イーサリアム大型アップデート「メトロポリス」が完了!実装内容と今後

イーサリアムのメトロポリス

メトロポリスハードフォークによって、イーサリアムはProof of Stake(PoS)への最終的な準備を終えました。

仮想通貨はボラティリティが高いため暴落の恐れも捨てきれませんが、メトロポリスの完了はイーサリアムの価格へ、良い影響を与えていると言えます。

今後セレニティハードフォークへの準備が進められている中で、様々な情報が出てくることでしょう。

それらを正しく把握することで、イーサリアムのの動向を推測することができるかもしれません。

本記事ではそんな推測を行うためのベースとなる、メトロポリスでの対応内容価格への影響を紹介します。

1. メトロポリスはイーサリアムの大型アップデートの1つ

イーサリアムは、リリースされた当初から4つのハードフォーク(大型アップデート)が予定されています。

ここでは、メトロポリスがイーサリアムのロードマップ上でどんな位置づけなのか、メトロポリスでどんな変更が加わったのかについて詳しく説明していきましょう。

1-1. イーサリアムの4つの大型アップデートのうち、すでに3つが完了している!

イーサリアムでは、以下の4つのハードフォークが段階的に実施されています。

ハードフォークの一覧(メトロポリス)

第3段階であるメトロポリスまで完了し、最後のセレニティを残すのみとなっています。

なおメトロポリスの後半となるコンスタンティノープルは、2度延期されました。そのため実施そのものを危ぶむ声もありましたが、2019年3月1日のハードフォーク後、特になんの問題もなく順調に稼働しています。

1-2. メトロポリスでイーサリアムはこんなに変わった

ビザンチウム、コンスタンティノープルという2段構えで実施されたメトロポリスハードフォークで、イーサリアムはどう変わったのでしょうか?

ポイントは、イーサリアムがコンセンサスアルゴリズム(取引が成立したことを参加者全員が合意するためのしくみ)を、PoWからPoSへ変更しようとしている点です。

メトロポリスハードフォークは、イーサリアムの開発者コミュニティが、次の段階へ移行するための最終準備だと認識している機能を実装しています。

ここではそんなメトロポリスで対応した機能の中で、代表的な変更内容を4つ紹介しましょう。

・ディフィカルティボムの設定

マイニング難易度が徐々に上がっていく仕組みです。PoWでのマイニングを難しくすることで、マイナーのPoS移行を促します

・マイニング報酬の減額

マイニング成功時の報酬を下げる修正です。具体的には、メトロポリス前に5ETHだったマイニング報酬が、メトロポリスハードフォーク後は2ETHまで下がっています。

この対応によってインフレを抑えることができますし、ディフィカルティボムと同様にマイナーのPoS移行を促す効果も期待できます。

・zk-SNARKsの実装

取引のプライバシーを保護する仕組みで、匿名取引を実現するための第1歩です。これにより、機密性の高い商取引をスマートコントラクトで実現できます。

・マスキングの実装

イーサリアムアドレスを秘密鍵から生成するのではなく、ユーザーが自由に決められるようにすることで、秘密鍵の漏洩を防ぐことができます。

2. メトロポリスで価格はどうなったのか?今後は?

メトロポリスハードフォークで価格がどうなったのかは、今後のイーサリアムの価格動向を予測するうえでとても重要な指標になります。

メトロポリスを構成するビザンチウムコンスタンティノープルそれぞれの、ハードフォーク前後の価格動向を確認しておきましょう。

2-1. ビザンチウムで価格は上がった

ビザンチウムハードフォークは2017年10月16日に実施されました。このとき、イーサリアムの価格は上がっています。

具体的に、価格推移のチャートを見て、説明しましょう。

イーサリアムのビザンチウム時のチャート

ビザンチウムハードフォークの前に上がった価格が実施後に下がっています。これは利益確定を狙った売りによる影響です。

注目すべきはその後で、価格は横ばいになり1か月程度経ってから上昇へ転じています。

すべてのノードが新しい仕様にアップデートし、そこで初めてハードフォークが完了します。古い仕様のノードがそのまま取引をしている場合、それは古い仕様のコインが取引されている(コインが分裂している)ということになるわけです。

そのためハードフォークが無事に完了したかどうかを判断し、古いノードがないことを確認する期間が必要になります。その結果、結果を待つまでの期間が横ばいとなり、問題ないと分かったところで買われて上昇に転じたと考えるのが妥当でしょう。

つまり、ハードフォークの成功がイーサリアムの将来的への期待になったというわけです。

より詳しい解説は、以下の記事をご参照ください。

2-2. コンスタンティノープルで価格は?

