
「草コインで一攫千金」と考えて草コインや取引所を探していますか?
草コインで大成功することは、絶対に不可能というわけではありません。しかし、成功するためにはしっかりとした勉強とリサーチ、それにリスクに対する備えが必要になるのです。
今回は、草コインへの投資を考えている人へ向けて、草コインとは何かから、投資するために最低限必要なこと、取引所や買い方まで説明します。
目次
1. 草コインとは?
「草コイン」という名前の仮想通貨は存在しません。それでは草コインとは一体何なのでしょうか。
1-1. 草コインの特徴
草コインというのは、誰にも相手にされずまったく価値がない仮想通貨全般のことです。基本的に生まれたばかりの仮想通貨はすべてそうですが、その中でも取引所に上場されているものを草コインと呼びます。
あまりにも価値がなさすぎて笑えるほど安い(ww=草が生える)仮想通貨という意味のネットスラングから生まれた言葉と言われています。英語では「Shit coin」と呼ばれています。
ビットコインやイーサリアム、ライトコインなどメジャーコインと呼ばれる仮想通貨も、登場時は草コインでした。
価格が安く高騰する夢がある
草コインは1円にも満たない格安の金額で取引されていることが多く、投資へのハードルが低く感じ、思い切ったチャレンジをしやすくなります。少額で大量に買ったり複数種の草コインに並行投資したりしても、それほどお金はかかりません。
なにより価格が安ければもしも高騰した場合、価格が100倍や1000倍になるかもしれないという夢があるのです。
数分後に価値がゼロになることも
ただし、1万円分買った草コインが数分後に価値ゼロになっていることも珍しくありません。
コインを欲しがる人がいないということは、持っている人はみんな売りたいので取引になりません。いつまでも取引ができなければ、流動性のない仮想通貨として取引所から上場廃止される結末になります。そうなれば処分するチャンスすらなくなります。
もしそのまま開発が止まってしまえば再度上場することは不可能でしょうから、その草コインは実質的に終わりです。価格が安くて買いやすい草コインには、価値がゼロになるだけではなくその草コインの存在自体がなくなるリスクがあるのです。
知名度がない
生まれたばかりの仮想通貨は誰も知りませんので、知名度が低いのは当然です。
開発元が有名企業だったり広告に力を入れたりしていれば、注目されることもあります。しかしほとんどの開発元は知名度が高くありませんし、広告費は最低限にされることが多いのです。
そのため、草コインを見つけるためには自分から情報を集めなければいけません。
信用度が低い
開発元の知名度にもつながりますが、草コインには信用に値するものがありません。
ホワイトペーパーやSNSの情報を吟味し、開発元の企業や団体がどんなことをしているのかを自分で調べなければいけません。
草コインを購入するには、しっかり調査したうえで信じられるかどうか自分で判断する以外にないのです。
1-2. 草コインは儲かるの?
結論から言うと、草コインは「運が良ければ儲かるが、儲からない確率の方が高い」です。
草コインのボラティリティは非常に高いですが、高騰することは稀なのです。実際ほとんどの草コインは鳴かず飛ばずのまま消滅するか、1度高騰した後暴落しそのままフェードアウトしています。
草コインのホワイトペーパーを読み、「理念に共感して募金をする」または「友人に口約束でお金を貸す」感覚で購入する方が良いかもしれません。
1-3. リスクは高い
草コインのほとんどは、ビットコインやイーサリアムのような価格になることはほぼありません。「価格が上がる」だけでも奇跡的と言えるほどなのです。
それだけでも十分なリスクですが、他にも次のようなリスクがあります。
草コインのリスク
- 流動性が低い
- 開発の中断
- 詐欺コイン
流動性が低い
草コインの特徴の1つはユーザー数が少ないゆえに流動性が低いということです。
流動性が低いというのは取引が成立しにくいということですので、仮に値段が上がってもすぐに売れないという問題があります。
ユーザーが少ないと価格の変動が大きくなりますので、売れないとぐずぐずしているうちにすぐ暴落してしまうことも少なくありません。
開発の中断
草コインの開発者が個人の場合、モチベーションが続かずに開発中断するケースもあります。
