エンベロープの概要・使い方・設定|ポイントをトレーダーが解説

FXのエンベロープ

エンベロープは移動平均線と価格との乖離を確認するために使うもので、売買タイミングの見極めに役立てることが可能です。

いっぽうで、利用時には注意点を抑えておかなければ、大きな損失を受けてしまうリスクもあります。

今回の記事では、エンベロープの概要、使い方、設定だけでなく、利用時の注意点も合わせて解説していきます。

この記事でわかること(エンベロープ)


1. FXのエンベロープとは?

この項目では、FXのエンベロープの概要、使い方、期間やパーセンテージの設定について確認していきます。

1-1. 移動平均線と一定の割合で引いた上下の線のこと

エンベロープは終値の平均値を結んだ移動平均線と、その価格に対して一定の割合で引いた上下の線のことです。

例えば、エンベロープを表示した以下のチャートでは、オレンジ色の20日移動平均線の価格に対して、上下に10%の割合で青色の線が引かれています。

エンベロープとは
出典:Tradingview – BTCJPY

エンベロープを使うことで、価格と移動平均線がどれくらい乖離しているかを確認することができ、どのタイミングで反発するかの予想に役立てることができます。

一般的には、中央の移動平均線から乖離するほど引き戻される力が強くなると考えられています。この特徴を生かして、主にエントリーや決済の判断材料とすることが可能です。

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1-2. 使い方・手法

エンベロープの使い方には大きく分けて以下の2つがあります。

  • エンベロープの下限に価格が達した段階で買い
  • エンベロープの上限に価格が達した段階で売り

実際のチャート例と合わせて確認していきましょう。

エンベロープの下限に価格が達した段階で買い

1つ目の使い方は、エンベロープの下限に達した段階で買いを入れることです。

以下のエンベロープを表示したBTCJPYチャートでは、画面左側中央付近で価格が下限に達し、その後は反発して上昇していることがわかります。

エンベロープの使い方(買い時)
出典:Tradingview – BTCJPY

このように、エンベロープの下限に価格が達すると価格が反発して上昇する傾向があるため、買いの判断をするための使い方の1つとして考えることができます。

エンベロープの上限に価格が達した段階で売り

2つ目の使い方は、エンベロープの上限に達した段階で売りを入れることです。

以下のエンベロープを表示したBTCJPYチャートでは、画面中央付近で価格が上限をやや上抜けし、その後はオレンジ色の移動平均線のあたりまで反発して下落していることがわかります。

エンベロープの使い方(売り時)
出典:Tradingview – BTCJPY

このように、エンベロープの上限に価格が達すると価格が反発して下落する傾向があるため、売りの判断をするための使い方の1つとして考えることが可能です。

1-3. 期間と割合の設定に決まりはない

エンベロープでは移動平均線の期間割合を設定しますが、相場や投資手法によって利用する設定が異なると考えられており、明確な決まりはありません

ただし、表示するローソク足の期間が長い場合には、エンベロープの期間の設定は短めにした方が良いかもしれません。例えば、以下のチャート画像はローソク足を日足、エンベロープの期間を200日、割合を10%で設定したものです。

エンベロープの設定方法(よくない例)
出典:Tradingview – BTCJPY

価格とエンベロープが大きくかけ離れて推移しているため、売買タイミングなどを探るためには適切でない設定だと考えられます。

期間は20日〜25日、割合は2%〜5%で設定されている場合が比較的多く見受けられるため、目安が欲しい場合には参考にしても良いかもしれません。


2. FXのエンベロープの注意点

この項目では、エンベロープの注意点について確認していきます。

2-1. トレンドが強い時は機能しづらい

エンベロープは、トレンドが強い時には機能しづらい傾向があります。

以下の下落トレンドが発生しているBTCJPYチャートでは、エンベロープ下限を超えて価格が下落しており、その後も中央まで復帰できずに押し戻されている状態です。

エンベロープの注意点
出典:Tradingview – BTCJPY

また、トレンドの強弱に関しては、DMIという指標を使うのが効果的です。DMIはトレンドの上昇の力を示す+DIと、下落の力を示す-DI、トレンド自体の強さを表したADXの3つの要素で構成されています。

今回のチャート画像にDMIを当てはめると、オレンジ色の-DIが上昇し、ピンク色のADXも上昇しているため、強い下落トレンドが発生していると考えられます。

エンベロープの注意点(DMIと併用で解決)
出典:Tradingview – BTCJPY

以上を踏まえて、強いトレンドが発生している時には利用を控えるか、価格が戻らない可能性があることも視野に入れて取引するよう心がけましょう。

2-2. 長期トレンドの転換点に注意

エンベロープ利用時には、長期トレンドの転換点に注意する必要があります。長期トレンドの転換点では、エンベロープの下限や上限に到達しても価格の動きが捉えづらく、これによって大きな損失を受ける可能性があるからです。

わかりやすいように、実際のチャート例を見てみましょう。以下のチャートは、2018年4月から始まったBTCJPYの長期の上昇トレンドです。

エンベロープの注意点
出典:Tradingview – BTCJPY

画面右側の転換点と考えられる7月中旬頃には、エンベロープの上限にタッチした後、下限を超えて価格が下落していることがわかります。

相場が荒れて価格の動きが激しくなっているため、こうしたタイミングでエンベロープを参考にエントリーすることは、大きな損失を受けるリスクに繋がってしまいます。

こうした点を踏まえても、長期トレンドの転換点ではエンベロープを使ったトレードには注意するようにしましょう。

2-3. スキャルピングでの利用は慎重に

エンベロープは数秒や数分の超短期で売買を繰り返す、スキャルピングというトレードスタイルでも活用されています。

ただし、スキャルピングは資金量が多く必要となり、チャートも常に確認する必要があるため、投資経験が浅い人や副業で取り組む人にはハードルが高いトレードスタイルです。

また、長期のトレードと比較すると短期のトレードでは価格の動きも読みづらいため、堅実に利益を出したい人にも適していません

そのため、エンベロープを使いスキャルピングをする際には、十分に注意するよう心がけましょう。


まとめ

以上、エンベロープについて解説してきました。改めて、この記事のポイントをまとめておきましょう。

  • エンベロープは移動平均線との乖離を表した指標のこと
  • 下限では買い、上限では売りの目安となる
  • 強いトレンドの時には機能しづらいので注意

エンベロープは価格の予想に役立てることができますが、予想が確実に当たる保証はどこにもありません。しっかりとリスク管理を行い、堅実な投資を心がけていきましょう。

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