
2018年1月26日、仮想通貨の大手取引所・コインチェックのネム(NEM)流出事件が発生しました。
コインチェックに全資産を預けていたとされる芸人の藤崎マーケット・トキさんは、ツイッターにて絶望の意を表明。
コインチェックの仮想通貨が全て盗まれました。貯金すべてなくなりました。仕事ください。 pic.twitter.com/gouDYEUOmw
— 藤崎マーケット・トキ (@fujisakitoki) 2018年1月26日
取引所のセレクトは“覆水盆に返らず”。
思わぬ形で悲劇に見舞われてしまいましたが、そんな彼もかつては仮想通貨で1億円以上の資産を築き上げる“億り人”になれたら――と考えていたのではないでしょうか。
だからこそ、彼なりのコイン眼を発揮してネムに可能性を見出したのだと感じます。
投資対象として仮想通貨を取引している人が目指すこともある、“億り人”とは。
実際に「億」を手にした投資家のSNSやブログを紐解き、そのヒントを集めてみました。
目次
1.ツイッター上にいる“億り人”の生態をアンケートで掘ってみた
“億り人”に近づくには、まずその生態を知ることから。
仮想通貨のエバンジェリストとして活動している大石哲之さんがツイッター上で行ったアンケート結果のなかに、その実像がうっすらと立ち上がっているようです。
1-1.350人中、約30%の“億り人”が5億以上を稼ぐ
アンケートが行われたのは、2017年5月半ば。
大石さんのフォロワー限定で366人が「評価額が1億円以上になった」と答えたそうです。
嘘をついても回答者に得はないため、大石さんは「おそらく実数に近いだろう」とコメントしています。
結果によれば、回答者の28%が当時の1BTC(ビットコイン)=219,000円台という「評価額」で5億以上を稼いだとか。
ビットコインの値動きはこのアンケート以降も続き、2017年12月には1,900,000円台に突入。
もしそのタイミングで利益を確定させていたら、約7.3倍の日本円を手にした計算になります。
でも、彼らの47%は利確せずに仮想通貨のままで保有する“ガチホ”を選ぶ傾向にある様子。
2017年末の急騰、2018年の急落を経て、彼らはビットコインでどのくらいの儲けを出したのか。
大石さんは投資元本がどのくらいであったかも重要と踏んだのか、フォロワーの億り人に問いかけを続けました。
1-2.投資元本200万円ほどで“億り人”になった人が200人超
その結果がこちら。
「我こそ億り人」と申告したフォロワーが366人に対して減ってしまいましたが、341人が投資元本の額について答えてくれました。
結果によれば、回答者の60%……200人超が200万円ほどの資本で投資をスタートしたとのこと。
ここから“億り人”へもたらされたリターンは「50倍以上」ということになります。
出典:ビットコイン研究所
では、彼らはどうやって資産を増やしていったのでしょう。
億り人のアカウントから、手がかりを探してみました。
2.これが“億り人”! ツイッター&ブログで分かる投資スタイル
これから紹介する3人は、いずれも“億り人”。
日ごろからSNSやブログなどで仮想通貨に関する情報発信を数多くしています。
彼らの投資スタイルを覗き見することで、あなたも“億り人”の思考に近づける……かも?
2-1.有名ブロガー「イケダハヤト」さんの3銘柄“ガチホ”術
『まだ仮想通貨持ってないの?』というタイトルのブログを運営している、イケダハヤトさん。
有名ブロガーとして、「イケハヤ」の名も浸透しています。
投資を始めたのは、ビットコインが150,000円台だった2017年1月。
最初は100,000円ほどの元本から始め、2017年中盤には1,000万円を追加投入したそうです。
ブログによれば、コイン銘柄は
- ビットコイン(BTC)
- イーサリアム(ETH)
- ネム(XEM)
の3種が全保有量の80%になるようにしているとか。
さらに、約半年で価値が最大3,000倍ほどに膨れ上がったエックスピー(XP)にも投資をスタートさせました。
そして2018年1月3日。
ネムの急騰によって、資産の時価額が1億円を突破します。
ぐはーーー!! 保育園に娘を送って戻ってきたらXEM214円になってる。。なにこれタイムリープ……? pic.twitter.com/BC9WbIT1J8
— ikehaya | Blockchain (@IHayato) 2018年1月4日
“億り人”の仲間入りを果たしたあとも、投資スタイルは利確せずに長期保有する“ガチホ”。
その理由を、
今、仮想通貨を日本円にしてしまうのは、完全に機会損失になると思うんですよ。
まだまだ市場が伸びるので。
と話しています。
彼の資産がどのような推移を見せるのか、これからも注目です。
“ガチホ”については3章で詳しく説明していきます!