コンスタンティノープルは2度延期しており、そのことが価格にも影響をもたらしました。

1度目は2018年10月13日、2度目は2019年1月17日です。

どちらの延期も、テスト環境でバグが発覚したのが原因です。そのためユーザーの中には、コンスタンティノープルが実施できるのかどうかを怪しんでいた人がいたかもしれません。しかし、コンスタンティノープルハードフォークが完了した後、価格は上昇しています。

また、コンスタンティノープルが完了した2019年3月1日だけではなく、その前の、2019年1月17日でも、実施予定日の前1週間程度かけて価格が上昇しています。

イーサリアムコンスタンティノープルアップデート時のチャート

ハードフォークの延期でいったん下落傾向を見せていますが、3月1日の実施予定日へ向けて改めて価格は上がっています。

また3月1日のハードフォーク完了後は、利益確定の売りで下がったものの高い水準を維持しており、価格上昇の傾向も見えています。

イーサリアムには、まだ最後のハードフォーク「セレニティ」が残っています。メトロポリス完了後の価格推移から考慮すると、ひとまずの完成となるセレニティハードフォークには、より多くの期待が集まることでしょう。

3. メトロポリスは、「イーサリアム2.0」への布石

イーサリアム2.0という言葉を聞いたことはあるでしょうか?

いままでイーサリアムが行ってきた、メトロポリスを含む3つのハードフォークは、この「イーサリアム2.0」へ移行するための準備なのです。

ここではイーサリアム2.0について、簡単に紹介していきます。

3-1. イーサリアム2.0(キャスパーとシャーディング)はPoSだ!

キャスパー(Casper)シャーディング(Sharding)を実装することによって、イーサリアムで理想的なPoSが稼働を始め、それがイーサリアム2.0となります。

キャスパー(Casper)
 イーサリアムでのPoSの名称です。なお、キャスパーの承認者になるために必要な保持(ステーキング)枚数は32ETHです
シャーディング(Sharding)
 PoSのマイニングを、並行実施するための機能です。ネットワークをいくつかのグループに分割し、各グループで承認者を決めて取引を承認することで、1度に行える承認の数を増やして、取引の処理速度を上げることができます

この2つの機能は、同時に実装されるわけではありません。

キャスパーだけでもPoSへの移行は可能ですので、先に実装される可能性もあります。PoSでマイニングをする場合は、早めに32ETHを準備しておいた方が良いかもしれません。

3-2. イーサリアムは、こうしてPoS移行の準備をしている

前述の通り、キャスパーとシャーディングが実装されることで、PoSへの移行は完了します。

現状は、以下のようなステップが計画されており、これらすべてがストまで完了したところで、セレニティハードフォークが実施されることになります。

ビーコンチェーンを実装 ビーコンチェーンというのは、承認者を管理するしくみで、キャスパーのベースとなるチェーンのことです。まずは、このビーコンチェーンを実装して、キャスパーの土台を作ります
シャーディングのベースを実装 シャーディングを行うためのチェーンを、ビーコンチェーンに接続します
eWASMの実装 スマートコントラクトの実行環境「EVM」を「eWASM」という、より効率的な環境に変更します
シャーディングの同期処理の実装 シャーディングチェーンがビーコンチェーンを介してイーサリアムのメインチェーンと同期(情報共有)して動くためのしくみの実装です。
これにより、キャスパーとシャーディングが実装完了となります

これらの対応をすべてセレニティハードフォークの1回で終わらせるかどうかは、今後の状況次第でしょう。メトロポリス同様、複数回のハードフォークが行われる可能性も十分にあります。

3-3. セレニティで価格は?

これまでのイーサリアムは、ハードフォークを行うことで価格が上昇基調へ変わっています。

そのため、セレニティやそれに付随するハードフォークが行われたときも、それほど違いはないと思われます。

なによりPoSへの移行によって、新たなチャンスを求めるマイナーが殺到する可能性がありますので、そうなれば、価格への影響は避けらないでしょう。

もちろん、チャンスはすべての人に訪れます。32ETHものコストがかかりますので、慎重に検討する必要がありますが、いまから少しずつでも準備できるのであれば、そのチャンスに乗ってみるのも1つの選択肢として悪くないかもしれません。

まとめ

今回は、メトロポリスの内容、価格への影響から、イーサリアムのロードマップを説明しました。改めて、その内容を整理しておきましょう。

  • メトロポリスハードフォークは2019年3月1日に完了した
  • メトロポリスはイーサリアムで予定されている4つのハードフォークの3つ目
  • メトロポリスでPoSへの事前準備は完了し、セレニティでPoSへの移行が完了する予定
  • イーサリアムは過去のハードフォークで価格が上昇している
  • キャスパー(Casper)は、イーサリアムのPoSの名称
  • シャーディング(Sharding)は、PoSを効率よく行い、決済速度を上げることができる

メトロポリスによって、イーサリアムのPoS移行はますます現実味を帯びています。

きちんと詳細を確認し、納得して投資すれば、とても大きなチャンスになると言えるものです。今後も、イーサリアムの動向に注目していきましょう。