分散型金融(DeFi)とは|従来の金融システムとの違いと投資の注意点

分散型金融

分散型金融(DeFi)について「言葉は知っているけど説明できない」という人は多いかもしれません。

分散型金融とはブロックチェーン上の金融システムのことで、202012月時点で165億ドル(約1兆7000億円)ものお金が投資されています。(参考:DeFi Pulse

それほど注目を集めている分散型金融とはなにか、詳しく説明していきます。

この記事でわかること(分散型金融)


1. 分散型金融(DeFi)とは?

分散型金融はブロックチェーン上で動作するいくつもの金融システムの総称です。

それらが相互に関わり合ってひとつの生態系のように振る舞っていることから、「金融エコシステム」と説明されることもあります。

1-1. 分散型金融の特徴

ブロックチェーン上に存在する金融システムとしてはビットコインなどの仮想通貨(暗号資産)の他、分散型取引所(DEX)やレンディング(貸付)システムなどがあります。

それら分散型金融に分類されるサービスの特徴は、次のようなものです。

分散型金融の特徴

  • 中央管理者がいない
  • システムが停止しない
  • 利用制限がない
  • 検閲されない
  • 記録を改ざんされにくい
  • サービスリリースが速い

    それぞれについて、少し詳しく説明しましょう。 

    中央管理者がいない

     分散型金融のシステムは、特定の企業や個人の管理者が存在していません

    既存の金融システムでは、銀行や証券会社、保険会社などが取引者間に立って取引相手の信頼の保証や決められた手続きの遵守を管理することで取引を成立させていました。

    分散型金融ではその銀行や個人の役割を「ブロックチェーンとスマートコントラクト」が担い、管理者を廃しているのです。

    その結果、中間マージンや管理費が大きく削減され、取引手数料が安価になることになります。 

    システムが停止しない

     分散型金融はブロックチェーン上のアプリケーション(Dapps)で実現されています。

    ブロックチェーンではネットワークに参加するコンピュータに優劣はなく、コンピュータが1台ダウンしても他のコンピュータがすぐに同じ役割を肩代わりできるようになっています。

    そのため、何らかの障害で数台のコンピュータがダウンしてもシステムが停止することはありません

    利用制限がない

     分散型金融を実現しているDappsは、公開されたブロックチェーン上で動作しています。

    公開されているブロックチェーンですので、ネットワークにアクセスできる人であれば誰でもシステムを利用することができるようになっています。

    既存の金融システムは、一定以上の収入や職業・居住地などの条件に合致しない人には利用できないものでした。

    分散型金融はそういった金融システムに触れることすらできなかった人たちに、金融の門戸を開いたわけです。

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    検閲されない

    分散型金融のデータは暗号化されているため、個人の特定が困難です。 

     またシステムの停止や改変も一部の企業や国家・個人の思惑で行えませんので、特定の取引を妨害するなどといった検閲行為が極めて困難になっています

    記録を改ざんされにくい

    分散型金融で扱われる種々の記録は、ブロックチェーンに書き込まれます。

    ブロックチェーンに書き込まれた記録を改ざんするためには、ブロックチェーンネットワークの他の参加者すべてがかけているコストの合計よりも大きなコストが必要です。

    そのため、ブロックチェーンに保管されている分散型金融の記録は改ざんされにくいのです。

    サービスリリースが速い

    分散型金融ではシステムのプログラムがオープンにされているため、過去の実績のあるシステムを利用して新たなシステムを開発することが比較的容易にできます。

    そのため新たな金融サービスを立ち上げる場合に、ゼロからの開発に比べて圧倒的に速いスピードでの開発とサービスリリースが可能です。

    1-2. 分散型金融のプロダクト

     分散型金融にはいくつもの金融システムがあり、実際に稼働しています。

    それらは主に既存の金融商品をブロックチェーン上で実現したもので、次のようなカテゴリに分けられます。

    分散型仮想通貨取引所(DEX)

    運営会社の存在しない仮想通貨取引所が分散型取引所(DEX)です。

    ユーザーのウォレットからウォレットへ直接送金して仮想通貨取引を行うことで、通常なら運営会社へ支払う手数料が不要で安価に取引を行うことができます。

    またユーザー個人が持っているウォレット間で直接やり取りするため、取引所に事前に送金しておいたり秘密鍵を預けたりしておく必要がありません。

    取引所からの資産流出リスクを回避し、資産を安全に自己管理することができるのです。

    ステーブルコイン

    ステーブルコインとは、 法定通貨と1:1の価値を持つ仮想通貨のことです。

    一般的な仮想通貨と比較して価値が安定しているので特定のサービスの通貨として扱いやすく、かつサービスに特化した機能を追加することができます。

    例えば、日本円の価値を持つステーブルコインをDappsゲーム内の通貨とすることで、Dappsゲーム内のアイテムなどに日本円と同じように安定した価値を持たせることができます。

