
仮想通貨をスマートフォンで保管できる便利なウォレットをご存知ですか?
実は仮想通貨を取引所に預けたままにしていると、紛失するリスクが高くて危険なんです。昨今は世界中にある仮想通貨取引所でハッキングによる盗難事件が頻発。いつ自分が利用している取引所が被害に遭ってもおかしくありません。
今や、安全重視のために自分のウォレットへ移すのは仮想通貨界の常識。アナタも取引所に預けたままにせず、今すぐ自分のウォレットを作りましょう!
この記事ではスマートフォンで使える便利なモバイルウォレットについて解説。メリット・デメリット、正しい選び方といった知識が身につき、今すぐモバイルウォレットを使えるようになりますよ。記事の後半では数十種類のウォレットを使った筆者が厳選した、おすすめモバイルウォレットを紹介します。ぜひ参考にしてください。
目次
1. モバイルウォレットとは?
モバイルウォレットを使えば、仮想通貨を取引所に預けたままにしているよりも、はるかに安全に管理できます。しかも取引所よりも安い手数料で送金できるんです!
それでは、具体的に何ができるものなのか――。まずはモバイルウォレットの概要や使い道を解説していきます。
1-1. モバイルウォレットは仮想通貨を保管できるスマホアプリ
モバイルウォレットとは、仮想通貨をスマートフォンで保管できるアプリのこと。ウォレットアプリという呼び方もあります。
ウォレット(wallet)は、直訳すると “財布” という意味。仮想通貨界でのウォレットは、ビットコインなどの仮想通貨を保管する財布のような働きをしています。
ウォレットは大きく分けると5種類あり、スマートフォンで使えるタイプはモバイルウォレットだけなんです。
区分 | 使用デバイス |
モバイルウォレット | スマートフォン |
デスクトップウォレット | パソコン |
ウェブウォレット | パソコン |
ハードウェアウォレット | パソコンorスマートフォン、専用端末 |
ペーパーウォレット | パソコン、プリンター、紙 |
1-2.仮想通貨の送受金や店での支払いに使える
モバイルウォレットでできることをまとめました。アプリによって機能は異なりますが、最低限以下の機能が備わっています。
■仮想通貨の送受金ができる
取引所から取引所へ送金するように、モバイルウォレットでも仮想通貨の送受金ができます。モバイルウォレットから取引所へ、反対に取引所からモバイルウォレットへの送金も可能。もちろんモバイルウォレット間の送受金もできます。
スマートフォンで操作できるから、場所を選ばず使えて便利ですよね。外出先でも、送金や着金の確認をカンタンに済ませられます。
■仮想通貨で支払いができる
モバイルウォレットを使えば実店舗での仮想通貨の支払いが、ほかのウォレットと比べてカンタンに行えます。なぜなら、ほかのウォレットにはないQRコードの読み取り機能が付いているから。カメラをかざすだけでカンタンに決済できます。
仮想通貨の決済可能な店舗へ足を運ぶ時には欠かせないモバイルウォレット。以下の記事では実際にモバイルウォレットを使って決済を行う様子を紹介しています。ぜひチェックしてください。
以下は多機能なモバイルウォレットに備わっている機能の一例。
- 仮想通貨をほかの仮想通貨に交換
- 仮想通貨を法定通貨に交換
- ポートフォリオ機能
アプリによっては、取引所のように仮想通貨をトレードできるものや、資産管理に役立つポートフォリオといった機能を備えたものもあります。
2. メリット・デメリットを把握して安全に使おう!
