
「コインチェックで取り扱いが開始されたQtumは個人でマイニングできる」と言われても、仮想通貨のマイニングなんていまさら勝てないと思っていませんか?
Qtumのマイニングは、普通のパソコンを使った個人でもコインを得られる可能性が十分にあるのです。
そんなQtumのマイニングについて、簡単なしくみから始め方まで詳しく解説していきます。
目次
1. Qtumのマイニングは個人でもできる!
Qtumのマイニングはステーキングと呼ばれ、個人でも報酬を受け取れる可能性がります。ビットコインのように高価なパソコンやマイニングマシン、マイニングプールなども必要としません。
その理由は、QtumのコンセンサスアルゴリズムがPoS(Proof of Stake)だからです。
Qtumのマイニングについて、しくみや条件を詳しく説明していきましょう。
1-1. QtumはPoS(プルーフ・オブ・ステーク)
QtumのコンセンサスアルゴリズムはPoS(Proof of Stake)です。
ビットコインの採用しているPoW(Proof of Work)では「仕事の結果」に対して報酬が支払われますので、パソコンの仕事力である計算能力が必要になります。その結果、マイニングマシンのようなその仕事専門の機器が、より有利になるのです。
PoSでは「仕事の結果」ではなく、「コインを保持している量と時間」に対して報酬が得られるしくみになっています。
そのためPoSで報酬を得るためには、高価なコンピュータではなくQTUMを入手する必要があるのです。
▶【仮想通貨】PoS(Proof Of Stake)とは? PoWとの違い・マイニング方法
1-2. Qtumのマイニングはステーキング
PoSのマイニングはステーキングと呼ばれます。
ステーキング(Staking)という言葉は日本語に訳すと「賭け」になりますが、負けたら賭け金を取られることはありません。どちらかと言えば、当たりが1つだけ入ったくじと考えた方が良いでしょう。
ステーキング参加者に、保持しているQTUMの数と同じ枚数のくじを配られるわけです。
多くのQTUMを持っている人はくじをたくさん配られますのでそれだけ当選確率が高くなりますし、保持枚数が少ない人にもくじは配られますので当選する確率はゼロではありません。
Qtumではありませんが、ステーキングについては以下の記事で詳しく解説していますので、参考にしてください。
ステーキングの流れ
Qtumのステーキングの流れは、以下のような手順になっています。
Qtumステーキングの流れ
- QTUMを一定期間以上保持してステーキング状態にする
- ブロックを生成してステーキングの抽選結果を待つ
- 当選したらブロックをブロックチェーンにつなげて報酬を得て1. へ戻る
- 当選しなければ2. へ戻る
ポイントは1.の「ステーキング状態にする」部分です。
一定期間以上保持してこの状態にしなければくじが配られませんので、ステーキング参加者はQTUMを一定期間以上保持しなければいけません。
また、当選したらステーキング状態ではなくなりますので、また最初から一定期間保持する必要があるわけです。
ステーキングのリスク
QTUMを出金するなどして動かせばステーキング状態にはなりませんし、ステーキング状態だった場合はリセットされます。そのため、ステーキングの参加者はQTUMを持っているだけで使えないのです。
物理的にロックされているわけではありませんが、QTUMを使えば当選確率が下がりますので、保持し続けるインセンティブが働きます。
その結果、ステーキングへ参加することによって機会損失を被る可能性が出てきます。
ボラティリティの大きな仮想通貨では、これはとても大きなリスクと言えるでしょう。ステーキング報酬は、このリスクに対する報酬といって良いかもしれません。
ステーキングの抑止力
不正な行為が行われたコインは暴落します。
ステーキングでは大量にコインを保持しなければ不正な行為は行えません。悪意を持った人が不正な行為をすれば、暴落によって大損することが目に見えているのです。
これがPoSで不正行為が行われない根拠の1つです。
個人でできるけど初期投資は必要
Qtumのマイニングは抽選ですので、個人でも十分なチャンスがあります。
しかしQTUMを持っていなければ参加できませんので、事前にQtumを購入しておかなければいけないわけです。
その枚数は、1.0QTUM以上。1枚だけでも持っていれば、マイニングに参加できるのです。そして当選すれば、4.0QTUMが報酬としてもらえます。
ただし、当選率はQTUMの枚数に比例しますので1枚だけではなかなか難しいでしょう。ある程度の量があった方が良いのは当然のことだと想像できます。
どれくらいの人がQtumのマイニングに参加しているかで違ってきますが、1年に1回程度マイニングに成功したければ55QTUM以上は必要になります。(詳細な計算方法は3章をご覧下さい)
2020年4月2日時点でのQTUMの価格はおおよそ132円/QTUMですので、55枚購入するのに7,260円かかることになります。マイニングマシンや高機能なパソコンの購入ほどではありませんが、QTUM購入という初期投資は必要になるのです。
2. Qtumマイニングの始め方
Qtumのステーキング(マイニング)を始めるための準備や始め方を説明します。
2-1. 事前準備
