イーサリアム送金が遅い時の対処法!手数料別で実験!送金時間比較表

smartphone_man

「イーサリアムを送金したんだけど、いつになったら届くの!?

着金にかかる時間が想定しているよりも遅いと不安がつのりますよね。仕組み上ではイーサリアム(ETH)の送金時間は15秒といわれていますが、実際に送金してみるとそれより遅い時があります。

そこで今回はイーサリアムの送金が遅れる原因と対処法を解説。実際に手数料や宛先を変えて送金にかかる時間を検証しました。ぜひ参考にしてください。

1. イーサリアムの送金が遅くなる3つの原因

イーサリアムの送金が遅延する原因は、以下の3つが挙げられます。

遅延原因
  • 手数料が低すぎる
  • 取引所が絡んでいる
  • ネットワークが混雑している

上記のいずれかに当てはまると、送金に時間がかかります。1章ではイーサリアムの送金が遅くなる原因をわかりやすく解説していきましょう。

1-1. 手数料が低い送金情報は優先度が低下

ethereum_fee

イーサリアムでは設定した手数料が少ないと大幅に送金が遅延します。今回行った手数料別送金実験でも、手数料が少ないと送金が遅れると証明されました。

遅延する理由は、マイナー(※)が手数料の高い情報を優先して処理しているから。手数料は承認作業を行ったマイナーに支払われます。マイナーは少しでも多くの報酬を得るため、高い手数料を付けている送金情報を優先的に処理するというわけです。
(※)送金の承認作業(マイニング)を行う人のこと。

低すぎる手数料を設定した場合は送金できないケースも。「送金が遅い」と感じた時は、設定している手数料が適切な価格であったか見直す必要があります。

手数料別送金実験の結果を見る
対処法を見る

1-2. 取引所が絡むと処理時間が加算

取引所が絡んだ送金はウォレット間の送金よりも時間がかかります。これはイーサリアムのせいではなく、取引所での処理に時間がかかっているから。ユーザーの資金や送金情報を正しく管理するために不可欠な時間なのです。

今回送金実験で所要時間を検証したところ、取引所から送金する時よりも、取引所へ送金する時のほうが時間を要するとわかりました。実験結果には以下からジャンプできます。

宛先別送金実験の結果を見る

取引所が行う処理時間をユーザーの手で短くする方法はありません。時間に余裕を持って送金するように心がけてください。

1-3. ネットワークが混雑すると送金詰まり発生

ethereum_transaction

イーサリアムのネットワークが混雑すると送金に時間がかかります。未処理のトランザクション(送金情報)が渋滞し、送金詰まりが起きるためです。

承認はブロックチェーンのブロックに格納されることで完了します。しかし1つのブロックに格納できる容量は決まっているのです。

そのためトランザクションが多すぎると、渋滞するように承認待ち状態のデータが溜まっていきます。これが「イーサリアムのネットワークが混雑する」という現象の正体です。

対処法を見る

2. イーサリアムの送金は遅い?実験をしてみた

イーサリアムの送金にかかる時間を検証するため、さまざまな条件で実験を行いました。今回行ったテスト内容は以下の通り。

実験内容

  • 手数料を4段階で変更
  • 送金場所を変更

送金完了とみなすにはビットコインと同じく6認証を待つ必要がありますが、今回は残高に反映されるまでの時間を計測しました。

ちなみに、主要コインといわれる仮想通貨のブロック生成時間は以下の通り。仕組み上では下記の時間で送金されると考えられます。

銘柄ブロック生成時間
XRP(通称:リップル4秒
イーサリアム15秒
ライトコイン150秒(2.5分)
ビットコイン600秒(10分)
ビットコインキャッシュ600秒(10分)

上の表でもわかるように、ほかの仮想通貨と比べるとイーサリアムの送金時間は遅いわけではありません。

では、実際に送金した結果を見ていきましょう。

2-1. 相場の半額で大幅遅延!手数料別送金実験

送金手数料を4段階で変更してイーサリアムの送金にかかる時間を計測してみました。

【条件】
テスト実施日:201872410:30
使用ウォレット: MetaMaskから MyEtherWallet へ送金
使用するガス量:21,000Gas
この時のガス価格相場:1.2Gwei

ガス=送金手数料
イーサリアムは送金する際にガス(Gas)を使用。ガス価格やガス量によって送金手数料が決まります。つまりガスとはイーサリアムを送金する手数料になるということ。ガス量はデフォルトで21,000Gasですが、ガス価格はタイミングによって相場が異なります。ガス量が21,000Gas、ガス価格が1.2Gweiの時、手数料として支払うイーサリアムは0.00002ETCです。

【実験結果】

手数料(Gwei)相場と比べた割合所用時間
2.4200%3分24
1.2100%1分52
0.650%98時間(4 + 2時間)
00%送金失敗

今回の実験で最も速く送金できた手数料は、相場通りの価格設定にしたパターンでした。次に相場の2倍の手数料、相場の半額の手数料と続く結果です。手数料を付けずに送金したパターンでは、2週間待ちましたが処理されずに送れませんでした。

