
“気絶投資法”という言葉を聞いたことはありませんか?
気絶投資法とは長期的な投資を行うために、あえて情報をシャットアウトし利益をねらうこと。
一見簡単そうな“気絶”には、コツがあります。
そんな気絶投資法について、こちらの記事で詳しく解説していきましょう。
- 投資で使われる “気絶” の意味とは?
- 初心者でもできる気絶投資法のやり方って?
- 投資に慣れた人たちが短期売買を行うなか、なぜ正反対の気絶投資法があるの?
さまざまな疑問を一挙に解決。取引所の “中の人” が気絶投資法のイロハをレクチャーするので、ぜひ参考にしてください。
目次
1. 長期的な投資戦略のひとつ! 気絶投資法の特徴

気絶投資法は、元は株式投資で使われていた言葉。将来値上がりするかもしれない仮想通貨を長期的に保有し、利益が生まれるまで売りを待つ投資法です。
特徴は、わざと情報をシャットアウトし値動きを確認しないところ。通常の投資では価格変動を積極的にチェックしますが、気絶投資法では行いません。また気絶投資法を行うことを「気絶する」と表現します。
長期的な投資をする時、なぜ “気絶” がよしとされるのか? 紐解いていきましょう。
1-1. 気持ちのぶれをなくすため情報をシャットアウト
あえて最新情報を仕入れないことで、保有を続けやすくする気絶投資法。コインを購入したあとは、寝ていてもよいのです。
情報をチェックしない理由は、気持ちのぶれをなくすため。急激な値動きがあれば売りに出したくなることもあるでしょう。一時的な乱高下に踊らされるようでは、長期的な投資はできません。
「値動きが気になってしかたがない」
「握力(※)に自信がない」
という方こそ、気持ちを落ち着かせるために “気絶” してみてはいかがでしょうか。
(※)握力とは、急激な値動きがあっても売りに出さず保有し続ける “忍耐力” のこと。
1-2. 高額投資は避けよう! 賭けに近い投資法
気絶投資法は、投資対象を長期的に保有する点で似ている “ガチホ” に比べると賭けに近い感覚の投資法。それぞれの特徴をまとめました。
気絶投資法 |
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ガチホ |
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気絶投資法の「上がればラッキー」と期待して投資する一方で、ガチホは上がると予想して保有を続けます。どちらも長期的な投資ですが気絶投資法のほうがギャンブルに近く、初めから多額の投資をするのは危険。仮想通貨ビギナーは高額投資を避け、生活費以外の余剰資金でスタートしましょう。
2. 初心者でもできる気絶投資法のやり方
初心者でも気絶投資法を簡単に成し遂げるためのポイントを紹介します。
2-1. あえて投資の勉強をしない
気絶投資法は投資の知識に乏しい初心者のほうが気絶しやすい場合があります。なぜなら、関心が薄いほど放置しやすいから。
なまじ知識があると価格変動が気になって情報をシャットアウトしづらく、放置できないケースが多いです。こまめに情報をチェックするのは気絶投資法とはいいません。気絶を続けるために、あえて投資への関心を深めないのもひとつの戦略ではないでしょうか。
仮想通貨のことは勉強しよう
投資の勉強はしなくても、仮想通貨の知識は必要です。さまざまな仮想通貨の特徴を押さえ、自分が興味を持ったコインに投資してみましょう。
2-2. なくなっても支障がない額だけ投資
大金を投じるほど、値動きの様子が気になります。気絶投資法を実践する時は、なくなっても生活に支障がでない程度の投資額にしましょう。
「増えていたらラッキーだけど、なくなってしまったらそれまでだ」と割り切った気持ちになれると、上手く気絶を成しとげることができるでしょう。
2-3. 関連アプリを削除
スマートフォンは便利な一方で、情報のシャットアウトしたい気絶投資家たちにとっては強敵。いつでもどこでも手軽に情報をゲットできてしまうからです。しかしスマートフォンを持ち歩かない生活は不便ですよね。
「スマートフォンは持ち歩きたい! でも情報が入らない状況にもしたい」という人は、情報が多く出回るSNSや簡単にチャートを確認できるアプリを削除しましょう!
