仮想通貨イナゴとは?養分にされない為の対処法と投資戦略への活用法

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「イナゴ」が投資用語として用いられていることをご存知でしょうか?

「イナゴ」はトレード用語として仮想通貨以外でも使われている言葉ですが、最近は仮想通貨界隈でよく聞く言葉になってきました。

2017年の年末にかけて仮想通貨全体の相場が急騰したのはこの「イナゴ」達の影響が大きかったといわれています。

その盛り上がりの時期に仮想通貨を購入した結果、「お前はイナゴだ」などと馬鹿にされた方もいるのではないでしょうか?この記事では、もはや仮想通貨投資の基礎知識となってきた「イナゴ」について解説します。

ぜひ仮想通貨投資の世界におけるイナゴを理解していただき、明日からは「イナゴ」と馬鹿にされないようにしてください。さらに興味のある方はその「イナゴ」の力を借りてトレードチャンスを作っていただければと思います。

 

1. 仮想通貨における「イナゴ」とは?

まずは、仮想通貨界に存在するイナゴの生態を解説します。イナゴによってどんな相場が形成されるのか、イナゴにはどんな種類がいるのかについても紹介します。

1‐1. 「イナゴタワー」が群がるイナゴたちによって形成される。

一つの投資銘柄に大群で押し寄せる投資家を表現するために使ったのが「イナゴ」と言われるトレード用語です。

世界史でもしばしば語られる天災の一つに蝗害(こうがい)と呼ばれるものがあります。イナゴが大群で押し寄せて農作物を食い荒らすことを指し、株や仮想通貨に投資家が群がる様と似ていることから「イナゴ」と名付けられたといわれています。

もともとは株の取引において短期で回転売買を行う個人投資家のこと指して生まれた言葉と言われています。このイナゴ投資家達は、ちょっとした相場関連の情報で動く投資家なので、投資判断の材料となるような情報が出てくると一斉に同じ銘柄に向かって集中する様がまさに「イナゴ」の生態に似ています。

しかし、仮想通貨の話題の中ではより広い意味合いで使われていることが多いです。特に、仮想通貨初心者が群がるような場面になるとそれを中級者以上の投資家が揶揄するような文脈で使われたりもしています。

もう一つ大事な用語として、「イナゴタワー」があります。イナゴの大群の痕跡は価格チャートに現れ、短期間に大きく値上がりしすぐさま価格が急降下しているチャートを見たら、「イナゴタワー」と思っていただいて結構です。

例えばこんなチャートはイナゴによるものです。

これはTRONという仮想通貨の日足チャートです。2018年の年始に向けて、仮想通貨全体の相場が急上昇した際にTRONの価格も急上昇しまし。しかし、その後にTRONのホワイトペーパーに他論文の盗用疑惑があるとのうわさが広がったため、急降下。「イナゴタワー」が完成しました。

こちらはTRON同様に2018年始にかけてXRPが急騰していった時のチャートです。コインチェックの出川哲郎氏を起用したCMが放映され始めた後に仮想通貨市場に一気に新規参入者が現れ、イナゴの群れのように一気に群がってきたことで形成されたイナゴタワーです。