この実験からはわかったことは、相場よりも手数料が少ないと送金が大幅に遅れるということ。「いつまで経っても着金しない!」と感じている方は、設定した送金手数料に問題があるのかもしれません。

また相場の倍の手数料を支払っているにも関わらず時間がかかった理由は、送金タイミングによるものと考えられます。実験時刻は数分もズレていませんでしたが、その間に未処理のトランザクションが増えて遅延につながったのでしょう。

【結論】
スムーズに送金したいなら相場にあった手数料を設定しなければなりません。

またイーサリアムの仕組み上では15秒で送金されるはずですが、今回は最短で152秒かかりました。一度に処理できるトランザクションの量を超えた送金データが溜まっているためと考えられます。

2017年12月~20181月にかけてのピーク時よりもトランザクションは減っていますが、現在でも慢性的に13分ほどかかる送金詰まりが起きているのかもしれません。

参考:Etherscan Ethereum Transaction History

2-2. 取引所への入金は遅い!宛先別送金実験

送り元や送り先の違いで、送金にかかる時間が異なるか検証してみました。実験結果は以下の通りです。

【条件】
テスト実施日:201872410:30
手数料:取引所から送金する場合は規定の0.005ETC、ウォレットから送金する場合は21,000Gas/1.2Gwei

【実験結果】

送金場所送金の所要時間
取引所(bitFlyer)→ 取引所(bitbank)21分
取引所(bitbank)→ ウォレット(metamask)6分
ウォレット(metamask)→ 取引所(bitbank)18分

この実験で最も速く送金できたのは、取引所からウォレットへ送金した時。取引所へ送金した2パターンでは、どちらも残高に反映されるまで20分ほどかかっています。ウォレット間の送金より大幅に時間がかかることもわかりました。

これはイーサリアムの送金時間に関係なく、取引所で行われている入出金への処理時間が発生したためと考えられます。

実際にウォレットから取引所へ送金した時に送金状況を確認していると、最初のブロックに反映されるまでの時間が37秒でした。通常のウォレットではこの時点で残高に反映されます。しかし取引所の口座に反映されるまで18分かかりました。bitbankの場合、以下のような記載があります。

トランザクションはネットワークに24回承認された後に反映されます

これは完全に送金が完了してから口座の残高に反映するためと考えられます。こうした処理時間が、ウォレット間の送金よりも時間がかかる原因です。

【結論】
取引所が絡むと、ウォレット間の送金よりも時間がかかります。イーサリアムの送金が遅いのではなく、取引所での処理に時間がかかっているためです。イーサリアムに限らず、ほかの仮想通貨でも同じことがいえるでしょう。

3. 送金が遅いと感じた時の対処法

pc_man

送金が遅れると、無事に着金するか不安がつのりますよね。3章ではスムーズにイーサリアムを送金する対策方法を紹介していきます。

3-1. 送金手数料は適した価格を設定する

送金手数料に適した価格を設定すれば、比較的スムーズに送金できる傾向です。「送金が遅い」と感じた時は、設定している送金手数料が相応しい価格であったか見直してみてください。

ひと目でわかる!イーサリアムの手数料相場の調べ方

イーサリアムの手数料相場は『ETH Gas Station』で簡単に調べられます。

注目するポイントは以下の通り。

ETH Gas Station

①「Std Cost for Transfer」
→米ドル建ての標準的な送金手数料
②「Gas Price Std (Gwei)」
→現時点の平均的なガス価格
③「SafeLow Cost for Transfer」
→米ドル建ての最低限必要な送金手数料
④「Gas Price SafeLow (Gwei)」
→現時点の最低限に必要なガス価格

スムーズに送る時はを参考に、リーズナブルな価格で送金したいならのガス価格を参考にしてください。ガス量はデフォルト通り21,000Gasで問題ないでしょう。

ただしのガス価格で送金すると何日もかかる可能性があります。また絶対に送金が成功するとも限りません。

おすすめはのガス価格を設定すること。確実に送金できるか心配な人は、よりも多い価格に設定してもよいでしょう。

何秒で送れる?手数料に対する送金目安時間の調べ方

ETH Gas Stationの「Tx Calculator」では、いくらの手数料に対して、どの程度で送金できるか目安時間を算出できます。ただしあくまでも目安時間なので、参考程度に考えてください。

Tx_Calculator_01

①「Gas Used」はデフォルト設定のままで問題ありません。

②「Gas Price」にあるチェックボックスのうち1つを選択し「Submit」をクリックすると、画面右側に情報が表示されます。「Other」を選択した場合は下にあるボックスに任意の数字を入力してください。

