
「ERC721であれば、ゲームのアイテムやキャラクターを高額売買できる」と聞いて、興味の出てくる人は少なくないでしょう。
ERC721を利用することで、コピーか本物かが識別できるデジタルデータを作ることができるのです。
デジタルコンテンツだけではなく、実生活でも様々なものの管理に活用することが期待されているERC721について説明します。
目次
1. ERC721トークンは代替不可能(Non-Fungible Token)
ERC721で作られるトークンは通貨ではありません。
詳しく解説していきましょう。
1-1. ERCとはイーサリアムの仕様のこと
ERC721は、イーサリアム上のトークンに適用される仕様の1つです。
ERCというのは「Ethereum Request for Comments」の略で、イーサリアムに対して提言されたリクエストから作られた仕様のことを示しています。
トークンというのは、既存のブロックチェーン上で新規発行されたコインのことを表し、トークンに関するERCは他にもERC20やERC223などがあります。
ERCはいくつも提言されており対応されないものも沢山ありますが、提案された順番にナンバー付けされた名称で呼ばれています。
その中でも721番目に提言されたERCがERC721なのです。
▶トークンとは? 仮想通貨との3つの違い、見分け方を徹底解剖
▶ブロックチェーンエンジニアが解説する|イーサリアムのトークン
1-2. 代替不可能とはどういうことか
ERC721に準じて作られたERC721トークンの最大の特徴は、代替不可能(Non-Fungible Token)なことです。
この「代替不可能」というのがどういうことなのか、説明します。
代替可能とは?
代替可能というのは、簡単に言えば他にも同じものがあって交換できるということです。
例えば、あなたが持っている1万円札と私が持っている1万円札は同じです。
交換しても何の問題もありません。
スーパーで売っているお米とコンビニで売っているお米は、産地や銘柄は違うにしろ食べ物としてのお米の価値は変わりません。
これが「代替可能」ということです。
代替不可能とは?
代替不可能は代替可能ではないという事ですので、「他に代わりになるものがない」「交換できない」という事です。
例えばあなたの部屋に飾ってある絵画と私が描いた絵画は、交換できないでしょう。
あなたの家と私の家も簡単には交換できませんし、あなたの恋人が書いた手紙と私の娘が書いた手紙を交換する意味はありません。
これらはそれぞれ唯一無二の価値を持っていますので、容易には交換できないのです。
これが「代替不可能」ということになります。
ERC721は通貨には使えない
仮想通貨の中でトークンと呼ばれるものでも通貨としての役割を持っています。
通貨には「価値の保存」と「価値の尺度」それに「交換の手段」という3つの機能が必要です。そのため、通貨は「交換できなければいけない=代替可能」なのです。
しかしERC721トークンは「代替不可能」ですので、通貨として使うことはできません。
その代わりに、ERC721トークンには価値があり所有することができます。
トークンを商品とした新たな経済圏を作るという、イーサリアムの可能性を大きく広げることになったのです。
2. ERC721の活用事例
ERC721は「代替不可能で価値を持っている」といわれても具体的にどんなことに利用できるのかピンとこないかもしれません。
ここでは、ERC721の機能を活用した具体例を紹介しましょう。
DAPPS
現在もっともERC721の機能を活用しているのは、DAPPSゲームでしょう。
ゲーム内のアイテムやキャラクターなどを独自のマーケットで売買して、新たな価値を創造しているのです。
例えば、以下の記事で紹介しているようなDAPPSゲームでは、実際にキャラクターやアイテム、カードの売買サイトが公式非公式どちらでも運営されています。
▶イーサリアムで遊べる無料ゲーム4選! MMOから最新カードゲームまで
過去にもアイテムやキャラクターの売買を行うサイトは存在していることは読者の方もお分かりかと思います。
しかしそれらは各ゲーム内だけで完結しており、そのサービスが終了した時点でアイテムなどは消滅して価値を失っていました。
しかし、ERC721トークンの場合はDAPPSゲームですのでサービスが終了することはありません。
仮に誰も遊ばなくなってもブロックチェーンに記録されたデータが消えることはありません。
もしかしたら、そのデータそのものがコレクターアイテムとして価値を保持し続ける可能性もあるのです。
コンテンツ売買
デジタルデータの売買というのは過去にも存在していましたが、ERC721を利用することで、データの価値を高め安全に売買することができるようになります。
いままであればデジタル画像やデジタル音楽などは簡単にコピーされて価値を目減りさせてきました。
しかしERC721を利用することで、購入した人だけが所有することができるものとして新たな価値を得るのです。
以下のサイトでは、ERC721トークンを利用したデータの売買が行われています。
▶OpenSea
▶emoon
3. ERC721を活用した未来
ERC721をもっと活用することでもっと公平で安全な取引を行うことができる分野はまだまだあります。
ERC721は将来的な伸びしろがある技術なのです。
チケット販売
転売や不正の温床になっているチケット販売は本人確認などが徹底され始めましたが、まだまだ不正の根は残っています。
ERC721を活用して所有者確認を行えば、個人情報を参照する必要のない本人確認を全自動で行うことができるようになるのです。
著作権保護
デジタル画像やデジタル音楽、電子書籍などのデジタルコンテンツの著作権保護については、数年前から様々な手法が試されてきました。
しかしその多くが各企業や業界独自のもので、栄枯盛衰もあって利用者の利便性を犠牲にしているものも少なくありません。
ERC721であればそう言った中央集権的な管理を離れ、対価を払った人の半永久的な所有権を保証することができる著作権保護を実現できるのです。
美術品や高級品の管理
美術品や高級ワイン、高級ブランドの鞄や靴などは、所有権はもとより偽物の存在が大きな問題となっています。
ERC721を紐付けて管理することができれば、贋作を見破り本物であることを証明することもできるでしょう。
また、流通経路や産地を明確にして偽物の発生そのものを防ぐこともできるかもしれません。
まとめ
ERC721は代替不可能な特徴を持つトークンを作ることができる仕様です。
代替不可能というのは、次のような特徴を言います。
- 同じものが他にない
- 誰が所有しているのかが明確である
- 唯一無二の価値を持つ
ERC721を活用することで、現実世界で実施されている様々な管理における面倒な手続きを簡略化し、効率的かつ安全にすることができるようになるのです。
これからのERC721の活用に期待していきましょう。
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