
トレンドラインは相場の流れを示す線のことで、相場においても多くの投資家が意識しているポイントとなります。
トレンドラインの近辺では価格が変動する可能性も高くなるので、それを生かして効率的に利益を狙うことも可能です。
そこで今回の記事では、トレンドラインの概要から引き方、利益を出すコツから注意点まで実際のチャート画像でわかりやすく解説していきます。
目次
1. トレンドラインとは?
この項目では、トレンドラインの概要、種類、引き方を確認していきます。
1-1. 相場の流れを示す線のこと
トレンドラインとは、相場の流れを示す線のことです。相場が上昇方向にあるのか、下落方向にあるのか、トレンドラインを使い判断を行います。
1-2. トレンドラインは2種類ある
トレンドラインには、大きく分けて以下の2種類のラインがあります。
トレンドラインの種類
- 底値を結んだ「サポートライン」
- 高値を結んだ「レジスタンスライン」
2種類のトレンドラインの概要や特徴を、下記で確認していきましょう。
底値を結んだ「サポートライン」
一般的に「サポートライン」は底値を結んだ線のことを指しており、価格を下支えしているラインです。
以下の1時間足のビットコインチャートは、2020年1月16日の19時と17日の9時の底値を黄色の線で結び、サポートラインを作成したものです。

また、このサポートラインは、17日の10時の底値にも触れていることがわかります。
このように、サポートラインはそのラインの価格帯までくると価格が反発し、ラインを超えて下落しないよう下支えする特徴を持っています。
高値を結んだ「レジスタンスライン」
一般的に「レジスタンスライン」は、高値を結んだ線のことを指しています。レジスタンスラインまで価格が上昇すると、価格が反発し下落する特徴があります。
以下の1時間足のビットコインのチャート画像は、2020年1月14日の13時の高値と15日の8時の高値を結び、レジスタンスラインを作成したものです。

線を結んだ2つの高値以外でも、15日の3時と9時にこのレジスタンスラインの付近で価格が反発していることがわかります。
このように、レジスタンスラインは価格がどこの高値で反発するのかを見極める、1つの目安となるのです。
1-3. トレンドラインの引き方
ここからは、トレンドラインの引き方について確認していきます。トレンドラインの引き方に明確な決まりはありませんが、一般的には以下の3つの手順でラインを引きます。
- STEP1. トレンドが発生しているかを確認する
- STEP2. 2つ以上の高値(安値)を線で結ぶ
- STEP3. 3つのトレンドラインを引く
それぞれの手順の詳しい内容を、下記で確認していきましょう。
STEP1. トレンドが発生しているかを確認する
引き方の1つ目の手順は、相場においてトレンドが発生しているかを確認することです。
トレンドラインは「上昇トレンド」か「下降トレンド」が発生している時に使うため、相場においてどちらかのトレンドが発生しているかを確認する必要があります。
相場分析の基礎としてよく利用されている「ダウ理論」では、2つのトレンドの定義を以下のように定めています。
- 上昇トレンド:高値も安値も切り上がっている
- 下降トレンド:高値も安値も切り下がっている
まずは、上記の定義のどちらに当てはまるのかで、トレンドの確認を行いましょう。トレンドが発生していない状態ではトレンドラインは引けませんので、注意しておきましょう。

STEP2. トレンドの始点から高値(安値)を線で結ぶ
トレンドの確認が完了したら、発生しているトレンドの始点から2つ以上の高値(安値)を線で結びます。
上昇トレンドであればサポートラインとなる安値、下降トレンドであればレジスタンスラインとなる高値を結ぶのが一般的です。
たとえば、下記のチャートでは高値も安値も切り上がる上昇トレンドが発生しているので、2つの安値を結んだ黄色の線のようにトレンドラインを引くことができます。

このように、発生しているトレンドに応じてトレンドラインを引いていきましょう。
「ヒゲ」を入れるか入れないかに決まりはない
トレンドラインを引くローソク足は、時間ごとの終値と始値を示す「実体」と、最高値と最安値を示す「ヒゲ」の2つの要素で構成されます。
トレンドラインを引く場合、ヒゲを入れるか入れないかに決まりはなく、相場の状況や投資家によってその判断も異なります。
そのため、トレンドラインを使いながら練習を重ねていき、自分の取引スタイルに合った判断基準を身につけていくのが適切と言えるでしょう。
ローソク足については、下記の記事でも詳しく解説しています。
▶【外資戦略コンサル出身のトレーダーによる】仮想通貨のテクニカル分析|イラストとチャート実例で解説
STEP3. 3つのトレンドラインを引く
一般的に、分析を行う際には3つのトレンドラインを引きます。これによって、以下の2つの判断に役立てることができます。
- トレンドが終了したかどうか
- トレンドが継続しているかどうか
トレンドが終了したかどうか
1つ目は、トレンドが終了したかどうかの判断を行う場合です。この判断を行う場合、上昇トレンドであれば始点と3つの安値、下降トレンドであれば始点と3つの高値を結びます。
上昇トレンドの場合は3つの線の角度が下がっている、下降トレンドであれば3つの線の角度が上がっていればトレンド終了のサインとなります。

