
マイイーサウォレット(MyEtherWallet/MEW)はイーサリアム(ETH)、イーサリアムクラシック(ETC)、ERC20トークンを保管することができるウォレットです。
こちらの記事では、マイイーサウォレットの基本的な使い方と ETH を安全に保管する方法を紹介します。
正しく使えば安全に ETH を保管できるようになりますよ!
目次
1. マイイーサウォレットの概要
マイイーサウォレットは、パソコンなどから公式サイトへアクセスして使用するオンラインウォレットです。
一般的なウェブウォレットと異なり、秘密鍵を利用者個人が保管する仕組みをとっています。
1-1. マイイーサウォレットとは
マイイーサウォレットは、公式サイトにアクセスするだけで利用できる利便性と、秘密鍵を利用者が管理する安全性を兼ね備えた無料のウォレットです。
保管できる仮想通貨
- イーサリアム(ETH)
- イーサリアムクラシック(ETC)
- ERC20トークン
入手先
マイイーサウォレットは、公式サイト(https://www.myetherwallet.com/)にアクセスしてログインするだけで利用できます。
1-2. メリット
- セキュリティの高さ
- ブラウザがあればどんな環境でも使える
- ERC20 トークンを一元管理できる
セキュリティの高さ
マイイーサウォレットは利用者が秘密鍵をスマホで管理できるため、ハッキングに狙われるリスクが低く、資産流出を防ぐことができます。
ブラウザがあればどんな環境でも使える
公式サイトにアクセスするだけで利用できますので、パソコンの種類(OS)に依存せず、ブラウザさえあればどんな環境でも利用できます。極端な話、ブラウザを搭載しているカーナビでも使えるのです。
ERC20トークンを一元管理できる
マイイーサウォレットはイーサリアムブロックチェーンを利用している仮想通貨を保管できますので、数多く流通しているERC20トークンもすべてマイイーサウォレットだけで一元管理することができます。
トークンごとにウォレットを準備するのに比べれば、利便性がとても高くなるでしょう。
1-3. 注意点とリスク
便利なマイイーサウォレットですが、利便性は安全性とトレードオフになることが少なくありません。
- 自己管理が苦手な人は注意
- 偽サイトやメールに注意
秘密鍵を自己管理するリスク
秘密鍵のずさんな管理は大きなリスクです。
秘密鍵を暗号化せずパソコン内に保管したり、記録したメモを適当なところに放置したりするなどずさんな管理をしていれば、ハッキングのリスクは大いに高まります。
取引所や運営が秘密鍵を管理せず利用者が管理するというメリットは、利用者の意識次第で大きなデメリットになるわけです。
偽サイトやフィッシングメールに注意
ウォレットにログインするための公式ページはブックマークに入れアクセスしましょう。
マイイーサウォレットをかたるフィッシングメールやフィッシングサイトが出回っています。メールで送信されたリンクから公式ページ(に見えるサイト)へアクセスしようとすることは絶対にやめましょう。
また、ログインのたびに検索をして検索結果からアクセスすると、マイイーサウォレットに酷似したスパムサイトにアクセスしてしまうことも。
マイイーサウォレットによく似た偽サイトにパスワードや秘密鍵を入力すると、資産を奪われてしまいます。
日頃からマイイーサウォレットを利用する時には、秘密鍵でログインせずアプリでログインする習慣を身につけましょう。
もし秘密鍵でログインする場合は、Webサイトや掲示板のリンクなどから不用意にアクセスすることはせず、正しいURLかどうかを確認してからアクセスするようにしましょう。
2. マイイーサウォレットの使い方
マイイーサウォレットは、より使いやすくリニューアルされました。基本的な使い方を、画像を使って説明していきます。
2-1. アプリMEWconnectを使おう
マイイーサウォレットでは、MEWconnectというスマホアプリを利用してログインすることが推奨されています。
偽サイトによる秘密鍵の漏洩対策としてとても有効なログイン方法ですので、ぜひこの方法でログインしてくださいね。
ウォレットのタイプは4種類
■ ハードウェア :ハードウェアウォレット
■ MetaMask :Chromeブラウザの拡張機能(MetaMask公式サイト)
■ ソフトウェア :パソコンのwebブラウザ(必ずダウンロードしてローカルで使用すること)
