金ができることはありません。

損失を抑えて、尚かつ絶対に借金をつくりたくない方は現物取引がオススメ。また損失が出ても生活に負担がかからないよう、余剰金の範囲内で取引してください。

対策4:仮想通貨は自分のウォレットで管理

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仮想通貨は取引所に預けたままにせず、自分のウォレットで管理しましょう。預けるコインを最小限に抑えることで、万が一取引所が破たんした時に大きな損失が生じるリスクを減らせます。

もっとも安全な管理方法は仮想通貨をコールドウォレットに保管すること。インターネットから切り離されたウォレットなので、ハッキングに遭う危険性が抑えられます。

しかしコインを頻繁に出し入れしたい人にとっては不便に感じるかもしれません。そういった方は、気軽にコインを出し入れできるウォレットアプリで管理してもよいでしょう。オンライン上で仮想通貨を管理するウォレットですが、取引所の破たんに巻き込まれる心配はありません。

さらに利用する取引所を国内のものに制限すれば安全度はアップ。なぜなら日本ではユーザーの資金と取引所の資金を分別して管理しなければならないと法律で決まっているからです。取引所にある仮想通貨がすべて盗まれたとしても、ユーザーの資金は返却が保証されています。

仮想通貨を紛失し損失をつくらないためには国内の取引所を利用し、トレードに使わないコインは自分のウォレットで管理しましょう。

3. 損失が出てしまった時の対処方法

「仮想通貨取引をしていて損失が出てしまった!」という時は、まず落ち着いてください。焦って行動しては冷静な判断ができなくなり、損失拡大につながるかもしれません。一呼吸をつき、落ち着いてから次の行動を考えましょう。

3章では損失が出てしまった時の対処法を紹介していきます。

3-1. 塩漬け仮想通貨は思い切って損切り

高値で買った銘柄が下落し続け、売りたくても売れない “塩漬け” 状態になっている方は、思い切って損切りを検討してみてください。

この時、ただ損切りするだけでなく保有銘柄の見込み価格を再検証も行うとよいでしょう。ファンダメンタル分析やテクニカル分析を使って今後の価格を検討し、もっとも損失が抑えられるタイミングを狙って売却しましょう。

ファンダメンタル分析

ファンダメンタル分析とは、

  • 仮想通貨で使用している技術やイベント情報といった内部環境
  • 国際的なニュースや政治政策といった外部環境
  • 景気

といった情報から今後の価格を予想する分析方法。

テクニカル分析

テクニカル分析とは、

  • 各時間帯の取引量
  • 1日あたりの出来高
  • これまでの価格変動パターン

といった情報から今後の価格を予想する分析方法。

仮想通貨の値動き予想では確実な正解がありません。価格は取引を行うユーザーの需要で上下するもの。だれかが大量の資産を一気に売りに出すだけでも、市場価格に影響が出るかもしれないのです。そのため分析結果を100%信用できるわけではありませんが、計画を立てずに売却してしまうよりもまだよいのではないでしょうか。

こうした分析を駆使し、自分が思うベストなタイミングで塩漬け仮想通貨を損切りして新たなスタートを切るのもひとつの手。仮想通貨や投資に関する知識を十分につけたうえで再スタートすれば、損失分を取り戻せるかもしれません。

3-2. 回復する見込みがあるならホールド

下落した価格が回復する見込みがあると考えるのなら、ホールドして利益が出せる売却タイミングを待つのもよいでしょう。

ホールドする場合でも3-1で紹介した分析方法で、見込み価格の再検討をオススメします。なぜなら購入時と現在では分析結果が異なる可能性があるからです。

下の画像は2018412日のビットコイン価格のチャート。20時台に価格が急騰しました。この日はイスラム法(シャイリーア)で仮想通貨の存在を認める方向というニュースが報じられています。

bitcoin_chart_20180412
参照:bitbank BTC/JPY 2018年4月12日

イスラム教徒は世界の約4分の1にあたる16億人以上の人口。もしイスラム法で仮想通貨が認められれば、今後の需要が増えるかもしれません。2018年に入ってから下落が続いていたビットコイン価格ですが、こうしたポジティブなニュースがビットコイン価格の回復につながったと考えられます。

