話題のDappsとは? 定義と既存のWebサービスとの違い・メリット

Dapps

DappsDecentralized Applications)」というのは、日本語で「分散型アプリケーション」のことです。

「分散型アプリケーション」と言われても、既存のアプリケーションと何が違うのかすぐに理解できる人は少ないかもしれません。

本記事ではDappsの定義を説明した上で、既存のアプリケーションとの違いメリット・将来性についてお伝えします。

この記事でわかること(Dapps)

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1. Dappsはアプリケーション

Dappsというのは、ブロックチェーン上で動作するアプリケーションのことです。

ブロックチェーンと言えばビットコインやイーサリアムなどの仮想通貨(暗号資産)でも使われている技術ですが、それ以外にもDappsと仮想通貨には共通点があります。

1-1. Dappsの定義

Dappsはブロックチェーン上で動作するという特徴も含めて、次のような定義がされています。

Dappsの定義

  1. アプリケーションがオープンソースであること
  2. 条件が揃うことで自動動作すること
  3. 分散管理されており、特定の管理者が存在しないこと
  4. ユーザーの合意形成によってのみ変更されること
  5. 公開されたブロックチェーンを利用していること
  6. アプリケーションの利用にトークン(例えば、イーサリアムではETH)が必要となること
  7. アプリケーションの維持に貢献したユーザーに対して、報酬としてトークンが支払われること

この定義は、仮想通貨関連への投資会社BitAngelsの創設者David Johnstonが提唱したものです。

(参考:GitHub.com DavidJohnstonCEO/DecentralizedApplications

ビットコインもDappsの一種

Dappsの定義から、仮想通貨はDappsのうちの1つだということが分かります。例えば仮想通貨の代表であるビットコインを当てはめて、確認してみましょう。

  1. ビットコインのプログラムはオープンソースで公開されており、そのおかげで様々な仮想通貨が誕生しました。
  2. ユーザーが送金するだけでブロックチェーン上で送金処理が行われます。この処理に取引業者などは介入しません。
  3. ビットコインの正しさを証明して管理しているのは、ビットコインネットワーク上でマイニングしている不特定多数のマイナーたちです。
  4. ビットコインで仕様変更が行われる場合、すべてのマイナーが合意して新たな仕様のソフトウェアを使用しなければ、ビットコインが分裂することになります。
  5. ビットコインのブロックチェーンは公開されており誰でも記録を閲覧することができます。
  6. ビットコインはBTCを送受金します。
  7. マイナーによるマイニングはビットコインの維持に貢献しており、その報酬としてBTCが支払われています。

以上のように、ビットコインは定義に当てはまるDappsです。

Dappsには仮想通貨の他にゲームや仮想通貨取引所、融資や不動産売買の仲介など様々なアプリケーションが存在・検討されています。

1-2. 従来のWebアプリとの違い

Dappsには、パソコンやスマホで提供されている既存のWebアプリと同じことをするものがいくつもあります。

しかしDappsとWebアプリは根本的に違っています。

既存のWebアプリ Dapps
特定の管理者
あり なし
利用コスト
買い切りやサブスクリプション 利用ごと
アプリケーション情報の透明性
公開されていないことが多い 公開されており検証可能
セキュリティ・プライバシー保護
管理者に依存 強固
サービスの継続性
管理者に依存 原則、停止しない

Dappsと既存のWebアプリケーションの違いは、この基本的なつくりの違いにあります。

Dappsはブロックチェーンの利点を継承している

既存のWebアプリは特定の企業や個人が管理しているため、アプリケーション上のやりとりの公平性収集された情報の利用などは管理者に依存しています

それに比べてDappsはブロックチェーンの次の利点をそのまま継承しています。

Dappsの利点

  • 特定の管理者がいないためDapps上でのやりとりを操作できる権利者が生まれない(公平性)
  • 情報が暗号化されているため、未許可での利用ができない
  • ネットワークの一部がダウンしてもサービスは停止せず、原則としてサービス終了もない

Dappsは、ブロックチェーンをベースにしていることで高セキュリティを得られ、管理者を排することで公平性を得られたアプリケーションなのです。

1-3. Dappsを利用する方法

通常のWebアプリは、サービスサイトへアクセスして会員登録などをすることで利用することができます。

Dappsについても同様にサービスサイトへアクセスすることで利用できますが、Webアプリとは違っている部分もあります。

Dappsのプラットホームの代表とも言えるイーサリアムの例で説明しましょう。

トークンが必要

Dappsの定義にもある通り、Dappsを利用するためには対象のDappsが動いているブロックチェーン上のトークンが必要になります。

イーサリアムのブロックチェーン上にあるDappsを動かすためにはETHが必要になりますので、事前に入手しておかなければいけません。

Dappsはスマートコントラクト機能(特定の条件下で自動的に取引を行うしくみ)を利用して動作します。Dappsを動作させるために、特定の取引を行う「トークンの送金」が必要になるのです。

