今日から使える仮想通貨スラング「GOX」 の意味、由来、対策法

bitcoin_fly_away

「まじでヤバい、人生終わったかも……。○○取引所がGOXしたらしい」

仮想通貨界隈で使われる「GOX」ということば。意味を知らない方でもGOXがなにやら物騒なワードだと伝わったのではないでしょうか。

実はこのGOX……アナタの身にも起こり得ることなんです。仮想通貨のスラングとして使われているGOXとは、取引所に預けていた仮想通貨が何らかの原因で紛失するとこ。過去には取引所の破たん、サーバー攻撃を受けて盗まれるといった事件で大勢の仮想通貨ユーザーが被害に遭ったこともありました。他人事と思っていても、明日にはわが身に降りかかってくるかも。

この記事では仮想通貨用語のGOXについて解説。派生してできたGOX用語や実際の使用例、由来、GOX対策もあわせて紹介していきます。ぜひ参考にしてください!

1. 仮想通貨スラング「GOX(ゴックス)」 の使用例と派生語

仮想通貨界隈で使われる「GOX」 とは取引所に預けていた仮想通貨が何らかの原因で紛失するとこを指します。

GOXはビットコインユーザーの間で使われ始め広がったようです。「GOXする」「GOXした」というように使われています。また「GOX」から派生して生まれた「セルフGOX」や「嫁GOX 」なる言葉も。

1章ではGOXという仮想通貨スラングについて解説していきます。

1-1. Twitterで見つけた「GOXする」 の使用例

ここでは仮想通貨スラング「GOXする」を、実際に使用しているツイートを紹介していきます。

この方は「GOXする」を使って、ほかの仮想通貨ユーザーに注意喚起。仮想通貨を購入したら取引所に預けたままにせず、正規のルートで買ったハードウェアウォレットに保管したほうがよいと呼びかけています。

ハードウェアウォレットとはコールドウォレットの一種で、オフライン上で仮想通貨を管理できる端末のこと。インターネットにつながっていないためハッキング対策になります。ほかにもペーパーウォレットという無料で作成できるコールドウォレットも。こちらの記事ではペーパーウォレットのつくり方を紹介しています。GOX対策のために参考にしてください。
【盗難対策】ビットコイン用ペーパーウォレットを作ろう!

取引所に預けていたコインが紛失する原因のひとつには、ハッキングが考えられます。事件はいつ起こるかわからないので、NOAH BOYさんが呼びかけるように早めに対策を取りましょう。

また日本ではGOX Tシャツなるものも販売。GOXは仮想通貨界の流行語ともいえるのではないでしょうか。

1-2. GOXから派生した言葉「セルフGOX」と「嫁GOX

GOXから派生して「セルフGOX」や「嫁GOX」といった用語も生まれました。

  • セルフGOX=自分の責任で仮想通貨を紛失すること(送金ミス、パスワード紛失など)

  • GOX=妻に内緒で仮想通貨取引を行っており、バレて禁止されること

セルフGOXや嫁GOXを経験したユーザーがいたから、こうした派生用語が生まれたのでしょう。いつ自分の身に起きてもおかしくないので、皆さんも気をつけてくださいね!

それでは、それぞれの使用例を見ていきましょう。

セルフGOXの使用例

5,000円札を洋服のポケットに入れたまま洗濯してしまったのでしょうか。あやうくセルフGOXしかけたというツイート。写真を見る限り、乾かせば使えそうな状態ですね!