このように、一時の流れに乗じて大量の投資家がまるで「イナゴ」のように集まって、一気に去っていくことで「イナゴタワー」は形成されます。

1‐2. イナゴにも階級が存在する!イナゴ投資家の種類

そしてそんなイナゴ達には種類があるといわれています。今後仮想通貨トレードに関する会話をされる際のネタにもなると思いますので簡単にご紹介します。

高速イナゴ
イナゴ投資家の中でも、特にスピードが持ち味の投資家を指す。小さな投資材料であっても、信ぴょう性に疑いがあっても、銘柄に飛びつく性質を持つ。欠点はスピードが速すぎて、後からついてくるイナゴがいないのに投資してしまうこと多々あるという点。損失を被ることも多い。
養分イナゴ
株価の上昇が一段落しようとするタイミングで飛び込んでくる投資家を指す。飛び込んだ銘柄の価格上昇は既に終わっているため、他のイナゴ投資家が反対売買する際のちょうどよい相手になってくれる。それ故、養分イナゴと揶揄されている。
神風イナゴ
養分イナゴの同種族とされるイナゴ。養分イナゴの先陣を切って価格下落のタイミングに突っ込んでいため、イナゴ界の神風特攻隊とされている。このタイプの投資家は価格上昇が終わったあたりで大量の買い注文を入れるため、価格崩壊の引き金をつくる元凶とされる。イナゴタワーを完成させるために不可欠な存在。結局は養分イナゴと同様に他の投資家の食い物にされる。
煽りイナゴ
その名の通り、周りを煽る性質をもったイナゴ投資家を指す。周囲を扇動して自分は儲けようとするも、結局は損をすることが多いため、養分イナゴの同種族とされている。
共食いイナゴ
イナゴ投資家から搾取することより儲けを実現する投資家を指す。ほかのイナゴよりも早く銘柄に飛びつき、遅れてきた養分イナゴ達に売りつけることでイナゴタワーから離脱し利益を確定させる。神風イナゴが先陣を切った後に、イナゴタワーの下落局面を演習する役割を担う。
殿様イナゴ
イナゴ投資家の頂点にある投資家を指す。イナゴ生態系の頂点であることから「殿様」とされる。事前に自分が狙う銘柄を仕込んでおき、その銘柄に他のイナゴたちが飛びつくように誘導することでイナゴタワーを作り、最終的に大きな利益を得る。有名ブロガーやTwitterアカウントがこのタイプのイナゴになることが多い。

上記の中でも、特に「養分イナゴ」になってしまうことには気を付けてください。

 

1‐3. イナゴ焼きにはご用心

イナゴの大群が押し寄せると、チャートは大きく値上がりしてイナゴタワーを形成します。

このようなチャートをみるとついつい人間は欲に駆られて「この値上がりに乗り遅れたくない」と思って飛びついてしまいます。飛びついたあなたがまさにイナゴの一人なわけですが、そのタワーが上に伸びているときは問題ありません。

最も怖いのは、イナゴは一気に集まり一気に去っていく性質であり、その去っていく瞬間に乗り遅れてしまうと、チャートの中に取り残され大きな損失を被ることがあります。これを「イナゴ焼き」といいます。

これが最もイナゴで気を付けなければいけないことです。つまり別の投資用語でいえば「高値掴み」です。上がっていくチャートをみて焦ってイナゴとなって飛びいた瞬間に、イナゴが離散し自分だけ取り残される。こうなると損切りするか、あとは相場が戻るまでガチホするかしかなくなります。

イナゴが襲来した後には必ずこの「イナゴ焼き」が大なり小なり発生するので、初心者で自信のない方はくれぐれも安易にイナゴタワーに飛びつかないでください。

 

 

2. イナゴと馬鹿にされないための心得

Twitterで誰かが言ってたから買う、チャートを見てたら価格がすごい勢いで上がっていたから買う、等の行動をしてしまうと知らないうちに自分がイナゴになってしまいます。

そしてそのような投資家は必ずイナゴ焼きの被害にあいます。そしてガチホするしかなくなった後に友人・知人からイナゴ乙と馬鹿にされるのがオチです。

そんな悔しい思いをしないための心得をお伝えいたします。

2-1. 仮想通貨を購入する前に一呼吸、感情に流されないことが第一歩

仮想通貨に限らず、トレードの初心者が高確率でやってしまうのが「高値掴み」。これを防ぐためには月並みですが冷静になることがとても大切です。

トレード経験が浅い人はどうしてもトレードの度に緊張感が襲ってきます。目の前の画面で上昇するチャートをみて、「おっ値段が上がってきてる、そろそろ買おうかな」と思いつつも、緊張感と不安がじゃまをして様子を見ようとすこし踏みとどまる傾向があります。踏みとどまった結果、チャートが値下がりに転じれば「やっぱり今はやめておこう」と考えるので幸いですが、様子を見た結果値上がりが続くと、「やはり値上がりの傾向だな、よし買おう」と考え買ってしまいます。

