
「イーサリアムの投資で一儲けしたい!」こんな気持ちを持っていませんか?
イーサリアムのハードフォークは価格へ良い影響を与える可能性があります。今回の記事では、イーサリアムのハードフォークの概要をまとめたうえで、実際のチャート例をもとに価格へ与える影響なども検証していきます。
目次
1. イーサリアムのハードフォークの概要
イーサリアムは発行当初から計画されている、4つの大型ハードフォークがあります。
この章では各ハードフォークの概要をおさらいしながら、現時点までの完了状況と今後の予定に関して確認していきましょう。
1-1. 3段階目のメトロポリスまで完了済み
イーサリアムのハードフォークは、現在までに3段階目のメトロポリスまで完了しています。1段階目「フロンティア(Frontier)」フロンティアは技術者向けのアップデートです。機能性を高めるクライアントソフト「Geth」のリリースや、バグの発見、実証実験などを目的として行われました。2015年7月に完了しています。GitBooks|Ethereum Frontier ReleaseGitHub|Geth
2段階目「ホームステッド(Homestead)」
ホームステッドでは以下の内容が行われています。
ホームステッドの実装内容
- フロンティアで発見された問題の改善
- スマートコントラクトの手数料引き上げ
- 採掘難易度の変更
より安定性を高めたことで、この頃からイーサリアムを使ったアプリケーションの開発が盛んに行われるようになってきます。参照|Ethereum Homestead Documentation
3段階目「メトロポリス(Metropolis)」
メトロポリスは「ビザンチウム」と「コンスタンティノープル」の2回に分けて行われました。
メトロポリスの実装内容
- ゼロ知識証明の実装
- ブロック報酬の減少
- ディフィカルティボム(採掘難易度の上昇)の延期 など
後半のコンスタンティノープルはセキュリティの脆弱性が発見されたことなどで、2回延期されましたが、2019年3月1日をもって無事に完了しています。
1-2. 最終段階のセレニティが予定されている
最終段階となる「セレニティ(Serenity)」(別名:イーサリアム 2.0)は、PoS(プルーフ・オブ・ステーク)を基盤とした独自コンセンサスアルゴリズム「キャスパー」への移行を目指して行われます。セレニティは、フェーズ0から6までの7つのフェーズに分かれています。
第1段階「イスタンブール」がブロック9,069,000で実施決定
2019年11月1日、セレニティの第1段階となる「イスタンブール」の実施ブロック数が9,069,000で決定したことがGithub上で公表されました。Github|params: configure mainnet istanbul block 9069K #20222マイニングスピードは随時調整されてるためブロック数到達がいつになるかの推測は難しいですが、amberdata.ioでカウントダウンを確認することができます。
フェーズ0は2020年1月予定
セレニティのフェーズ0は2020年1月3日になることが提案されています。フェーズ1以降の日程はまだ未定ですが、着実にプロジェクトが進んでいるようです。
1-3. 目的はPoSへの移行
イーサリアムのハードフォークの主な目的は、コンセンサスアルゴリズムを電力消費量の多いPoW(プルーフ・オブ・ワーク)から、よりエネルギー効率の良いPoSへ移行することです。実際の移行はセレニティで行われますが、他の3つのハードフォークは移行のための準備にあたります。
32ETH保有でマイニングに参加できる
一般的に、PoWが計算量を評価基準とすることに対して、PoSは通貨の保有量が重視される項目の1つとなります。イーサリアムのコンセンサスアルゴリズムPoS「キャスパー」では、32ETH以上を保有していることで取引の承認者となることができます。
1-4. 新コインは付与されない
ハードフォークによっては通貨の付与があります。いっぽう、セレニティでは新しい通貨の付与を行うという報告は、現時点では出ていないようです。
2. 計画的でないハードフォーク
イーサリアムのハードフォークには「計画的なハードフォーク」と「計画的でないハードフォーク」があります。
計画外のハードフォーク「DAO事件」
350万ETHがハッカーによって不正に引き出された「The DAO事件」では、計画外のハードフォークによって救済措置が取られました。また、この救済措置に反対した人たちによって、新コインとなるイーサリアムクラシック(ETC)が誕生しています。
3. ハードフォークは価格が上がりやすい
これまでのところ、ハードフォークは価格へ良い影響を与える傾向があります。この章では実際のチャート例をもとに、ハードフォーク後の価格の変化を確認していきましょう。
3-1. 計画的or計画外? チャートはこんなに違う
計画的ハードフォークでは価格が上がりやすい

