
取引やICO参加で得たイーサリアムベースのコインを、さまざまな取引所に置きっぱなしという人もいるでしょう。
- そろそろまとめて管理したいけど、ウォレットがどんなのものかわからない。
- 安全に管理できるウォレットの選び方を知りたい。
そんなあなたへ、イーサリアムウォレットの種類や、おすすめのウォレットを紹介します。
本記事で紹介するウォレットは全て日本語対応なので管理や運用も安心です。
目次
1. イーサリアムウォレットとは
イーサリアムウォレットとは、アルトコインの代表格であるイーサリアム(ETH)や、イーサリアムベースのERC20などで発行されたコインを管理するウォレットです。
ETHやERC20は、イーサリアムというシステム上で作られたコイン(デジタルデータ)です。つまり、データが動く仕組みの基盤は同じだということですね。基盤が同じならば、ETHを管理するウォレットでERC20も管理できるということです。
イーサリアムベースのコインだけでも、まとめて管理できると便利ですよね。
2. イーサリアムウォレットの必要性
イーサリアムの保管にウォレットが必要になる理由は、以下が挙げられます。
- コインの管理が容易になる
- 取引所など他所に管理を任せるリスクを軽減できる
- 自身でセキュリティを含めた管理ができる
取引所に置きっぱなしは便利だけど危険
多くの人は、取引を終えたあとのコインを仮想通貨取引所に置きっぱなしにしています。もちろん、頻繁に取引をする人にとっては、置いておいたほうが便利です。
一方、取引頻度が低く、保有しているだけという人も多いはず。
取引をしないコインを、長期間仮想通貨取引所に保管しておくことは、これまでの数々のハッキング被害を見ても、好ましいこととはいえませんよね。
仮想通貨取引所はハッキングリスクが高いので、あなたの資産はあなたの手元に保有しておくほうが安心なのです。
3. ウォレットのスタイルと選び方
イーサリアムウォレットには数々の種類があります。選び方として一番よいのは「あなたの取引スタイルに合わせる」ということです。
3-1. パソコンで管理するウォレット
パソコンで管理するウォレットの代表的なものには、「MyEtherWallet (マイイーサウォレット)」や「MetaMask(メタマスク)」が挙げられます。
MyEtherWallet (マイイーサウォレット)
利用料金 | 無料 |
対応OS | Windows、MacOS |
言語 | 日本語対応 |
対応コイン | ETH、ERC20(カスタムトークン) |
公式サイト | MyEtherWallet |
MyEtherWallet (マイイーサウォレット)は、パソコン上でETHやERC20トークンを管理するためのウォレットで、イーサリアムウォレットの中でも最も有名なウォレットといえます。
ウォレットを探すときには必ず目にするウォレットでしょう。
◎送金に手間がかからない
MyEtherWalletは、Webブラウザで直接、あるいはパソコンにインストールして利用できます。
ほとんどの場合、パソコンは常にインターネットに接続していますので、取引のために仮想通貨取引所へコインを送金する場合にも手間がかかりません。
取引をする資産以外をMyEtherWalletに保管しておき、必要になったらすぐにパソコンからコインを送金する、という使い方が可能です。
◎ハッキングには注意
MyEtherWalletはパソコン上で秘密鍵を管理するため、パソコンがハッキングされると保管している秘密鍵の流出、つまり仮想通貨が流出する危険があります。
取引所に保管するよりはリスクは抑えられますが、万一を考え、多額の資産を保管することのないよう注意しましょう。
▼ハッキングリスクを最低限に抑えるならハードウェアウォレットがおすすめ
- XRP含む1,000以上のコインに対応「Ledger Nano S(レジャー・ナノ・エス)」
- MONA、ADAも管理可能「TREZOR(トレザー)」
◎少額保管に向いている
使い勝手が良く初心者でも扱いやすいウォレットですが、ハッキングリスクはハードウェアウォレット(オフラインのウォレット)よりもどうしても高くなります。
そのため高額・長期の保管は避けるようにしましょう。
MetaMask(メタマスク)
利用料金 | 無料 |
対応OS | Windows、MacOS |
対応ブラウザ | Google Chrome |
