仮想通貨ステラとリップルは何が違う? 違いから将来性も見えてきた

ステラ(XLM)とリップル(XRP)の違い

仮想通貨(暗号資産ステラ・ルーメン(Stellar lumens)は2014年にジェド・マケーレブ(Jed McCaleb)氏によって創設された仮想通貨です。

ジェド・マケーレブ氏はリップル社と仮想通貨XRPの創設に関わる人物であることから、ステラとリップル(XRP)はとてもよく似た仮想通貨と言われています。しかしこの2つの仮想通貨は、根本の部分から違う別の仮想通貨なのです。

仮想通貨ステラのターゲットやしくみについて、リップルとの違いを詳しく説明していきます。特にターゲットの違いは投資先として選ぶ上で重要なポイントですので、ぜひ参考にしてください。

この記事でわかること(ステラとリップル)


1. ステラとリップルは送金に着目した仮想通貨

ステラ(XLM)とリップル(XRP)が良く似ていると言われていますが、真逆とも言える違いもあるのです。具体的には次の点で大きく異なっています。

ステラとリップルの違い

  • 対象とするターゲット
  • 価格へ対するアプローチ
  • コンセンサスアルゴリズム

これらのポイントを押さえれば、ステラとリップルが似て非なるものであることがはっきりすることでしょう。

同じ送金でもターゲットが違う

ステラもリップルも主に送金を目的に作られていますが、対象としているターゲットが違っています

個人間か銀行間か

ステラ(XLM)とリップル(XRP)の送金の違い

ステラとリップルの違いを考えるとき、もっともユーザーに影響のある部分はそれぞれのターゲットの違いでしょう。

ステラが主に提携しているのは、以下のような企業です。

  • 送金業者
  • 決済代行サービス
  • 多国籍技術系企業
  • 金融技術企業

リップルは銀行間の送金を主な役割としていますので、ターゲットは銀行です。

このターゲットの違いが、基本的な動作の違いを生み出します。


2. 仮想通貨の価格に対する着眼点が違う

多くの仮想通貨は、通貨価値の向上を図る施策がとられています。その結果、仮想通貨全体の価値が向上し、大きな投資市場を作り上げているのです。

ただし、仮想通貨が登場した目的の1つは新たな経済圏を作り出す「通貨」としての役割です。ステラは改めてその点に回帰したと言えるしくみを持っています。

量を増やすステラと減らすリップル

ステラ(XLM)とリップル(XRP)の発行枚数の違い

ステラネットワークの基軸通貨であるXLMの発行上限は毎年1%ずつ増加されるため、実質上限なしになっています。それに比べて、リップルには1,000億XRPという発行上限があり、すでにすべて発行済みかつ消費した分だけ流通数が減っていくようになっています。

ステラは流通数が増えていくのに対して、リップルは流通数が減っていくわけです。

リップル(XRP)発行枚数はBTCの4000倍以上|発行上限と仕組み

価格を抑えるステラと上げるリップル

経済圏の規模が拡大すれば、使用するユーザーが増えますので通貨は不足します。通貨が不足すると、通貨の価値は上がっていくことになるでしょう。そのため良く使われている法定通貨は、定期的に通貨を発行し続けることで通貨の価値を安定させようとしています。

個人が利用する通貨を目指しているステラも価値が安定していることが重要ですので、法定通貨と同様に流通量を増やすことで経済圏の拡大による高騰を防いでいます

それに比べて、銀行間のやりとりは世界経済の拡大に合わせて取り扱う金額が上がりますが、ユーザーである銀行はそれほど増えません。そのためブリッジ通貨になるリップルでは、枚数ではなく価値を上げた方が使いやすいのです。


3. コンセンサスアルゴリズムが違う

コンセンサスアルゴリズムは、仮想通貨の信頼性の根幹となるしくみです。ステラとリップルは、このコンセンサスアルゴリズムが次のように違っています。

ステラSCP(Stellar Consensus Protocol)
リップルPoC(Proof of Consensus)

