
価格推移を調べて価格変動の傾向を理解すれば、投資で利益を出せる可能性を高めることができます。
今回の記事では、イーサリアムのこれまでの価格推移の解説に加えて、それをもとにした今後の価格に影響を与えるニュースと価格予想に役立つチャートの分析方法を紹介していきます。
目次
1. イーサリアムの価格推移

上記の画像は2015年8月から2020年11月現在までのイーサリアムのチャートです。時系列ごとにどのようなイベントが合ったのかを確認しながら、価格の推移を見ていきましょう。
2015年:イーサリアムの運用開始【約1ドル】
イーサリアムは2013年にVitalik Buterin氏によって考案され、2015年8月頃からシステムの運用と取引所での取引が開始されました。取引開始後から数ヶ月間は、1ドル近辺で価格が推移していることが分かります。
参考|Github「White Paper」
2016年3月:アップデート「ホームステッド」で価格上昇【約15ドル】
2016年3月にはアップデート「ホームステッド」が行われました。ホームステッドではバグの改修やスマートコントラクトの手数料引き上げなどが行われています。
アップデートが近付くに連れて1ドル近辺で推移していた価格も上昇し、3月中旬ほどには約15ドルまで上昇しました。
参考|Ethereum Homestead Documentation
2016年4月:The DAOのICOで価格上昇【約20ドル】
2016年4月頃からはThe DAOというイーサリアム関連のプロジェクトのICOが行われました。このプロジェクトでは約156億円の資金が集まっています。
これによって、ホームステッド後に8ドル近辺で落ち着いていたイーサリアムの価格も、6月頃には一時20ドルを超える大幅な価格上昇を記録しました。
参考|日本経済新聞 禁忌に触れた仮想通貨 「ザ・ダオ」の教訓
2016年6月:The DAO事件による価格暴落【約7ドル】
The DAOのICOは成功しましたが、システムには欠陥がありました。その隙を突かれてハッキングを受けてしまい、大量のイーサリアムが盗まれています。
このハッキングの影響で20ドルを超えて取引されていたイーサリアムの価格も暴落しました。2016年8月頃には一時7ドル近辺まで価格が下落しています。
2017年2月:EEA設立で価格上昇【約50ドル】
2017年2月には、イーサリアムの企業利用を促進することを目的としたEEA(Enterprise Ethereum Alliance)と呼ばれる団体が設立されました。これによって、イーサリアムの将来性に期待が集まり、価格も2017年2月から4月にかけて50ドルを超えて大幅に上昇しています。
その後も上昇を続け、一時約400ドルを突破しました。
2017年7月:システム不安から価格下落【約200ドル】
2017年7月中旬ごろに、約半分に価格が下落しました。この時期は大きな事故などはありませんでしたが、イーサリアムの取引量が急激に増えたことで送金に遅延が発生するなどしたため、システムへの不安が価格の下落につながったという見方もあるようです。
2017年10月:アップデート「ビザンチウム」やICOでの利用増で上昇【約1500ドル】
2017年10月にはアップデート「メトロポリス」の第1段階にあたる「ビザンチウム」が完了したことから、イーサリアムの価格が上昇しています。
この頃にはイーサリアムを使ったICOの増加や、仮想通貨市場全体の価格高騰などの要因も重なり、価格の上昇をさらに後押ししました。
この上昇は2018年1月頃まで続くことになります。2017年10月頃には300ドル近辺で取引されていたイーサリアムは、2018年1月頃には一時1500ドルを超えるまでの大幅な上昇を記録しています。
2018年1月:バブル崩壊と規制強化から暴落【約100ドル】
上り調子だったイーサリアムですが、2018年1月から価格は下落していきます。下落の要因として、市場を牽引していたビットコインのバブルが終わったこと、各国で仮想通貨に関連した規制が強まったことの2点があると考えられています。
結果的に2018年1月頃には1500ドルを超えていたイーサリアムですが、2018年12月頃には100ドル近くにまで暴落してしまいました。
2019年2月:アップデート「コンスタンティノープル」の完了【約360ドル】
大幅に価格が下落したイーサリアムですが、2019年2月からは再度価格が上昇へ転じました。考えられる要因としては、アップデート「メトロポリス」の第2段階にあたる「コンスタンティノープル」が完了したことが挙げられます。
また、この頃にはビットコインを中心に仮想通貨全体が復調傾向になってきたことから、市場全体の回復への期待が高まったことも要因の1つとして考えられます。2018年2月頃には100ドル付近で取引されていたイーサリアムですが、6月末頃には一時360ドル付近にまで価格が上昇しました。
2019年12月:2つのアップデート完了で上昇【約280ドル】
2019年12月には「メトロポリス」の3段階目に当たる「イスタンブール」、2020年1月には「ミューア・グレイシャー」の2つのアップデートが完了しています。
これを受け2019年12月頃には110ドル付近で取引されていたイーサリアムですが、2月中旬頃までには一時280ドルほどで取引されるまでに価格も上昇しました。
参考|コインテレグラフ「仮想通貨イーサリアム、ハードフォーク「ムーア・グレイシャー」完了【ニュース】」
2020年3月:新型コロナウィルスの影響で下落【約90ドル】
新型コロナウィルスの世界的な流行により、世界経済だけでなく仮想通貨市場にも不安が広がりました。これを受けイーサリアム価格も280ドル付近から一時90ドル近くにまで大きく価格が下落しています。
2020年7月:NFTやビットコイン投資の人気の高まりと合わせて上昇【約450ドル】
コロナウィルスの影響で2020年3月に価格が落ち込んだイーサリアムですが、その後は徐々に価格も回復していきます。2020年7月頃からは、希少性の高いNFT(非代替性トークン)やビットコイン投資の人気の高まりと合わせてイーサリアムもさらに価格が上昇しており、450ドル付近で取引されています。
