
MACDは、売買するタイミングの見極めに役立ちます。
また、ダイバージェンスやRSIとの組み合わせによって、さらに効率的に利益を狙うことも可能です。
今回の記事では、RSIの概要や設定方法、利益を出すコツ、利用時の注意点などを解説していきます。
目次
1. MACDは売買タイミングを見極める指標
MACDは、「MACD」と「シグナル」の2本の線を使った売買タイミングを見極める指標です。
短期の移動平均から長期の移動平均を差し引いた値を結んだ線が「MACD」となり、そのMACDの移動平均線を「シグナル」と呼びます。
また、MACDの計算では、直近価格により重点を置いた指数平滑移動平均(EMA)が使われます。
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1-1. MACDの基本情報
どんなことがわかるのか |
トレンドの転換点はどこになるか |
使い時 |
MACDがシグナルを上回ったタイミングで「買い」 |
MACDからは相場の転換点がわかるため、売買のタイミングを見極めることに役立ちます。
一般的には、MACDがシグナルを上回ったタイミングから上昇が期待できるため、「買い」のサインと考えられています。
また、MACDがシグナルを下回ったタイミングでは下落する可能性が高まるため、「売り」のサインとして使われています。
1-2. MACDの見方

上記のビットコインチャートの下部に表示されているのが、MACDです。
画面下部の青色の線はMACD、オレンジ色の線がシグナルを示しています。
また、下部の赤と緑で表示されたグラフは、MACDからシグナルを差し引いた「ヒストグラム」と呼ばれる数値です。
一般的には、ヒストグラムが大きくなるほど、価格が逆方向へ反発する可能性が高まります。
1-3. MACDの設定方法
MACDの設定方法・手順について、取引ツールの「Tradingview」を使って確認していきます。
設定手順
Tradingviewのチャート画面から、画面上部の「〜+」アイコンをクリックします。

検索バーに「MACD」と入力し、「MACD(マックディー)」を選択します。

すると、上記の画像のようにチャート下部にMACDが表示されます。
以上でMACDの設定は完了です。
期間の設定手順

期間の設定を行う場合は、画面下側の「MACD 12 26 close 9」にカーソルを合わせ、右側に表示された設定アイコンをクリックします。

すると、上記のように期間設定の画面が開きます。
「Fast Length」はMACDの短期の移動平均の期間、「Slow Length」はMACDの長期の移動平均の期間です。
また、「Signal Smooth」はシグナルの期間となっています。
「Fast Length」を6、「Slow Length」を19、「Signal Smooth」は9で変更してみましょう。

上記の画像のように、MACDに期間の設定が反映されます。
以上で、MACDの期間の設定は完了です。

期間の設定に決まりはない
基本的に、MACDの期間の設定について明確な決まりはありません。
ただし、短期の移動平均は「12」、長期の移動平均は「26」、シグナルは「9」で設定するのが一般的です。多くの投資家が意識している期間のため、相場にも反映されやすくなります。期間は短くするほど短期的な分析に適しており、長くするほど長期的な分析に適しています。
2. MACDで利益を出すコツ
ここからは、MACDで利益を出すコツについて確認していきましょう。
2-1. ダイバージェンスを活用する
利益を出すコツとして、価格と指標が逆行する現象である「ダイバージェンス」を活用することが挙げられます。
一般的に、ダイバージェンスが発生するとトレンド転換が起こる可能性が高まります。
たとえば、価格は下落しているがMACDは上昇している場合、価格上昇への転換が期待できるため「買い」のサインの1つと言えます。
いっぽう、価格は上昇しているがMACDは下落している場合、価格下落を示唆しており、「売り」のサインが出ていると考えることができます。
ダイバージェンスのチャート例

上記の画像は、ビットコインの日足チャートとMACDです。
画面上部のチャートを見ると、黄色の線で引いたラインの流れで価格が下落しています。
いっぽう、同じタイミングでMACDは黄色のラインに沿って上昇している状態です。価格は下落しているがMACDは上昇しているため、上昇への転換を示唆するダイバージェンスが発生しているため、「買い」のサインが出ている状態です。
実際に、ダイバージェンス発生後に価格は急激に反発して上昇しています。
2-2. RSIを組み合わせる
利益を出すコツの1つには、RSIを組み合わせる手法も挙げられます。
RSIを組み合わせることで、MACDだけでは判断できない状況でも、売買タイミングを素早くキャッチしたり、情報の信頼性をさらに高めたりすることができるからです。

RSIとは?
20RSIは0〜100までの数値を使い、相場の買われ過ぎや売られ過ぎを判断する指標です。一般的にRSIは、20〜30を下回ると売られ過ぎとなり、70〜80を超えると買われ過ぎとなります。
RSIは、売られ過ぎの場合は価格が反発して上昇し、買われ過ぎの場合は価格が反発して下落する傾向があります。
MACDにRSIを組み合わせた手法では、この傾向を生かしてトレードを行います。
RSIを組み合わせた手法の例
たとえば、下記のチャートではMACDがシグナルを上回る前に、RSIが20をタッチして売られ過ぎの水準に達しています。

つまり、MACDでは明確な上昇のサインが出ていませんが、RSIでは上昇への転換を示唆する動きが出ている状態です。
実際にRSIが20をタッチした後、価格は上昇しています。
このように、RSIを使うことでMACDよりもはやく買いのサインを掴むことができました。
また、RSIで買いのサインが出た少し後に、MACDもシグナルを上回って買いのサインが発生しています。
それぞれの指標で買いのサインが出たことで、このタイミングでは上昇への信頼性がさらに高まっていることがわかります。
このように、RSIを組み合わせることで、MACDを使ったトレードの精度をさらに高めることができるのです。
3. MACD利用時の注意点
この項目では、MACD利用時の注意点を確認していきます。
レンジ相場での利用は控える
MACDはレンジ相場にはあまり向いていません。
MACDはトレンドの把握に適した指標であり、トレンドがはっきりとしないレンジ相場では機能しづらいからです。
そのため、レンジ相場での利用は控えるようにしましょう。
まとめ
以上、MACDについて解説してきました。この記事のポイントを、あらためてまとめておきましょう。
- MACDは売買タイミングの見極めに役立つ指標
- MACDがシグナルを上回ったら「買い」、下回ったら「売り」のサイン
- RSIやダイバージェンスなどを活用すると効率的に利益を狙える
- MACDのレンジ相場での利用は控えよう
今回紹介したように、MACDは相場の分析に非常に役立ちます。うまく活用して、トレードに反映させていきましょう。