企業や団体の場合でも、技術力不足や人不足などで計画が頓挫することは珍しいことではありません。価格が上がらないため経営方針が変更されて、開発が中断することもあるでしょう。
開発が中断された草コインに投資する人はいません。そうなれば手放すことができなくなるのも時間の問題です。
詐欺コイン
草コインのすべてが、何らかの理念を達成するためにまじめに開発されているわけではありません。残念なことに「お金を集める」ためだけにきれいごとを発信している詐欺コインも数多く存在しているのです。
詐欺師と開発者が結託して、煽り広告で投資金を集めたところで開発を中断するという悪質な詐欺も数多くあります。
2. 草コインの買い方
そんな草コインを購入するには、国内の取引所だけでなく海外の取引所を利用しなければいけません。簡単な手順を紹介しましょう。
草コインを買うための手順
草コインを買うための具体的な手順を簡単に整理しておきましょう。
手順1.目的の草コインが買える海外取引所の基準通貨を確認する
まずは、自分が購入しようとしている草コインがどの通貨で購入できるのかを確認します。
海外の取引所では日本円が使えませんし、ドルやユーロなどその他の法定通貨が使えないことも珍しくありません。
多くの取引所では、ビットコインやイーサリアムなどを基準通貨として草コインを売買しています。
手順2.国内の取引所で基準通貨を購入する
国内の取引所で、手順1で調べた基準通貨を必要な枚数購入します。購入金額だけではなく、送金手数料・取引手数料などの手数料を考慮して購入するようにしましょう。
手順3.国内の取引所から海外の取引所へ購入した基準通貨を送金する
購入した基準通貨を国内の取引所から海外の取引所へ送金します。
送金先アドレスの調べ方は取引所ごとに違いますので、必ず調べてから送金するようにしましょう。
そして送金手数料がかかりますので注意してください。
▶手数料が違う! 取引所から取引所へのビットコイン移動は送金でOK
手順4.海外の取引所で目的の草コインを購入する
海外の取引所で入金が確認できたら、目的の草コインを購入しましょう。ほとんどの場合、取引板を使い購入することになります。
取引板は流動性がそれほど高くないので目的の金額で購入できる保証はありませんが、もともと安値の草コインですので、多少希望金額から外れたとしてもは気にせずに購入して良いと思います。
最後に、購入した草コインを海外の取引所に置きっぱなしにするのはセキュリティ上のリスクと言えます。可能であれば、ハードウェアウォレットなど安全な場所へ移しておくようにしましょう。
▶仮想通貨の安全保管にはハードウェアウォレット!お勧め4種と使い方
3. 草コインが買える取引所
取引所国内の取引所は、信用度や安全性が担保できない草コインを利用者保護の観点から取り扱っていません。
海外の取引所では上場を承認する審査基準の違いもあり、とても多くの草コインを扱っている取引所がいくつか存在しています。草コインを購入するためには、そんな海外取引所に口座を作らなければいけません。
取引所によって扱っている草コインが違っていますので、自分が購入したい草コインを扱っている取引所の口座を作るようにしましょう。
Binance

世界の仮想通貨取引所取引高ランキングで上位に挙がる取引所Binance(バイナンス)では草コインを購入することができます。
取扱い通貨は草コインも含めて100種類以上、ドルやユーロなどの法定通貨にも対応しています。口座開設は数分で完了し、すぐに取引を行うことができます。
反面そのような有名な取引所Binanceに上場できたということは、仮想通貨として表舞台に出るという意味でもあります。
「誰にも発見されていない草コイン」としての魅力が半減すると考える人もいるかもしれません。
Bittrex

Bittrex(ビットトレックス)であれば240種類近くの仮想通貨の取引が可能です。
ビットコインの取引量がCoinMarketCapで100位以内(2020年2月13日調査)という事から、それなりの流動性が見込める仮想通貨取引所です。
取り扱い通貨数が多いだけではなく、定期的に取引状況を確認して上場廃止を発表しています。つまり不正な草コインや機能していない草コインを排除していると考えられます。ですので、詐欺コインの割合は比較的小さいかもしれません。