    レンディング

     仮想通貨を融資してくれるシステムです。

    仮想通貨のレンディングサービスを提供している取引所もありますが、仲介者がいない分それらに比べて金利が安くなっています。

    また融資可否や金利の決め方の基準がアルゴリズムとして公開されていますので、銀行や取引所からの融資より公正に感じる効果もあるでしょう。

    セキュリティトークン

    証券のような金融商品をデジタル化して扱うシステムです。

    デジタル化することで金融商品の流動性を上げることができ取引の利便性を向上させることができます。

    デリバディブ

    セキュリティトークンと同様ですが、先物取引やオプション取引などの権利を対象としてデジタル化したものです。

    1-3. 分散型金融が話題になっている理由

    分散型金融という名前が生まれる前からビットコインなどの仮想通貨は存在していますし、分散型取引所もイーサリアムネットワーク上に初期の段階から存在していました。

    それが2020年になって改めて大きな話題になっているのは、既存の金融システムを組み合わせた「イールドファーミング」や「流動性マイニング」と呼ばれるしくみを使ったサービスが生まれたことがきっかけと言えます。

    イールドファーミング
    ユーザーが レンディングサービスやDEXに対して仮想通貨を預けて、その資金から得られた利益がユーザーに還元されるしくみ
    流動性マイニング
    サービスを利用するユーザーにそのDeFiが発行したトークンを配布するしくみ

      特に後者の流動性マイニングによって、レンディングサービスのCompoundに人気が集まり、Compoundが発行したCOMPトークンの価格が急騰しました。

      Compトークン
      参照:CoinMarketCap

      これらの新規トークンへの期待感から多くの資金が流れ込み、そこから分散型金融が話題になるようになったわけです。 


      2. 分散型金融(DeFi)の今後

      分散型金融は話題になってはいますが、「流行っているから利用する」というのでは、2017年の仮想通貨バブルの二の舞にもなりかねません。今後どうなっていくのか将来性について検討し、それでも納得した場合にのみ投資するべきでしょう。

      2-1. 現在はバブルか?

      COMPトークンの例を見る通り現在の分散型金融のトークン価格上昇による資金の流入は、投機色の濃いものです。

      この動きは本来の分散型金融の利用による中央管理の廃止や利便性の向上などを理由にした健全な資金流入を妨げるばかりか、トークン価格暴落によるマイナスイメージの定着を招く恐れもあります。

      現状の早い者勝ちの投機的な資金流入ではなく、本来の「投資」への意識の切り替えができるかどうかが重要なポイントでしょう。 

      2-2. 公正な分散型金融には法整備が必要

      既存の金融システムに代わる本来の分散型金融の姿を確実なものにするためには、法整備が不可欠です。

      分散型金融はシステムとして国境のないものですが、それを実際に利用する私たちは居住区に合わせた法律に従わなければいけません

      法律がないから犯罪に使われる

      分散型金融のような金融商品を扱うしくみは特に、犯罪者に狙われやすく不正の温床にもなりかねません。

      しかし法律がなければ不正を不正として取り扱えませんので、法整備が必要なのです。

      法整備されることで、不正を防ぎ公平な取引を行える環境が整うことになります。

      法整備で利用者保護を推進

      分散型金融への投資は原則として自己責任ですので、法整備されたからといって100パーセント守られるものではありません。

      しかし分散型金融の一部である仮想通貨取引については、法整備が行われた結果不正な事業者が排除されて利用者保護が整ってきています。

      分散型金融についても同様で、そのシステムに合わせた法整備が行うことで不正な事業者の排除と利用者保護を両立させる必要があるのです。


      3. 分散型金融投資のリスク 

      最後に、これから分散型金融への投資を考えている人へ向けて、現状のリスクをお伝えします。

      投資する場合は最低限これらのリスクを把握し、対策しておきましょう。

      自己責任

      分散型金融に限らず、投資はすべて自己責任です。特に資産の保護については、十分なセキュリティ意識を持って行わなければいけません。

      特に分散型金融で発行されるトークンは、証券会社のように「苦情を受領して助けてくれるところ」もありません。問題があった場合はすべて自分で対処する必要があるわけです。

      バグ

      分散型金融のサービスの多くは、まだ生まれてから数年から数ヶ月といった若いものばかりです。

      そのため実運用でどの程度問題が出るのか未知数であり、どんなバグやぜい弱性が潜んでいるか分かりません

      分散型金融のバグやぜい弱性によってすべての資産を失うこともあります。

      詐欺

      新たなサービスでは多くの詐欺が行われます

      分散型金融のように複雑でかつ金融商品を扱うようなサービスは、不正を働こうとしている人たちにとって格好の狩り場になることでしょう。

      プログラムコードがオープンなため既存のサービスのコピーを簡単に作ることができ、そこにぜい弱性を仕込むこともできます。

      規制

      前述の通り法整備されることは重要ですが、その前段階として強い規制がかかる可能性があります

      法律が整うまでの時限的措置の場合もありますが、被害をこれ以上増やさないために利用を禁止するというのはよく行われる方法です。

      そうなってしまうと投資した資金を動かすことができなくなりますので、投資先の情報をしっかりと掴んでおくようにしておきましょう。


      まとめ

      既存の金融システムのプラットホームを根本から変えるポテンシャルを秘めた分散型金融(DeFi)は、現在とてもホットなワードです。

      • 分散型金融に中央管理者がいない
      • システムが停止しない
      • 分散型金融に利用制限がない
      • 分散型金融は検閲できない
      • イールドファーミングは仮想通貨を預けて利息を得る
      • 流動性マイニングは分散型金融に参加して専用トークンを得ること
      • 法整備はこれから

      現在の熱狂ぶりは2017年の仮想通貨バブルを彷彿とさせます。これから分散型金融の利用を考えている人はリスクを理解した上で納得して始めるようにしましょう。

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