言語 | 日本語対応 |
対応コイン | ETH、ERC20(カスタムトークン) |
公式サイト | METAMASK.io |
MetaMask(メタマスク)は、Google Chromeのブラウザ拡張機能として使えるイーサリアムウォレットです。
使い方はシンプルで、Google Chromeの拡張機能として、ブラウザにインストールするだけで利用できます。
◎Dapps(ダップス)と簡単に連携できる
Dappsのほとんどは、ブラウザの利用を前提に開発されています。
そのため、Dappsを利用する際には「MetaMaskをインストールしたGoogleChrome」を利用することで、イーサリアムウォレットとDappsを簡単に接続して使えるのです。
例えば、ブロックチェーンゲームの「CryptoKitties」で遊ぶ時、GoogleChromeで公式サイトを開き、ゲームをスタートさせると、ワンクリックでMetaMaskをゲームに接続できます。
その他、分散型取引所(DEX)への接続も容易です。
◎MyEtherWallet(マイイーサウォレット)と連携できる
MyEtherWalletとの連携もできますので、あとからMetaMaskを導入したとしても、同時利用が可能です。
連携することで、これまでMyEtherWalletを使っていた場合でも、インターフェイスをMetaMaskのみに統一できます。
もちろん、MetaMask(メタマスク)だけでもウォレットとしてコインを保管することができますので、MetaMask(メタマスク)だけを利用するという選択でも問題ありません。
◎セキュリティには注意が必要
MetaMaskは、ブラウザにインストールされているウォレットのため、ウォレットは常にインターネットに接続されています。
つまり、ハッキングリスクが高いといえるのです。
MetaMaskを利用する際には、パソコンのセキュリティ対策はもちろん必要ですし、MetaMaskに全ての資産を保有することも避けた方が良いでしょう。
▼ハッキングリスクを最低限に抑えるならハードウェアウォレットがおすすめ
- XRP含む1,000以上のコインに対応「Ledger Nano S(レジャー・ナノ・エス)」
- MONA、ADAも管理可能「TREZOR(トレザー)」
◎Dapps(ダップス)を利用する人に向いている
MetaMaskは普段Dappsを利用している人にとっては、非常に使い勝手の良いウォレットです。
3-2. スマホで管理するウォレット
スマホで管理するウォレットを使えば、あなたの資産を毎日持ち歩き、いつでも取引ができます。
スマホウォレットには、もちろんイーサリアム専用のウォレットもありますが、イーサリアム以外のコインも管理できるウォレットがほとんどです。
数種類のコインを手元で管理したい場合には、スマホウォレットが最適ですね。
以下の人気のウォレット2種類を紹介します。
- Ginco
- BRD
Ginco
利用料金 | 無料 |
対応OS | iOS、Android |
言語 | 日本語対応 |
対応コイン | ETH、BCH、TC、LTC、XRP、OMG、SNT、REP、ZRX、MANA 他100種類以上 |
公式サイト | Ginco.io |
Gincoは、株式会社Gincoが提供するスマホウォレットです。
日本国内の企業が提供するサービスなので、サポートを受けやすいという点でも安心できます。
◎ハッキングリスクを最小限に抑える
インストールしたスマホしか資産へのアクセス権を渡さない「クライアント型方式」の採用で、オンラインのウォレットとしてはハッキングリスクを抑えるなど、セキュリティ面にも配慮が行き届いています。
スマホの破損や紛失時も、バックアップキーで復元できる機能があり、スマホならではのリスクにも対応しています。
◎多数のメディアでも紹介
日本経済新聞やNHK(Eテレ)など、多くのメディアにも取り上げられたスマホウォレットです。
参考:
日本経済新聞|仮想通貨、スマホで安全管理 ギンコがアプリ開発
Ginco MAGAZINE|NHK Eテレ-サイエンスZERO「カガクの“カ”#5 仮想通貨&ロボコン直前」に協力!独自コインの送金がGincoで行われました
◎対応コインの種類が多い
管理できるコインはイーサリアムベースのコインだけでなく、100種類以上に及びます。BTCやBCH、XRPなどのコインをスマホ1つで管理できるのです。
