
ペーパーウォレットって簡単に作れるの?
はい、1~3分程度で簡単に作れます。そのうえ作成費用は無料です!
ペーパーウォレットとは、紙で仮想通貨を保管するセキュリティ最強のウォレット。
作成・使用の正しい手順を守れば、ほぼ100%仮想通貨のハッキングに遭うリスクがなくなります。
ただし、紙製のウォレットならではの注意点も。適当に作成・使用すると、仮想通貨を紛失してしまう危険性もあります。
この記事では安全なペーパーウォレットの作り方や残高確認、出金方法、作成・使用時の注意点まで徹底的に解説します。
目次
1. ペーパーウォレットの作り方~出金の流れ
ペーパーウォレットは鉄壁のセキュリティといえるほど安全なウォレット。ただし正しく作成・使用しなければ、安全性は保たれません。
ここでは安全なペーパーウォレットの作り方と残高確認、出金方法を解説。1~3分ほどで簡単に完ぺきなペーパーウォレットを作れます。
1-1. 手順厳守!ペーパーウォレットの正しい作成方法
ペーパーウォレットは仮想通貨によって異なる作成ファイルを使いますが、作り方は概ね同じ。今回はビットコインのペーパーウォレットの作り方を例に、正しい作成方法を紹介していきます。
安全性を確保するために、手順厳守で進めていきましょう。
作業はパソコンで行います。大まかな手順は以下の通りです。
- 作成用ファイルをGitHubからダウンロード
- Zipファイルを展開
- インターネット接続を遮断
- ファイル内のデータを開く
- プリントアウト
STEP1:作成用ファイルをGitHubからダウンロード
ビットコインの場合、bitaddress.orgというサイトからGitHub(※)へ移動し、ペーパーウォレットの作成用ファイルをダウンロードします。
(※)GitHubはシステムを構築するソースコードの公開・閲覧ができるWebサービスです。
bitaddress.orgではWebサイトから直接Zipファイルのダウンロードも可能。しかし、ほかの仮想通貨の場合はGitHubから作成用ファイルをダウンロードする方法が一般的です。
ビットコイン以外の仮想通貨のペーパーウォレットを作りたい方は、GitHubでダウンロードする方法を参考にしてください。
STEP2:Zipファイルを展開
ダウンロードしたZipファイルに入っている「bitaddress.org-master」を展開してください。
STEP3:インターネット接続を遮断
これがペーパーウォレットの作成で最重要作業。インターネットの接続を完全に切ってください。LANケーブルは抜き、Wi-Fiの接続も切断しましょう。
ペーパーウォレットは、完ぺきにインターネットから遮断した状態で作成しなければ安全性が保たれません。
ネットワークに接続したまま作成すると、その時点で生成した情報が漏洩している可能性があるからです。ハッキングされていれば、ペーパーウォレットへ入れた仮想通貨を簡単に盗まれてしまいます。
ウォレット作成に必要なファイルがあれば、オフライン状態でも作業できます。絶対にインターネット接続は遮断してください。
STEP4:ファイル内のデータを開き、ランダム要素を追加
展開したファイル内にあるデータを開きます。「bitaddress.org.html」というファイルをダブルクリックしてください。オフライン状態でもペーパーウォレットの作成用ページが表示されます。
画面上でマウスを動かすか入力欄にランダムな文字を入力すると、ペーパーウォレット用のビットコインアドレスとプライベートキー(秘密鍵)が生成されます。
画面上のパーセンテージが100%になるまで続けてください。仮想通貨によってはランダム要素を追加しなくても、クリックひとつで作成できるものもあります。
STEP5:生成された情報をプリントアウト
ビットコインアドレスとプライベートキーが生成されました。印刷ボタンをクリックし、プリントアプトしましょう。
この時使用するプリンターは、LANケーブルでパソコンに接続できるタイプがよいでしょう。Wi-Fiを使うと、情報を抜かれる危険性があります。
ペーパーウォレットの作成では、誰にも情報を盗まれない環境で作業することが最重要事項なんです。
プリントアウトできれば、ペーパーウォレットの完成です。生成したビットコインアドレス宛にビットコインを送金しましょう。ペーパーウォレットの作成用ページはインターネットに接続する前に閉じてください。
1-2. 入金が済んだらペーパーウォレット内の残高確認
ビットコインの場合はBLOCKCHAINを使うと、ペーパーウォレットへ正しく送金できているかチェックできます。スマートフォンからも確認できますよ。
やり方は簡単。ペーパーウォレットのビットコインアドレスを検索するだけです。該当アドレスの送金状況が表示されるので、送金したビットコインの数量が正しく反映されているか確認してください。
ほかの仮想通貨にもトランザクション(送金情報)を確認できるサイトがあります。使い方もBLOCKCHAINと同じように、アドレスを使って検索するだけ。ペーパーウォレットへ送金したあとは、正しく入金できているか残高を確認してみてくださいね。
1-3. ペーパーウォレットから出金はほかのウォレットを利用
ペーパーウォレットから仮想通貨を取り出すには、ほかのウォレットを使います。使えるウォレットは、プライベートキーからウォレットを復元できるタイプ。デスクトップウォレットやウォレットアプリに、そういった機能が備わっているものがあります。
おすすめはスマートフォンでQRコードを簡単に読み込めるウォレットアプリ。複雑な文字列を手入力する必要がなく、一瞬でスキャンできます。
ペーパーウォレットはセキュリティの観点から、繰り返し出金することができません。仮想通貨を取り出す時は、一度で全額取り出してください。
2. コイン別!作成ファイルのダウンロード方法・残高確認・出金用アプリを一挙紹介
主要コインと呼ばれる仮想通貨のなかから、時価総額が1兆円を超えているコインにフォーカスして、ペーパーウォレットに必要な以下の項目を紹介していきます。
- ペーパーウォレット作成用ファイルをダウンロードできるページ
- 残高確認ができるサイト
- 出金に使用できるウォレット
どれも世界中で頻繁に取引されている仮想通貨です。悪質なハッカーの標的になる可能性も十分に考えられるので、安全なペーパーウォレットに保管しましょう。
2-1. ビットコイン(BTC)のペーパーウォレット
ビットコインのペーパーウォレット作成については1章を参照してください。
残高確認はBLOCKCHAINで!