コンセンサスアルゴリズムとは

仮想通貨リップル(XRP)の送金スピードを支えるPoCの仕組み

SCPとPoCは両方共、参加者全員ではなく一部の参加者が承認者になって取引を認証することで処理速度の向上を実現しています。

よく似ているように見えますが違うものですので、代表的な違いを紹介しましょう。

参加者同士の信頼と公的な信頼

ステラのSCPとリップルのPoCの分かりやすい違いは、承認者の選び方でしょう。

ステラ(SCP)参加者との信頼関係
リップル(PoC)運営による選抜

ステラでは各参加者同士の信頼関係を基準にして承認者を決定しています。ここで言う信頼関係とは、相手の処理結果を信用して処理を進めるかどうかを判断する、ということです。多くの参加者と信頼関係を築いている人はステラネットワークへの貢献と依存が大きく、信頼を裏切らないというわけです。

リップルの場合は、信頼できる機関や団体が承認者になります。承認者はUNL(Unique Node List)というリストで管理されており、複数のUNLから選択できるようにすることで不正時の自浄作用を促しているのです。

SCPとPoCの動作

もう少し詳しく、SCPとPoCの承認の動作を見ておきましょう。

SCPは承認者がグループを作っており、そのグループ内の検証結果が同一になることで承認とします。そして、大多数のグループが承認を出すことで、コンセンサスがとれたと判断されるのです。

承認者は複数のグループに所属していますので、グループごとの検証結果は同一になります。そのため、悪意のあるグループが不正を働いても大多数の正しい結果に勝つことは困難でしょう。

ステラ(XLM)のコンセンサスアルゴリズム「SCP」

リップル(XRP)のコンセンサスアルゴリズム「PoC」

PoCではUNLに登録されている承認者が信頼をかけて検証を行っています。承認者が不正を働く可能性もゼロではありませんが、身分を公開して承認者として登録されていますので大きな代償を必要とすることでしょう。


4. ステラの将来性

投資対象としてステラを見たとき、リップルのような価格の高騰には期待できないかもしれません。その代わり、ステラには通貨として使われる「将来性」というメリットがあるのです。ここでは、そんなステラの将来性を具体的な例を挙げて紹介します。

ブリッジ通貨の活用

ブリッジ通貨とは

通貨同士の両替の仲介役となるブリッジ通貨としての機能は、ステラの中心となるものです。これはリップルでも同様ですが、ステラが個人を対象にしていることで、リップルよりも身近な活用が考えられます

具体的には、IBMがステラネットワークを活用して展開している「Blockchain World Wire」では、72カ国44行の銀行と提携して47種類もの通貨での送金が可能になっています。

容易な外貨預金

ステラを扱えるウォレットでは、米ドルなどの法定通貨と紐づき同等の価値のあるステーブルコインを保有できます。このしくみを使えば、銀行口座がなくても外貨貯金ができるわけです。

ステーブルコイン
ステーブルコインというのは、法定通貨などと同じ価値を持つことが保証された仮想通貨とことです。
ステラネットワークは最初からステーブルコインに対応しており、ステーブルコインを資産として保持できるしくみが組み込まれているのです。
ステーブルコインとは? 特徴や実用面で期待されている仕組みを解説

国際的な基軸通貨である日本円で生活していると実感しにくいですが、自国通貨の信用度が低い国では、外貨貯金は重要なリスク回避の1つです。ステラはそんな外貨貯金を、銀行口座を持てない人たちにも開放してくれるわけです。

安価で高速な国際送金

ステラネットワークを使うと、どんなに遠くの国であってもアドレスや金額の入力とわずかな手数料で送金できます。個人を対象とするステラネットワークであれば、国際送金を銀行口座なしで実現できるのです。


まとめ

ステラは、リップルと違って個人をターゲットにしています。これはステラネットワークが通貨としての利用を目指していることを表しており、それが実現したときの社会へのインパクトは大きいものでしょう。

  • ステラのターゲットは個人、リップルのターゲットは銀行
  • ステラはボラティリティや価格を抑えるために発行上限をなくしている
  • リップルは消費されて流通量が減ることで価格が上がる
  • ステラの承認者は多くのつながりを持った人
  • リップルの承認者は社会的に信頼された団体や企業
  • ステラネットワークを使えば、銀行口座なしで外貨貯金を実現できる

ステラは安価で高速な個人間送金を実現しながら、資産形成や通貨としての地位をも狙っている仮想通貨です。日本でも本格的にキャッシュレス決済が動き出したいま、ステラを体験することでもう一歩先を夢見ることができるでしょう。