仮想通貨取引をしていると、ETHはもちろん、主軸となるBTCや人気のXRPを所有している場合に便利です。
◎頻繁に取引をする人に向いている
スマホはもちろん、常にネットワークに接続されていますので、いつでもコインの送金が可能です。
頻繁に取引をする人やあるいは複数種類のコインを管理したい人にとって、使い勝手の良いウォレットだといえます。
BRD(breadwallet)
利用料金 | 無料 |
対応OS | iOS、Android |
言語 | 日本語対応 |
対応コイン | BTC、ETH、DAI、BCH、BRD、TUSD 他100種類以上 |
公式サイト | BRD – bitcoin wallet |
BRDは、以前「breadwallet」としてリリースされていたウォレットです。スマホウォレットとして人気のウォレットです。
◎操作がシンプル
BRDは操作がシンプルで、送金・入金・保有の機能がメインです。はじめてスマホウォレットを利用する人でも戸惑うことはないでしょう。
もちろん、スマホの紛失や故障に備えて復元フレーズも用意されています。
◎対応コインは100種類以上
イーサリアムの他にBTCやBCHなども保管でき、100種類以上のコインとERC20トークンを管理できます。
◎公式ホームページは英語表記
提供元のホームページは英語表記ですが、英語が苦手な人でも、Google翻訳を使えば問題なく理解できます。
また、ウォレットは日本語に対応しているので安心です。
◎シンプルなウォレットを使いたい人に向いている
ウォレットなどについての情報発信も英語ですので、英語にアレルギーがない人で、シンプルなウォレットを使いたい人にオススメのウォレットです。
3-3. ハードウェアウォレット
ハードウェアウォレットとは、専用の端末を使ってインターネットから切り離された環境でコインを管理できるウォレットです。
インターネットに接続されていないウォレットは、ハッキングのしようがありません。ですので、セキュリティ面では最強のウォレットといえるでしょう。
そんなハードウェアウォレットでオススメなのが、以下のウォレットです。
- Ledger Nano S(レジャー・ナノ・エス)
- TREZOR(トレザー)
ハードウェアウォレットについては、以下の記事でも詳しく解説しています。
Ledger Nano S(レジャー・ナノ・エス)
本体料金 | 15,800円(税別) |
対応OS | Windows、MacOS、Linux |
使用ブラウザ | Google Chrome |
言語 | 日本語対応(本体ディスプレイは日本語非対応) |
対応コイン | BTC、ETH、BCH、LTC、ETC、DASH、XRP、EOS、USDT 他80種類以上のコインおよび1,000以上のERC20トークン |
公式サイト | Ledger SAS |
Ledger Nano S(レジャー・ナノ・エス)は、USBでパソコンに接続して利用するタイプのウォレットです。
◎管理できるコインの種類が豊富
イーサリアムベースのコインだけでなく、BTCやBCH、XRPなど数々のコインとERC20トークンを管理することができます。
対応コインの詳細については、公式ホームページを参照してください。
参考:公式ホームページ|対応通貨
◎オフライン管理なのでハッキングの心配がない
Ledger Nano Sの最大の特徴は、インターネットから切り離した状態でコインを保管できるということです。
その他のウォレットは、常にインターネットに接続されているパソコンやスマホ機器で利用するため、ハッキング被害がゼロとはいいきれません。
しかし、インターネットに接続されていないLedger Nano Sは、ハッキングのしようがないのです。
◎持ち運びに便利
Ledger Nano Sの本体はUSBメモリのような形状で、持ち運びも便利です。
また、PINコードや24ワードのバックアップ機能も付いており、万が一なくしたときでも復元が可能です。
◎日本語の情報が豊富
本体の液晶画面は、日本語には非対応です。しかし日本語での販売サイトや解説ブログも多数ありますので、操作に困ることはありません。
◎コインの長期保有に向いている
Ledger Nano Sは、普段ほとんど取引を行わない、コインを保有しているだけという人には最適のウォレットだといえるでしょう。
◎購入は必ず正規店、もしくは正規代理店で
