
RSIは買われ過ぎや売られ過ぎを示す指標のことです。うまく活用することで、仮想通貨取引にも役立てることができます。
今回の記事では、RSIの概要、見方や使い方、計算方法から利益を出すコツまで、実際のチャート画像を使い初心者向けにわかりやすく解説していきます。(コインペディアでは、外資系戦略コンサルタント出身の、現役トレーダーによる相場戦略を公開しています。)
目次
1. RSIとは?

概要 | 買われ過ぎや売られ過ぎを示す指標 |
RSIからわかること | 買いや売りのタイミング 相場が強気なのか弱気なのか |
RSIの売買時の使い方 | RSIが20〜30で買い RSIが70〜80で売り |
どんな人に向いている? | テクニカル分析の初心者 |
この項目では、RSIの全体的な概要、見方・使い方などを確認していきます。
1-1. 買われ過ぎや売られ過ぎがわかる
RSIとは、0〜100の数値で表される、買われ過ぎや売られ過ぎを表す指標のことです。アメリカ人のJ.W.ワイルダー氏が考案した指標で、株やFXの世界でも長年にわたって利用されてきました。
また、RSIは相場が強気なのか弱気なのか判断する時にもよく利用されます。
1-2. RSIの計算方法
RSIの計算式を確認していきます。
ここでは、以下のような定義を定めます。
X=計測日数
Y=X日間の平均値上がり幅
Z=X日間の平均値下がり幅
これを基にした、RSIの初日の計算式は以下のようになります。
Y ÷ (Y+Z) × 100
RSIの計算例
計算例として、以下のような条件を想定してみます。
X=3日(計測日数)
Y=100円(X日間の平均値上がり幅)
Z=150円(X日間の平均値下がり幅)
これを計算式に当てはめると、以下のようになります。
100円÷ (100円+150円) × 100 = 40
つまり、このタイミングでのRSIは「40」となります。
1-3. RSIの見方・使い方
RSIは0〜100の数値を基に、主に以下の2つの情報を読み取ることが可能です。
①RSIが70〜80を上回った時・・・相場は強気であり、買われ過ぎの状態
②RSIが20〜30を下回った時・・・相場は弱気であり、売られ過ぎの状態
それぞれの具体例を、実際のチャート画像で確認してみましょう。
①RSIが70〜80を上回った時
下記の画像は、BTC/USDの日足チャートです。

チャート画像左側では、5月半ばと6月下旬頃にRSIが70〜80を上回っており、相場は強気、なおかつ買われ過ぎの状態であることがわかります。また、それぞれ2つのタイミングで、買われ過ぎたためか、価格が反発して下落していますね。
一般的には、RSIが買われ過ぎを示したタイミングでは、下落方向へ価格が反発する傾向があります。
②RSIが20〜30を下回った時
これに対して、チャートの右側では9月末頃と11月下旬頃にRSIが20〜30を下回っており、相場は弱気、なおかつ売られ過ぎの状態であることを示しています。

また、それぞれ2つのタイミングで、売られ過ぎたせいか、その後に価格が上昇していますね。一般的には、RSIが売られ過ぎを示したタイミングでは、上昇方向へ価格が反発する傾向があります。
このように、RSIは0〜100の数値を使い、相場の強弱や過熱感を読み取り、その後の価格予想などに活用することができます。
期間の設定方法
RSIの期間の設定に、明確な決まりはありません。しかし考案者であるワイルダー氏は「14日」で設定することが適切だとしています。
その他には日足で、9日、22日、42日、52日なども利用され、期間が長いほど長期的な流れを示す傾向があります。
ただし、使い方も難しくなるので、初心者の方はオーソドックスな「14日」で利用することをおすすめします。「14日」は多くの投資家が利用している期間のため、売買の目安として活用されやすいことも、その理由です。
2. RSIで利益を出すコツ
ここからは、RSIで利益を出すコツについて確認していきます。
2-1. シグナル発生時に売買する
RSIで利益を出すコツの1つとして、RSIが70〜80(買われ過ぎ)や20〜30(売られ過ぎ)のシグナルが出た時に売買をする手法が挙げられます。なぜなら、こうしたシグナルが出た時には、価格が反発する傾向があるからです。
たとえば、下記のビットコインのチャート画像では、RSIが30を下回ってから価格が反発して上昇しています。

