
DMIはプロのトレーダーも使う、トレンドの分析に役立つ指標です。活用することで、感覚だけのトレードよりも根拠のある精度の高いトレードを目指すことができます。
今回の記事では、DMIの概要、見方・使い方、効率的に利益を狙うコツまで詳しく解説していきます。
目次
1. DMIとは?
この項目では、DMIの概要、計算式、構成指数について解説していきます。
1-1. 「市場のトレンド有無を調べる指標」 のこと
DMIは価格の変動幅を基にした、「市場のトレンドの有無を調べる指標」のことです。
大きく分けて、以下の3つの線を基にして構成されます。
DMIを構成する3つの線
- 期間ごとの上昇の強さを示す「+DI」
- 期間ごとの下落の強さを示す「−DI」
- 上昇と下落のトレンドの強弱を示す「ADX」
DMIにおいて重要視されるのは、高値と安値を基にした変動幅(ボラティリティ)です。これら3つの線も変動幅を基にして算出されます。
日本語では「方向性指数」という意味がある
DMIは「Directional Movement Index」の略称であり、日本語訳では「方向性指数」という意味があります。
1-2. DMIの計算式と考え方
この項目では、DMIの計算式を確認していきます。
■「+DM」と「−DM」と「TR」
DMIの計算でまず行うことは、上昇と下落の強さを示す「+DM」と「−DM」、実質的な変動幅を示す「TR」という3つの要素の計算です。
DMIを計算する3つの要素
- +DM:価格の上昇幅
- -DM:価格の下落幅
- TR:実質的な変動幅
価格の上昇幅を示す「+DM」
「+DM」は価格の上昇幅を示すものです。「当日の高値 – 前日の高値」で算出します。
なお、「+DM」より「−DM」の値が大きい場合、もしくは「+DM」が負の数になる場合には、「+DM」は0となります。
価格の下落幅を示す「−DM」
「−DM」は価格の下落幅を示すものです。「前日の安値- 当日の安値」で算出します。
なお、「−DM」より「+DM」の値が大きい場合、もしくは「−DM」が負の数になる場合には、「−DM」は0となります。
実質的な変動幅を示す「TR」
「TR」は実質的な価格の変動幅を示すものです。以下のうち、最も大きい値を「TR」として定めます。
- 「当日の高値-当日の安値」
- 「当日の高値-前日の終値」の絶対値
- 「前日の終値-当日の安値」の絶対値
■「+DI」と「−DI」と「ADX」
次に±DMとTRを使って、DMIの3つの要素である±DIとADXを計算します。
「+DI」の計算式と考え方
「+DI」の計算式は、以下のようになります。
+DI=(計測期間における+DMの合計)÷(計測期間におけるTRの合計)× 100
計算される値は、上昇した価格幅である「+DM」が、実質的な変動幅である「TR」に対してどれくらいの割合なのかを示したものです。
そのため、「+DI」は上昇の強さを示していると考えることができます。
「−DI」の計算式と考え方
「−DI」の計算式は、以下のようになります。
-DI=(計測期間における+DMの合計)÷(計測期間におけるTRの合計)× 100
計算される値は、下落した価格幅である「−DM」が、実質的な変動幅である「TR」に対してどれくらいの割合なのかを示したものです。
そのため、「−DI」は下落の強さを示していると考えることができます。
「ADX」の計算式と考え方
「ADX」は「+DI」と「−DI」の絶対値を、「+DI」と「−DI」の差で割った値の指数平滑移動平均線(EMA)です。
指数平滑移動平均線(EMA)とは相場の方向感を示す移動平均線の1つです。通常の移動平均線よりも、直近価格を重要視した分析をしたい時に使います。
大きな特徴として、上昇と下落を問わず、トレンドが強くなると「ADX」が上昇する傾向があります。
指数平滑移動平均線についてさらに詳しく知りたい人は、以下の記事を参考にしてみてください。
(関連記事)
外資戦略コンサル出身トレーダーが解説|BTCの移動平均線の使い方
2. DMIの使い方・売買ポイント
この項目では、DMIの使い方を確認していきます。
+DIが-DIを上に抜けたら買い
DMIの買いポイントは、+DIが-DIを上に抜けたタイミングです。
下記の2019年のビットコインのチャート画像では、画面中央付近の3月26日頃に、青色の+DIがオレンジ色の-DIを上抜けしています。

その後、価格も上抜け時の約45万円から6月26日頃の約150万円まで、大きく上昇していることがわかります。
このように、+DIが-DIを上に抜けたタイミングは、買いを入れる1つのポイントと考えることができるのです。
+DIが-DIを下に抜けたら売り
+DIが-DIを下に抜けたタイミングは、売りのタイミングの1つと考えることができます。
下記の2018年のビットコインのチャート画像では、画面中央付近の2018年11月12日頃に、青色の+DIがオレンジ色の-DIを下抜けしています。

下抜け時の価格は約70万円でしたが、12月15日頃には約35万円まで大幅に下落しています。
このように、+DIが-DIを下に抜けたタイミングは下落する可能性が高まるため、売り時の1つの目安として考えることが可能です。
3. DMIを使ってトレードで利益を出すコツ
ここからは、DMIを使ってトレードで利益を出すコツを確認していきます。
3-1. ADXが上昇してからエントリーする
利益を出すコツとして、ADX上昇後にエントリーすることが挙げられます。
ADXは明確なトレンドが発生してから上昇するため、上昇後にはそのトレンドの信頼性が高まることが理由です。
+DIと-DIは価格に対して敏感に動きますが、買いや売りを示唆する動きが出ても、トレンドが発生しない可能性があります。
ここでADXを使うことで、+DIと-DIが示す買いや売りのサイン、つまりはトレンドの信頼性を高めることができるのです。
3-2. 他の指標と組み合わせる
DMIは他の指標と組み合わせることで、利益を出せる可能性が高まります。
DMI以外でトレードの根拠を増やすことで、その根拠の信頼性をさらに高められたり、DMIだけでは判断できない情報を確認できたりすることが、その理由です。
RSIで決済ポイントを探る場合の例
例として、買われ過ぎや売られ過ぎの指標となる、RSIを組み合わせた場合を見てみましょう。
以下の2017年のビットコインのチャート画像では、11月14日頃に+DIが-DIを上抜けしており、価格も上昇しています。

いっぽうで、決済のポイントを探したい場合、この上昇がどこまで続くのかDMIだけでは判断が難しい状態です。
しかし、価格が下落した12月7日頃を見るとRSIの値は90を超えており、買われ過ぎの水準に達しています。
RSIは買われ過ぎの水準に入ると、価格が反発する傾向があるため、決済の1つの目安として考えることができます。
このように、DMIだけでは判断が難しいポイントでも、他の指標を組み合わせることでトレードの根拠を増やすことができるのです。
(関連記事)
外資戦略コンサル出身のトレーダーが解説!RSIの使い方・エントリー&決済のコツ
まとめ
以上、DMIについて解説してきました。あらためて、この記事のポイントをまとめておきましょう。
- DMIはトレンドの有無を判断するための指標
- +DIは上昇、-DIは下落、ADXはトレンド自体の強弱を示す
- +DIが-DIを上抜ければ買い、下抜ければ売りの目安となる
- 他の指標との組み合わせでトレードの根拠を高めよう
DMIでトレンドの判断を行い、効率的な取引を目指していきましょう。
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