
ICO投資で大きな利益を出したい!と考える方も多いのではないでしょうか。
上場され、広く売買されればコインの価格の上昇につながる可能性もあるのが、ICO投資の魅力です。
しかしICO投資はリスクが高く、注意が必要な投資方法でもあります。この記事では、ICO投資のリスク、対策方法、具体的な始め方などを解説します。
良いICOプロジェクトを見つけて投資するための、参考情報としてくださいね。
目次
1. ICO投資の概要
ICOとは、新規仮想通貨の公開のことです。
独自トークン(仮想通貨)を販売し、投資家から事業資金を集めるために実施されます。
ICOで公開されているコインを購入することで、プロジェクトに投資することになります。しかし現状は、短期的な利益を狙う「投機」の要素が強い状態です。
2. ICO投資のリスク
コインが上場され広く売買されるようになると、大きな利益を生む可能性もあるのがICO投資です。しかし、草コインよりもハイリスクな投資であることに注意しましょう。
- プロジェクトがとん挫
- 上場しない
- 上場しても損をする(ICO割れ)
- 詐欺
- 法規制
プロジェクトが完成しない
ICOでよくあるリスクの1つが、プロジェクトのとん挫。開発自体がつまずいてしまい、プロダクト・サービスが完成しません。上場はおろか、コイン流通の実現可能性すら低いものとなってしまいます。
取引所へ上場できない
頓挫しなくても、上場しないことによるリスクも存在します。
取引所へ上場する予定だったトークンが、上場のハードルをクリアできなかったり、プロジェクトメンバーの実力不足が原因で上場できなかったりすることも。ICOで購入したトークンは、上場しなければ現金化できません。
上場しても損するかもしれない
たとえ上場したとしても必ず利益が出るわけではなく、損をする(ICO割れ)リスクもあります。上場しても買う人が売る人より少なければ、価格は当然上がりません。ICO投資では、投機ではなくプロジェクトの将来性があるかどうかを判断することが大事です。
事業者が資金を持ち逃げ
またICOでは事業者側が投資資金を持ち逃げする、スキャムと呼ばれる詐欺も横行しています。世界的に規制が始まっていますが、まだ投資家保護の仕組みは十分であるとはいえませんので、投資家は十分に注意しなければなりません。
詐欺の具体的な事例は、次の章で解説します。
ICOは金融庁でも議論されており、今後は投資家保護の観点から法規制を受ける可能性もあります。金融庁の方針によっては、ICO関連の取引はリスクが減る代わりにプロジェクト数自体が減るかもしれません。
(参考:金融庁 https://www.fsa.go.jp/news/30/virtual_currency/20190621-1.pdf PDFファイル)
3. 良いICOの見分け方
実現可能性があり、上場も期待できるICOのプロジェクトの見分け方を解説します。
ただし確実に値上がりできるものを見分ける方法はないため、あくまでも判断基準の1つとして参考にしてください。
3-1. ICO紹介サイトの意見を参考にする
ICO紹介サイトでは、ICOの人気度・投資対象としての評価・詐欺の可能性などがまとめられています。具体的には以下のサイトがあります。
ランキング上位であり、評価の高いプロジェクトを選ぶのが基本です。
※2019年8月20日 ICOの評価をし紹介しているサイト「ICO Rating」が米証券取引委員会(SEC)により業務停止命令を受けました。SECの指摘によると、ICO Rating社がICOの評価に対し報酬を受領した事を隠していたとのことです。
参考:米証券取引委員会「ICO Rating」(PDF)
3-2. ホワイトペーパーを読む
ホワイトペーパーとは、仮想通貨における事業計画書のようなものです。良いICOプロジェクトであれば、しっかりした内容のホワイトペーパーが作成されています。
- プロジェクトの概要
- 事業ビジョン・背景・目的
- 技術面の詳細な解説
- チームメンバーについて
- ロードマップ
具体性・実効性がない、スケジュールが決まっていない、プロジェクトやメンバーが実在しないなどのものは避けるべきです。
ICOに投資するなら必ず読むべき
ICO投資では、必ず事前にホワイトペーパーを熟読し、将来性がありそうなものを選びましょう。ホワイトペーパーの詳しい読み方は、以下記事で解説しています。
3-3. 詐欺を見抜く