2-2.トークンに分散投資する「トモ@20代億り人」さん
2018年2月現在、24歳のトモさんは会社員。
年末には退職し、不労収入のみで生活する“経済的自由人”になることが当面の目標だそうです。
仮想通貨への投資スタートがいつだったか、過去のツイートをさかのぼっても分からず。
しかし1,500,000円近くを詐欺や高額塾に投じた過去を明かしており、文字通り“身銭を切って”投資の何たるかをつかみ取ってきた方なのではないでしょうか。
ツイッターアカウントのプロフィールによれば、コイン銘柄は
- カルダノ エイダコイン(ADA)
- コムサ(CMS)
をプレセール時から保有。
さらに上場前のコインにも着目し、
- ノアコイン(NOAH)
- ヒュンダイダック(HDAC)
- レンドロイド(LST)
- ワオビット(WWB)
といったトークンにも分散投資をしているようです。
トークンとは仮想通貨の一種で、企業が資金調達のために発行するオリジナルコインを指します。
そして2017年12月16日。
エイダコインが時価45円に急騰したことによって、資産の時価額が1億円を突破します。
エイダコインが40円突破して、億り人になりましたーー!!
ステーキング、プラットフォーム上のビジネス、量子コンピュータ対策、ソフトフォークによる進化、デビットカード、ATM増築、日本の取引所上場(予想)、まだまだ爆上げ材料が後ろに控えているのでホールドですよー!
100円/ADAは通過点!— トモ@20代(元)億り人 (@TomoHappyRich) 2017年12月16日
“億り人”になったあとも、イケダさん同様にトモさんの投資スタイルも“ガチホ”。
一度も利確したことはないそうです。
なんかビットコインを中心にすごーく狼狽売りされているので念のため伝えておくと、ボクは1ADAも利確してません。仮想通貨はこれから実用化されて世の中に浸透される準備段階。それにADAコインは安全性が第三者機関から認められているという圧倒的差別化があるし、保有者は安心して気絶しましょう!
— トモ@20代(元)億り人 (@TomoHappyRich) 2018年2月1日
彼の場合も、仮想通貨の市場に将来性を感じての“ガチホ”だということがわかります。
トークンにどのような投資要素があるかは、3章で紹介していきますね!
2-3.オルトコインに価値を見出す「仮想通貨ごみ投資家ともやん」さん
ビットコインより価格の安いオルトコインに集中投資している、仮想通貨ごみ投資家ともやんさん。
ツイッターのプロフィールで「ごみとはホントには思ってないが」と前置きしているように、オルトコインに価値を見出しているようです。
現アカウントは“億り人”になってから開設したもの。
2017年5月10日に投稿した2ツイート目で「1.7億り人 達成」と発表しました。
元本は1,200,000円ほど。
1.7億り人 達成 GAMEとXRPで#仮想通貨 #ビットコイン
— ✴︎仮想通貨ごみ投資家ともやん (@ptomoyan) 2017年5月10日
税金問題あるけど、元金120万ぐらいだからなあ
— ✴︎仮想通貨ごみ投資家ともやん (@ptomoyan) 2017年5月11日
アカウントのプロフィールによれば、コイン銘柄は
- XRP(通称:リップル)
- GAME(ゲームクレジット)
を中心に取引している模様。
2017年5月24日には5.7億円まで資産を増やしました。
ともやんさんは、オルトコインに着目する理由をこのように答えています。
ビットコインの上昇倍率は、ぜいぜい10倍
アルトコインの上昇倍率は数百倍
億るにはいかにアルトいじりが大切か物語ってる— ✴︎仮想通貨ごみ投資家ともやん (@ptomoyan) 2017年5月27日
3章では、ビットコインに対してオルトコインはどのくらい価格を上げたのか紹介していきます。
ちなみにともやんさんも、億り人になったあとはガチホならぬ“ドホールド”を決め込んでいるようですよ!