その結果、それがイナゴによる急騰であった場合、少し様子を見て買ってしまったあなたは「大群の最後尾にいたイナゴ」となってしまい、急落するチャートを眺めるしかなくなります。

これはよくあるトレードの失敗です。原因は、値上がりの根拠を考えず、短期的な利益に期待が膨らみ、その期待感や感情だけで取引をしてしまうことです。

まずは、値動きに惑わされずにトレードすることが大切です。特に初心者は価格が穏やかな時に仮想通貨を購入し、その後ゆっくりとチャートを眺めることをお勧めします。

2‐2. 批判的な情報、冷静な情報も集めて、複数の情報から投資判断を行う

自分は感情に流されないタイプ、きちんと情報収集するタイプ、と自信がある方もいると思います。そんな方は少ない情報源で投資を決めないということに注意してください。

仮想通貨が一般に受け入れられて久しい昨今、日々ブログやTwitterが更新され各仮想通貨についての予想が大量に発信されています。仮想通貨のトレードで儲けたいと考えれば考えるほど、このような情報に触れる機会が多くなっていくと思います。

そして、そんな中、自分がフォローしているブロガーや仮想通貨投資家が、
「○○(仮想通貨名)は××という機能改善を△日にリリース予定らしいので今から仕込んでおくのおすすめ」
「○○は△日に××という取引所に上場するとのこと、爆上げ期待」
というコメントしているのを見てしまうと、情報発見!と思って飛びついてしまうのです。

これでは単一の情報に踊らされる養分イナゴになってしまいます。

それを防ぐためには、自分が普段情報収集しているブロガーやTwitterアカウントと真逆のコメントをする人や仮想通貨に冷静な意見を発信している人から情報を取得することが大切です。

例として以下のTwitterアカウントは非常に冷静に仮想通貨の動きをとらえてくれているので覗いてみてください。

・ビッグストーン Bigstone(@bigstonebtc
仮想通貨に対して技術的な解説をしてくれるアカウントです。さらにその詳しい技術的理解をもとに仮想通貨業界で騒がれていることを冷静に分析し発信してくれているので、冷静な仮想通貨選択のヒントをたくさん得られます。ある仮想通貨に投資をしようと考える際にはその通貨に対する意見や解説を調べてみると新しい発見が得られるはずです。

・暗号通貨はいいよなおじさん(@cryptoiiyona
その名の通り「○○はいいよなぁ~」という語尾が特徴のアカウント。特に詐欺コインや仮想通貨投資を謳った怪しい勧誘に対して、冷静な突っ込みを入れています。コメントの字面とは裏腹に端的な批判がたくさん発信されるので冷静な投資情報の収集にはお勧めです。

「イナゴ」にならないためには、買おうとする仮想通貨がどうゆうものなのかを広く情報収集することが絶対に必要です。きちんと自分で考えた結果として購入したのであれば、後悔も小さいでしょうし、もし「イナゴ」と馬鹿にされてもきちんと反論することができます。

当たり前過ぎる、と思う方も多いかもしれません。しかし、仮想通貨の相場が盛り上がり始めると、この当たり前のことができずに損をしている人が大勢いることも事実です。

 

3. 度胸のある方は試してみたい。仮想通貨イナゴトレード入門

「イナゴタワー」の崩落による犠牲にばかりが目立ってしまいますが、イナゴ投資家が集まるタイミングは価格が急騰するタイミングでもあるので、イナゴタワーの形成時はトレードチャンスと見ることもできます。

イナゴタワーが形成されるタイミングを使ってトレードすることを一般に「イナゴトレード」と言い、デイトレーダーの中にはこの手法を使って資産を増やそうとする人も多数存在します。

