
新しい仮想通貨(暗号資産)を探していて目に付くERC20という単語が何のことを差しているのか、じつはよく分かっていないのではないでしょうか?
ERC20というのは仮想通貨に関係深いものですが、仮想通貨そのものを表しているものではありません。仮想通貨を生み出すための決まり事なのです。
ERC20の存在意義やERC20が便利な理由、ERC20トークンについて説明します。
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目次
1. ERC20は仮想通貨のことじゃない?
ERC20は仮想通貨そのものを表す言葉ではありません。
イーサリアムの決まり事の1つを示す言葉です。
もう少し詳しく説明すると、ERC20の「ERC」というのは「Ethereum Request for Comments」の略で、イーサリアムに対して提言されたリクエストから作られた仕様のことを示しています。
ERCはいくつも提言されており、その中で20番目に提言されたERCがERC20なのです。
1-1. イーサリアムの仕様の1つ
ERC20は「Token Standard」についての提言で、トークンについての基本的な仕様を定義したものにあたります。
トークンというのはイーサリアム上で新しく作った仮想通貨のこと。イーサリアムのブロックチェーンを使う新しいサービスで利用することを目的としてつくられたものです。
すでにイーサリアムのプラットフォームには基軸通貨としてETHがあります。イーサリアムのブロックチェーン上で生まれた新しい仮想通貨のことをトークンと言い分けているわけです。
トークンについては、次の2つの記事で詳しく解説していますので、ぜひお読みください。
ERC20は、トークンの基本的な仕様のことです。
イーサリアムにERC20が存在していることで数多くの新たな仮想通貨が生まれており、ERC20に準じた仮想通貨ERC20トークンは1万種類以上存在しています。
ERC20トークンの中には時価総額で10位以内に入るようなものから草コインと呼ばれるもの、詐欺コインまで様々なものがあります。
ERC20の存在によって、イーサリアムはそんなバラエティに富んだ仮想通貨の経済圏を形作るプラットフォームとしての地位を築けたのです。
1-2. なぜERC20が必要なのか
なぜERC20の存在が巨大な経済圏を形作る要因となったのでしょうか。
それは仮想通貨の開発に関わるコストの問題です。
従来、仮想通貨を利用した新たなサービスを利用しようとした場合、ブロックチェーンからウォレットなど周辺ツールまですべてを開発しなければいけませんでした。
イーサリアムのブロックチェーンを利用してトークンを作る場合でもブロックチェーン以外は同じです。トークンの仕様が既存のトークンと同じだと保証できませんので、既存のウォレットを安易に使えません。

そこでERC20の登場です。
ERC20に従って作られたトークンはすべて同じ仕様に従っていますので、トークンの基本的な動きが同じであることが保証されています。
そのため、既存のウォレットを使っても大丈夫だと保証されているわけです。

利用者から見ても、仮想通貨に合わせたウォレットをいくつも管理するのは面倒ですしミスを生みます。ERC20に対応したウォレットを1つだけ使う方が便利でしょう。
仮想通貨取引所もERC20に対応するだけで取り扱い通貨の数を一気に増やすことができますので、歓迎することでしょう。
それに加えて、仕様が明確ですのでERC20トークンの新規作成をツールで行うこともできるようになりました。
その結果、容易に作成できるERC20トークンによるICO件数は増大し、新たなビジネスがいくつも生まれることになったのです。
公式サイト、ホワイトペーパー共にリンク切れしており、安全とは言い切れない仮想通貨ですので、間違って購入しないようにしてください。
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2. ERC20のメリット・デメリット
ERC20トークンは1万種類以上存在しています。
中にはお試しで作っただけのものもあるかと思いますが、それ以上にERC20を使うメリットがあるからこれだけの発行数が存在しているのです。
そんなERC20のメリットとデメリットを説明します。
2-1. イーサリアムに準拠していることでメリットが得られる
ERC20トークンだから得られるメリットは、イーサリアムブロックチェーンを利用している点が多いです。それらのメリットを紹介しましょう。
イーサリアムのセキュリティを享受できる
ERC20トークンの最大のメリットは強固なセキュリティです。
イーサリアムは時価総額世界2位を誇る巨大なブロックチェーンですので、そのセキュリティも相応に強固なものになっています。
仮想通貨を作るのにもっとも重要でコストがかかるのがセキュリティの担保ですので、その点をイーサリアムに依存できるERC20トークンのメリットはとても大きいでしょう。
トークン発行の難易度が低い
ERC20トークンを発行するだけであれば、Web上にツールも公開されているためとても簡単です。
そのため、発行者はトークンの作成にかけるコストをビジネスモデルの構築へ割くことができます。
この点も、数多くのERC20トークンが生まれた背景の1つでしょう。
ユーザーの獲得が比較的容易
新規の仮想通貨にとってユーザーの獲得もコストのかかる部分です。
もちろん、ERC20トークンであってもユーザーの獲得は簡単ではありませんが、オリジナルの仮想通貨に比べればウォレットの整備などが不要なことで導入障壁が低くなっています。
そのため、ユーザーの獲得は比較的容易だと言えるでしょう。
上場の審査が比較的容易
ERC20トークンは、取引所への上場時の審査が比較的容易だと言われています。
イーサリアムという既存のブロックチェーン上の仮想通貨で、かつERC20という定められた仕様を満たしているため、技術的な部分やセキュリティについて担保されているからでしょう。
もちろん、多くの取引所の審査基準はそれだけではありませんので、審査に通らないことも多々あります。
2-2. 簡単だからこそのデメリットがある
ERC20トークンにもデメリットがありますので紹介しましょう。
これらのデメリットの中に許容できないものがあれば、オリジナルの仮想通貨を作るか許容できるようなしくみを作る必要があります。
