
Web3.0という言葉を聞いて何を想像するでしょうか?
Web3.0は、ブロックチェーンを基盤として生まれてこようとしている新しいインターネットのサービス群のことを指しているのです。
そんなWeb3.0について、詳しく説明いたします。未来のインターネットの姿を知って、新しい衝撃に備えておきましょう。
目次
1. Web3.0はインターネットを民主化する
Web3.0を一言で表すと「インターネットの民主化」です。
そもそもインターネットは誰かが管理しているものではなく、いくつもの事業者が張り巡らせた通信網を使って相互管理されているものです。
しかし、実際のところその基盤を流れる情報については、一部の企業や国家が寡占化しているのが現状なのです。
Web3.0は実現すればその一極集中した情報が解放され、本来の所有者が管理するようになることでしょう。
Web3.0の定義は他にもある
Web3.0の定義は定まっているものではありません。ここで説明している以外にも、例えば次のような定義もあります。
- 新たな情報収集方法:IoTなどによって、これまで以上に自然に情報が収集されるようになること
- 新たな検索方法:AIなどを使って、検索することなく必要な情報が手に入るようになること
1-1. 情報発信から共有、独占へ(Web1.0~Web2.0)
Web3.0を説明するには、その前段階であるWeb1.0とWeb2.0について説明しておかなければいけないでしょう。
それぞれインターネットの黎明期から現在に至る進歩の中で定義されたもので、いま40代以上の人の多くがその流れを実体験しているのではないでしょうか。
Web1.0~誰でも情報発信できる時代の到来
インターネットの登場から数多くの企業が登場するまでのニッチとも言える時期がこの期間です。
それまで新聞やテレビ、ラジオなどのマスコミでなければ難しかった大衆へ向けての情報配信が、インターネットの普及によって誰でも簡単にできるようになりました。
マスコミや国家が握っていた情報発信の力を個人が手に入れた初めての時代と言えるでしょう。
ただし、この発信は一方向の発信のみで情報を探す方法も拙いものでした。
Web2.0~情報の相互交換で個人の意見が力を持つ時代の到来
mixiやTwitter、FacebookなどのSNSサービスが続々と生まれて、個人の情報発信だけでなく相互意見交換が容易になった期間です。
大衆の意見が世界の流れに影響力を持つようになった初めての時代とも言えます。
またGoogleの登場によってインターネット内の情報の多くを自由に検索できるようになり、人々の知識が急激に増えた時期でもあります。
そして、いま~情報の寡占化
現在はWeb2.0の真っただ中です。そのため誰でも情報を発信して、自由に意見を言えるようになっています。
しかし、じつはその中で数多くの情報が一部の企業や国家に寡占化され、制限や検閲、無断使用されている時代でもあるのです。
GAFA(Google、Amazon、Facebook、Apple)をはじめ多くの企業が個人情報を収集して管理しているだけでなく、その情報を使って膨大な利益を上げています。
また、一部の国では情報を検閲してWeb2.0の利点である相互交換を妨げているのです。
1-2. Web3.0で情報を取り戻す
Web3.0はWeb2.0で寡占化された情報を本来の所有者へ戻し、本当の意味での情報の相互交換と自由な発信を実現する時代です。
具体的には、いま情報を管理しているGAFAや国家を排してブロックチェーンに置き換えることで、情報にアクセスできるのが所有者だけに限定できます。そうすれば、勝手に利用して利益を上げることができなくなるでしょう。
また、ブロックチェーン上で動作するサービスは24時間365日継続して動作し、企業や国家の都合で停止したり終了したりすることが非常に困難になります。為政者の都合で一部の人にサービスを使わせなくするようなことも難しくなるわけです。
DappsがWeb3.0を実現する
Web3.0を実現するための鍵は、Dappsです。
ブロックチェーン上で動作するアプリケーションであるDappsは企業や国家に管理されることなく動作し、ユーザーにブロックチェーン上の情報へのアクセス手段を提供してくれます。
Essentia.oneという分散型アプリケーションの管理サービスを提供している企業の創設者の1人Matteo Gianpietro Zagoは、以下のように既存サービスからDappsへの移行によってWeb3.0が実現していくことを予測しています。

大事なポイントは、これらのサービスの移行が表向き何も違わないということです。