Kraken

2011年に誕生した取引所Kraken(クラーケン)も草コインを取扱っています。
日本語対応していてドルやユーロだけではなく様々な法定通貨での入金に対応しており、日本円にも対応していました。そのため、Krakenが使えれば、わざわざ国内の取引所を経由する必要はないということになります。
残念ながら、2019年12月時点で日本国内からはアカウント開設はできるものの、すべての取引を行うことができなくなっています。(参考:[日本居住者向け]最終取引日についてのご案内)
しかしKrakenを運営するPayward Asia株式会社は2019年3月14日、一般社団法人日本仮想通貨交換業協会(JVCEA)の第二種会員に加入しました。そのことから、日本の法律に準拠した体制が整え取引を再開することを検討している可能性があります。
Zaifはフィスコ仮想通貨取引所とサービス統合し「Zaif exchange」となりました。現在2020年2月現在新規口座開設停止中となっていますが、今後新規口座開設ができるようになるのではないでしょうか。海外取引所を利用するのが不安な方はこちらを待つのも手かもしれませんね。
4. 草コインの選び方
もし草コインを購入しようと思っているのであれば、できる限りリスク回避したいと思うのは当然でしょう。
4-1. 草コインを選ぶときに確認するべきこと
100%ではありませんが、リスクを下げる方法はあります。それは、以下の事柄を確認し納得することです。
- ホワイトペーパーを確認する
- 開発企業/団体を確認する
- 開発状況を確認する
- コミュニティを確認する
- 情報発信の内容を確認する
- 取引量を確認する
そして以下の条件にすべて合致するものは、価格が上がる可能性が比較的高いと考えられます。
- 現在の価格が安い
- ICO以降一度も高騰していない
もちろん100%はありませんので、購入金額は余剰資金の範囲で行う必要があります。また、損切りする基準や時期を事前に決めておくようにしましょう。
4-2. 詐欺に合わないために深く調べた方が良いこと
草コインを選ぶときに確認すべき事柄について、もう少し詳しく説明していきましょう。
何のためのコインなのか
ホワイトペーパーを確認することによって、その仮想通貨が何のために作られたものなのかが分かります。
開発理念や理由、将来的な活用事例など、その仮想通貨がどんなことを成し遂げようとしているのかを読んで共感することができれば、もし開発が頓挫しても納得することができるのではないでしょうか?
また、ホワイトペーパーにはロードマップも掲載されていますので、将来的な展望も把握することができます。直感的なものでもかまいませんので、現実的な予定になっているかの確認もしておきましょう。
▶仮想通貨のホワイトペーパーとは何? 読み方&読んでおくべき6点
どこが作っているのか
世の中を変えるような大きな理念ばかりで具体的な内容のないものは、実現が厳しいでしょう。その開発元が個人ならなおのこと、開発元の規模にあった理念になっているかどうかが重要です。
開発元が企業や団体であればサイトがあるはずです。どのような会社や団体なのかを確認して、見た目ばかりで実体のない会社の場合は避けた方が無難です。出資企業を列挙している場合などは、その出資企業についても調べておきましょう。
開発元が信用できなければ、決して出資してはいけません。
開発は順調か
開発状況については通常、公式サイトやブログ、SNSなどで報告されています。必ず、現状がどうなっているかを確認しましょう。
技術的な内容は難しい部分があるかもしれませんが、進んでいるのか問題点があるのか程度は読み取れるような報告がされていなければ、進める気がない可能性があります。
開発状況の報告がないというのは問題外ですので、その草コインにはかかわらないようにしましょう。
コミュニティは活発か
利用者であるコミュニティが活発でなければ、その仮想通貨は尻すぼみです。SNSやブログなどで行われている会話の内容を確認しておきましょう。
技術的な内容や将来の展望を活発に交換しているのであれば、ある程度は有望かもしれません。
やり取りがなかったり一方通行で終わったりしている場合は、良い傾向ではありません。コミュニティが見つからない場合は、避けた方が良いでしょう。
メリットばかり発信されていないか