ウォレットが必要

ウォレットは仮想通貨を安全に保管するために必要なものですが、Dappsを利用する時にも必要となります。

特にブラウザと連携するウォレットを利用すれば、Dappsへの送金を半自動で行うこともできますので、利便性の上では必須と言えるでしょう。

仮想通貨取引所で購入した仮想通貨は取引所内に保管され、そこから送金することでDappsを利用することも不可能ではありません。しかしDappsで何らかの操作をしようとするたびに取引所にアクセスして手動で送金手続きをするのは手間がかかります。

そこで連携するウォレットを使えば最低限の操作(送金の承認ボタン押下程度)で済みますので、スムーズにDappsを利用することができます。

イーサリアムのDappsを利用するのであれば、数多くのDappsで推奨されているMETAMASKがおすすめです。

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2. Dappsのメリット

既存のWebアプリではなくDappsを利用することで、ユーザーには次のようなメリットがあります。

Dappsのメリット

  • 高セキュリティ
  • 透明性
  • 公平性
  • 利用料の低価格化
  • サービスが中断しない
  • 情報資産を自己管理できる

高セキュリティ

Dappsは既存のWebアプリに比べて、情報の流出や改ざんのリスクが極めて低いアプリケーションです。

それはDappsのベースとなるブロックチェーンそのものが強固な暗号化技術を基盤としており、解読して情報を取り出すことは容易ではないからです。

ブロックチェーンを利用しているビットコインやイーサリアムなどの仮想通貨は、誕生から現在に至るまでそのしくみそのものの脆弱性による情報流出は起こっていません。

取引所からの仮想通貨流出は、仮想通貨そのものではなく取引所のセキュリティの低さに起因しています。

また既存のWebアプリでは情報をサーバで一括管理しているため、サーバへのハッキングによる改ざんが頻繁に起こっています。

しかしDappsではネットワーク上にいくつもの情報のコピーが存在していて常に整合性の確認がされているため、情報の改ざんリスクは極めて低いのです。

透明性

Dappsの取引記録はすべてブロックチェーンに記録されます。

ブロックチェーンは誰でも参照できますので、透明性が極めて高いものです。

もちろん個人を特定できる部分は暗号化されていますが、「トークンの送金履歴」や「Dappsの動作履歴」などは調べればすぐに分かります。

公平性

特定の人や企業の思惑でサービスを変更することや特定のユーザーが利用できなくするようなことは、Dappsでは起きません。

ブロックチェーン上で動作しているDappsは、仕様変更などを行うためにはハードフォークと同様の「参加者の合意」が必須です。

そのため、特定の人や企業の思惑だけではなくユーザーの意見も尊重する公平性が保たれています。

利用料の低価格化

Dappsには管理者がいないため、システムを管理するための手数料が不要です。

ブロックチェーン上でトークンを送金するための手数料は必要ですが、その金額は既存のWebアプリの利用料よりも極めて安い金額の場合がほとんどです。

サービスが中断しない

Dappsはブロックチェーン上で動作するため、ネットワーク上のコンピュータがダウンしてもサービスが停止するようなことがほとんど起きません

既存のWebアプリでは、管理者が管理するサーバがダウンするとサービスが中断してしまい、再開までに相当の時間を要することもしばしばです。

しかしDappsではブロックチェーンネットワークに属するコンピュータがすべて同じ権限と情報を持っているため、数台ダウンしても他のコンピュータがすぐに代わりを務めることができます。

そのため、サービス全体が停止するという事態に陥るリスクが低いといえます。

情報資産を自己管理できる

ブロックチェーンに記録されている情報は、所有者以外がアクセスして操作することはできません。

Dapps上のトークンなどの情報資産はすべてユーザーが管理することになりますので、既存のWebアプリのように管理者の問題で情報が流出するようなリスクはありません

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3. Dappsの課題

ユーザーにとってメリットの多いDappsですが、まだまだ普及しておらず既存のWebアプリよりも圧倒的に利用者が少ないのが、現状です。

Facebookの2020年第2四半期のMAU(1ヶ月でアクセスしたユーザー数)は27億人ですが、Dappsは全体でも380万人程度と桁が3つも違っています。

(参考:Facebook社 2020年第2四半期(4月-6月)業績ハイライト2020 Q2 Dapp Market Summary

まだまだDappsの知名度が低いということも理由の1つですが、次のような改善すべき課題があるからです。

Dappsの課題

  • スケーラビリティ問題
  • 手数料が必要
  • 不具合改修の難しさ
  • 仕様が複数ある

スケーラビリティ問題

スケーラビリティ問題とはブロックチェーン上の処理が遅延し、遅延を回避しようとした結果手数料が高騰する問題のことです。

この問題は「一定時間にブロックチェーンへ記録できる情報量が決まっている」ことで発生するブロックチェーンの根源的な問題ですので、Dapps利用時でも発生する可能性があります。

ただしスケーラビリティ問題についてはブロックチェーンの根源的な問題ということもあって、すでに「オフチェーン」や「Segwit」といった改善策が実現しています。

手数料が必要

Dappsでは何らかの動作をするたびにトークンを送金する必要があります。

それに比べて既存のWebアプリの多くは「買い切り」か月額いくらの「サブスクリプション」ですので、いくら操作しても金額は一定です。

操作するたびに手数料が必要な従量課金制というのは、金額的にはとても小さいとしてもDappsを利用する頻度を下げることにつながるでしょう。

ただし手数料については、前述のオフチェーンを利用することで操作する頻度を減らすこともできます。

不具合改修が難しい(時間がかかる)

