9ページの論文からビットコインが誕生!考案者サトシ・ナカモトとは

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ビットコイン最大の謎ともいわれるサトシ・ナカモトの正体……。アナタはどのような人物だと思いますか?

サトシ・ナカモトの正体は、ビットコインの稼働から10年経とうとする現在も明らかになっていません。間違いない情報は、彼が発表したわずか9ページの論文からビットコインが生まれたということ。

これまでも京大教授で数学者の望月新一氏、アメリカ在住のエンジニアであるドリアン・サトシ・ナカモト氏といった人物が、サトシ・ナカモトではないかと報道されてきましたが、彼らは否定しています。世界中の報道陣やハッカーが正体を暴こうとしても、サトシ・ナカモトにはたどり着いていません。

一体どのような人物なのか――謎は明らかになってないのです。最近ではサトシ・ナカモトの正体が人間ではないという噂もありました。

この記事では、サトシ・ナカモトの正体をリサーチ。彼が何を行った人物か解説します。ぜひ参考にしてください。

1. サトシ・ナカモトの正体、ビットコインの謎

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ビットコインは、サトシ・ナカモトという人物が公開した論文を基につくられました。その論文は現在ビットコインの公式Webサイトで公開されています。

サトシ・ナカモトが公開した論文はわずか9ページ。短い論文でしたか、目にした人々は彼が考案した画期的な仕組みに注目し、エンジニアたちが協力するかたちで初期のビットコインシステムが開発されました。

しかし、このサトシ・ナカモトという人物。論文が公開されて10年が経とうとする2018年3月現在も正体は明らかになっていません。日本人のような名前ですが国籍も不明。ビットコインの開発は、すべてメールのやり取りだけで行われたといわれています。

そしてビットコインへの注目が高まると同じように、サトシ・ナカモトの正体についても関心が集まるようになりました。

1-1. サトシ・ナカモトが論文発表からコミュニティを去るまで

サトシ・ナカモトについて明らかになっている情報もいくつかあります。

2008年

論文「P2P電子マネーシステム」を公開

2009年

ビットコインの運用を開始

2010年

コミュニティを去る

2008年111(※)、サトシ・ナカモトは暗号に関するメーリングリスト「Bitcoin: A Peer-to-Peer Electronic Cash System」という論文を発表しました。これがビットコインの原論文(ホワイトペーパー)といわれるものです
(※)日本時刻では11月1日、アメリカ時刻では10月31日です。

2009年にはエンジニアたちの協力のもと、ビットコインのソフトウェアが完成。運用がスタートしました。初めてビットコインを譲渡されたのは、暗号化研究者のハル・フィニー氏。サトシ・ナカモトから100BTCが贈られたそうです。

2010年には最初の取引が成立。それまではゲームで使う通貨のように扱われていたビットコインでしたが、現実世界のモノと交換されました。初めてビットコインと交換されたのは2枚のピザ。その後、初取引が行われた522日は「ビットコイン・ピザデー」として祝われています。

このような盛り上がりを見せるなか、サトシ・ナカモトはコミュニティを抜けることに。自身の身元を明かすことなく、コミュニティのメインメンバーにビットコインの管理や運営を譲り去ってしまいました。

1-2. 真相はどれだ!サトシ・ナカモトはグループ?or人工知能?

サトシ・ナカモトはビットコインの仕組みを考案したにも関わらず、正体を明かさない謎の人物。これまで、さまざまな人があげられてきました。

ここではサトシ・ナカモトの正体として有力といわれている人物と、嘘か真かわからない都市伝説を紹介します。

サトシ・ナカモトは一人ではない!?

サトシ・ナカモトという名前は個人名に聞こえますが、何人かが集まったグループという説があります。なかでも有力とされている説が、オーストラリア人のクレイグ・スティーブン・ライト氏と、その友人のデイブ・クレイマン氏をはじめとするグループ。

この説のきっかけとなったのは、2015年にアメリカで行われた協議会です。Skype経由でライト氏が、自分がサトシ・ナカモトの正体であると発言したことから始まりました。信じる人は少なかったようですが、一部の人は真相を突き止めるため証拠を集めたようです。

その結果、彼が一番サトシ・ナカモトに近い人物といわれるようになりました。なかでも決め手となった証拠が、初めてビットコインが譲渡された時のトランザクション(※)の電子署名。
(※)トランザクションとは、送金の際にブロックチェーンに記録されるデータのこと。

ライト氏がサトシ・ナカモトであることの証明として提出した電子署名を、ビットコインの関係者たちが検証。するとハル・フィニー氏に100BTCを譲渡した、サトシ・ナカモトしか知りえない情報ということが判明したのです。

ほかにもライト氏がサトシ・ナカモトの正体とされる情報として、

  • 論文公開の3ヵ月前に、彼のブログで仮想通貨に関する内容を公開していた
  • 「ビットコインが明日から稼働する」といった内容のブログを、実際の稼働日前日に公開しすぐ削除していた
  • ライト氏とサトシ・ナカモトの性格(メールでの雰囲気など)が似ていると、実際にメールをしていた人物が言っている
  • 彼のブログデータを調査すると、サトシ・ナカモトと非常に類似したメールアドレスが使われていた