イーサリアムのメトロポリスは2019年3月1日に完了しています。直前までは期待感で値上がりがあり、ハードフォーク完了が予定されていた28日前には、利益確定の売りが入り下落しています。Ethereum Blog|Ethereum Constantinople/St. Petersburg Upgrade Announcement
ハードフォーク後も上昇傾向が続いた
その後もハードフォーク前の価格を割らずに上昇を続けています。ハードフォークが価格へ良い影響を与えたと考えられるかもしれません。
計画外ハードフォークは価格が下がりやすい

計画外ハードフォークのチャート例として、The DAO事件のチャートを見てみましょう。事件発生時の2016年6月17日には最高値21.49ドルを付けたものの全体としては約50%の急落。さらに翌18日には最安値10.10ドルにまで下落しました。加えて、ハードフォークが完了したあとも価格は回復していないことがわかります。計画的であったメトロポリスのハードフォークとは、その後の価格の動きが対照的であることがわかります。
3-2. 延期の場合も価格は下がりやすい

メトロポリスのコンスタンティノープルは2回延期しています。そのうち、2019年1月15日にセキュリティの脆弱性を理由に2度目の延期が発表された際には、価格が下落しています。
発表後は下落の一途
1月14日の深夜からハードフォークの期待感によって値上がりし最高値131.70ドルをつけましたが、延期発表から下落が続き、28日には最安値101.00ドルまで値下がりしています。ハードフォークは延期となった場合、価格の下落が起こる可能性があるため、注意する必要があるといえます。
3-3. セレニティ完了で価格は上がるかも?
これまでのチャート例から考えると、セレニティが無事に完了すれば価格へ良い影響が出る可能性もあります。
ハードフォークは投資家心理にポジティブに働く
もともとハードフォークは、機能の向上を目指して行われます。機能の向上は、長期的に考えればその仮想通貨が普及するために必要なステップの1つです。過去の計画的なハードフォークのチャート例を見ても価格が上昇していることから、これらの要素は投資家からはポジティブに捉えられていることがわかります。
機能が向上し、価格上昇の要因となる可能性がある
セレニティが完了すればネットワークの安定性が高まり、高いスケーラビリティを得ることができるため、機能の向上が期待できます。そのため他のハードフォークと同様に、セレニティも価格上昇の要因となる可能性があると結論付けることができます。
4. イーサリアムは国内の取引所でも購入可能
イーサリアムは国内の取引所でも購入できます。たとえば、国内取引所bitbank(ビットバンク)では、手数料を抑えてイーサリアムを購入することが可能です。イーサリアムの購入については、下記の記事でさらに詳しく解説しています。
まとめ
以上、イーサリアムのハードフォークについて解説してきました。この記事のポイントをあらためておさらいしておきましょう。
- イーサリアムのハードフォークは、3段階目のメトロポリスまで完了している
- 今後は2019年から2021年にかけて、最終段階のセレニティの途中まで行われる可能性がある
- セレニティに伴い新通貨を付与するという報告は、現時点ではない
- 過去のチャート例から考えると、ハードフォークは価格へ良い影響を与える可能性がある
イーサリアムは、どんどん進化している仮想通貨の1つです。みなさんも今後の動向に、ぜひ注目してみてくださいね。