ユーザーはいままでと同じ品質の別サービスを使うだけで、Web3.0への移行が進むことになります。Web1.0からWeb2.0への移行時のように、新たなサービスが次々に立ち上がって新たなユーザー体験を作り出すことはほとんどないかもしれません。
例えば、Google ChromeではなくBraveブラウザを使うだけで、Googleが収集している閲覧履歴などの情報が利用者の管理に戻るのです。
また、Googleドライブで保管していたファイルをStorjで保管するようにすれば、Googleドライブの仕様変更やサービス休止を恐れることなく、ファイルを保管することができるようになるでしょう。
もちろん、ここで紹介されているサービス以外にも、すでにDappsは多数提供されており、そのどれを利用するかはユーザーの自由です。
▶ブロックチェーンアプリは意外と多い! 手軽なゲームやサービスを紹介
Web3.0への移行は、気付かない間に進んでいくのかもしれません。
2. Web3.0でなにができるのか?
Web3.0になることで実現できることを、もう少し具体的に紹介しましょう。
すでに存在するサービスをDappsに置き換えるだけで実現できるかもしれない世界ですが、これらがすべて実現できた世界がいまとは違う常識が必要な世界であることは間違いありません。
サービスの非中央集権化
ブロックチェーンは特定の企業や国家が管理運営するのではなく、利用者が共同管理します。
そのため特定の企業や国家の思惑によって利用制限されたり、変更・終了されたりすることがありません。
Web3.0の世界では、特定の企業や国家の思惑で利用者の利便性が損なわれることがないのです。
データの所有権が本来の所有者に戻る
ブロックチェーン上の記録には改ざんの恐れがありませんので、特定の企業や国家による信用や保証が必要ありません。
また、ブロックチェーンに記録されている情報にアクセスすることができるのは所有者だけです。
そのため、Web3.0の世界では個人情報をはじめすべての情報の管理が本来の所有者のもとに戻ってくるのです。
ただしこれは、それらの情報の管理を個人がしっかりと行わなければいけないことを意味します。公開するのも秘匿するのも、個人の自由です。
改ざんできない高セキュリティの実現
ブロックチェーンに記録されている情報を改ざんするには大きなコストが伴います。そしてその利用者が増えれば増えるほど必要なコストは増加します。
現在最大のブロックチェーンであるビットコインはほぼ改ざん不可能になっていますが、その有効なウォレットアドレス数は73万程度(2020年4月25日時点)です。

Web3.0への移行によってインターネット利用者のほとんどがブロックチェーンを利用することになれば、利用者数は数十億人に上りますので、改ざんするためのコストは莫大なものになるでしょう。
インターネットの利用者数
2019年上半期のインターネット利用者数は45億人を超えています。
(参考:WORLD INTERNET USAGE AND POPULATION STATISTICS)
事実上、どんな組織や国家であっても情報を改ざんできない強靱なセキュリティが実現されることになります。
ハッキングやデータ侵害に対する高い障害
GAFAが情報を保管しているのはどこかにあるデータセンターなどでしょう。
もしそういったところがハッキングされてしまえば、利用者の個人情報はすべて流出してしまいます。
企業のセキュリティがどれほど強靱であっても、国家や公的機関による強制的なデータ侵害に抵抗することは難しいかもしれません。
つまり、所有者から離れた情報を守ることはとても困難なのです。
Web3.0の世界であれば情報はブロックチェーンにありますので、所有者以外が無断で取り出すことは不可能になります。
ハードウェアに依存しない相互運用性
ブロックチェーンそのものは数多くのコンピュータ上で分散されており、ハードウェアに合わせたリソースを使って総合的に実行されます。そのため、ブロックチェーンの維持が特定のハードウェアに依存することはほとんどありません。
Dappsはブロックチェーン上で動作するものですので、ブロックチェーンへアクセスできるすべてのハードウェアで利用することができます。
つまり、Dappsはハードウェアごとの開発を必要とせず、1つ開発するだけでブロックチェーンにアクセスするすべての利用者へ提供することができるのです。
誰でも利用できる
ブロックチェーンを利用することに、特別な権限は必要ありません。
住居や性別、人種、年齢、収入、嗜好、社会的地位などどんな理由でも制限されることなく利用できます。そしてそこに記録された自分の資産は、どこにいても使うことができるのです。
