
GPUマイニングを始めるのに、どんなGPUを選べば良いか分からない人は少なくないでしょう。
ハイエンドクラスのGPUなら間違いないと考えるかもしれませんが、利益を考えるとトータルでマイナスになってしまうことも少なくありません。
今回はGPUマイニングに最適なGPUの選び方と、利益を上げるためのコツを紹介します。
ぜひ、この記事でGPUマイニングを始めるヒントを得てください。
目次
1. GPUマイニングを始めよう!
GPUマイニングの始め方を説明しましょう。
コンピュータのCPU(中央処理装置)ではなく、GPU(画像処理装置)を使うGPUマイニングでは、グラフィックボード(グラボ)と呼ばれる機材が必要です。
その他にもソフトウェアなどの必要なものがあります。
1-1. GPUマイニングの強み
GPUマイニングを始めるのであれば、まずはGPUマイニングの強みを知っておきましょう。
強みを知ることで、より効果的に利用することができます。
GPUとは
GPUは、グラボに搭載されている処理装置で、主に画像描画のための複雑な計算を行うのに使われます。
そのためGPUはCPU(コンピュータに搭載されている中央処理装置)よりも数多くの計算を一度に行う並列処理が効率よく行えるようになっているのです。
この特徴を活用してマイニングしているため、GPUはCPUよりも高いハッシュレートを得ることに成功しています。
GPUマイニングするメリット
GPUマイニングのメリットは次のようなものになるでしょう。
- 種々の仮想通貨に柔軟な対応ができる
- 徐々に拡張することができる
- 初期費用がマイニング専用マシンよりも安い
- マイニング以外の作業に流用できる
これらの強みを踏まえて、GPUマイニングの準備をしていきましょう。
1-2. GPUはコストパフォーマンスで選ぼう
GPUにはいくつもの種類があり、値段も5,000円程度から数十万円のものまで幅広く揃えられています。
しかし、GPUマイニングのためのGPU選びは、そんなに難しく考えなくても構いません。
次の4つのポイントを確認して、コストパフォーマンスで選べば良いのです。
GPU選びで大切な4つのポイント
- 製造メーカー
- ベンチマーク
- 消費電力
- 価格
製造メーカー
GPUマイニングの要となるGPUは、「NVIDIA」と「AMD」の2つの製造メーカー製に分けられます。仮想通貨によって得意不得意もありますので、このどちらのメーカー製のGPUを選ぶかが最初のポイントです。
自分がどの仮想通貨をマイニングするかを基準に、適したGPUを選びましょう。
ベンチマーク・消費電力・価格
ベンチマークはグラボの処理能力の指標でハッシュレートにかかわる重要な値です。そのため、ベンチマークの高いグラボを選ぶのが基本でしょう。
しかし、この値を追求すると消費電力と価格が上昇しますのでコストパフォーマンスが落ちます。
例えば、NVIDIAの最新ハイエンドGPU「GeForce RTX 2080Ti」と前世代の「GeForce GTX 1080Ti」を比べてみましょう。
RTX 2080Ti | GTX 1080Ti | |
ベンチマーク | 13800 | 13400 |
消費電力 | 260W | 250W |
価格 | 17万円程度 | 6~10万円程度 |
※ベンチマークは「Passmark」というベンチマークソフトの結果
ベンチマークだけ見ればRTX 2080Tiのほうが良いですが、消費電力や価格を考慮するとGTX 1080Tiのコストパフォーマンスが高くなっています。
特にビットコイン以外のモナコインのマイニングなどは、マイナーの少なさからビットコインよりも低いハッシュレートでマイニングできることが多いので、高額なハイエンドクラスのGPUでなくて良いことが多いでしょう。
そのため、同じASUSからGeForceが載っているグラボとRadeonが載っているボードが販売されていることも珍しくありません。購入時には気を付けましょう。
1-3. マイニングソフトを準備しよう
GPUを入手したら、あとはマイニング用のソフトウェアを準備しておきましょう。
前章で説明したGPUのメーカーによって以下の2種類のソフトがありますので、GPUに合わせて入手しておいてください。
- NVDIAのGPU向けの「ccminer」
- AMDのGPU向けの「sgminer」
なお、これらのソフトはオープンソースで無料公開されており、有志の手でGPUごとに最適化されたものも出回っています。
その反面、ウイルスやマルウェアが仕込まれたものもありますので、必ずウイルスチェックなどを行ってから実行するようにしてください。
2. GPUの動作を調整して効率を上げる
GPUをパソコンに組み込んで、マイニングソフトを実行すれば、マイニングを始められます。しかし、GPUの動作を調整することで、もっと効率よくマイニングできるかもしれません。