インストール
MEWconnectのインストールは、アプリストア(AppStoreかGooglePlay)から行います。

ウォレットの作成
MEWconnectを起動したら、ウォレットを作成しましょう。
「CREATE NEW WALLET」をタップしてください。
MEWconnectを導入する前にPC版のマイイーサウォレットでウォレットを作成済みの人は、リカバリフレーズを使ってMEWconnectに既存のウォレットを登録できます。
その場合は、「I ALREADY HAVE A WALLET」をタップしましょう。

- MEWconnectの起動用パスワードを設定しましょう。英文字、数字、記号を含んだできるだけ長いパスワードをおすすめします。
- 設定したパスワードを再入力します。
- ウォレットアドレスと秘密鍵が生成され、「All done!」と表示されたら完了です。「START USING MEWCONNECT」をタップしてMEWconnectを起動しましょう。
バックアップ
MEWconnectを起動して最初にやるべきことは、リカバリフレーズの保存です。
リカバリフレーズがなければ、いざというときにMEWconnectの復旧ができなくなりますので、必ず保管してください。
- MEWconnectの起動画面で、カードの絵柄上に表示されている「BACK UP」をタップします。
- 「BACK UP NOW」をタップしましょう。
- 「START」をタップしてください。
- ウォレット作成時に設定したパスワードを入力します。
- 24語のリカバリフレーズが表示されますので、順番も分かるようにメモを取りましょう。
- 正しくメモが取れているかの確認画面になりますので、指定された番号の正しいフレーズを選択して左上の「Finish」をタップしてください。
- これでバックアップ完了です。
リカバリフレーズがなければ、スマホを初期化した場合や交換したときに次のスマホにウォレットを移行することができません。必ず保管しておきましょう。
第三者の手に渡れば、勝手にウォレットにアクセスされます。誰かに見られたり紛失したりしないよう厳重に管理しなければいけません。
ログイン
パソコンからマイイーサウォレットにログインするのも、MEWconnectを使えば簡単です。旧バージョンで使っていた秘密鍵やKeyStoreファイルを知っている人は、簡単すぎて不安になるかもしれません。
マイイーサウォレットを利用するには、公式サイトにアクセスするところから始まります。
公式サイトのURLは「https://www.myetherwallet.com/」です。
よく似た偽サイトにアクセスしないように注意してアクセスしてください。
「マイウォレットへアクセス」をクリックしましょう。
いくつかのタイプが提示されますので、MEWconnectを選択してください。
QRコードが表示されます。
MEWconnectのウォレット画面の下部にある「SCAN TO CONNECT」をタップするとカメラが起動します。パソコンに表示されているQRコードを認識すればログインできます。
2-2. パソコン版での使い方
マイイーサウォレットは日本語にも対応していますが、初めてウォレットを扱う人には難しい部分があるかもしれません。
基本的な使い方を説明しておきましょう。
ETHの入金
ウォレットにETHを入金するには、マイイーサウォレットで作ったウォレットのアドレスを知る必要があります。
パソコン版マイイーサウォレットのウォレットアドレスは、ログイン直後に表示されるダッシュボードに表示されています。
枠内に表示されている文字列がウォレットアドレスです。
ウォレットアドレスの下に「QRコードの表示」「印刷」「コピー」の3つのアイコンが並んでいます。「コピー」のアイコンをクリックすることで、ウォレットアドレスをコピーできます。
取得したウォレットアドレス宛てに取引所や他のウォレットからETHを送金すれば、ETHが入金されます。
ETHの出金(送金)
ウォレットからの出金は、入金よりも少し手間がかかります。
■送金画面を表示するため、左のメニューにある「送る」をクリックしましょう。
「Send Transaction」画面の各項目を入力してください。
タイプ |
送金する仮想通貨の種類 |
量 |
送金金額 |
宛先アドレス |
送金先のウォレットアドレス |