ICO投資の詐欺に引っかからないためには、具体的な事例を知っておくことも大切です。ここでいくつかの事例をご紹介しましょう。
資金調達後、公式サイトを閉鎖し蒸発
2017年に、Confidoという会社がICOを実施。およそ4,000万円を集めた直後に蒸発するという事件が発生しました。
Confidoは支払い・商品出荷のトラッキングができるアプリを開発すると宣言し、11/6~8にイーサリアムを調達しました。しかしその週末に同社はSNS・Webサイトを閉鎖し、行方をくらましてしまったのです。
ポンジ・スキームを疑われ公式サイトを閉鎖
またBitconnectという組織は、仮想通貨を購入し預けるだけで高利が得られるとしてサービスを展開していました。しかしこれは「ポンジスキーム」という詐欺のビジネスモデルではないかと疑われ、サイトをいったん閉鎖。
2018年に入って新たにBitconnectXを立ち上げ、継続しています。預けるだけで現実には考えられないほど高い利益がもらえるなどというのは、ポンジスキームの常とう手段なので騙されないようにしましょう。
ポンジスキームについては、以下のページで詳しく解説しています。
また具体的な詐欺サイトについて知りたい方は、以下のサイトをご覧ください。アメリカのSEC(証券取引委員会)が作成した偽の詐欺サイトです。
コイン購入ボタンをクリックすると、学習ページに飛びます。
http://www.howeycoins.com/index.html
4. ICO投資の方法
この章では、ICO投資の具体的な方法について解説します。
4-1. ICOに参加する(申込み)
ICOプロジェクトのWebサイトなどから、申し込みを行います。
受理されると、送金先などを記載したメールが来ますので、確認しましょう。
4-2. ウォレットを作る
ICO投資をするには、個人ウォレットを作ることも必要です。
ICOに参加・投資するためには仮想通貨が必要です。
必要となる仮想通貨は、それぞれのICOで異なりますので公式ページをチェックしましょう。一般的には、イーサリアム(ETH)・ビットコイン(BTC)といった主要な銘柄のコインを利用することが多いです。
4-3. ウォレットから送金する
トークンはプレセールスまたはクラウドセールスで購入します。この期間中にプロジェクト側が指定したアドレスに仮想通貨を送金することが必要となります。
用意した個人用ウォレットから、送金先アドレスへコインを送金すれば、ICO投資への参加は完了です。
くれぐれも間違ったアドレスに送らないように注意してください。間違ったところに転送されると、コインを取り戻せない可能性が大きいです。
トークンを購入した後は、サービス開始の連絡を待ちましょう。登録したメールアドレスに通知が来れば、サービスがスタートします。
ICOで人気を集めたトークンは、取引所に上場される可能性もあります。
5. トークンを売るタイミング
ICOで購入したトークンは、当然値上がりするタイミングが売り時です。具体的には、仮想通貨取引所への上場、サービスリリースなどが挙げられます。
購入者が増えないと価格は上がらない
ただしこれらが実現したとしても、値上がりするとは限りません。購入者が増えない限り、価格は上昇しないからです。コインへの評価が低ければ、購入者は少なくなってしまうでしょう。
トークンをガチホするのも手
一方で、トークンを 保有し続けるのも1つの考え方です。保有については応援の意味が強いです。短期的の売買ではなく、プロジェクトの将来性・発展性に期待が持てる場合は、保有し続けるのも良いでしょう。
売る人が多い⇒値段が下がる⇒プロジェクトの信頼性が落ちるということになるので、保有し続けたり、買い増ししたりすることがプロジェクトへの応援になります。
社会的な意義がある、理念に共感できるなど、思い入れのあるプロジェクトであれば、短期間で売却せず、保有し続けて成長を見守るのも良いでしょう。
6.まとめ
ICO投資は、新規仮想通貨の公開であり、新たなサービス提供を目指すプロジェクトに投資をすることです。大きな利益を上げられる可能性もある一方、プロジェクト頓挫などハイリスクの投資でもあります。
ICO投資を行うには、事前に個人用ウォレットの準備が必要となります。ウォレットには複数の種類があるので、メリット・デメリットを把握したうえで選びましょう。
ICOのプロジェクトは、詐欺のリスクもあります。ホワイトペーパーを熟読する、ICOレーディングサイトを参考にするなどの対策を実施し、現実性のあるプロジェクトを選ぶことが大切です。