Tx_Calculator_02

③「Mean Time to Confirm (Seconds)」はで選択したGas Priceで送金した時にかかる目安時間(秒)が表示されます。

④「Transaction fee (ETH)」はで選択したGas PriceETHに直した数値です。

 イーサリアムを送る前に、ぜひチェックしてみてください。

 2018年7月に起きた手数料が高騰事件、EOSコミュニティが暗躍か

2018年7月にイーサリアムの送金手数料が通常の約6倍に急騰するという出来事がありました。報道によればEOSコミュニティが暗躍し、意図的に手数料を高騰させた可能性があるとのことです。

平常通りの手数料で送金していたユーザーは、送金遅延の被害を受けたのではないでしょうか。2018725日現在の送金手数料は、攻撃以前の落ち着きを取り戻しています。

参考:COINTELEGRAPH

3-2. 混雑している時は手数料を多く支払う

混雑時でもスムーズに送るには、送金手数料を高めに設定するとよいでしょう。手数料が高い送金データのほうが早く処理される可能性があるからです。

しかし少し上げる程度では効果が感じられない可能性があります。なぜならネットワークの混雑時は手数料相場自体が上がる傾向だからです。これは少しでも早く送金するために手数料を多く支払うユーザーが増えるため。スムーズに送金できる可能性を少しでも上げたい人は、510倍というようにガッツリ手数料を付けてみましょう。

とはいえ、必ずしもスムーズに送金されるとは限りません。その可能性が上がる程度です。できるだけ混雑したタイミングは避けて送金したいところですね。

送金が遅い原因と対処法
  • 手数料が少なすぎる
    →相場に見合った手数料にする
  • ネットワークが混雑している
    →送金手数料を高く設定する

4.イーサリアムの送金状況はEtherscanで確認

Etherscan

Etherscanではイーサリアムアドレスから送金状況の確認も行えます。

Block Height」が「Pending」と表示されていると、まだ処理を行っていないということ。処理が行われるとブロックナンバーが表示されます。

「送金が遅い」と感じた時は、確認してみてはいかがでしょうか。

5. 2020年頃に送金詰まり解消&手数料減の見込み

2020年頃にはイーサリアムのスケーラビリティ問題(※)が緩和し、送金詰まりが解消される望みがあります。そうなれば手数料相場も下がるのではないでしょうか。
(※)一度に承認できる数に対して処理しなければならない送金情報数が多すぎるため、未処理のトランザクションが溜まってしまう問題

こうした期待が持てるのはイーサリアムの今後のロードマップで、送金時間の短縮につながる改良を行う予定だからです。

イーサリアムの考案者であるビタリック氏は、20183月に日本で開催された「イーサリアムミートアップ」の場で登壇し、今後のロードマップについて語りました。ビタリック氏によれば「キャスパー」「プラズマ」「シャーディング」というプロジェクトを、23年かけて反映していきたいとのとこ。

キャスパーとは

キャスパーはコンセンサスアルゴリズムをPoWからPoSへ移行するプロジェクト。PoWよりもPoSのほうが短時間で承認を行えるため、送金時間の短縮が期待できます。

プラズマとは

プラズマはサイドブロックチェーンを活用することでメインチェーンの負担を軽減するためのプロジェクト。本体のブロックチェーンを軽くすることで、送金処理をスムーズに進められます。

シャーディングとは

シャーディングは各ノードの役割を分業化するプロジェクト。分業することで処理能力の向上が見込めるため、スケーラビリティ問題が緩和する期待が持てます。

問題なく進めばのプロジェクトが反映されるのは発表があった20183月から23年後。早ければ2020年頃になると考えられます。

スケーラビリティ問題が緩和し送金詰まり問題が解消されれば、さらにリーズナブルな価格で送金でるようになるでしょう。手数料が少なければ1円単位の少額送金も行いやすくなりますよね。イーサリアムが実用的に使われるようになる日も、そう遠くないのではないでしょうか。

まとめ

イーサリアムの送金時間や、送金が遅れる原因と対策、送金情報の確認方法について紹介してきました。いかがでしたか?

  • 送金遅延の原因は「手数料が低すぎる」「取引所が絡んでいる」「ネットワークが混雑している」のいずれかに当てはまる可能性が高い
  • 現在は慢性的に13分程度の送金詰まりが起きていると考えられる
  • 取引所へ送金した時は送金が完了していても、口座に反映されるまでの処理時間が加算される
  • ETH Gas Stationを参考に適切な価格を設定するとスムーズに送金できる
  • ネットワークが混雑している時は、手数料を高く設定すると早めに送金できる
  • 送金情報の確認はEtherscanで使用したアドレスを入力すると確認できる
  • 送金詰まり緩和につながるプロジェクトが予定されているため、2020年頃には今よりもスムーズに送金できるようになっているかもしれない

イーサリアムを送金する時は手数料を適切に設定し、時間に余裕をもって送金しましょう。