1章でも紹介した通り、ビットコインのペーパーウォレットへ格納したBTCはBLOCKCHAINで確認できます。
ビットコインは最初の送金処理が行われるまで最短10分かかります。
出金にはウォレットアプリBRDを使う
BRD(通称:Breadwallet)では、ペーパーウォレットのプライベートキーを使ってウォレットを復元できます。
やり方は簡単。「メニュー」にある「設定」を選択します。次に「Bitcoin設定」をタップし、「秘密鍵から引出」を選択してください。
「秘密鍵をスキャン」をタップすると、QRコードを読み取るカメラが起動します。ビットコインのペーパーウォレットにあるプライベートキーをスキャンしてください。これだけでペーパーウォレットの情報がウォレットアプリで復元されます。
以下の記事ではペーパーウォレット以外のビットコインに対応したウォレットを紹介しています。ほかのウォレットも検討したいという方は、ぜひチェックを!
2-2. イーサリアム(ETH)のペーパーウォレット
イーサリアム(ETH)のペーパーウォレットは、MyEtherWalletで作れます。GitHubからMyEtherWalletをダウンロードして、オフラインにした上で新規ウォレットを作成してください。
「お財布情報の確認」を開いてロックを解除すると、アドレスと秘密鍵(プライベートキー)を印刷できます。
残高確認や出金もMyEtherWalletで行える
ペーパーウォレットに入れたイーサリアムは、MyEtherWalletを使って残高確認・出金が行えます。残高確認は「お財布情報の確認」で、出金は「Ether/トークンの送出」ページから行ってください。
2-3. XRP(通称:リップル)のペーパーウォレット
XRP(通称:リップル)は、以下のページから作成用ファイルをダウンロードできます。
オフラインにしてファイルを開くだけで、簡単にペーパーウォレットが作れますよ。入金時、宛先タグは必要ありません。詳しい手順はコチラの記事で紹介しています。
ウォレット有効化手数料は20XRP
XRPではウォレット有効化の手数料として20XRP徴収されます。ペーパーウォレットへ入金したうち20XRPは取り出せなくなるので、それ以上の数量を保管する時に使用してください。
たとえば10,000XRP保管するとすれば、出金できる最高数量は9,980XRPとなります。
残高確認はXRP Chartsを使う
残高確認は、XRP Chartsで行えます。検索窓にペーパーウォレットのアドレスを入力して調べましょう。
出金はウォレットアプリToast Wallet!を使う
出金はXRP専用のウォレットアプリ『Toast Wallet!』を使用すると簡単に行えます。
プライベートキーのQRコードをスキャンして、ペーパーウォレットをToast Wallet!上に復元。あとは通常の送金をする手順で、ペーパーウォレットからXRPを取り出せます。
2-4. ビットコインキャッシュ(BCCまたはBCH)のペーパーウォレット
ビットコインキャッシュ(BCCまたはBCH)のペーパーウォレットは、上で紹介したbitcoin.orgと同じ手順で作成できます。オフラインでファイルを開いたら、画面上でマウスを動かしましょう。パーセンテージが100%に達すると、ペーパーウォレットのアドレスとプライベートキーが発行されます。
残高確認はBitcoin Cash Explorerを使う
Bitcoin Cash Explorerの検索窓に、ペーパーウォレットのアドレスを入力して残高を確認しましょう。
ビットコインキャッシュもビットコインと同様、Bitcoin Cash Explorerに反映されるまで最短10分かかります。
出金はウォレットアプリBRDを使う
BRD(通称:Breadwallet)を使うと、ペーパーウォレットにあるビットコインキャッシュを簡単に取り出せます。
「メニュー」から「設定」を開き、「Bitcoin Cash設定」にある「秘密鍵から引出」を選択してください。「秘密鍵をスキャン」をタップするとカメラが起動します。ペーパーウォレットのプライベートキーをスキャンすると、BRD内にウォレットが復元されます。
3. 作成・使用前に押さえるべきペーパーウォレットの注意点
「ペーパーウォレットは正しく作成・使用しなければならない」というのは、上で述べた通り。安全性を確保するため、押さえておくべき注意点をまとめました。
3-1. オフライン作業必須!オンライン作成はコールドウォレットでない
ペーパーウォレットはオフライン環境で作成しなければ、完全なコールドウォレットとはいえません。つまり安全性が欠乏したウォレットになるということです。