モバイルウォレットの正しい知識を身につけて安全に使いましょう。メリット・デメリットを紹介していきます。
【メリット①】無料で使えるアプリが多い
モバイルウォレットのほとんどは無料でダウンロードできます。数十種以上モバイルウォレットを使ってみましたが、これまで有料のモバイルウォレットには出会ったことがありません。課金制度もなく、すべてのサービスが無料で提供されているんです。
自分に合ったウォレットを見つけるまで、いくつものアプリを試したとしても費用はタダ。気になるアプリは積極的にダウンロードして、使いやすいと感じるウォレットが見つかるまで探しまわるのもありですね。
【メリット②】最も携帯しやすいウォレット
モバイルウォレットは、唯一スマートフォンで操作できるタイプ。携帯性が最も優れたウォレットです。
インターネットにつながっていれば、外出先でも送受金が可能。ポケットに入れて持ち歩けるウォレットなので、思い立った時に即座に操作できます。手軽に送受金できるので、取引頻度が多い人に重宝するでしょう。
【メリット③】機種変しても復元できる
モバイルウォレットは機種変しても継続して利用できます。リカバリーフレーズという復元用のパスワードがあれば、新しいスマートフォンでも元のウォレットが使えるんです。
ただしリカバリーフレーズを忘れると、ウォレットの復元はできません。転写ミスに気をつけてメモを取り、大切に保管しておきましょう。
【デメリット】ハッキングのリスク拭えない
モバイルウォレットはインターネットにつながっているウォレットです。オンライン上にあるウォレットだからハッキングのリスクは拭いきれません。
とはいえ、取引所に預けたままにしておくより、モバイルウォレットで保管したほうが安全。ハッカーは個人のウォレットよりも、大量の仮想通貨が保管されている取引所をターゲットにする傾向があるからです。
モバイルウォレットはハッキングに対するリスクが拭いきれないため、一般的には少量の仮想通貨を保管するウォレットとして使用されています。多額の仮想通貨はハードウェアウォレットやペーパーウォレットといった、インターネットにつながっていない “コールドウォレット” へ保管しましょう。
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3. 知らないとヤバイ!モバイルウォレットの選び方
モバイルウォレットは、適当なアプリを使えばよいわけではありません。大切な資産を保管するアプリですから、いい加減に選定してはならないのです。
実際にモバイルウォレットを使う前に、正しい選定基準を知っておきましょう。
3-1. 保有コインに合わせてアプリを選ぶ
モバイルウォレットは、保有コインに対応しているアプリを選ばなければなりません。ものによって対応している仮想通貨が異なるからです。非対応のコインは保管できません。
モバイルウォレットには、ビットコインやイーサリアムといった多種の仮想通貨をまとめて管理できるものもあれば、あるコインに特化した専用ウォレットもあります。
いくつかの種類の仮想通貨を保有している人は、まとめて管理できるタイプがおすすめ。ひとつのアプリですべてのコインの送受金ができれば、手間も少なくて済みます。
1種類の仮想通貨しか持っていない人は、専用のものでもマルチに対応したウォレットでも、好みのほうを使うとよいでしょう。
マイナーなコインを保有している人は、ウォレットの使い分けが必要になるかも。ビットコイン用のウォレットとモナコイン用のウォレットというように、いくつかのアプリを使い分けている人も少なくありません。
3-2. 信頼できるアプリか事前に調べる
モバイルウォレットは、さまざまなアプリがリリースされています。なかにはシステムの脆弱性が問題視され、信用が置けないウォレットも……。使用前には信頼できるアプリであるか事前に調べなければなりません。
過去にはシステムやサーバーに攻撃を受け、ユーザーの仮想通貨が流出したウォレットもあります。詐欺目的で開発されたウォレットもあるかもしれません。
使用前にはアプリの開発者と、これまでの事件経歴を調べてみてください。調査した結果、印象が悪いアプリは使わないようにしましょう。
調べ方はカンタン。「○○(アプリ名) 開発者」「△△(アプリ名) ハッキング」といったキーワードで検索すれば情報が出てきます。リサーチにさほど時間はかかりません。安全なウォレットを選ぶためにも事前調査は必須です。
4. 実際に使って比較!便利なおすすめモバイルウォレット3選
実際に筆者が使ってみて、おすすめしたいモバイルウォレットを3つ厳選しました。選定基準は以下の4点。
- 日本語対応
- 初めてでも操作しやすいインターフェース
- 複数の主要コイン(※)に対応している
- 過去に事件が起きていない
(※)主要コインとは以下の5種
ビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、リップル(XRP)、ビットコインキャッシュ(BCH)、ライトコイン(LTC)
参考:一般社団法人日本仮想通貨交換業協会
3つともひとつのウォレットで複数の仮想通貨を管理できる、便利なモバイルウォレットです。ぜひ参考にしてください。
4-1. とにかく使いやすい!これひとつで満足できる『Ginco』
画像参照:Ginco AppStore
対応コイン
全15種 Bitcoin(BTC)、Bitcoin Cash(BCH)、Ethereum(ETH)、Litecoin(LTC)、Ripple(正式名称:XRP)etc.
最新の対応コイン情報はコチラからチェック!
Ginco(ギンコ)は2018年4月にリリースされた日本発のモバイルウォレット。iOS版とandroid版があります。
▼とにかく使いやすい!実際に使った感想▼
使ってみた感想は「とにかく使いやすい!」に尽きます。モバイルウォレットを数十種類ダウンロードして実際に使ってみましたが、Gincoが最も操作しやすく感じました。ウォレットをダウンロードしてから実際に送受金するまで、一度も操作に迷うことなくスムーズに進めます。初めてモバイルウォレットを使う方でも、サクサク操作できるでしょう。
▼Gincoだけのおすすめポイント▼
- 主要コインと呼ばれる仮想通貨にすべて対応
- 完全日本語サポート
上記の特徴があるモバイルウォレットはGincoだけです。主要コインにすべて対応しているため、これひとつあれば手持ちの仮想通貨をすべて管理できるという人も多いのではないでしょうか。
▼便利機能満載!アップデートにも期待▼
Gincoには仮想通貨の送受金以外にも、以下の機能が備わっています。
- QRコードの共有
- ライブラリにあるQRコードの読み取り
- ポートフォリオ
QRコードの共有やライブラリからの読み込み機能はGinco特有のもの。一般的なモバイルウォレットには備わっていません。流行りの投げ銭や、仮想通貨を個人間でやり取りする時など便利に使えそうです。
今後はウォレット内で仮想通貨のトレードや購入機能もアップデートする予定とのこと。これらの機能が備われば、仮想通貨の購入から保管までアプリを使い分ける必要がありません。Gincoが仮想通貨アプリのスタンダードになる日も遠くないのではないでしょうか。
4-2. 世界中で使われている人気アプリ『BRD(Breadwallet)』
画像参照:BRD AppStore
対応コイン
全120種以上 Bitcoin(BTC)、Bitcoin Cash(BCH)、Ethereum(ETH)、Bread (BRD)etc.