XRPとGAMEで昨日は4.8億り人だったけど、今日の下げで4.6億り人
まあ、下げる日もあるよね
でも、ドホールド(*´з`)— ✴︎仮想通貨ごみ投資家ともやん (@ptomoyan) 2017年5月22日
3.“億り人”への近道!? 資産を増やすTIPSまとめてみた
ここまでの章で紹介した“億り人”3人の投資スタイル。
もっと詳しく解説していきますよ!
3-1.決めた価格になるまで売らない! コインの“握力”が試される「ガチホ」
“億り人”になったあと、三者に共通していたのは利確せずに長期保有を選んだこと。
この状態を「がっちりホールドする」などと表現した仮想通貨クラスタが、いつしか“ガチホ”と呼ぶようになりました。
では、いつまで“ガチホ”するか。
「今でしょ!」と鼻息を荒くせず、自分で決めた価格や時期になるまで売りに出さない決意が重要になってきます。
投資したコイン銘柄が激しく値動きをしても、じっと我慢。
このチャートに気を取られることなく、ガチホを継続する忍耐力を“握力”といいます。
■初心者向きといわれる“ガチホ”のメリット&デメリット
なんと言っても“ガチホ”するメリットといえば、
- 値動きのタイミングやチャートを読む力がなくても行うことができる(初心者向き)
- 利確しなければ税金がかからない
- 短期売買ほどチャートに貼りついていなくても行える
など。
多忙な人でも手軽に行える投資法です。
一方で、あまりに放っておくと知らない間に値下がりしていることも。
この状態で仕方なく保有していることを“塩漬け”と呼びますが、そうならないような注意が必要です。
詳しくは以下の記事で紹介していますので、興味がある方は読んでみてくださいね!
3-2.株から学べる「オルトコイン」の値上がりタイミング
「仮想通貨ごみ投資家ともやん」さんが行っていたのは、価格の安いオルトコインへの投資でした。
ビットコインより乱高下が激しいといわれるオルトコイン。
果たしてどのような銘柄を選べば利益につながるのでしょうか?
■パズドラ&モンストで急騰したガンホー&ミクシィ株価の論理を応用せよ
実在する株の銘柄を例に考えてみましょう。
ここにあるのはスマホゲームの「パズル&ドラゴンズ」、通称“パズドラ”を運営するガンホー・オンライン・エンターテイメント社の株価チャートです。
運用スタートは2012年2月(iOS版)と9月(Android版)。
順当にユーザーを増やし、1,000万ダウンロードを実現した2013年に株価が急騰しています。
引用:パズドラ運営サイト
一方、以下はミクシィ社の株価チャート。
SNSのアクティブユーザー減少にともない伸び悩んでいた株価も、“モンスト”の愛称で知られるスマホゲーム『モンスターストライク』が1,000万ダウンロードを記録した2014年に急騰しました。
これらはふだんから情報収集のアンテナを広げ、潮目の変化を敏感に感じ取った投資家が大きな利益を得た事例です。
仮想通貨の銘柄にも同じ論理が適用できるのではないでしょうか?
値動きに関わるコインのニュースやトピックを、他の投資家より先んじてどれだけ早くつかめるか。
これまでは主にコインのバージョンアップといった技術面、また法規制などの社会情勢がヒントになってきました。
どのような話題が値動きにつながるかは、ビットコイン(BTC)とビットコインキャッシュ(BCH)の分裂劇を例にしたこちらの記事でご確認ください!
3-3.企業の資金調達(ICO)を目的とした「トークン」の投資要素
「トモ@20代億り人」さんが行っていた、トークンへの分散投資。
どのような特徴があるのでしょうか。
■上場前に安く購入できる“プレセール”を狙え!
企業が仮想通貨による資金調達(ICO:Initial Coin Offering)を目的として発行するトークン。
仮想通貨との違いを挙げるなら、“既存の”ブロックチェーン技術を活用して生まれたコインであるということ。
対する仮想通貨は、ブロックチェーン技術を“独自で”編み出したもの。
(例)
■仮想通貨
・イーサリアムという“独自の”ブロックチェーン技術を使ったコインが「ETH」
・ネムという“独自の”ブロックチェーン技術を使ったコインが「XEM」
■トークン
・ビットコインのブロックチェーン技術を使って発行された「XCP」(カウンターパーティー)
すでにあるシステムを活用しているため、トークンは低コストでつくることができます。
また発行上限数が定まっている仮想通貨に対して、トークンは発行者が供給量を操作できるのも特徴のひとつ。
これって“株式”に似ていると思いませんか?