セルフGOXはうっかりミスで起こります。大切な資産を失わないよう、仮想通貨を送金する時はアドレスを何度も確認するなど細心の注意を心がけましょう。

GOXの使用例

GOXに怯えているようにも伺えるこのツイート。くりぷと@暗号通貨ライターさんはフォロワーが7,000人以上います。注目される投資家でも奥様に仮想通貨を没収されては一溜りもありませんよね。

また仮想通貨を紛失するという意味でなく、奥様を失う(離婚)という意味でも「嫁GOX」 が使われているようです。

こちらの方は仮想通貨に夢中になりすぎて、結婚記念日を忘れてしまった様子。呆れた奥様が実家に帰ってしまったようです。

投資についての勉強や情報収集をすることは大切ですが、家庭が疎かにすると夫婦仲に危機が訪れかねません。仮想通貨ユーザーはくれぐれも夢中になりすぎないように注意してくださいね。ちなみに、のちのツイートで奥様と過ごしている様子を報告していたかえる 🐸(A4L)crypto daddyさん。嫁GOXの難は逃れたようです。

2. GOXの由来となったマウントゴックス事件

取引所に預けていた仮想通貨を紛失してしまうことを “GOX” と表すようになったのは、仮想通貨史上最高額のBTCを紛失したマウントゴックス事件が背景にあります。

2-1. 当時の価格で400億円以上のビットコインを紛失!マウントゴックス事件の概要

2014年2月、当時世界シェアの70%以上を占めた仮想通貨取引所「Mt.GOX(マウントゴックス)」から、大量のビットコインが消え去る事件が発生しました。被害額は当時の価格でトータル400億円以上。2018516日現在のビットコイン価格と比較すると、当時のレートは約15分の1程度にも関わらずこの被害額です。

当時は仮想通貨に関する法律も整備されておらず、現在のようにユーザーの資産と事業者の資産を分割して管理しなければならないという義務もありません。そのためマウントゴックスの破たんが決まっても、ユーザーへ資産が返還される目途が立ちませんでした。

「社長が横領した」「ハッキングによって盗まれた」といった話が出ていますが、ビットコインが紛失した原因はいまだ明らかになっていません。コチラの記事ではマウントゴックス事件についての詳細を解説しています。興味がある人はぜひ参考にしてください。
ビットコインが消失したマウントゴックス事件を一から徹底解説

取引高が世界No.1の仮想通貨取引所で、史上最高額のビットコインが紛失した事件は世界中が注目。この事件が起きた取引所が「マウントゴックス」という名前だったことから、取引所に預けていたビットコインを紛失することを “GOX” と表現するようになったのです。

2-2. マウントゴックス以外も!過去1年間でGOXした仮想通貨取引所

2018年313日、ブラジルの仮想通貨取引所「Foxbit」で30BTCGOXしました。仮想通貨関連のニュースをTwitterで発信することで有名な墨汁うまい(BlockchainUmai)さんもいち早くツイートしています。

海外の仮想通貨メディア「CCN」は、Foxbitの口座からユーザーがビットコインを二重に引き出せてしまうバグが生じたと報じています。事態に気づいたFoxbitはサービスを緊急停止。72時間もの間、取引が行えない状況になりました。

この事件ではバグ発生から緊急停止までの期間で130回の不正引き出しが行われおり30BTCが紛失。FoxbitCEOによればユーザーの資金には影響がなく、今後も変わらず取引サービスを提供していけるとのことです。

参考:CCN

GOXはいつどこの取引所で起こるかわかりません。2018516日現在から1年間でGOXした取引所の一部を紹介していきましょう。

BitGrailのNANO流出事件 ‐ 20182月(イタリア)

イタリアにある仮想通貨取引所「BitGrail」で仮想通貨の流出事件が発生。当時のレートで計算すると200億円以上に相当するナノ(NANO)が流出しました。事件後はナノの開発チームにブロックチェーンの修正を求めましたが拒否されたようです。そして2018年4月に取引所の破産申請を申し立てました。