といった話があります。

ちなみにライト氏とサトシ・ナカモトが使用していたメールアドレスは以下のもの。

ライト氏がブログで使用していたメールアドレス

satoshin@vistomail.com

サトシ・ナカモトが論文を公開する時に使用していたメールアドレス

satoshi@vistomail.com

 

参考:WIRED

よく類似していますよね。

ライト氏は、クレイマン氏が論文の主筆を行ったと述べているようです。有力な証拠とされたトランザクションの検証は署名部分のみ。ライト氏がサトシ・ナカモトの正体と確定するには、不十分という声もあります。

都市伝説的存在!? サトシ・ナカモトAI説

サトシ・ナカモトは、人ではなく人工知能(AI)ではないか――という話があります。この説は、YouTubeチャンネルのUFO todayが動画で発信。

動画の解説では、以下のような内容が取り上げられています。

2011年、インターネットセキュリティ研究者のダン・カミンスキー氏が、ビットコインのシステムに大きな欠点を発見したとしました。彼はセキュリティレベルの調査のため、侵入テストを行う仕事をしています。そのためハッキングに関する知識は豊富。ハッカーの間でも有名な人物だそうです。

カミンスキー氏は発見した欠点を基に、ビットコインのシステムを破る9つの方法を考案。実際にその方法でシステムへ攻撃を仕掛けてみました。

するとシステムによって、攻撃がすべて弾かれたのです。経験豊富なカミンスキー氏も、このようなシステムに遭遇したのは初めてとのこと。ビットコインのコードを作成した人物は、あらゆる攻撃を想定し対策をしていたようでした。

しかし人がつくったもので、完ぺきなシステムは存在しないと考えられています。熟練したエンジニアチームが作ったシステムでも、どこかに攻撃される隙があってもおかしくありません。

限りなく完ぺきなシステムの構築は、人間業ではない――。そこで高度なAIによってビットコインのコードが作成されたのではないかという可能性が考え始められたようです。

2. 論文を基にビットコインが誕生!サトシ・ナカモトの功績

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AI説まで飛び出すほど、完ぺきといわれるシステムを考案したサトシ・ナカモト。彼が発表した論文とは、どのようなものだったのでしょうか。

2-1. 今までなかった! 第三者を介さないP2P電子マネーシステム

サトシ・ナカモトは9ページしかない論文のなかで、新しいデジタル通貨の仕組みを解説しました。論文には、ビットコインの目的も書かれています。

ホワイトペーパーのタイトルを日本語にすると「ビットコイン:P2P電子マネーシステム」。P2P(ピア・ツー・ピア)は英語で「Peer to Peer」と表現され、「対等なもの同士の間の」という意味です。

サトシ・ナカモトは、当時のインターネット上で行う決済に弱みがあると感じていました。それは、

  • 銀行などの信頼できる第三者機関が間に入らないと取引ができない
  • 仲介業者への手数料があるため、少額の取引がしづらい

ということです。

そこでそれらの弱みを取り除いた通貨、ビットコインを提案。以下の技術の組み合わせで、銀行などの仲介機関を必要としない仕組みを考案したのです。

ビットコインに使われる技術

  • P2Pネットワーク

  • ブロックチェーン

  • プルーフ・オブ・ワーク(PoW

P2Pネットワークとは対等な立場のコンピュータ同士が、直接やり取りをするネットワーク通信のこと。LINESkypeにもP2Pネットワークが使われています。

ブロックチェーンは、取引履歴を記録する台帳のようなもの。ブロックには直前のブロックの情報と、新しい取引記録などが記録されています。

関連記事:世界を変えるブロックチェーンの仕組みのやさしい概要

プルーフ・オブ・ワークはブロックチェーンを生成する仕組みです。暗号技術を組み込んだブロックの生成方法と、取引記録の承認のやり方を論文内で解説しています。

関連記事:【図解】ビットコイン取引を支えるプルーフオブワークを丸裸にする!

これらの提案では、今までなかった決済の可能性が見えてきました。それは顔も名前も知らない相手でも、第三者機関を介さずインターネット上で取引できる可能性。サトシ・ナカモトは今までにあった技術を組み合わせて、新しい決済システムを提案したのです。

2-2. 非中央集権の通貨が欲しい!サトシ・ナカモトの想い

サトシ・ナカモトがビットコインをつくった目的は、非中央集権の通貨が欲しかったからとされています。

日本円や米ドルといった法定通貨は、発行している国が中央となり管理している中央集権型の通貨。一方のビットコインは、発行している国や管理者が存在しない非中央集権型の通貨です。