オンライン状態で作成した場合、ほかのウォレットよりも簡単に盗み出されるウォレットになってしまいます。ペーパーウォレットにはPINコードや二段階認証の設定がありません。そのため送金に必要なプライベートキーさえ入手できれば、ウォレット内の仮想通貨へ簡単に不正アクセスできるのです。
正しい作成手順を守ることで、ペーパーウォレットの安全性は確保できます。必ずオフラインで作るというルールを守りましょう。
3-2. 出金は一度で全額出金
ペーパーウォレットは使い捨てのウォレット。セキュリティの観点から出金は一度きりしか行えません。そのため、一度の出金で全額取り出す必要があります。
ペーパーウォレットから仮想通貨を出金する時、ほかのウォレットでプライベートキーを読み取ります。プライベートキーをほかのウォレットで読み取ったペーパーウォレットは、インターネットにつながったウォレットに変化。つまり完全なコールドウォレットではなくなるということです。
コールドウォレットでなくなったペーパーウォレットは丸裸状態。安全性が保たれていないウォレットへ仮想通貨を保管していては危険です。ペーパーウォレットは一度出金したら速やかに破棄してください。
3-3. 紛失や破損をすると出金不可能
ペーパーウォレットは紙製ウォレット。紛失や破損には十分注意しなければなりません。万が一紛失したり破けたりした場合、ウォレットに入れた仮想通貨を取り出せなくなります。
プリントアウトする時は、予備のペーパーウォレットを印刷してください。多すぎると管理が大変になるため、最低2枚、最高3枚の出力が相応しいでしょう。
また、予備のペーパーウォレットはそれぞれ異なる場所で保管してください。同じ場所に保管するとまとめて紛失・破損する可能性が高くなるため、予備を作った意味がなくなります。自宅の金庫と銀行の貸金庫といったように、離れた場所へ保管しておくと安心です。
4. ペーパーウォレットは “厳重保管” で安全を確保
「仮想通貨をペーパーウォレットに入れたらもう安心!」と気を抜いてはいけません。厳重に保管しなければ、紛失・盗難に遭う危険性があります。ここでは安全に保管する方法を紹介していきます。
4-1. 自宅で保管するなら防水・防火・盗難対策を完ぺきに
自宅で保管する時は防水・防火・盗難対策を取らなければなりません。
ペーパーウォレットをフリーザーバッグのような気密性が高いビニール袋に入れて保管しておけば、防水対策になります。紙が汚れて秘密鍵を読み取れなくなる可能性も低くなるでしょう。
また紙製ウォレットなので火の気は天敵。防火対策では、耐火金庫を使いましょう。万が一火災が起きたとしてもウォレット内の資産を守れます。
金庫の大きさは小型サイズより、大きくて重たいものが安全。持ち運びづらいサイズなら、金庫ごと持ち去られるリスクを軽減できます。
上記をまとめると、推奨するペーパーウォレットの管理方法は以下の通りです。
- フリーザーバッグのような気密性が高いビニール袋で防水対策
- 耐火金庫にしまって防火対策
- 持ち運びづらいサイズの金庫に入れて盗難対策
保管している仮想通貨を消失しないためにも、できる対策はすべて行いましょう。
4-2. 外部で保管するなら銀行の貸金庫へ
自宅以外で保管する場合は、銀行の貸金庫がおすすめ。個人でも利用可能です。
自宅が火災・水災・窃盗被害に遭ったとしても、貸金庫内のペーパーウォレットがあれば資産を失わずに済みます。
利用料金は各銀行で、金庫サイズを基準として規定されています。ペーパーウォレットが入る程度のサイズなら、月額1,350円ほどで利用できそうです。
貸金庫の詳細例(あいうえお順)
さいごに
ペーパーウォレットの作成や残高確認、出金、管理方法について解説してきました。いかがでしたか?
ペーパーウォレットを作る時は、オフラインで作成することが最重要事項。プライベートキーの情報がインターネットにつながった時点で、コールドウォレットではなくなってしまいます。そうなっては仮想通貨を安全に保管できません。
ペーパーウォレットはオフライン環境で作成し、一度出金したら破棄するという注意事項は必ず守りましょう。正しく作成・使用すれば、長期間でも安全に仮想通貨を保管できます。ぜひ参考にしてください。
こちらの記事ではペーパーウォレットと同じく、コールドウォレットの一種であるハードウェアウォレットを紹介。購入費用はかかりますが、ひとつのウォレットで何種類かの仮想通貨に対応しているタイプもあります。入出金の回数にも制限はありません。興味がある方はぜひ一読を!