ブロックチェーン上で動作するDappsは、不具合があったとしても安易に停止させられません

プログラムの根本的な部分に問題があった場合、Dappsを一時的に停止しなければいけません。しかし「Dappsを止める=ブロックチェーンの動作を止める」ということですので、ネットワーク参加者の合意をとらなければいけません。

その結果、不具合が見つかってもすぐに改修できないことがあります。

そのため既存のWebアプリのように素早くリリースして不具合は見つけ次第修正するような開発手法はとれず、サービスリリースまでに時間がかかってしまうことが多いのです。

仕様が複数ある

現在のDappsは「相互に互換性がない同じアプリケーションがいくつも存在している」という、パソコン黎明期に似た状態です。

パソコン黎明期にはいくつもの種類のOSがあってOSごとに同じソフトがありましたが、Windowsの登場でOSがほぼ統一され爆発的にパソコンが普及しました。

Dappsはこのパソコン黎明期と同じようにブロックチェーンごとに仕様が異なります。そのため、あるブロックチェーンで動作しているDappsをそのまま別のブロックチェーンで利用することはできません。

ただしスマホアプリの開発では1つのプログラムコードでAndroid用とiOS用のアプリが作れる開発環境がいくつも登場していますので、この問題は仕様の統一ではなく開発環境の統一で解決されるかも知れません。

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4. Dappsの将来性

Dappsには既存のWebアプリにはない利点といくつかの課題がありますので、それで将来性を図るのは難しいでしょう。

ただし、現状を見てみることで将来の展望が見えてくるかもしれません。

4-1. 利用者数は増加している

Dappsの利用者数は、2019年第2四半期(4月-6月)の116万人程度から2020年第2四半期に380万人程度と3倍に増加しており、市場として拡大していることがうかがえます。

(参考:dapp.com 2019年第2四半期Dappsマーケット概要2020 Q2 Dapp Market Summary

ユーザー数の増加はブロックチェーンの信頼性の向上と収益性の向上につながりますので、ユーザー数の増加傾向が続くことで既存のWebアプリからDappsへの転換が進む可能性が高くなってくることでしょう。

ただしスケーラビリティ問題はユーザー数が増えれば表面化しやすくなりますので、課題解決の状況によっては頭打ちになる可能性もあります。

ゲームが利用者の増加を後押し

dapp.comの2020年第1四半期レポートによればアクティブなDappsの数は1,394であり、そのうちの274がゲームです。(参考:dapp.com 2020 Q2 Dapp Market Summary

ハイリスク系およびギャンブル系Dappsを除けば、ゲームは次点のソーシャル系の倍以上となっています。

日本でも「MyCryptoHeroes」や「クリプトスペルズ」などのDappsゲームが注目を集めています。

これらのゲームでは「キャラクターを所有できる」ことや「キャラクターを売買できる」などの特徴もあって、Dappsのユーザー数増加を後押ししていると言えます。

4-2. 新たなサービスの出現

じつはDappsには既存のWebアプリの代替となる同じようなサービスだけではなく、Dappsならではのサービスも存在しています。

選択肢が増えることはユーザーにとって有利に働くことが多いので、この点はDappsの拡大に良い影響を与えることでしょう。

既存のWebアプリの代替となるDapps

既存のWebアプリと同じ操作性で同じ結果を得られるというのは、まず「Dappsを使う」という意味でとても重要なポイントです。

PlayList
Dappsサービス例
(参考:PlayList

音楽ストリーミングを実現したDappsです。

ユーザーはDappsを意識せず既存の音楽ストリーミングと同様のサービスを受けることができます。

dlive
Dappsサービス例
(参考:dlive

dliveはライブ配信アプリで、YouTubeと同様の操作感でサービスを受けることができます。

新たなサービスを提供するDapps

Dappsだからこそできる新たなサービスは、既存のWebアプリと比較したDappsの優位性になるでしょう。

Bumble Bee Foods
Dappsサービス例
(参考:Bumble Bee Foods

アメリカの食品会社のBumble Bee Foodsでは、マグロの捕獲者や仲介業者の情報を調べることができるシステムをDappsで構築しています。

Ford

 

アメリカの自動車大手のフォードでは、車同士が譲り合いをすることでトークンを受け取れるようなDappsを特許出願しています。

このDappsが活用されることで車同士の譲り合いにインセンティブが働きますので、渋滞緩和が期待できます。

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まとめ

Dappsは既存のWebアプリと比較して次のようなメリットがあります。

  • 高セキュリティ
  • 透明性
  • 公平性
  • 利用料の低価格化
  • サービスが中断しにくい
  • 情報資産を自己管理できる

いくつかの課題があるものの、既存のWebアプリと同等の機能を持ちながら独自のメリットも併せ持つDappsはユーザーにとっての利点も多いプロダクトといえるでしょう。

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