中央集権型の通貨では、インターネット上で取引を行う際、第三者機関に個人情報を登録しなければなりません。銀行やクレジットカード会社に申し込む時に提出しますよね。また第三者機関を介することで、コストもかかります。送金の際は送金額+手数料といった形で支払うため、少額な取引が行いづらい環境です。

サトシ・ナカモトは、こういった中央集権型の取引方法に不満を感じていたのかもしれません。

ビットコインは中央が存在しなくても正常に取引を実行でき、個人情報も明かさずにすむシステムです。特定の誰かに管理させるのではなく誰もが運営に携われる、オープンでプライバシーが守られた通貨。

非中央集権型の通貨を生み出したいという思いは、ビットコインの仕組みを考案したにも関わらず正体を明かさなかった、彼らしさなのかもしれません。

2-3. 初めての仮想通貨 “ビットコイン” が誕生

サトシ・ナカモトが論文を公開してから約2ヵ月後の20091月に、初めての仮想通貨 “ビットコイン” が稼働しました。当初はサトシ・ナカモトもソフトウェア開発に参加していたようです。

ビットコインは2010年にサトシ・ナカモトが抜けてからも、勢いが衰えることなく動き続けました。そして2018313日現在、ビットコインの価格は1BTCあたり100万円ほどの価値を付けています。

またビットコインのシステムを改良して、イーサリアムやXRP(通称:リップル)といった新しい仮想通貨が生まれました。しかし現在、一度でもビットコインの価値を超えたオルトコイン(アルトコイン)は存在しません。ビットコインがユーザーに支持されている証かもしれませんね。これからもビットコインが注目される見込みは十分あるといえるのではないでしょうか。

3. 総供給量の約5%、100BTCを持ってコミュニティを去る

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サトシ・ナカモトはビットコインのコミュニティを抜けた時点で、100BTCを持っていたとされています。ビットコインの発行枚数の上限は2,100BTC。今も100万BTCを持っているとすれば、サトシ・ナカモトだけで総供給量の約5%を占めていることになります。

3-1. 保有したままなら長者番付トップクラスに入る資産額

100万BTCは、2018313日現在の価格で1兆円ほどの価値。それだけの資産額なら日本長者番付2017でいうと、ECサイトやクレジットカード業などを営む大手企業の社長を抜き、トップ5に入ります。ビットコイン価格が高騰した201712月の価格なら、100BTC2兆越え。ラインキングトップの大手通信会社社長と、ほぼ肩を並べます。

もしサトシ・ナカモトが100BTCを保有したままなら、トップクラスの資産家となりそうです。

参考:Forbes

3-2. 100万BTCを売却したら価格暴落の恐れ

サトシ・ナカモトが100BTCを一気に売却すれば、ビットコイン価格が暴落するかもしれません。

取引市場は、売りたい量と買いたい量のバランスによって価値が決まります。買いの需要が多いのに売りが少ない時は、希少価値が付き価格が上昇するでしょう。オークションでも購入希望者が多い商品は、価格がどんどん上がっていきますよね。

反対に売りの需要が多いのに買いが少なければ、価値は下がると考えられます。売りがたくさんある時は、安いものから買われていく傾向。売り手は売却価格を安く設定しなければ買ってもらえないため、価格を下げます。そうして価値が下がっていくメカニズムと考えられます。

ではサトシ・ナカモトが一気に100BTCを売却すると、ビットコインの市場はどうなるのでしょうか。マーケットは、買いよりも売りの需要が圧倒的に多くなります。売り手は「安くてもいいから買ってもらいたい」、買い手は「安くないなら買いたくない」という状況になるでしょう。

その結果、価格暴落につながるのではないか――と予想されるのです。

アメリカの大学教授マット・グリーン氏は、サトシ・ナカモトが持つ100BTCについて、「いつでも市場を溢れさせることができる」と述べています。つまりいつでも売りの多い市場にできるということ。こうした危惧はありますが、自分で生み出したものを壊すことはしないのではないでしょうか?

サトシ・ナカモトがいまだ100BTCを持っているのか、いないのか――。これも明らかになっていません。

参考:CNBC

まとめ

サトシ・ナカモトについて紹介してきました。この記事のまとめは、以下の通りです。

サトシ・ナカモトの正体

  • クレイグ・スティーブン・ライト氏とデイブ・クレイマン氏らのグループ説
  • 人工知能のAI
  • などの噂があるが、まだ明らかになっていない。

サトシ・ナカモトの論文

  • 暗号に関するメーリングリストで発表された

  • タイトルは「Bitcoin: A Peer-to-Peer Electronic Cash System

  • P2Pネットワーク、ブロックチェーン、プルーフ・オブ・ワークを使った決済方法を考案

  • ビットコインを提案し、論文公開の2ヵ月後に稼働を始める

サトシ・ナカモトのビットコイン保有量

  • コミュニティを退会する時、100万BTCを持っていた

  • 100万BTCは総供給量の約5%

  • 100万BTCを一気に売却すれば、価格暴落が起きる恐れがある

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