参考:Bitcoin.com

同じように仮想通貨ユーザーの多い国でポジティブなニュースがあれば、価格が上昇する見込みがあるのではないでしょうか? こうした情報をキャッチすることで、損失がある時でもホールドするか損切りするかの判断材料になります。

しかし仮想通貨は値動きが激しい傾向にあります。数週間や数ヵ月前の値動きの様子と今では、価格変動のパターンに異なりが出ている可能性も大。ホールドを続けるつもりでも、定期的に見込み価格を再検討しましょう。

4. 損失を利用して節税できる? 仮想通貨の税金計算FAQ

「損失を利用して節税できないかな」と考える方も少なくないのでは?

仮想通貨取引で出た損失額は、ほかの所得と通算や経費扱いにできるのでしょうか。一問一答スタイルでお答えしていきます。

分散投資をしている時、損益の通算はできますか?

仮想通貨同士の損益は通算可能です。

仮想通貨ごとに生じた損益については相殺できます。たとえばビットコインで10万円の利益を出し、イーサリアムで5万円の損失を出したとしましょう。この場合、課税対象となる税金計算方法は以下の通り。

10万円(利益)– 5万円(損失)= 5万円(課税対象額)

分散投資をしている人は、利益と損失を通算して課税対象額を算出しましょう。また、仮想通貨以外の雑所得に区分される所得とも損益の通算ができます。

雑所得以外の所得と損益通算できますか?

雑所得以外の所得と損益通算はできません。

国税庁が公開している仮想通貨に関する計算方法のファイルには、以下の内容が記載されています。

雑所得の金額の計算上生じた損失については、雑所得以外の他の所得と通算することはできません。

引用:国税庁 「仮想通貨に関する所得の計算方法等について(情報)」

所得税法では、ほかと損益が通算できる所得は以下の通り。

  • 不動産所得
  • 事業所得
  • 譲渡所得
  • 山林所得

仮想通貨は雑所得にあたるため、ほかの所得と損益が通算できる対象には当てはまりません。つまり給与所得やほかの所得から損失額を差し引いて、支払う税金を減らすことはできないのです。

損失は経費扱いにできますか?

仮想通貨の損益が事業所得とみなされれば経費扱いにできますが、副業程度の活動では難しいです。事業所得とみなされない場合は、損失分を経費に充てられません。

仮想通貨の損益を事業所得とみなされれば、損失分を必要経費として落とせるほか、給与所得などのほかの所得とも損益の通算ができるようになります。

しかし事業所得とみなされるには、副業や趣味程度のトレード歴では難しいと思われます。判断基準は明確にされていませんが、今後法整備が進むにつれてクリアになっていくのではないでしょうか。

たとえば、

  • 仮想通貨取引が主な収入源で、その利益で生計を立てている
  • 仮想通貨取引に関する書籍の出版やメディアの運営などの活動を行っている
  • 長期に渡り仮想通貨取引を継続して行っている

などのポイントが当てはまれば個人事業主と認められ、損失を経費に充てられるかもしれません。

反対に本職の休み時間にトレードを行う、頻繁な取引は行っていないといった活動経歴では、多額の儲けが出ていたとしても事業所得とみなされない可能性が高いです。

しかし経費にあたる・あたらないという争いは、昔から裁判沙汰にもなっている論点。仮想通貨に関しての法整備はまだ始まったばかりで、これから判断基準がどのように設けられるかわかりません。判断に悩んだ時は専門家に相談してみましょう。

さいごに

仮想通貨の損失が拡大するケースやその対策・対処法について紹介してきました。いかがでしたか?

仮想通貨取引を行うなら、大きな損失を生むリスクがあることを理解しておかなければなりません。また損失が出た場合に備え、余剰金の範囲内で取引することも大切な心構えです。

こちらの記事では仮想通貨でよくある失敗例を紹介。投資、運用、取引所選びといったパターン別で失敗例と回避方法を解説しています。ぜひ参考にしてください。