トランザクション料金 |
送金手数料 |
なお、送金手数料(トランザクション料金)はそのままでは編集できません。編集したければ、「Edit」をクリックしてください。
Transaction Speedの項目を開いて、「Economy」「Regular」「Fast」から選ぶか、直接値を設定することができます。
「Save」をクリックすれば選択した手数料が設定されますので、「トランザクションを送る」をクリックしてください。
送金先のウォレットアドレスと金額が表示されますが、「Confirm and Send」がクリックできません。
送金先のウォレットアドレスと金額の確認はMEWconnectで行うためです。そこでスマホのMEWconnectを確認してみましょう。画面が次のように変わっています。
- MEWconnectで、送金先のウォレットアドレスと金額を確認して、問題なければそれぞれの「〇」にチェックをつけてください。
- すべてチェックが付くと、「CONFIRM」がタップできるようになりますので、タップします。
- パスワードを入力すると、マイイーサウォレットの画面の「Confirm and Send」がクリックできるようになります。
「Confirm and Send」をクリックすると、送金完了です。
トークンの登録
ERC20トークンを利用するにはETHで手数料を支払うことが多いため、1つのウォレットでETHとERC20トークンをまとめて管理できるととても便利です。
2-3. モバイル版での使い方
MEWconnectは、あくまでもマイイーサウォレットの補助アプリです。
でも、MEWconnectだけでできることもあります。いちいちパソコンを起動しなくても良いのはとても便利ですので、ぜひ活用してください。
MEWconnectだけでできること
- 残高の確認
- ウォレットへの入金
- ETHの購入
残高の確認
MEWconnectにログインすれば、現在の残高がいつでも確認できます。
モバイルでいつでも仮想通貨の金額は確認できますので、機会損失を減らすことができるかもしれません。
入金
MEWconnect内のウォレットへ入金するには、MEWconnectのウォレットアドレスを調べるだけです。
ウォレットトップページのカード柄の中央にウォレットアドレスが掲載されています。
- ウォレットアドレスが表示されている部分をタップしてください。
- 表示されたQRコードをカメラでスキャンするか、「COPY」ボタンをタップすればウォレットアドレスをコピーできます。
取引所や他のウォレットからコピーしたウォレットアドレス宛てに送金すれば、MEWconnectのウォレットに入金できます。
イーサリアム(ETH)の購入
MEWconnectを使えば、ETHをクレジットカードで購入することも可能です。
- ウォレットのトップ画面の右上にある「BUY ETHER」をタップしてください。
- ドルかETHのどちらかで必要な量を設定して購入することができます。初期値はドル建てになっていますので、ETHで購入額を決めたければ「↑↓」をタップして切り替えてください。
- 購入する金額を設定できたら、「BUY WITH CREDIT CARD」をタップします。
- 金額を確認し、クレジットカード情報を入力してください。金額はドル建てですので注意しましょう。
- すべて入力して「PAY NOW」をタップすれば購入することができます。
送金にはマイイーサウォレットが必要
MEWconnectはモバイルアプリという性質上、盗難などのリスクがあるため、仮想通貨を取り出す行為を制限しています。
ETHの送金はMEWconnectだけではできず、必ずPC版マイイーサウォレットを使わなければいけません。
マイイーサウォレットでETHを安全に保管する
マイイーサウォレットは比較的セキュリティの高いウォレットです。しかし、仮想通貨を安全に保管するためには相応の使用方法をしなければなりません。
安全に保管するには、それなりの知識や手順が必要です。
3-1. ログインはMEWconnectかMetaMaskで
マイイーサウォレットを安全に使う方法の最大のポイントはログインです。
秘密鍵やKeyStoreファイルは非推奨
旧バージョンのマイイーサウォレットでは、秘密鍵の入力やKeyStoreファイルを使ってアクセスできました。