ほとんどがERC20トークン。最新情報はBRDウォレットで確認できます。
BRD(旧アプリ名称:Breadwallet)は、150ヵ国以上で使われているモバイルウォレット。iOSとAndroidに対応しています。
▼BRDはオープンソース&公式推奨ウォレットで信頼度が高い▼
BRDはオープンソースのウォレットだから信頼できるアプリといえるでしょう。またビットコインの公式サイトで紹介されている点も、BRDを信頼できると判断できるポイントです。
▼ビットコイン公式「BRDは初心者向けで一番使いやすいウォレット」▼
BRDはビットコインの公式サイトで「初心者向けで一番使いやすいウォレット」として紹介されているだけあり、操作性はシンプルでわかりやすい仕様。筆者が初めて使ったモバイルウォレットもBRDでした。実際に初期設定、受金用アドレスの表示といった基本操作は説明書を見なくてもできましたよ。
▼サポート機能のみ日本語非対応▼
メインの画面は日本語対応されているため、英語が苦手な人でも迷わず操作できるでしょう。しかしサポート(ヘルプ)画面は英語表示。サポートは正しく安全にウォレットを使うための大切な役割を果たしています。初めてウォレットを使う人や英語が苦手な人には、上で紹介した完全日本語対応のGincoがオススメです。
4-3. 対応仮想通貨100種類超!マイナーコイン保有者は『Coinomi』
画像参照:Coinomi AppStore
対応コイン
100種以上 Bitcoin(BTC)、Bitcoin Cash(BCH)、Ethereum(ETH)、Ethereum Classic(ETC)、Litecoin(LTC)、Monacoin(MONA)etc.
最新の対応コイン情報はコチラからチェック!
Coinomi(コイノミ)は100種以上の仮想通貨やトークンに対応したモバイルウォレット。iOSとAndroidに対応しています。
▼iOS版は日本語非対応▼
2014年のAndroid版リリースから送れることおよそ4年。2018年5月にiOS版がリリースされました。まだ日本語に非対応ですが、今後サポートされる可能性も十分に考えられます。
▼100種以上の仮想通貨に対応▼
Coinomiのウリは対応している仮想通貨のバリエーションが豊富なところ。コインリストから自分の使うものだけ選択して、ウォレットをカスタマイズできます。100種以上の仮想通貨に対応しているウォレットは希少。マイナーコインの保有者は重宝するのではないでしょうか。
▼スマホで取引できるトレード機能付き▼
Coinomiには仮想通貨の取引機能も付いています。外出先でもサッと取引できるため、取引を頻繁に行う人にもおすすめです。
▼ウォレット慣れした人には難しくない▼
iOS版を使ってみましたが、初期設定やコインのリスト追加といった機能は苦戦することなく使えました。しかし日本語非対応の現在は、英語が苦手で初めてウォレットを作る人にとっては難しく感じるかもしれません。ほかのウォレットを使ったことがある人なら、英語が苦手でも基本操作は問題ない印象です。自信がない方は日本語で解説されているハウツー記事を検索してみてください。有名なモバイルウォレットなのでヒットするでしょう。
まとめ
モバイルウォレットのメリット・デメリットや、おすすめアプリを解説してきました。この記事のまとめは以下の通りです。
-
- モバイルウォレットとはスマホで使えるウォレットアプリで仮想通貨の財布の役割を果たす
- 仮想通貨の送受金や店舗での支払いに使える
- 機種変してもリカバリーフレーズがあれば復元できる
- オンライン上にあるウォレットのためハッキングのリスクは拭いきれないが、取引所に預けたままにしているよりも安全に保管できる
- アプリごとに対応している仮想通貨が異なり、非対応のコインは保管できない
- 使用する前に信頼できるアプリかリサーチする
モバイルウォレットは、ウォレットのなかでも最も携帯性に優れた便利なアプリ。仮想通貨を安全に管理するためにも、ぜひ使ってみてくださいね!
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