【2020年版】仮想通貨の税率一覧| 税金の計算方法や基礎知識を解説

仮想通貨の税率

仮想通貨取引で利益が出れば税金が発生し、確定申告が必要です。仮想通貨にかかる税金は、累進課税のため利益が出るほど税率が上がります。税金について知らないまま取引を始めてしまうと、あとで高い税率に驚くことにもなりかねません。

仮想通貨で税金が発生するタイミングや、どのくらいの税金がかかるのか、知っているのと知らないのでは大きな違いです。知っておきたい仮想通貨の税率や計算方法など、税金の基礎について解説します。

この記事でわかること(仮想通貨の節税)


1. 仮想通貨の税率は高い!

仮想通貨の税率は高い

仮想通貨の税金についてよくわからないという人でも、仮想通貨の税率は高いと耳にしたことがあるかもしれません。なぜ仮想通貨にかかる税率は高いのでしょうか。実際にどのくらいの税率がかかるのか、みていきましょう。

1-1. 仮想通貨で得た所得は雑所得

仮想通貨は、保有しているだけでは課税対象にはなりません。仮想通貨を売却するなどして、利益を得た時点で税金が発生します。

仮想通貨で得た利益は、所得税では「雑所得」に分類されます。ただし継続的な取引があり、仮想通貨取引の利益によって生計をたてていることが客観的に明らかな場合などは、「事業所得」として認められることもあります。

所得の区分には、雑所得を含めて10種類あります。まず、事業所得や不動産所得、給与所得など9種類に区分されます。9つの種類どれにも当てはまらないものが、雑所得に区分されます。9種類のどれにも該当しない「その他の所得」という位置づけです。

雑所得にはどのようなものがあるのでしょうか。具体的には、公的年金や、会社員の人が副業で得た原稿料や講演料などが該当します。最近では副業が話題になることも多いですが、ブログやアフィリエイトなどで得た収益も雑所得に該当します。

参考:所得の区分のあらまし/国税庁
参考:雑所得/国税庁

1-2. 稼ぐほど不利な総合課税とは

総合課税制度

総合課税とは、他の所得と合算して税金を計算する制度です。例えば給与所得があり、仮想通貨取引で利益が出た場合には、両方の所得を合算して税金が計算されます。給与所得や事業所得など、該当するすべての所得を合算して課税するのが総合課税です。

総合課税は累進課税となり、所得が増えるほど税率が上がります。最大で55%(所得税45%+住民税10%)の税率が課されます。

所得が4,000万を超える人は、半分以上税金として納めなければなりません。稼ぐほど不利になるといわれる所以です。

収めるべき税金分は使わないように対策を

仮想通貨で大きな利益を得ると、ついつい財布の紐が緩んでしまうかもしれませんが、税金のことはしっかり頭に置いておきましょう。所得税は毎年1月~12月分の利益に対して課税されるので、実際に税金を納めるのは翌年の2月~3月頃です。利益すべて使ってしまわないように、税金の分は必ず手元に残しておくようにしましょう。

所得税の税率
参照:所得税の税率/国税庁

2. 仮想通貨の税金と税率の計算方法

それでは具体的に税率と、税金の計算方法をみていきましょう。給与所得が400万円の人で、仮想通貨の利益が200万円ある場合と、ない場合を比較します。

仮想通貨の利益がある場合

① 給与所得400万円+仮想通貨の利益200万円の場合

400万円+200万円=600万円 ⇒税率20%/控除額427,500
600万円×0.2-427,500=772,500

税額は772,500円です。

所得は給与所得のみの場合

② 給与所得400万円のみの場合

給与所得400万円⇒税率20%/控除額427,500
400万円×0.2-427,500=372,500

税額は372,500円です。

実際には、各種控除が適用されるのでこの限りではありませんが、税額に大きな差が出ることがわかります。

例えば330万円から5万円上回った場合は……?

所得税は所得に応じて税率が設定されています。例えば195万円~330万円の税率は10%ですが、330万円を超えると税率20%と一気に上がります。

ここで気になるのが、所得が税率の設定の境目近辺だった場合です。年間所得が330万円を5万円上回った場合はどうなるのでしょうか?
具体的に計算します。

① 年間所得330万円の場合(税率10%)

330万円×0.1-97,500=232,500

② 年間所得335万円の場合(税率20%)

335万円×0.2-427,500=242,500

その差額は1万円となりました。

日本の所得税は、超過累進税率です。所得金額が枠を超えたときには、超えた分に対してのみ高い税率が適用されます。そのため所得の枠は、特に意識しなくても問題はありません。

仮想通貨と株・FXの課税の違い

同じ投資でも、株やFXと仮想通貨では所得の区分が異なるため、税率や税金の計算方法が違います。株やFXの利益には「所得税」と「住民税」がかかりますが、仮想通貨のように利益が上がるほど税率が高くなるものではなく、一律の税率で計算されます。

株・FXの税率は仮想通貨よりも安い

株やFXの税率は以下の通りです。

所得税15.315%+住民税5%=合計20.315%
(所得税15%に復興所得税2.1%が加算されています)

また株やFXは損失がでた場合、翌年以降3年間にわたり繰越控除ができます。一方、仮想通貨は損失がでた場合でも翌年以降に繰り越しできません

ただし、仮想通貨も年内であれば損益を相殺できます。利益が出ていて、年末時点で含み損を抱えている通貨がある場合、この先価格の上昇が見込めないという場合などは損失を確定して利益と相殺することも可能です。

参考:株式を譲渡したときの課税(申告分離課税/国税庁)
参考:上場株式等に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除/国税庁
参考:外国為替証拠金取引(FX)の課税関係/国税庁
参考:先物取引に係る雑所得等の課税の特例/国税庁


3. 仮想通貨の税率が適用されるのはいつ?