しかし、利用者が手動で秘密鍵などを入力する行為が、偽サイトによるフィッシング被害を助長してしまうため、現在は非推奨となっています。
今後はMEWconnectを使ってログインするようにしましょう。
MetaMaskを使ってログインする
すでに旧バージョンのマイイーサウォレットを使っている人は、新たにウォレットを作成して移行するのが面倒かもしれません。
そんな人は、MetaMaskを利用することをおすすめします。MetaMaskに既存のマイイーサウォレットの秘密鍵をインポートすることで、MEWconnectと同じようにMetaMaskを使ってログインすることができるようになるのです。
1. 秘密鍵をMetaMaskにインポートする
マイイーサウォレットの秘密鍵をインポートする方法は、以下の記事で説明していますので、ご確認ください。
2. MetaMaskを導入したブラウザでログインする
MetaMaskに秘密鍵をインポートできれば、あとはマイイーサウォレットにアクセスするだけですが、画像を使って少し詳しく説明します。
まず、MetaMaskを導入したブラウザでマイイーサウォレットにアクセスしてください。
「マイウォレットへアクセス」をクリックします。
ログイン方法の選択画面でMetaMaskを選択してください。
「Terms」の内容を確認した後、「マイウォレットにアクセスするために以下を許容する」にチェックを入れて、「マイウォレットへアクセス」をクリックします。
初回のアクセスでは、マイイーサウォレットからMetaMaskへのアクセスリクエスト画面が表示されますので、「connect」をクリックしてください。
これで、マイイーサウォレットにアクセスすることができます。
3-2. ハードウェアウォレットとの連携
MEWconnectやMetaMask同様、パソコン以外で秘密鍵を管理する方法にハードウェアウォレットがあります。
仮想通貨をインターネットから隔離する
ハードウェアウォレットを使えば、普段はウォレットがネットワークから遮断されており、必要な時だけマイイーサウォレットと連携する運用になります。
ハッキング被害のリスクが低く最も安全な保管方法です。
- ハードウェアウォレットをUSBでPCにつなぎ、連携可能な設定にする
- マイイーサウォレットのログイン方法を「ハードウェアウォレット」にする
マイイーサウォレットと接続してしまえば、ハードウェアウォレットに保管されたETHやERC20トークンの送金や、ハードウェアウォレットへの入金を通常通り行うことが可能です。
3-3. ペーパーウォレットで保管する
新バージョンのマイイーサウォレットのペーパーウォレットには秘密鍵の記載がありません。そのため入金しかできず、出金するためにはPC版のマイイーサウォレットにアクセスしなければいけません。
盗難や消失など、ペーパーウォレットの物理的なリスクをなくし、マイイーサウォレットのセキュリティを向上させています。
作り方
マイイーサウォレットでペーパーウォレットを作る方法はとても簡単です。
ログイン後のダッシュボード画面の「アドレス」に表示されている、プリンタの形をしたアイコンをクリックします。
ウォレットアドレスが記載されたペーパーウォレットの画像が表示されます。
PCをオフラインにしたあと、プリンタを接続して「Print」をクリックすれば、マイイーサウォレットのペーパーウォレットの完成です。
まとめ
マイイーサウォレットはセキュリティと利便性のバランスが優れた人気のあるウォレットです。
以前までは偽サイトによるフィッシング被害が少なくありませんでしたが、スマホアプリであるMEWconnectの登場でセキュリティが強固になり、ますます使いやすくなりました。
- マイイーサウォレットはオンラインウォレット
- MEWconnectに秘密鍵を格納し、ログインと送金に必須とすることで、ハッキングリスクを下げる
- マイイーサウォレットはハードウェアウォレットの操作にも使える
- すでにマイイーサウォレットを使っている人はMetaMaskを使って簡単かつ安全にログインできる
- マイイーサウォレットのペーパーウォレットはウォレットアドレスが掲載されている紙
ここで紹介した機能は、マイイーサウォレットの基本中の基本にすぎません。便利に使えるウォレットですので、ぜひ活用してくださいね。
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