GPUの温度やクロック数などを関し、設定変更できるツールを利用して、GPUマイニングを効率よく行っていきましょう。
2-1. 動作温度の上昇に注意
コンピュータは動かし続けると温度が上がります。何の対処もせずに動かし続けていると、ハッシュレートが下がったり、酷いときには火災が起きたりすることもあるのです。
NVIDIAのサイトの製品仕様では、GPUの最高温度は90度程度になっているものがほとんどですので、その当たりを目安に温度設定しておくべきでしょう。
2-2. GPUの動作速度を調整しよう
GPUの動作速度のことをクロック数と呼びます。クロック数を上げるとGPUの計算速度が上がりますので、ハッシュレートも上げることができます。
専用のソフトウェアでクロック数を上げること(クロックアップ)が可能です。そうすれば、安価なグラボでも高ハッシュレートを手に入れることができるでしょう。
しかし、安易なクロックアップはおすすめできません。
クロックアップの危険性
クロックアップは、GPUを無理に動かしていることになりますので、余計な負荷をかけることになります。また、GPUの温度も上げります。
その結果、GPUはわずかながら破損していき、長い目で見れば性能が下がっていくことになるでしょう。
クロックダウンの効能
ツールによっては、クロック数を下げるクロックダウンも可能です。クロックダウンすることでハッシュレートが下りますが、消費電力を抑えることができます。
例えば、昼間だけクロックダウンして電気代を抑えれば、コストパフォーマンスが良くなるかもしれません。
3. GPUマイニングで儲けるには?
GPUマイニングで利益を得るには、ハッシュレートを上げる方法と、コストを抑える方法の両方から攻める必要があります。
3-1. GPUを複数台使用してハッシュレートを上げる
GPUマイニングの特長の1つに、「複数枚のグラボを使ってマイニングができる」という点があります。
GPUを複数枚差すことができるマザーボードが必要になりますし、GPUを余分に購入しなければいけませんので初期投資が増えてしまいますが、ハッシュレートが高まるのは大きなメリットでしょう。
3-2. 節電して維持費を下げる
日々の電気代を節約して支出を抑えれば、利益が増えます。電気代を節約するといっても、難しいことではありません。日々のメンテナンスを怠らないようにすることで、節電効果があるのです。
掃除して省エネしよう
ファンやGPUの周りにほこりが溜まると、GPUの温度が上がり電気代が余計にかかる要因となりますので、定期的に掃除しましょう。
▶マイニングにかかる電気代は? 国内・海外の電気代ランキング
エアフロー(温度管理)に注意
掃除と同じく、GPUの周りの空気の流れを最適な状態にしておくことで、温度上昇を防ぐことができます。
動作温度・クロック数の調整
動作温度やクロック数とハッシュレートを記録して、最適な数値を探し出すのは、GPUマイニングの醍醐味と言えます。多くの参考サイトで情報公開してくれていますが、これらの数値は環境に依存していますので、自分の環境で最適な数値を探す必要があります。
3-3. GPUは売れる!
GPUマイニングの場合、初期投資の大きな割合を占めるGPUを売ることができます。
特にNVIDIA社製のGPUはゲーマーの間で人気が高く、オークションサイトなどで高値で販売されています。

マイニングをやめるときにGPUを売って初期投資を回収できるのは、GPUマイニングのメリットの1つでしょう。
3-4. マイニングを継続する期間も考慮する
マイニングは一般的に長期間継続するものです。しかし、GPUはマイニングマシンと違って他の作業への転用ができるため、「少し儲けたらやめる」程度に考える人がいるかもしれません。
マイニングを行う期間によってGPU選びやGPUの設定方法は、次のように違ってきます。
短期集中型
ハッシュレートの高さと初期投資の低さを重視するので、同じハッシュレートでも価格が安いAMDのGPUを選びましょう。
また、ランクの低いグラボを購入してクロックアップするという方法もあります。ただしその場合は、発火の可能性がありますので、別途冷却装置を準備しておいてください。
長期コツコツ型
高品質なハイエンドクラスのGPUを推奨します。
また、仮想通貨にこだわりがなければ、モナコインなどのアルトコインのマイニングにすることで、クロックダウンしてGPUへの負荷と電気代を下げることができます。もしくは、定期的にGPUを売却して新しくする方法でも良いでしょう。
まとめ
GPUマイニングは、比較的手軽にマイニングを行える手段ですが、GPUの種類や価格の幅が大きく、初心者にはGPU選びから難しい印象を与えてしまっているかしれません。
しかし、実際はベンチマークや消費電力、それに価格との折り合いを付ければ良いので、GPUを選ぶのはそんなに難しくありません。
- NVIDIA GeForceシリーズは高品質で高性能だが高額
- AMD Radeonシリーズはイーサリアムのマイニングで効率が良く安価
- GPUは、ベンチマークと消費電力、価格を総合的に比較して選ぶ
- GPUマイニングはGPUを増やしてハッシュレートを上げられる
- GPUは設定によってある程度ハッシュレートを変更できる
GPUマイニングは、工夫することでマイニングできる可能性が高まるため、楽しむことができるマイニング方法です。
ぜひ自分なりの環境と設定を見つけて、楽しいマイニングライフを送ってください。