イーサリアムの問題点がそのまま影響してくる
2018年の仮想通貨ブームの頃に顕著でしたが、1日経っても決済できなくなることがありました。
また手数料が高騰し、送金したいETHによっては割に合わないことも少なくない状態でした。
スケーラビリティ問題と呼ばれるこの現象に、ERC20トークンも巻き込まれることになったのです。
今後も、イーサリアムで何らかの問題が発生した場合、ERC20トークンにもその影響が出ることは否定できません。
利用にETHが必要になる
ERC20トークンはイーサリアムブロックチェーン上のアプリケーションです。そのため、利用するためにはGasと呼ばれる手数料が必要で、それはETHで支払う必要があります。
そのため、ERC20トークンを使う人はETHも必ず保有しておかなければいけません。
ICOが多く、怪しいイメージがある
ERC20トークンは簡単に発行することができ、上場の審査も比較的容易です。
そのためICOの件数が非常に多くなり、その中には詐欺的なものも多くありました。
その結果、ERC20トークンのICOそのものに懐疑的な見方をされるようになり、ICOそのものから人々が離れる結果も招いています。
誤送金が多い
ERC20トークンの送金には、イーサリアムのアドレスが用いられます。
ただイーサリアムにはEOAと呼ばれる送金用のアドレスとコントラクトアドレスというスマートコントラクトを動かすためのアドレスの2種類があるのです。
▶ブロックチェーンエンジニアが解説|イーサリアムのアドレスの違い
イーサリアムだと分かっていれば気が付く人も多いかと思いますがERC20トークンの場合はそれに気が付かず間違ったアドレスに送金してしまうことが少なくありません。
ERC20では誤送金した場合に返金されるしくみがなく、誤送金したトークンは取り出せませんので注意しなければいけません。
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3. ERC20トークンを扱えるおすすめのウォレット
ERC20トークンはイーサリアムを扱えるウォレットの多くで扱うことができます。
自分の使いやすいものを使えば良いですが、ここでは比較的メジャーなウォレットを2つ紹介しておきます。
MyEtherWallet
<https://www.myetherwallet.com/>
イーサリアムやERC20トークンを扱うのなから最初に候補となるウォレットのうちの1つと言えます。
オンラインウォレットでインストール不要ですので利用開始も簡単で、ブラウザさえあればどんな環境でも使えます。
また、秘密鍵は利用者個人が管理する形になっているため、セキュリティ的な心配も小さくなっています。
▶マイイーサウォレットの使い方&安全な保管方法をブロックチェーンエンジニアが解説
METAMASK
もともとはGoogle Chromeの拡張機能でDAPPSゲームなどでは必須とも言えるウォレットでしたが、いまではスマホアプリも登場してますます便利になりました。
ユーザーに意識させることなく秘密鍵を管理してくれるので、セキュリティの面でも安心感があります。
▶【2020】スマホ上で使える!Metamask(メタマスク)完全ガイド
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4. ERC20トークンの入手方法
ERC20トークンも仮想通貨ですが、残念ながら日本の仮想通貨取引所では取り扱いがありません。
そのためなかなか手に入らないと考えるかもしれませんが、安心してください。ERC20トークンの種類によりますが、入手する方法はいくつかあるのです。
トークンを作ってみる
ERC20トークンが欲しいだけであれば、作ってしまうのが一番簡単でしょう。
幸いERC20トークンを簡単に作成できるサービスが存在しますので、そこを利用するのが最適です。
作り方の詳細は以下の記事にまとまっていますので、興味のある方はぜひお読みください。
▶ブロックチェーンエンジニアが解説|ERC20を作ってみよう
取引所で購入する
国内取引所で取り扱っていなくても、海外取引所では扱っています。
海外取引所で100種類以上の取り扱い通貨数を誇っているようなところは、ほぼ確実にERC20トークンを扱っていますので探してみても良いでしょう。
ただし、海外取引所はセキュリティ面などで不安があります。自己責任であることを認識して細心の注意をして利用してください。
エアドロップ
ICOは下火になっていますが、その代わりに無料で仮想通貨を配布するエアドロップというものがあります。
特定のサイトに登録するなどの一手間はかかりますが、それだけでERC20トークンをただでもらえることがありますので、チャレンジしても良いでしょう。
ただし、詐欺的なものなどもゼロではありませんので、きちんと調べてから行うようにしなければいけません。
詳しい説明が以下の記事にありますので、ご覧ください。
▶仮想通貨のエアドロップ(AirDrop)とは? もらい方&トラブル回避法
その他のサービス
他にもインターネットを検索すればERC20トークンを入手する方法があるでしょう。
その中でも少し珍しいのが、ブログの記事を投稿して「いいね」をもらったり「いいね」したりすることでERC20トークンがもらえるサービスです。
ALISというソーシャルメディアに記事を投稿することでALISトークンをもらうことができるようです。
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まとめ
ERC20は仮想通貨を使ってビジネスのアイデアのマネタイズを容易にしました。
その結果、様々なERC20トークンが生まれ、いまでは時価総額の上位に食い込むERC20トークンがいくつも生まれています。
それは、ERC20トークンの次のような性質の結果です。
- イーサリアムブロックチェーンによってセキュリティが担保されている
- 既存のイーサリアム用ウォレットなどのツールが使える
- ERC20対応の取引所なら、すべてのERC20トークンを扱える
- 誰でもERC20トークンを作れるサービスができている
ERC20は今後も新しいビジネスを生む土壌として可能性を秘めている仕様です。
今後もまだまだ興味深いトークンが生まれてくるかもしれません。
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