仮想通貨トレードを今後積極的にやっていきたいと考えている方にとっては選択肢として考えることもできるのではないでしょうか。

3‐1. イナゴトレードで重要なのは「情報の早さ」

イナゴトレードは何よりもスピードが重要です。

イナゴの多くは信ぴょう性がない情報でも飛びついてくる性質があるので、その信ぴょう性がない情報、でもイナゴが発生しそうな情報を人より早くキャッチしてイナゴの大群の先頭に立つことがイナゴトレードでは重要な要素となります。

イナゴトレードによる利益=初心者の損失、という構図になります。よくわからず後から来て飛びついてしまった初心者に、すでに仕込んでいたイナゴトレーダーが売りつけて逃げるという構図になるからです。

つまりイナゴトレードは、情報の信ぴょう性ではなく、ほかのイナゴよりも早く動くことが重要になります。

では、どうやっていち早く情報をキャッチするのか?まず大前提ですが、イナゴトレードはパソコンやスマホに張り付いていないと成立しません。だからこそデイトレーダーの手法と言われています。それを前提として以下で簡単に方向性をご紹介します。

仮想通貨のイナゴトレードには大きく分けて2つのやり方があると思います。

①ひとつの仮想通貨に絞ってイナゴを待つ
自分が注目しておく仮想通貨を決めておき、それに関する情報収集のルートを用意して、リアルタイムでその情報をキャッチできるようにすることで、狙いの仮想通貨に関する情報が出た時に人より早く動くことができます。例えば、Twitterで情報監視用のアカウントを作り、狙う仮想通貨の情報が流れてくるようにフォローするアカウントを調整しておく等があります。

具体例(イーサリアムを追う場合のフォローアカウントイメージ)
・イーサリアムの公式アカウント(@ethereum)をフォロー
・イーサリアムの創設者ヴィタリックブテリンのアカウント(@VitalikButerin)をフォロー
・イーサリアム情報の提供スピードに定評がある墨汁うまいさん(@bokujyuumai)をフォロー

この具体例のように、各仮想通貨に関連する情報が流れてくるタイムラインを作っておくことで、先んじて行動ができるようになるかもしれません。

②イナゴflyerをつかう
これは①②と違って、イナゴの発生する情報に着目するのではなく、イナゴの発生そのものを観測する手法です。イナゴflyerというツールを使うことでそれが可能になります。これは世界中の取引所のリアルタイムのビットコインの注文量を知らせてくれるサービスです。イナゴが発生する=大量の買い注文が入る、ことなので、それを観測しているものになります。発生を音で知らせてくれるので非常にわかりやすいです。

(具体的な使い方)
イナゴflyerは、どの取引所、売り/買いが大量発生しているかを判別するために、それぞれ音を設定できます。

例えば、
「A取引所で買いが〇BTC以上発生した場合はαという音を出す」
「Bという取引所で売りが〇BTC以上発生した場合はβという音を出す」
といった設定が可能です。

そのため、事前に設定をしておけば画面をトレーディング画面にしておいて、音が鳴った時に瞬時に取引をすることが可能です。

さらに、イナゴ情報を外部サーバーに送信するための設定等も可能なので、上級者は自動売買システムを構築することも可能です。

「イナゴトレード」はスピード勝負で、情報への判断力も必要になるため、簡単なトレードではありません。

短時間の間に大きな値動きがある中に自分のお金を突っ込み、その中で冷静でいることが求められます。すなわち「精神力」を求められますので、一時的な利益や損失に一喜一憂するような方は精神を消耗するだけなのでお勧めしません。「自分はメンタルがつよい」という方のみ取り組むことをお勧めいたします。

 

まとめ

この記事では、

・トレード用語である「イナゴ」の解説
・イナゴにならないための心得
・イナゴトレードの方法

について説明させていただきました。仮想通貨の話でよく使われる「イナゴ」を理解して使いこなしていただくとともに、自分が「イナゴ」と馬鹿にされないように根拠を持った投資を行っていただければと思います。「イナゴ」を言葉として使いこなすだけでは満足できない方は、実際に「イナゴ」達の性質を利用したイナゴトレードにもチャレンジしてみてもいいかもしれません。