まずはステーキングのための環境を作りましょう。
ソフトウェアの導入
Qtumのステーキングは公式のデスクトップウォレット「Qtum Core」でしか行えません。事前にインストールしておきましょう。

Qtum Coreのインストール手順については、以下の記事で詳しく解説していますのでご覧ください。
なお、インストールしたあとにブロックチェーンのダウンロードと同期が必要です。
ブロックチェーンのダウンロードには数日かかる場合もありますので、ステーキングに興味のある人は早めにインストールしておくことをおすすめします。
QTUMの購入
ステーキングするためのQTUMを購入しましょう。
1.0QTUMでもあれば、ステーキングにチャレンジすることができますので、それほどコストはかかりません。
国内の取引所ではコインチェックだけしか取り扱っておらず、それ以外は海外の取引所でしか購入できません。安全性と手軽さを考慮すればコインチェックで購入するのが良いのではないでしょうか。
※コインチェックは2020年3月12日からQtumの取り扱いを開始しています。
▶【画像付き解説】コインチェックで口座開設をする手順のまとめ
QTUMの送金(ウォレットへの入金)
インストールしたQtum Coreへ購入したQTUMを送金します。Qtum Coreを起動し、以下の操作でウォレットアドレスを取得して送金しましょう。
Qtum Coreを起動します。
中央右側にある[Receive]ボタンを押すと、ウォレットアドレスのQRコードと文字列が表示されます。文字列の隣にあるボタンでコピーできますので、アドレスを取得してください。
もしくは、メニューの[Window]から[Receiving Address]を選択します。
ウォレットアドレスの一覧が表示されます。
使用するアドレスを選択して、左下の[コピー]ボタンをクリックすれば、ウォレットアドレスを取得できます。
なお、送金してから入金されるまで2分程度かかりますので、気長に待ちましょう。
2-2. マイニング開始!
QTUMを入金できれば、次はQtum Coreでの作業になります。実際には以下の手順を実行します。
QtumCoreでの作業
- 入金したQTUMがステーキング状態になるまで待つ
- (1.が完了するまでに)Qtum Coreのステーキング設定をONにする
- Qtum Coreを実行したままにしておく
ステーキング状態になるまで待つ
QTUMをウォレットに入金してすぐは、ステーキングを始められません。まず、一定期間保持してそのコインをステーキング状態にしなければいけません。
Qtumでは、ウォレットにコインを格納してから500ブロック以上生成されるまで保持することで、コインがステーキング状態になるようになっています。
Qtumのブロック生成時間はおおよそ2分ですので、約17時間放置しておく必要があるということになります。
※この17時間についてはQtum Coreを起動したままにしておく必要がありますので、ご注意ください。
ステーキング状態になっているかどうかは、Qtum Coreの左メニューの一番下に並んでいるアイコンのうち左から2番目にあるステーキングアイコンで確認できます。
ステーキングアイコンの内側が塗りつぶされている状態の場合はステーキングが開始されており、枠線だけになっている場合はステーキングが行われていません。
また、ステーキングアイコンにマウスカーソルをあわせることで、ステーキング状態のQTUMの枚数が確認できます。
ここで表示される情報は、以下のようになっています。
Your Weight | 自分がステーキングしている枚数 |
Network Weight | ネットワーク全体でステーキングされている枚数 |
Expected time to earn reward | 報酬が発生するまでのおおよその時間(日数) |
ステーキング設定とロック状態の確認
Qtum Coreのステーキング設定は初期設定でONになっているはずですが、念のため確認しておきましょう。
左メニューの[Stake]を選択します。
右上にあるトグルスイッチが右側で青くなっていれば、ステーキング設定はONです。
このスイッチが左で灰色になっているとステーキング設定がOFFですので、コインがステーキング状態になってもステーキングは始まりません。
なお、左下のアイコンの一番右が次のように暗号化状態の場合は、ロック解除しておかなければステーキングを開始できません。
メニューの[Settings]-[Unlock Wallet]から、ロック解除します。
パスフレーズの入力画面の下にある[For Staking only]のチェックボックスはそのままでステーキング用のロック解除を行います。
念のため、マウスカーソルをアイコンに当てて、ロック解除状態であることを確認しておきましょう。
こうすることで、送金や秘密鍵を操作するコマンドにはパスフレーズが必要な安全な状態のまま、ステーキングを行うことができるようになります。
Qtum Coreを実行したままにしておく
ステーキングはQtum Coreの実行中にだけ有効になっています。
そのため、ステーキングを行っているパソコンは24時間365日起動したままQtum Coreを実行し続けておかなければいけません。
ステーキングに勝利したら?