自ら簡単に情報を仕入れられない状況にすれば、気絶を続けやすくなるのではないでしょうか。
3. 勝ちを目指すアナタへ! 気絶投資法の極意
投資で勝ちたいなら、やみくもに投じてもダメ。ポイントを押さえて勝率を上げましょう。気絶投資法を成功させるべく4つの極意を伝授していきます。
極意① 購入するコインの事前リサーチは必至
気絶投資法はわざと情報をシャットアウトする投資法ですが、購入するコインのリサーチは必至。事前調査を怠れば、詐欺まがいのコインを買ってしまったり、破たん寸前のコインを掴んだりする恐れもあるからです。投資するコインの特徴やスペックを勉強せずに資金を投じるのは止めましょう。
初心者は時価総額が高いコインから
とはいえ投資初心者のなかには、どのようなコインに投資すればよいかわからない人もいるのでは? そのような人は、価値がなくなる可能性が低いと考えられる、安定感があるコインからスタートしてみてはいかがでしょうか。
破たんする可能性が極めて低いと考えられる仮想通貨は以下の通り。現在の時価総額が高いコインTOP3です。
順位 |
銘柄(単位) |
2018年2月8日12:00現在の時価総額 |
1位 |
Bitcoin (BTC) |
¥14,872,629,371,537(約15兆円) |
2位 |
Ethereum (ETH) |
¥8,620,858,944,324(約8兆5千億円) |
3位 |
Ripple (XRP) |
¥3,232,560,670,090(約3兆円) |
参考:CoinGecko
値動きが激しい仮想通貨ですが、Bitcoin(ビットコイン)、Ethereum(イーサリアム)、XRP(通称:リップル)は数ヵ月間にわたり順位の入れ替わりがありません。仮想通貨界で安定の “神3” と表現できるのではないでしょうか。
しかし、あくまで価格がゼロになる可能性が低いというだけです。値上がる保証でも、絶対に無価値にならないわけでもないのでご注意を。
極意② 気絶しすぎず、定期的に起きよう
わざと情報をシャットアウトする気絶投資法ですが、定期的に目を覚ましてチャートや様子をチェックしましょう。放置しすぎてしまうと、無価値になりそうな時や大暴落が起きている時に気がつけません。
仮想通貨の場合、週に1回ほどの情報チェックを目安にするとよいでしょう。気絶中に大きな出来事が起きた時、対応が遅くなりすぎるのを防ぐためです。
仮想通貨はとんでもない値動きをする
また仮想通貨の価格がまだ安定していないのも、週1回ほど起きたほうがよいとする要因のひとつ。Bitcoinの場合2017年12月~2018年2月の間に1,000,000円以上の価格変動がありました。2ヵ月も経たないうちに、この規模の価格変動が起こりうるのです。
1週間ごとに起きれば、価格変動の幅にある程度予想をつけやすいですよね。慣れてきたら自分のペースに合わせて起きるようにしましょう。
極意③ 利確と気絶をくり返さない
利確とは、仮想通貨を現金に換えて利益を確定させること。仮想通貨は利確を行うと、得た利益が課税対象になります。
価格が上がっていた時に利確し、また新しい仮想通貨を買っては気絶して――と間隔を開けずにくり返すと、確定申告を行う際にすべての取引で得た利益を計算しなくてはなりません。取引の回数が多ければ多いほど計算量も増え、手間がかかります。
送金手数料もばかにならない
また取引回数が多ければ、取引を行う時に毎回発生する送金手数料も高つきます。取引回数を絞ることで手数料の節約にもなりますね。
利確回数が少なければ少ないほど、確定申告の計算がラクチンで送金手数料も安く済みます。気絶投資法のメリットを活かすためにも、すぐに利確してしまわない忍耐力を持ちましょう。
極意④ 気絶中のコイン管理はコールドウォレットで
気絶中のコイン管理は、自身でコールドウォレットを用意する方法が安全。インターネットに接続されていないから不正アクセスによる盗難リスクを減らせます。
コールドウォレットとは
コールドウォレットとは、インターネットから切り離されたオフラインで管理するウォレットのこと。
紙に情報を印刷して管理する「ペーパーウォレット」、USB型デバイスに記録する「ハードウェアウォレット」という2種類のコールドウォレットがあります。どちらも不正アクセスの心配はなくなりますが、リアルな世界での盗難・紛失に気をつけなければなりません。
取引所によっては、仮想通貨をコールドウォレットで管理していると明言しているところもあります。それを100%信用できるなら、取引所に預けたままにしておくのもよいでしょう。しかしハッキングに遭わなくても、長期で預けている間に取引所が経営破たんする恐れもあります。