コインチェックのNEM流出事件 ‐ 20181月(日本)
日本の取引所コインチェックで起きたNEM消失事件。当時のレートで580億円相当のNEMが何者かによって盗み出されました。原因は従業員のパソコンにウイルスが感染し、コインチェックのネットワークへの不正アクセスを許したとのこと。事件後は金融系のマネックスグループの傘下に入り、仮想通貨取引サービスを続けています。
Youbitの全体総資産である17%を紛失 ‐ 201712月(韓国)
ビットコインをはじめとする仮想通貨取引のサービスを提供していた韓国の取引所「Youbit」では、ハッキング被害に遭い総資産のうち17%を紛失。具体的な被害額は明らかにされていません。盗まれた資産はホットウォレットで管理していました。この事件をきっかけにYoubitは破産申請を行っています。
Bithumbのユーザー情報&仮想通貨流出事件 – 20177月(韓国)
世界トップクラスの取引高を誇る韓国の仮想通貨取引所「Bithumb」では、従業員のパソコンからユーザーのアカウント情報が盗み出された。その結果ビットコインとイーサリアムが盗み出される被害が続出。被害額は明らかにされていません。

上記はすべて1年以内に起きた事件。小規模なGOXも合わせると、もっと起きているかもしれません。

仮想通貨取引所では、どの取引所にもGOXする可能性があります。大切な資産を守るために自分で行えるGOX対策を、次の章で紹介していきます。

3.自分でできるGOX対策!仮想通貨を守る3箇条

suit_women

GOXする」というスラングは英語では「Goxxed」と表され、日本だけでなく世界中で使われている模様。幅広いユーザーがGOXすることに警戒していると考えられます。

GOX被害に遭わないためには事前に対策をとるしか方法はありません!GOXしてからでは手遅れの場合も……。3章では自分でできるGOX対策を紹介していきます。

【その1】コールドウォレットとマルチシグに対応した金融庁へ登録済みの取引所を選ぶべし

取引所選定はGOX対策には大切なポイント。100GOXしない取引所は存在しませんが、セキュリティ対策が万全なところなら少しは安全でしょう。

まず大切な条件が金融庁に登録済みの取引所であること。20174月に施行された資金決済に関する法律では、仮想通貨交換業者は金融庁への登録が必須条件となりました。審査ではセキュリティや管理面のチェックも行われていると考えられるので、少なくても怪しげな業者でないといえるでしょう。

さらに取引所選びで注目すべき点は以下の2点。

  • コールドウォレットで資産を管理している
  • マルチシグに対応している

これらは仮想通貨の盗難対策になるシステム。金融庁が事務局を務める「仮想通貨交換業等に関する研究会」でも話題に挙げられるセキュリティなんです。

コールドウォレットとはインターネットにつながっていないウォレットのこと。つまりオフラインで仮想通貨を管理することです。GOXの原因の多くはハッキング被害によるもの。しかしオフライン上で管理されている仮想通貨は、いくら凄腕のハッカーでも手を出すことはできません。

またマルチシグとは、複数の秘密鍵を使って仮想通貨を管理する技術。仮想通貨を送金するには秘密鍵が必要です。通常は1つの秘密鍵があれば送金できますが、マルチシグに対応している場合は複数の秘密鍵が必要になります。

たとえばハッカーがユーザーの資産を管理している秘密鍵を1つ盗んだとしても、ほかの鍵がなければ盗み出せません。何重にロックをかけることで、セキュリティが向上する技術です。秘密鍵に関しての詳しい解説はこちらの記事で行っています。
【ビットコイン】秘密鍵と公開鍵の「秘密」と安全な取扱い方

セキュリティ面を重視して取引所を選びたい方は、こちらの記事を参考にしてください。
【初心者向け】仮想通貨取引所の選び方!セキュリティを要チェック!

しかし、上記の点を満たした取引所を使うだけはでGOX対策が十分と言いきれません。万が一、資産管理の担当者に悪意のある人が紛れていれば簡単に盗み出されてしまうでしょう。取引所に預けている資産は、いつでもGOXされる危険性があると考えてもおかしくはありません。

【その2】仮想通貨は自己管理が基本!自分のウォレットで保管すべし

仮想通貨は取引所に預けたままにするよりも、自分のウォレットで管理したほうが安全。大量の仮想通貨が集結している取引所はハッカーの標的になりやすいのです。GOXしないためには、取引所にある資産を自分のウォレットに移動させましょう。

もっともハッキング被害に遭いづらいウォレットはコールドウォレット。こちらの記事ではコールドウォレットのひとつである “ペーパーウォレット” のつくり方を紹介しています。ぜひ参考にしてください。
【盗難対策】ビットコイン用ペーパーウォレットを作ろう!