当選してステーキングに勝利するとブロックをブロックチェーンにつなげることができ、4.0QTUMが固定報酬として配布されます。(2020年3月時点)
ただし、最初に配布されるのは0.4QTUMのステーキング報酬と手数料だけです。残りの3.6QTUMについては、その後にブロックチェーンにブロックをつなげるたびに0.4QMUTずつ配布されるようになっています。
なお、ステーキングに勝利するとそのウォレットアドレスのコインはステーキング状態から解除され、再度ステーキングに参加するには、改めて500ブロックの間保持し続けなければいけません
3. Qtumマイニングは儲かるの?
QtumのマイニングはQTUMを保持しておくだけで配当を受けることができますが、ただ持っているだけだから何も考えなくても儲かると考えるのは安易すぎます。
実際にどれくらい儲けられるのかを知り、確実に儲けが出るような工夫をしなければ、投資ではないのです。始めただけで「じつは損をし続けていた」というのでは意味がないでしょう。
保持している量による
1度のステーキングで得られる報酬は最大で4.0QTUM(+手数料)ですが、確実に4.0QTUMもらえる保証はありません。
ステーキング状態にしておくQTUMの量がそのまま勝率になりますので、初期投資が少なければ長期間待ってもぜんぜん当選しないという可能性も十分にあるのです。
ただしランダムな抽選ですので、保持量が少ないから絶対に当選しないわけではありません。
そのため、自分が持っているQTUMでどの程度の確率で当選するのかを計算し、そこから増資するか待つかを判断しなければいけません。
初期投資と必要経費を考慮して
Qtumのステーキング報酬を概算でも計算できると、儲けられそうな気になります。
しかし儲けというのは売り上げから経費を引いた結果ですので、きちんと計算しておかなければいけません。Qtumのステーキングの経費は、主にパソコンの電気代でしょう。
今のパソコンの電気代はノートパソコンで1ヶ月500円程度ですので、電気代は年間で6,000円くらいになります。2020年3月時点でQTUMの価格は240円/QTUMです。
つまり、年間25QTUM以上の報酬を得られなければ赤字になります。
また、最初に購入したステーキング用のQTUMの購入資金を回収しなければ、実際の利益にはなりません。
最低限、次の2点を意識して儲けられるかどうかを考えなければいけないわけです。
- ステーキングするQTUMの購入費用(初期投資)
- パソコンの電気代(必要経費)
※初期投資については、パソコンは環境なども考慮する必要がある場合もあるでしょう
得られるステーキング報酬を計算してみる
1回のステーキングで報酬を得られる確率は、以下の式で計算できます。
ステーキングの当選率=Your Weight÷Network Weight
ブロック生成ごとにステーキングが行われますので、この式に1年間で生成されるブロックの数を掛ければ、1年間ステーキングを行って当選する確率が求められます。
確率の問題
「なんどくじを繰り返しても、1回の当選確率は変わらないはず」という反論もあるかもしれませんが、当選確率が変わらないのは当選した人が次のくじにも参加できる場合です。
PoSではステーキングに成功したあとはしばらくの間ステーキングに参加できなくなりますので、回数を繰り返せば他の人の勝率が上がるのです。ただし、厳密には新規参入者がありますので実際の当選確率はそれほど単純ではありません。
Your WeightとNetwork Weightは、Qtum Core左メニューのフラッシュアイコンにマウスカーソルをあわせると表示されますし、Network Weightだけであれば、左メニューの[Stake]から確認可能です。
勝率の式を使って、1,000QTUMをステーキングした場合の年間の報酬を概算してみましょう。
Network Weightは、14,649,457QTUMになっています。ブロック生成時間を2分とすると、1年間の勝率は次のようになります。
(1,000QMUT÷14,649,457QTUM)×((60分÷2分)×24時間×365日)
=17.9
あくまでも概算ですが、1年間1,000QTUMのステーキングを行えば、18回程度は勝利することができそうです。
結果、1年間1,000QTUMのステーキングで得られる報酬は18×4.0=72QTUM以上になります。
ステーキング報酬以外にも報酬はある
Qtum Coreを利用することで、ステーキング報酬以外にも報酬を得られることがあります。
- 送金手数料
ブロック生成しますので、ブロックに含まれた取引の送金手数料を得ることができます。 - QtumGalaxy
これはQtumの公式サイトから申し込めば適用されるキャンペーンです。申し込んでステーキングをしているだけで、抽選でQTUMの配当を受けられる可能性があります。
まとめ
コインチェックで取り扱いが開始されるQtumは、売買による利益だけではなくマイニング報酬も狙える仮想通貨です。
ただし、事前準備もなしに始めてしまうと、思わぬ損失を受ける可能性もありますので、しっかりと調べて準備を進めておきましょう。
- QtumはPoSのため、マイニングに高価なパソコンや専用マシンは不要
- PoSのマイニングはステーキングと呼ぶ
- Qtumのマイニングは、QTUMを保持するだけで良い
- Qtumのマイニングをするには、公式のデスクトップウォレットが必要
- Qtumのマイニングをするには、事前にQTUMを購入しておかなければいけない
- QTUMを多く保持している人ほど、マイニングに成功しやすい
コインチェックが取り扱いを開始したため、QTUMの入手は容易になります。Qtumステーキングに興味がある人は、早めに準備をしておきましょう。
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