SNSなどでどのような内容の情報発信が多いかを確認しましょう。異常なほどメリットを強調する煽り広告的なものばかりの場合は、価格が上がったところで売り逃げしようと考えている詐欺の可能性が高いです。
なお1種類の草コインだけ確認しても気づきにくいので、ある程度信頼できる他の草コインやメジャーコインのSNSと比較するようにしましょう。
取引量がなければ売買できない
ここまでの確認よりも現実的です。その草コインの取引量がどの程度なのかを確認しておきましょう。
どれだけ素晴らしい理念で順調に開発が進んでいても、取引量が確保できていなければ取引所が上場廃止することがあります。
具体的な数値は取引所の規模などにもよりますが、他の草コインと比べて極端に少ないものは避けた方が良いでしょう。
4-3. 草コインの価格上昇の可能性がある要素
最低限の確認が終わったら、次はその草コインが値上がりするかどうかを精査しなければいけません。未来のことは分かりませんが、少なくとも上がる可能性があると考えられる指針はありますので、紹介します。
ただしあくまでも可能性の問題ですので、リスク管理は徹底しておきましょう。
現在の価格が安いか
ホワイトペーパーや開発元、開発状況などを見て有望であるにもかかわらず他の仮想通貨と比べ価格が安いということは、たまたま投資家たちから見つかっていないだけで化ける可能性があるとも考えられます。もちろん他に問題が発生している可能性もありますので、自分が調べた内容に落ち度がないかも合わせて確認が必要です。
安いかどうかの指標がわからない場合、1ドル程度を基準にしてみたり他の似たコンセプトの仮想通貨と比べたりしてみましょう。
これまで上がったことがあるのか
草コインが高騰した場合、すぐ暴落して低空飛行のままフェードアウトすることがほとんどです。
これは投機目的の売り逃げが原因で、話題性だけで高騰した草コインということになります。
そういった過去に高騰した草コインが再度高騰することは考えにくいので、購入するのは控えた方が良いでしょう。
4-4. ちょっと注目されている草コイン
価値がほとんどない状態とは言え、上場されている以上何らかの特徴や売りがあるものです。その中には、注目すべき特徴を持った草コインもあります。取引高が順調に伸びている草コインを2つ紹介します。
ここで紹介する草コインの開発理念や開発団体、開発状況などはしっかりとしていますが、すでに注目されている草コインですので、これから投資するには遅すぎるかもしれません。
これらをお手本にして自分で探せるようになりましょう。
IOS Token (IOST)

IOSTは「Internet Of Services Token」の略でインターネットサービスプロバイダ向けのプラットフォームを提供するために開発されました。
個人情報をブロックチェーン上で管理することで、なりすましやハッキングのリスクを減らすとともに非中央集権による管理コストを低減する効果が期待されています。
Aeternity (AE)

イーサリアムをベースにイーサリアムの欠点を克服するための機能を盛り込んだ仮想通貨です。イーサリアムが目指している「世界コンピュータ」を発展させたものの実現を目指しています。
スマートコントラクトの実行速度の高速化や実行コスト低減、スマートコントラクトからの外部情報参照の実現など、イーサリアム上のDappでは難しかったことを容易にする環境を提供します。
まとめ
草コインは上場されていても注目されていない安価な仮想通貨です。海のものとも山のものとも分からない仮想通貨ですが、ホワイトペーパーなどを読み解いて情報を得ることで、思わぬ宝の山だと分かるかもしれません。
- 草コインとは注目されておらず価格の低い仮想通貨のこと
- 草コインを選ぶ基準は「ホワイトペーパー」「開発元」「開発状況」「コミュニティ」「取引量」
- 草コインの価格が上がる保証はないが、「現在がとても安い」「いままで高騰したことがない」ものであれば可能性はゼロではない
- 草コインを買うためには、国内取引所でビットコインなどを買って、海外取引所へ送る必要がある
高騰するチャンスはゼロではありませんが、暴落する可能性が極めて高いと考えて慎重に選択しなければいけません。
もし草コインを購入するのであれば、余剰資金の範囲で宝くじを楽しむ感覚で行うことをおすすめします。