
IFO注文は新規の注文だけでなく、利食いと損切りの決済の注文を同時に出すことができます。
エントリーから決済まで自動で行うことができるので、日中は仕事で忙しいといった人に適した注文方法です。
今回の記事では、IFO注文のメリットとデメリット、損切りを入れる基準やエントリーポイントの探し方などの活用のコツを解説していきます。
目次
1. IFO注文とは?
この項目では、IFO注文の概要、メリットとデメリットについて確認していきます。
1-1. 新規注文と2つの決済注文を同時に出す注文方法
IFO注文とは、新規注文と2つの決済注文を同時に出す注文方法です。新規注文だけでなく、利食いと損切りの注文も同時に出せる点が大きな特徴の1つです。
IFO注文の例
たとえば、1BTCの価格が95万円の時にIFO注文を出す場合を考えてみましょう。
このIFO注文では、90万円で買いの新規注文を入れ、100万円で利食いと85万円で損切りが入るように2つの決済注文も同時に出します。
この場合、1BTCの価格が90万円に下落すると買いの新規注文が約定します。
その後、価格が100万円まで上昇すれば利食い用に設定していた決済注文が発動し、逆に85万円まで下落した場合には損切り用に設定していた決済注文が発動するのです。
1-2. IFD注文とOCO注文との違い
この項目では、IFO注文のベースともなっているIFD注文とOCO注文の概要から、それぞれの違いについて確認していきます。
IFD注文は新規注文と決済注文を同時に出す注文方法
IFD注文は新規注文と決済注文を同時に出す注文方法です。IFO注文と違い、決済注文は1つしか出すことができません。
たとえば、以下の画像では1BTCが95万円の時に90万円で買いの新規注文、100万円で売りの決済注文が入るようIFD注文を出しています。
この場合、まず90万円に価格が下落したタイミングで買いの新規注文が約定します。その後100万円まで上昇すると売りの決済注文が発動しますが、決済注文が1つしか出せないため、もし下落した場合は損失が大きくなってしまいます。
なお新規注文と決済注文どちらにおいても指値と逆指値を利用することが可能です。
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OCO注文は指値と逆指値の2つの注文を同時に出す注文方法
OCO注文は、指値と逆指値の2つの注文を同時に出す注文方法です。
IFO注文と違い、新規注文で利用する際には決済注文を同時に設定することができません。また、指値と逆指値の2つの新規注文を同時に出せる点もIFO注文との違いと言えます。
OCO注文で指値と逆指値の2つの買い注文を同時に出す場合、以下のようなイメージとなります。
また以下のように、OCO注文には2つの注文のどちらかが約定した場合、片方の注文はキャンセルされる特徴があります。
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IFD 注文とOCO注文を組み合わせた注文方法
IFO注文は、IFD注文とOCO注文を組み合わせた注文方法と言えます。そのため、IFO注文を「IFD-OCO注文」と呼ぶこともあります。
IFO注文の場合、以下のようにIFD注文の決済注文がOCO注文になっていると考えるとわかりやすいでしょう。
1-3. メリット
利食いと損切りの決済注文を同時に設定できる
IFO注文のメリットは、利食いと損切りの決済注文を同時に入れられる点です。
たとえば、IFD注文では決済注文で利食いか損切りどちらかの注文しか入れることができません。しかしIFO注文では決済注文にOCO注文を使うので、利食いと損切りのどちらも設定することができるのです。
1-4. デメリット
新規注文を1つしか設定できない
IFO注文のデメリットとしては、新規注文を1つしか設定できない点が挙げられます。
たとえば、OCO注文では新規注文で指値と逆指値の2つの注文を入れることが可能です。しかしIFO注文では、新規注文に指値か逆指値のどちらかしか入れることができません。
新規注文さえ成功すれば後は価格がどちらに行っても自動で決済注文が入りますが、新規注文の価格を読み間違えるといつまで経ってもエントリーさえできないままになります。
⇒指標を組み合わせて適切なエントリーポイントを探す方法を見る
2. IFO注文の活用のコツ
この項目では、IFO注文の活用のコツについて確認していきます。
2-1. 損切りを浅めに入れる
IFO注文の活用のコツとして、損切りを浅めに入れることが挙げられます。これによって、損失が大きくなることを防ぐことができるからです。
損切の基準に決まりはなく、1~2%という人もいれば5%という人もいます。取引しているコインの普段の値動き幅によっても適切な損切りラインは異なりますが、損切するという感覚になれるためには、まず1~2%の金額を損切の基準として初めてみるとよいでしょう。
損切りを入れるのはラインを超えたあたり
損切りを入れるのは、買いポジションであればサポートライン、売りポジションであればレジスタンスラインを超えたあたりが適切だと言えます。ラインに到達した段階で、価格が反発する可能性があると考えられるからです。
たとえば、下記のチャートで考えると、黄色のサポートラインを超えた段階で損切りが入るように設定するイメージとなります。

これによって、余計な損切りをせずに済み、自分の予想に適した取引を行うことが可能となります。
上述した浅めの損切りを入れることを意識しながら、損切りポイントを探す目安として合わせて活用していきましょう。
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2-2. 指標を使いエントリーポイントを探す
テクニカル系の指標を使いエントリーポイントを探すことも、IFO注文を活用するコツの1つとして挙げられます。
今回は代表的な指標の1つでもある、RSIを使ったIFO注文のエントリーポイントの探し方を見ていきます。
RSIを使ったエントリーポイントの探し方
RSIは0〜100までの数値を使い、買われ過ぎや売られ過ぎを判断する指標です。
一般的には、RSIが70〜80を上回ったあたりでは買われ過ぎとなり、価格が下落方向に反発すると考えられています。これに対して、RSIが20〜30を下回ったあたりでは、価格は上昇方向に反発する傾向があります。
たとえば、下記のチャート左側ではRSIが30を下回った段階で価格が反発し、その後は上昇している状態です。

そのため、この価格帯付近はIFO注文で買いの新規注文を入れる、目安の1つとして考えることが可能です。
このように指標を活用することで、IFO注文でのエントリーポイントを探すことに役立てることができます。
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まとめ
以上、 IFO注文について解説してきました。あらためて、この記事のポイントをまとめておきましょう。
- IFO注文は新規注文と2つの決済注文を同時に出せる注文方法
- 利食いや損切りのタイミングを見逃さずに済み、忙しい人にも適している
- 浅めの損切りを入れたり指標を使ったりするのが活用のコツ
IFO注文を活用することで、仮想通貨取引の効率化が期待できます。活用のコツで紹介したポイントなどを意識しながら、自身の取引に取り入れてみてくださいね。