マウントゴックス事件は今どうなっている? 概要と現状について

マウントゴックス事件のその後

仮想通貨(暗号資産*)に興味のある方なら、マウントゴックスという取引所の名前を聞いたことはないでしょうか?

その後どうなったんだろう……」と思う方も多いでしょう。

そこで今回は、マウントゴックスで起きた事件が現在どうなっているのか、事件の概要などについて解説。事件の教訓としておさえておきたいポイントにも触れるので、参考にしてみてください。

*2019年5月、呼び名を「暗号資産」とする改正資金決済法が可決されました(参考|日本経済新聞

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1. マウントゴックス事件は今どうなっているの?

裁判結果

この章では、ハッキング事件の被害にあったマウントゴックスが今どうなっているのかについて解説します。

1-1. 現在民事再生手続き中

2018年6月22日、東京地方裁判所によって、民事再生手続きの開始が決定されました。現在も民事再生手続きが進められています。

マウントゴックスは巨額のBTCや顧客からの預かり金をハッキングによって失い、債務超過に陥りました。同年に民事再生手続きを申請しましたが棄却され、破産手続きを開始しました。

破産から一転した

しかし2015年9月、マウントゴックスの破産管財人は、およそ24,700人の顧客らが届け出をした債権の総額が、約2兆6,630億円におよぶと発表。2017年には、債権者がビットコイン高騰を受け、東京地方裁判所に対し、民事再生手続きを申請しました。

債権者利益を重視して民事再生

なぜ破産手続きから一転、民事再生手続きを申請したのか。その主な理由は、補償額の高さにあります。

破産の場合は破綻当時のレートに基づいた金銭による返還となるのに対し、民事再生手続きの場合はビットコイン自体の返還を求めることができます。ビットコインは破綻当時よりも高騰しているため、民事再生手続きのほうが、債権者の利益は大きくなるというわけです。

仮想通貨に最低補償制度はない

補償制度はない

仮想通貨は銀行のペイオフなどと違い、破綻時における預金者1人あたりの最低補償額などは一切ありません

しかし一切の補償がないのはあまりに理不尽であることから、債権者が自分たちの利益を保護すべく奮闘したといえます。

破産手続きから民事再生手続きになるのは異例
破産手続きは、精算して会社が消滅する形式ですが、民事再生手続きは会社が存続するかたちです。いったん会社消滅を前提にしていた事案が、そのあと存続に切り替わることは珍しいです。
マウントゴックス事件の場合ビットコインの価格上昇により債権者の利益が大きいことからこのような異例のケースが起こりました。

1-2. もう返金されたの?

返金

顧客への返金については現在調整中で、まだ実施されていません。返金方法については、ビットコインまたはビットコインキャッシュでの返還を予定。債権者が保有している口座、もしくは今後解説する口座に送金するとのことです。

返還については当初2019年5月または6月を予定していましたが、もう少し時間がかかるようです。

参考|COINTELEGRAPH:Mt.Gox債権者グループ:民事再生計画案の基本方針変更、債権者の既存口座にBTC振込へ

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2. そもそもマウントゴックス事件って?

ハッキングとセキュリティ

仮想通貨業界を震撼させた、マウントゴックス事件の概要について解説します。

2-1. 事件の概要

マウントゴックスとはビットコイン(BTC)の取引所の1つで、2010年から仮想通貨事業を開始。2013年には、世界のビットコイン取引量の半数以上を占めるまでになった取引所でした。

430億円が消失

しかし2014年に、巨額のBTCと顧客からの預かり金がハッキングにより消失するという大事件が発生。

被害内容は、約75万BTC(当時はおよそ400億円相当)、自社保有の10万BTC、ユーザーからの預かり金である現金28億円と、合計で約430億円もの資産が失われました。

負債額が急増し経営破綻した

これが一般的にマウントゴックス事件と呼ばれる事件です。マウントゴックスは負債額の急増により債務超過に陥り、事実上の経営破綻となりました。

2-2. どんな手口のハッキングだったの?

送金システムの脆弱性によるハッキング説

事件発生から当初の間、マウントゴックスは事件発生理由について、送金記録システムの「甘さ」を攻撃したハッキングであると発表していました。

内部犯行説が浮上

しかしその後、警視庁の捜査結果により、内部犯行の疑いが浮上しました。調査を進めても、ハッキングの痕跡が見つからなかったためです。その結果、社長のマルク・カルプレス氏が容疑者として浮かび上がりました。

2-3. 判決が出るまでの経緯は?