停止することなのない高可用性
Web2.0の世界では、企業や国家の思惑によって特定のサービスが停止したり、停止を免れるために利用条件が変更されてしまったりすることが少なくありません。
また、DDOS攻撃などで強制的にサービスが停止させられることもあるでしょう。
Dappsは世界中のコンピュータ上に分散したブロックチェーン上にありますので、一部のコンピュータが停止させられても、Dapps自体が停止することはありません。
Web3.0の世界では、サービスが停止して途方に暮れるといったことはほとんど起きないでしょう。
3. Web3.0を体験してみよう!
ブロックチェーンを活用したWeb3.0は、すでに実現され始めています。どこかの企業や国家に制限されることなく、自分の情報を自分の意思で活用する時代は、もう目の前にあるのです。
そのいくつかを紹介しましょう。
暗号資産(仮想通貨)
ビットコインやイーサリアム、ネムなどの(暗号資産(仮想通貨)は、Web3.0の代表例と言えるでしょう。
国家に依存しない価値を有し、金融機関とは関係のないところで自由にやり取りができる価値の交換は、お金に対する意識を変えてくれるかもしれません。
Braveブラウザ
Google Chromeの代わりにBraveブラウザを利用することで、閲覧履歴などの個人情報を垂れ流すことを防ぎ、それらを無断で利用する広告をブロックすることができます。
また、個人情報をGAFAに搾取されることがなくなるだけでなく、必要なサイトへのアクセスが速くなりますし、バッテリーの消費も抑えられることが分かっています。
快適なネットサーフィンを行うことができるでしょう。
▶Braveブラウザとは?インストールから使い方まで|ポイント稼ぎ・チップの送り方
ALISブログ
ブロックチェーンを使ってブログというソーシャルメディアの質を向上させようとしているプロジェクトです。
閲覧者の評価がそのままブログ掲載者の収益につながり、人気の出る記事を見つけ出した評価者にも利益が還元されるしくみを構築することで、記事の質を向上させています。
このしくみはブロックチェーン上に構築されているため、運営企業の意向を反映することはできません。
ALISブログは、これまで運営企業が管理していた執筆者の信頼性を、執筆者に帰属させる新しいSNSと言えるでしょう。
▶仮想通貨ALISとは?SNSの新しい時代を切り開く|ブロックチェーンエンジニアが解説
まとめ
Web3.0は、GAFAに代表される企業や国家に管理されてしまっている情報を本来の持ち主に戻すことができる新しいインターネットです。
そこには情報の管理やサービスを提供・運営する大企業や国家は存在しません。
- Web3.0は大企業や国家が管理している情報を開放し、インターネットを民主化する
- Web3.0はブロックチェーンとDappsによって実現する
- Web3.0は非中央集権で情報は所有者が管理する
- Web3.0のセキュリティの高さは利用者の数に比例し、ハッキングやデータ侵害に強い
- Web3.0のサービスは停止しない
GAFAをはじめ数多くの企業や公共団体からのデータ流出や情報の無断使用は絶えることがありません。
世の中の流れはこれらのリスクを回避する方向に流れていますので、Web3.0への移行は粛々と進んでいくことでしょう。そして、Web3.0が実現した日には、世界の常識ががらりと変わっているに違いありません。
この大きな変化の最初のチャンスを掴むためにも、いまのうちに体験しておくのも良いのではないでしょうか?
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