ネットオークションなどで中古のハードウェアウォレットが販売されていることもあります。
しかし中古品には、ウィルスが仕込まれていたり、リカバリーフレーズがすでに取得されていたりする危険があるので、かならず新品を正規店や正規販売代理店で購入しましょう。
LedgerNanoS 正規販売代理店
- EARTH SHIP LTD.(https://hardwarewallet-japan.com/)
- HARDWAREWALLET.JP(https://shop.hardwarewallet.jp/)
⇒最新情報はこちら
TREZOR(トレザー)
利用料金 | 13,800円(税別) |
対応OS | Windows、MacOS、Linux |
使用ブラウザ | Google Chrome |
言語 | 日本語対応(本体ディスプレイは日本語非対応) |
対応コイン | BTC、ETH、MONA、BCH、ETC、NEM 他、10種類以上のコインおよびすべてのERC20トークン |
公式サイト | TREZOR Hardware Wallet |
TREZOR(トレザー)もまた、USBでパソコンに接続するタイプのハードウェアウォレットです。
◎オフラインでコインを安全管理
Ledger Nano S(レジャー・ナノ・エス)と同じように、コインを保管してしまえばインターネットからは切り離された環境で管理できます。
もちろん、USBメモリのような感覚で持ち運ぶことも可能です。
◎XRPに非対応
Ledger Nano S(レジャー・ナノ・エス)との違いは、XRPには非対応という点です。
もちろんイーサリアムベースのコインをメインに保管する場合には、どちらも遜色なく利用できます。
▼XRPにも対応したウォレットが欲しい方はこちら
- XRP保管に対応したモデルが登場!「TREZOR MODEL T」
- XRPに対応したハードウェアウォレット「Ledger Nano S」
◎XRP以外のコインを長期保有する人に向いている
TREZOR(トレザー)は、インターネットに接続されていない安全な環境で、イーサリアムベースのコインをメインに管理したい(XRPは保有する予定がない)人におすすめのウォレットといえますね。
◎購入は必ず正規店、もしくは正規代理店で
ネットオークションなどで中古のハードウェアウォレットが販売されていることもあります。
しかし中古品には、ウィルスが仕込まれていたり、リカバリーフレーズがすでに取得されていたりする危険があるので、かならず新品を正規店や正規販売代理店で購入しましょう。
TREZOR 正規販売代理店
- langrey Inc.(https://myhardwarewallet.com/)
- RISEST COLTD(https://hardwallet.store/)
- Takumi No Waza Corp.(CRYPTO WALLET JAPAN)(https://www.cryptowalletjapan.com/)
⇒最新情報はこちら
その他、より詳しい注意点などを以下の記事でも解説しています。
4. ウォレットで管理する際の注意点
イーサリアムの管理において、仮想通貨取引所などに置きっぱなしにしておくよりは、ウォレットで管理ことをおすすめします。
ただし、ウォレットでの管理にも注意点があります。
秘密鍵やパスワードは自分で管理する
あなたが自分でウォレット管理をするということは、管理に必要な秘密鍵や、復旧のためのパスコード(リカバリーフレーズ)も自分で管理することになります。
秘密鍵やパスコードは、流出してしまうと不正アクセスされ、最悪の場合は資産を奪われてしまうのです。
つまり、秘密鍵とパスコードの管理を自身で厳重に管理する体制を徹底しなければなりません。
複数ウォレットの併用で万一の時に備える
また、コインは一つのウォレットだけに保管するのではなく、万一のことを考えて、複数のウォレットに分散管理をすることも大切です。
分散して保管しておくと、もし1つのウォレットの秘密鍵を盗まれてしまっても、ほかのウォレットの資産は守られます。
まとめ
イーサリアムやイーサリアムベースのコインは、ウォレットでの管理がおすすめです。
コインは実体がありませんので、なかなか実感することができませんが、あなたの大切な資産です。
あなたの取引スタイルに合わせてウォレットを選び、大切な資産をしっかりと、そして便利に守りましょう。