2015年には警視庁がカルプレス氏を逮捕。私電磁的記録不正作出・および供用、また業務上横領の罪にあたるとしています。

複数の罪状で起訴されたカルプレス氏は容疑を否認し、2017年7月の初公判でも無罪を主張。2019年3月15日、私電磁的記録不正作出・および供用以外はほぼ無罪とする判決を、東京地方裁判所が下しました。

カルプレス氏は現在、仮想通貨業界から離れています。

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3. マウントゴックス事件と「東京のクジラ」

この事件と関連し、2018年、「東京のクジラ」と呼ばれる人物が浮上しました。

クジラとは巨額の資金を持つ機関投資家のことを指すスラングです。

破産管財人は「東京のクジラ」

東京のクジラ

その人物は、マウントゴックスの破産管財人を務めている小林信明氏。400億円以上の財産を管理する小林氏も、クジラの1人ということになります。

同氏が、巨額のビットコインを売却していた可能性が浮上。GOXDOX.comというサイトが、東京地方裁判所の関連記録をリークしたことから明らかになりました。

3-1. 管財人による430億円相当の売却

GOXDOX.comがリークしたのは、同氏の保管する三菱東京UFJ(現:三菱UFJ銀行)の口座です。口座名義は「再生債務者 株式会社MTGOX 管財人 小林信明 様」となっています。

取引所口座から管財人の口座へ

リーク内容によると、2018年2月~6月の間に、この口座に取引所ビットポイントの口座から25回の入金がありました。入金総額は343億円以上におよびます。

GOXDOX.comは、管財人がビットポイントを雇い、管理するビットコインとビットコインキャッシュを売却したと考えてしまうと述べています。

このことが明らかになったのは、マウントゴックスの民事再生手続きが決まった後のこと。先述したように債権者はビットコイン自体での返還を希望しているため、もし売却していた場合、債権者の意向と異なるため問題とされたのです。

「裁判所から許可済」

小林氏は、ビットコイン・ビットコインキャッシュの売却については、裁判所から許可を得ていると説明したものの、売却方法については明らかにしませんでした。

専門家と相談のうえ、一般的な販売方法ではなく、相場への影響を避ける形で売却したと述べていました。

マウントゴックスによる返金手続きは、2019年6月時点でもまだ実施されていませんが、返金方法について最終的な調整ができていないのは、このことも影響しているのではないかと考えられます。

3-2. ビットコインの価格へ影響も……

相場への影響が出ないように配慮したと述べた小林氏ですが、大量のビットコインが売却されたことにより、実際には相場への影響は出てしまったと考えられます。2018年2月~6月のチャートを見ると、ほぼ下落トレンドとなっています。

マウントゴックス事件の時の価格チャート
CoinMarketCapより抜粋

マウントゴックスの破産管財人である小林氏は、「東京のクジラ」として恐れられ、売却をするたびに相場にとっては重しになるとされてきました。

他にも下落要素がなかったわけではありませんが、このトレンドを見ると、同氏の売却が影響した可能性は否定できないでしょう。

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4. 仮想通貨取引所のハッキングから身を守ろう

この章では、マウントゴックス事件から教訓とすべきこと、投資家としてハッキングリスクを低くする対処方法について解説します。

4-1. 金融庁に登録されている取引所を利用すること

日本の官庁

マウントゴックス事件を通じて、仮想通貨のハッキングリスクの認識が高まりました。

取引所・販売所も事件後はセキュリティ強化を実施するようになりました。安全性の高い取引所を利用することが、ハッキングから身を守ることへの第一歩です。

これから仮想通貨投資をスタートする方は、金融庁に登録された取引所を利用しましょう。登録されているからといってリスクが0になるわけではありませんが、登録されていない取引所よりは安心感があります。

4-2. ハードウェアウォレットを導入すること

ハードウェアウォレット

ぜひ実践したいのが、ハードウェアウォレットの利用です。取引所に通貨を預けっぱなしにするのではなく、個人のウォレットで保管することにより、通貨管理の安全性が高まります。

ハードウェアウォレットはハッキングリスクが低い

ハードウェアウォレットであれば秘密鍵はそのハードウェアにしか記録されず、インターネットから遮断して管理できます。ハッキングリスクが低いのに加え、USBメモリのような大きさで、持ち運びも簡単です。

おすすめのハードウェアウォレットについて詳しく知りたい方は、以下の記事も参照してください。

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まとめ

マウントゴックス事件とは、取引所からハッキングによって多額のビットコインが流出した事件です。現在でも民事裁判手続き中で、債権者への返金は今後実施される予定ですが、いまだ調整中です。

取引所のハッキング自体をユーザーが止める方法はないものの、金融庁に登録された取引所を利用する、ハードウェアウォレットを導入して管理するなどの対処方法を実施しましょう。

少しでもセキュリティの高い方法で取引・管理することが大切です。