取引所が100%信用できるセキュリティで、絶対に破たんしないなんて誰にもわかりませんよね。このような理由から自身でコールドウォレットをつくり、自宅や銀行の金庫に保管する方法が安全といえます。
4. 仮想通貨取引所の中の人が “気絶” と並行してできる投資法をレクチャー
仮想通貨取引所に勤める筆者が、気絶にプラスして行える投資法をレクチャーします。それぞれの投資法の、投資初心者から見た難易度を “★” の数で表しました。
- 分散投資=★☆☆☆☆
同時にいくつかの銘柄へ投資する方法。
投資対象を分散することで、ある銘柄が暴落してもほかのコインでマイナスをカバーできる可能性があります。価格変動のリスクが低減できるため、知識が乏しい人ほど分散投資を行うとよいでしょう。
- 集中投資=★★★☆☆
ひとつの銘柄に決め打って投資する方法。
特徴は集中して資金を投じるため、値動きの風当たりが強い点。値上がった時の利益は大きいけど、下がった時の損失も大きくなります。分散投資と比べればリスキーな一面もありますが、投資予算が少なくてもできる投資法です。
自身の性格や、投資できる金額にあったスタイルを選びましょう。
5. 気絶投資法のスタート地点! 信頼できる取引所の見分け方
投資を始めるには、まず仮想通貨を購入しなければなりません。スタートでつまずかないためにも、安全な購入方法でコインを手にしましょう。
5-1. 初めてのコイン購入は取引所の利用が安全
現在仮想通貨を手に入れるには、以下のような方法があります。
仮想通貨の入手方法
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取引所で購入
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誰かに仮想通貨を送ってもらう
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販売所で購入
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マイニングで報酬を得る
このなかでオススメなのは、信頼できる取引所で購入するやり方。初めてなのに個人間で取引するのは不安があるし、販売所での購入は取引所よりも手数料が高いケースが多いです。
個人でのマイニングは難しい
マイニングには
- 計算能力の高いコンピュータでマイニングに参加
- マイニングプール(※)に投資
- 事前に仮想通貨を購入してマイニングに参加
といった方法があります。
(※)マイニングプールとは、マイニング報酬を分けあうマイニンググループのこと。
Bitcoinの場合、計算力の高いコンピュータを持っている企業やマイニングプールよりも速く採掘しなければなりません。個人単位ではマイニングで報酬を得るのは難しいでしょう。
またマイニングプールへの投資では、100%コインをゲットできると限りません。投資先のマイニングプールがマイニングに成功した時だけ配当があります。こちらも確実にコインをゲットできるとは言いきれません。
また事前に仮想通貨を購入してマイニングに参加する場合も、どこかでコインを購入しなければなりませんね。
このような理由から、取引所で仮想通貨を買う方法が安全で確実といえるでしょう。
5-2. 信頼できる取引所を見極める3つのポイント
信頼できる取引所を見極め方には、どのようなポイントがあるのでしょうか? 最低でも以下の3点の確認を、必ず行いましょう。
3つのポイント
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金融庁の登録が済んでいる
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コールドウォレットで管理している
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マルチシグに対応している
マルチシグとは、送金時に複数の人の署名が必要なセキュリティ性の高いテクノロジー。送金用アドレスの先頭にある数字が「1」なら通常のアドレス、「3」ならマルチシグに対応していると判別できます。取引所ホームページに記載されている場合もあるので、参考にしてみてください。
まとめ
この記事では気絶投資法について紹介しました。
- 気絶投資法とは長期的な投資を行うにあたって、情報をわざとシャットアウトする投資戦略
- 気絶投資法は投資知識が乏しくても実践しやすい
- “気絶” をするためには情報収集ができるアプリの削除もやむを得ない
- 一定のペースで情報を仕入れ、コールドウォレットで管理する
現在気絶中の方も、これから投資を始めたい人も!ぜひ参考にしてください。