上昇トレンドの始点から安値を結んだ3つの線の角度が徐々に下がっているため、トレンド終了のサインが出ていることがわかります。
このように始点から3つの線を結ぶことで、トレンドが終了しているかどうかの判断に役立てることが可能です。
トレンドが継続しているかどうか
2つ目は、トレンドが継続しているかどうかの判断です。この場合、トレンドの始点が違う3つの線の角度をもとに継続しているかどうかの判断を行います。
上昇トレンドの場合は3つの線の角度が上がっている、下降トレンドであれば3つの線の角度が下がっていればトレンド継続のサインとなります。

この例では、3つの線の角度が上がっているため、上昇トレンドは継続していると判断することができます。
このように、始点が違う3つのトレンドラインを使うことで、トレンドの継続判断に役立てることができるのです。
2. トレンドラインで利益を出すコツ
この項目では、トレンドラインで利益を出すコツについて確認していきます。
2-1. ラインに到達した時点でエントリーする
ラインに到達した時点でエントリーをすることは、トレンドラインで利益を出すコツの1つです。
サポートラインでは上昇方向に価格が反発し、レジスタンスラインでは下落方向に価格が反発する可能性が高く、その後の動きを予想しやすいからです。
そのため、ロングならサポートライン、ショートならレジスタンスラインでエントリーすることで、効率よく利益を狙うことができます。
2-2. ブレイクアウトを狙う
ブレイクアウトを狙う手法も、トレンドラインで利益を出すコツの1つです。
ブレイクアウトとは、相場の中で意識されているラインを突破することを指しており、突破した方向へ価格は大きく上昇(下落)する傾向があります。
たとえば、下記のチャートではレジスタンスラインを突破した後、いったんは押し戻されているものの、価格が大きく上昇していることがわかります。

そのため、ロングでエントリーすることで利益を狙うことが可能です。
このように、ブレイクアウトはトレンドラインで利益を狙う、1つの効果的な手法であると考えることができます。
3. トレンドライン利用時の注意点
この項目では、トレンドライン利用時の注意点を確認していきます。
3-1. 騙しに気をつける
トレンドラインを利用して取引する際には、騙しに気をつけるようにしましょう。
騙しとは価格を意図的に上げる(下げる)ことで、トレンドラインを突破したように見せかける大口の投資家が使う手法です。
たとえば、価格を上げてレジスタンスラインを突破したように見せかければ、上昇すると見込んだ他の投資家が買いを入れる可能性が高まります。
買いが集中してきたタイミングで一気に売り抜けることで、そうした投資家の損切りを巻き込んで価格を下落させるのです。
出来高を確認する
騙しに引っかからないようにするためにも、大きく価格が動いたタイミングでは出来高を確認することをおすすめします。
出来高が伴っていない価格変動は、特定の大口投資家が意図的に価格を操作した可能性が高いからです。
過去に同じくらい価格が変動したタイミングの出来高と比較し、出来高が伴っていなければエントリーするのは控え、しばらく様子を見るようにしましょう。
3-2. ラインを超えたあたりに損切りを入れる
トレンドラインを使ったトレードでは、ラインを超えたあたりに損切りを入れるようにしましょう。
ロングであればサポートラインの下の価格帯、ショートならレジスタンスラインよりも上の価格帯に損切りを入れます。
損切りを入れる目安に決まりはありませんが、一般的には証拠金に対して1%〜2%程度の損失が目安と言われています。
まとめ
以上、トレンドラインについて解説してきました。あらためて、この記事のポイントをまとめておきましょう。
- トレンドラインは相場の方向感を示す線のこと
- サポートラインとレジスタンスラインの2種類がある
- トレンドラインの価格帯でエントリーするのが利益を出すコツ
トレンドラインを意識して取引をすることで、より効率的に利益を狙っていくことができます。使い方を覚え、取引に役立てていきましょう。