参考|コインテレグラフ「高齢世代の仮想通貨ビットコイン投資が加速 新型コロナ後に顕著=英レポート」
2. イーサリアムの価格に影響を与えるニュース
イーサリアムの今後の価格予想をするうえで、どのようなニュースが価格に影響を与えるか抑えておくことは大事なポイントです。
1章でも解説したように、イーサリアムの価格変動は関連したニュースが出たタイミングで発生するからです。
2-1. 値上がりする可能性が高いニュース
値上がりする可能性が高いニュースは以下になります。
- アップデートの完了
- 企業の利用増加が見込めるもの
過去に実施されたアップデートの際に価格が上昇していることから、イーサリアムはアップデートの完了後や期日が迫ったタイミングでは値上がりしやすい傾向があります。また、EEAの設立後にも価格が上昇しているので、企業の利用増加が見込めるニュースが出た場合も値上がりする可能性が高いと考えることが可能です。
2-2. 値下がりする可能性が高いニュース
値下がりする可能性が高いニュースは以下になります。
- ハッキングなどによる盗難
- 規制強化など利用減少が見込まれる
The DAO事件でも価格が下落したことから、ハッキングによるイーサリアムの盗難が発生した場合に価格は下落する傾向があります。また、規制強化などで利用の減少が見込まれる場合にも下落しています。
そのため、これらのニュースは下落を未然に察知するためにも注視すべきポイントと言えそうです。
3. 価格予想に役立つチャートの分析手法
ニュースの確認と合わせてチャートの分析も行うことで、価格予想の精度を高めることができます。
そこでこの項目では、初心者でも取り組みやすい分析手法を紹介していきます。
3-1. 「移動平均線」で価格の方向感を見極める
価格予想に役立つチャートの分析手法として、「移動平均線」で相場の方向感を見極めることが挙げられます。
移動平均線とは?
一定期間ごとの価格の平均値を結んだ線のことです。
一般的には移動平均線が上向きであれば価格は上昇が見込め、下向きであれば下落する可能性が高いと考えられています。こうした特徴を活かすことで、イーサリアムの価格予想や買いや売りの判断に役立てることができるのです。
実際のチャート例
上記の画像はイーサリアムのチャートに期間を50日にした青色の移動平均線を表示したものです。
画面左側から移動平均線が上向きになっているので、相場の方向感は上昇にあることが読み取れます。実際に、価格も画面右側に進むに連れて上昇していることが分かります。
このように、移動平均線を使うことで相場の方向感を把握することができ、買いや売りの判断に役立てることができるのです。
3-2. 「RSI」で相場の転換点を見極める
価格予想に役立つチャートの分析手法として、「RSI」で相場の転換点を見極める手法も挙げられます。
RSIとは?
0〜100の数値で表す、買われ過ぎや売られ過ぎなどの相場の過熱感を示す指標です。
買われすぎた場合は上昇から下落へ、売られすぎた場合は下落から上昇へ、それぞれ相場は転換します。RSIを使えば買われすぎや売られすぎの状態を把握することが可能です。
イーサリアムの買いや売りのタイミングを見極めることに役立ちます。
RSIが0〜30で「買い」
一般的には0〜30の場合は売られ過ぎのため下落から上昇への転換が見込めます。そのため、買いのタイミングの1つと言うことが可能です。
RSIが70〜100で「売り」
一般的には70〜100をRSIが示す場合は買われ過ぎのため、上昇から下落への転換が見込めます。そのため、売りのタイミングの1つと言えます。
実際のチャート例
上記の画像はイーサリアムのチャートにRSIを表示したものです。画面左側では相場は下落方向に進んでいることが分かります。いっぽうで、その後にRSIが20を下回ってからは相場が転換し、上昇方向へ進んでいます。
このように、RSIを使うことで上昇や下落といった相場の転換点を見極めることができるのです。
まとめ
以上、イーサリアムの価格推移について解説してきました。あらためて、今回の記事のポイントをまとめておきましょう。
- イーサリアムの価格はアップデート後や利用増加が期待できる時などに上昇しやすい
- ハッキングや規制強化などによる利用減少が見込まれる時などに下落しやすい
- チャートの分析などで価格予想の精度をさらに高めることができる
今回紹介した内容はあくまでも過去の推移からの傾向でり、必ずしも価格がその通りに動く訳ではありません。損失が出る可能性は常にあるので、資金に余裕を持って取り組むことをおすすめします。
■世界のニュース
Google ニュース 「世界」
Google ニュース 「日本」
Google ニュース 「ビジネス」
Google ニュース 「科学&テクノロジー」
Google Cloud スタートアップ
■価格情報
TradingView「ビットコイン/JPY」
coinbase「ビットコイン/USD」
CME「ビットコイン 先物」
■監督官庁
■研究機関
ビットコイン
bitcoin.org
イーサリアム
ethereum.org
Go Ethereum
web3.js
Truffle
solidity
ethereum/EIPs
Vitalik Buterin’s website
XRP
ripple.com
その他
Litecoin.org
Bitcoincash.org
nem.io
Stellar.org
monacoin.org
blockchain.com
■苦情相談等
■自主規制機関
■関連省庁等公式Twitter
日本政策金融公庫【公式】Twitter
厚生労働省【公式】Twitter
日本年金機構【公式】Twitter
内閣府政府広報オンライン【公式】Twitter
国民生活センター【公式】Twitter
金融庁【公式】Twitter
法務省【公式】Twitter
消費者庁【公式】Twitter
首相官邸【公式】Twitter
内閣官房【公式】Twitter
国税庁【公式】Twitter
警察庁【公式】Twitter