このタイミングでビットコインを買っていれば、その後の上昇にうまく乗れたことになります。
また、下記のビットコインのチャート画像では、RSIが70を超えたタイミングから、価格が反発して下落しています。

価格の下落が予想できるため、このタイミングでビットコインを保有していれば、売り決済をする1つの目安として活用することができます。
このように、シグナルが出たタイミングで売買をすることで、より効率的なトレードができ、利益を狙いやすくなります。
2-2. トレンド転換を見極めて利益を狙う
RSIを使ってトレンド転換を見極めることも、利益を狙うコツの1つです。トレンド転換が起こりやすいのが、価格の動きとRSIの動きが逆になるダイバージェンスという現象が発生した時です。
上記はダイバージェンスの形を示した図です。
左側は強気転換を示していますが、価格は下落しているのに対して、RSIは上昇していますね。この形が出た場合には、上昇トレンドが発生する可能性が高くなります。
また、右側は弱気転換を示していますが、価格は上昇しているのに対して、RSIは下落しています。この形が出現した場合には、下落トレンドが発生する可能性が高くなります。
強気転換であれば買いで入り、弱気転換であれば売りや決済を行うことで、効率的に利益を狙うことが可能です。
強気転換のチャート例

上記の画像は、ビットコインの日足チャートです。9月23日頃にRSIは最も低い値を付けていますが、その後は上昇傾向にあることがわかります。
いっぽうで、価格は10月21日頃に底値を更新して下落している状態なので、強気転換のダイバージェンスが発生しています。実際に、その後の価格は急激に上昇へ転換しています。
弱気転換のチャート例

上記の画像は、ビットコインの日足チャートです。RSIは5月頃から6月に向けて徐々に下落していますが、価格はそれに反して上昇傾向にありますね。
つまり、弱気転換のダイバージェンスが発生していることになります。
実際に、チャートもその後下落しているので、ビットコインを保有している場合は売りのタイミングの目安となります。
3. RSIと組み合わせて活用したい指標
ここからは、RSIと組み合わせて活用したい、その他の指標を紹介していきます。
3-1. ボリンジャーバンド
ボリンジャーバンドは、移動平均線を基準として、どれくらいの価格帯まで値動きが起こるかを予測する指標です。価格がボリンジャーバンドを下抜けすると上に、上抜けすると下に反発する可能性が高くなります。
実際に使っているところを見た方がわかりやすいので、下記のチャートをご覧ください。

水色で囲われたところが、ボリンジャーバンドです。チャート中央では、ボリンジャーバンドを価格が下抜けしており、なおかつRSIも30を下回り売られ過ぎの水準に達しています。
つまり、価格が反発しやすい状況となっていることがわかり、実際にその後の価格は上昇に転じています。
このように、RSIだけでなくボリンジャーバンドを組み合わせることで、価格予想の根拠をさらに増やすことができるのです。
3-2. フィボナッチ・リトレースメント
フィボナッチ・リトレースメントは、発生したトレンドの始点から終点に線を引き、どれくらいの水準まで買いや売りが入るかを予想する指標です。主に利用する数値は、0.236、0.382、0.5、0.618、0.786の5つです。
実際に使っているところを見た方がわかりやすいので、下記のチャートをご覧ください。

RSIが30を少し下回ったタイミングで、ちょうどフィボナッチでも0.618の水準付近となっています。
つまり、RSIでは売られ過ぎのシグナルが出ており、なおかつフィボナッチでも戻り売りの目安となる水準に達している状態なので、価格が反発する可能性が高いと考えられます。
このように、RSIに加えてフィボナッチを使うことで、その後の価格予想の根拠を増やすことができるのです。
まとめ
以上、RSIについて解説してきました。今回の記事のポイントを、あらためてまとめておきましょう。
- RSIは買われ過ぎや売られ過ぎなど、相場の強弱を表した指標のこと
- 70〜80を上回ると買われ過ぎ、20〜30を下回ると売られ過ぎとなる
- ダイバージェンス出現時には、トレンド転換の可能性が高い
- ボリジャーバンドやフィボナッチを使うことで、RSIの信頼性をさらに高められる
RSIを使うことで、トレードにおける売買の根拠を持つことができます。初心者でも比較的使いやすいので、ぜひ活用してみましょう。