しかしすべての資産をコールドウォレットで管理していると、取引を行う・支払いで利用するといったシーンで少々不便に感じます。仮想通貨の送受金が多い人はウォレットアプリで管理すると便利。オンラインのウォレットですが、取引所に預けているよりはGOXする可能性が低くなるでしょう。こちらの記事ではウォレットのつくり方を解説しています。ぜひ一読を!
ビットコインを安全かつ便利に使うためのウォレットの作り方

また取引所で頻繁に取引を行う人には、売買に使う分だけを取引所に預けておき、そのほかの資産は自分のウォレットで保管するという方法がオススメ。多額の資産をGOXされないためにも分割して管理しましょう。

【その3】セルフGOX回避!パスワード管理と送金前のアドレス確認を徹底すべし

omg_girl

セルフGOXの対策は、確認と管理を徹底するしかありません。自分のミスで仮想通貨を紛失してしまうパターンには、以下のような例が考えられます。

  • ウォレットのパスワードを忘れてしまいアクセスできなくなる
  • 間違えたアドレスに送金してしまう

それぞれの対策方法を紹介していきます。

資産を取り出せない!パスワード忘れで起こるセルフGOX

ウォレットのパスワードを紛失しアクセスできなくなった場合、なかにある資産を取り出せなくなります。そこに資産があるとわかっていながら手を出せないのは悔しいですよね。

銀行などの金融機関では本人確認などの手続きを行えば、暗証番号を忘れたとしても資産を取り出せなくなる心配はありません。しかし仮想通貨は管理者がいない通貨。取引所に勤務している人でさえ、ほかのユーザーの秘密鍵はわかりません。

うっかりパスワードを忘れないようメモを取り、鍵付きの引き出しや金庫にしまっておきましょう。以下の記事ではパスワードを忘れてしまった時の対処法を紹介しています。忘れてしまう前に目を通し、パスワードを紛失しないように気をつけてください。
パスワードを忘れた人が試すべき、ビットコイン再アクセス方法全7

戻ってこない可能性大!送金ミスで起こるセルフGOX

間違えたアドレスに送金した場合も、仮想通貨を取り戻せなくなる可能性があります。たとえば仮想通貨界のドンともいえるビットコインを送る時には、2734字の英数字を組み合わせたビットコインアドレスを使います。この文字列のうち一文字でも入力を間違えて送金してしまうと、そのアドレスのもとへ送られてしまいます。ウォレットからビットコインを送金した場合は、キャンセルができません。アドレスの入力ミスにはくれぐれも注意が必要です。

間違ったアドレスに送らないためには手入力を避け、QRコードの読み取りやコピー機能を活用しましょう。以下の記事では間違えて送金を行った場合の対処法や、送金状況の確認方法を紹介しています。ぜひ一読ください。
もう間違わない!ビットコインの送金を失敗した時の確認方法と対処法

まとめ

仮想通貨スラングのGOXについて解説してきました。

  • GOXとは仮想通貨を紛失することを指す
  • ことばの由来は過去に起きたマウントゴックスでのビットコイン消失事件
  • 100GOXしない仮想通貨取引所は存在しない
  • 事件が起きてからでは遅いので、事前に個人でできるGOX対策を行う

仮想通貨ユーザーのすべての人がGOX被害に遭う可能性があります。仮想通貨を紛失して泣きをみないよう、普段から資産管理を徹底しましょう。ユーザーひとりひとりのセキュリティ意識が高まれば、GOXは少なくなるかもしれません。

※この記事は2018年5月16日の執筆時点での情報です。