とはいえ、トークンの過半数を取得しても経営方針に意見できるわけではありません。
したがって厳密に「株式と同じ」といえませんが、発行元の企業が成長するほどトークンの市場価値は高まります。
「3-2.」でお知らせしたように、ビジネスシーンにおける潮目の変化を感じ取るアンテナのほか、分散投資することでリスク回避にもつながるでしょう。
また上場前のトークンを価格の安い時期に購入できる“プレセール”も人気。
仮想通貨やトークン全般の兆候として、上場が決まった途端に価格が上がる傾向が見られますので、よきタイミングで利確すれば資産を大きく増やすことができるかもしれません!
しかし、日本の仮想通貨交換業者で取引できるオルトコインやトークンは限られています。
そこで登場するのが、海外の仮想通貨取引所。
次の4章で、主要なサービスをいくつか紹介していきます!
4.オルトコインやトークンを青田買い!? 海外の仮想通貨取引所
日本の交換業者が取り扱っていない仮想通貨やトークンを入手するには、海外の取引所に口座を開く必要があります。
しかし、日本語対応やセキュリティ面など検討事項も盛りだくさん。
今回は投資家の間でよく使われている2つの取引所を挙げ、その特徴を簡単に紹介します!
4-1.セキュリティー対策を気にするなら、ビットレックス(BITTREX)
ビットレックス(BITTREX)は、2014年に設立されたアメリカの取引所です。
250種以上のコイン銘柄を取り扱っているほか、セキュリティー対策にも気を配っています。
具体的には、
- 本人確認の徹底
- 二段階認証
- IPアドレス変更の検出
の3点。
「本人確認の徹底」「二段階認証」は日本の仮想通貨取引所でもなじみがある方もいらっしゃると思います。
中でも「IPアドレスの検出」は心強いですね。
これまでログインされていないIPアドレスからのアクセスがあった場合、事前に登録されているメールアドレス宛てにその旨が通知されます。
このメールを経ないとログインできない仕組みになっているため、不正アクセスを防ぐことができるのです。
また「本人確認の徹底」の“程度”によって出金額が制限されるのも特徴のひとつ。
認証がないと、一日あたり約0.25BTCまでしか取り出せません。
個人情報の登録、ならびに電話やショートメッセージ(SMS)による認証を受けると一日あたり約3BTCまで、パスポートなどによる顔写真の認証を受けると一日当たり約100BTCまで取り出せるようになります。
公式:BITTREX
4-2.日本円で直接取引できるクラーケン(kraken)
アメリカ・サンフランシスコで設立されたクラーケン(kraken)。
最大の特徴は、日本円で仮想通貨の売買ができる点です。
海外の取引所では日本円で取引できないケースがほとんど。その場合、
①国内の取引所でビットコインを購入
②海外の取引所に口座を開設し、そのウォレットにビットコインを送金
③②を使用して取引
という流れを踏むことが多く、手間も時間もかかります。
一方、クラーケンであれば“直接”の取引が可能。
サイト自体が日本語に対応しているので、非常に使いやすいのも特徴だといえるでしょう。
とはいえ、扱っているコインは20種弱と少なめ。
「誰も知らない草コインに価値を見出したい!」と考える投資家には物足りないかもしれませんね。
公式:kraken
5.さいごに
“億り人”の生態を明らかにしながら、彼らの投資スタイルに迫ってみました。
■決めた価格になるまで売らない! コインの“握力”が試される「ガチホ」
■株から学べる「オルトコイン」の値上がりタイミング
■企業の資金調達(ICO)を目的とした「トークン」の投資要素
→海外にある仮想通貨取引所に口座を開設している“億り人”が多い
コインの確かな“目利き”が資産を増やすポイントであること、ご理解いただけたでしょうか?
一方で誤った情報に踊らされないよう、“仮想通貨リテラシー”を高めておく必要もあるかと思います。
そんな時に読んでいただきたいのが『Coinpedia(コインペディア)』。
正しく専門的な情報が、あなたの投資ライフを彩りますよ!