仮想通貨の税率について解説しました。保有しているだけでは税金は発生しませんが、実際に仮想通貨の税率は、どの時点で適用されるのでしょうか。具体的に税金が発生するタイミングをみてみましょう。

3-1. そもそも仮想通貨で確定申告が必要な人とは

仮想通貨によって利益を得た場合には、確定申告が必要です。ただし以下のように利益の額によっては確定申告が不要となるケースがあります。

  • 所得の合計が基礎控除の38万円以下
  • 給与所得があり、給与以外の収入が20万円以下

主婦の人や、無職の人の場合、基礎控除となる38万円以下であれば所得税は発生しないので確定申告は不要です。

またサラリーマンなどで給与所得があり、勤務先で年末調整を行っている場合、利益が20万円以下であれば確定申告は不要です。ただし、所得税の申告は不要でも住民税の申告は必要ですので忘れないように注意しましょう。

それでも確定申告が必要なケースもある

ただし給与所得者でも、医療費控除ふるさと納税などで確定申告が必要な場合があります。その場合は仮想通貨の利益が20万円以下であっても確定申告が必要ですので、注意しましょう。

3-2. 仮想通貨で課税が発生する3つのケース

仮想通貨で税金が発生するタイミングは主に以下の3つです。

1.仮想通貨の売買で利益を出した場合

仮想通貨は含み益がある場合でも、税金は発生しません。売買をして利益確定をした時点で税金が発生します。

2.仮想通貨で買い物をしたら課税対象

仮想通貨を使って、物やサービスを購入した場合は利益確定とみなされ税金が発生します。

3.マイニングで仮想通貨を取得

マイニングによって新たな仮想通貨を取得した場合も、所得とみなされ税金が発生します。取得した時点の価格を、利益として計上します。


4. 仮想通貨の税率から逃れたい

仮想通貨の節税

仮想通貨の高い税率をみると、できることなら税金を払いたくない、なんとか払わずに済む方法はないか、と考え人もいるかもしれません。ですが、仮想通貨取引で利益が出ている以上、確定申告や税金から逃れる方法はありません。申告しなくてもバレないのでは?と安易に考えることはやめましょう。

隠した場合は税務署の調査&罰則へ

税務署の調査が入れば、取引所の履歴などは必ず確認されます。適切に申告・納税をしていないと罰則が課せられることもあります。

罰則が課せられると、延滞税や加算税など、本来納税する額にさらに罰則金が加算されます。仮想通貨の利益は雑所得となり累進課税ですので、利益が大きいほど税率もあがります。それに伴って、延滞税などの罰則の額も増えてしまいます。

また長期間に渡り金額も大きい場合に、悪質と判断されれば刑事罰を受ける可能性もあるので注意が必要です。

税金対策はできる

税率が高い仮想通貨ですが、まったく対策がないわけではありません。適切な方法で、節税は可能です。具体的には以下のような方法があります。

  • 売買せずに保有し続ける
  • 給与所得者は年間の利益を20万円以下におさえる
  • 仮想通貨取引にかかる費用を経費として申告する
  • 事業所得で申告する
  • 法人登記をして会社を設立する

まず仮想通貨は保有しているだけでは課税されませんので、一番簡単な方法としては売買などはせずに保有し続けることです。

今後税制が改正される可能性は?

まだまだ仮想通貨については、法整備が追い付いていないところもあります。今後税制が改正される可能性もないとはいえません。今では分離課税となっているFXも、当初は「雑所得」に区分されていました。長期投資目的の保有であれば、税率など制度が改正されるかどうか様子を見ながら保有しておくというのも有効な手段といえます。

サラリーマンなどの給与所得者の場合は、利益が20万円以下であれば確定申告が不要です。損益を把握しながら取引をし、20万円以内に利益がおさまるように調整するのも有効です。

また仮想通貨取引にかかる費用は、経費として申告できます。具体的には取引にかかった手数料や、仮想通貨取引に使用するインターネットの通信費などです。

参考:やさしい基礎経費の知識/国税庁

継続的な取引があり、仮想通貨によって生計をたてられるほどの利益がある場合は、事業所得として申告もできます。さらに利益が高額になり、大きな金額を動かすようになった場合は法人化し会社を設立することも有効な節税手段です。


まとめ

仮想通貨取引の税率について、解説しました。現在のところ仮想通貨については、「雑所得」扱いです。雑所得は総合課税のため、累進課税となり、利益が出るほど高い税率が設定されています。

税金から逃れることはできませんが、節税の方法はあります。税金について知っていれば、後で困ることもありません。税金について正しく把握しながら、仮想通貨取引にぜひチャレンジしてみてください。