
「コールドウォレット」という言葉を聞いたことはありますか?
コールドウォレットとは、オフラインで仮想通貨を管理するためのもので、仮想通貨を安全に保管できるとして注目されています。
現代ではほとんどの国内取引所でも導入されており、ハッキングなどのリスクから大切な資産を守る有力な方法といえるのです。
そこで今回は、コールドウォレットの仕組みや安全性、おすすめウォレットについて紹介します。
まだ使っていない方はぜひこの機会にコールドウォレットを利用してみてくださいね!
目次
1. コールドウォレットとは
コールドウォレットは、オフライン上で管理する仮想通貨のウォレットのこと。安全性が高いという利点から、個人だけではなく多くの仮想通貨取引所でも採用されています。
1-1. 最も安全性の高いウォレット
コールドウォレットは、外部ネットワークに繋がっていないオフライン上で仮想通貨を保管するため、非常に安全性が高いということが大きな魅力です。
ウォレットへは、実際に仮想通貨を入れて保管するわけではありません。
◆実際に保管しているのは秘密鍵
自身が所有する仮想通貨を引き出すための「秘密鍵」をウォレットで保管しています。ウォレットに保管している秘密鍵が他者に知られると、秘密鍵と紐づいた資産が引き出されてしまう仕組みです。
そのため、秘密鍵が盗まれないようウォレットを使って保管します。
ウォレットがインターネット上にある場合、もしもアカウントやパスワードなどが流出してしまうと秘密鍵も盗まれてしまう可能性があります。ウォレットを使っているからといって決して安全なわけではありません。
そこでインターネットから隔離された環境で秘密鍵を保管するしくみがコールドウォレットと呼ばれるものなのです。
◆ほとんどの仮想通貨取引所で採用
ハッキングのリスクが低く、オンライン上で保管するウォレットに比べて格段にセキュリティが高くなります。ほとんどの仮想通貨取引所でコールドウォレットが採用されており、ハッキング対策として使われています。
このとき、ホットウォレット(インターネット上のウォレット)で保管されていたXEMが盗まれたことからセキュリティ面の問題が指摘されました。
1-2. ホットウォレットとの違い
ホットウォレット | コールドウォレット | |
種類 |
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特徴 | パソコンやスマホにインストールして使用する | パソコンやスマホとは別に、物理的なウォレットを作成する |
メリット |
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デメリット |
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ホットウォレットというのはインターネットに繋がった状態のウォレットのことで、ウェブウォレットやソフトウェアウォレットがこれに当たります。
コールドウォレットとホットウォレットの大きな違いはセキュリティで、インターネットに繋がっているか否かという部分です。
他にも秘密鍵の保管方法や使い方、利便性などさまざまな違いがあります。
◆ウォレットの種類は目的で使い分けせよ!
確かに安全性でいえばコールドウォレットの方が格段に上ですが、利便性としてはホットウォレットの方が便利ですから、一概に「どちらが良い」とはいえません。
そのため、普段の仮想通貨取引で利用する分についてはホットウォレット、すぐに使う予定がない分はコールドウォレットと、両者をうまく使い分けることをおすすめします。
2. コールドウォレットの種類とそれぞれの特徴
コールドウォレットは、主に「ペーパーウォレット」と「ハードウェアウォレット」の2種類があり、それぞれ使い方や特徴が違います。
この章では、ペーパーウォレットとハードウェアウォレットの特徴についてみていきましょう。
2-1. すぐ作ることができ長期保管におすすめ!ペーパーウォレット
メリット | デメリット |
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ペーパーウォレットとは、その名の通り紙で秘密鍵を保管するというもの。
仮想通貨の秘密鍵をオフラインでプリントアウトし、机の引き出しや金庫の中など貴重品を保管するような要領でプリントアウトした紙を保管します。
その場合、PCや端末がオフラインの状態で秘密鍵を撮影し、その写真をUSBなどに保管します。
その後、秘密鍵をもとの端末から削除してからオンラインに戻せば、ペーパーウォレット同様に秘密鍵をオフラインで保管することが可能です。
秘密鍵をプリントした紙が紙幣のようなイメージですので、少額しか保管されていない秘密鍵をプリントアウトし、チップのようにほかの人にあげることもできます。
以前仮想通貨の勉強会などでは、500円ほどのビットコインが入ったペーパーウォレットを参加特典として配っているところもありました。
◆紛失に厳重注意!
ただし、プリントした紙もしくは写真をなくしてしまうと大切な資金を引き出せなくなるほか、入金や送金なども一切できなくなってしまいますので、紙や写真の保管方法にも注意が必要です。
◆使いまわしは厳禁!
また、入金する際は複数に分けることができますが、出金する場合は1回で全額を出金するように強く推奨されています。
その理由は、一度入金・出金を行ったペーパーウォレットは送金の為にオンラインに繋げたウォレットとなるためです。完全にオフラインで作成されたものでなくなると、安全なコールドウォレットとは呼べません。
新たに資産を保管したい場合は、再度ペーパーウォレットを作成しましょう。
2-2. ハードウェアウォレット
メリット | デメリット |
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ハードウェアウォレットは、専用の小さな端末で秘密鍵を保管するというもの。初期設定をする際にリカバリーフレーズを生成します。
万が一専用端末が壊れたり紛失したりしても、リカバリーフレーズさえあれば秘密鍵の復元が可能なものなのです。
◆リカバリーフレーズは人に見られてはいけない!
しかし、そんなハードウェアウォレットにも注意点があり、メモしたリカバリーフレーズは人に見られないよう保管する必要があります。
「紙だとなくしちゃうから」と写真に撮っておくこともありますが、そのままクラウドに保存してしまったり、誤って共有してしまったりしまった場合は資産が流出してしまうリスクが付きまといます。
こういった仕組みを理解していないと秘密鍵を盗まれたり、人に騙されたりする可能性が高くなりますので気を付けましょう!
3. コールドウォレットの紹介
ホットウォレット同様、コールドウォレットにもさまざまな種類があり、それぞれ保管できる通貨やインターフェースなどが違います。
ここではおすすめのコールドウォレットをまとめてみましたので、ぜひ自分に合ったウォレットを見つけてみましょう!
3-1. 歴史の長いペーパーウォレット
◆bitaddress.org
対応通貨
ビットコイン
bitaddress.orgは、ビットコイン用のペーパーウォレット。ソースコード管理サービス「github」からファイルをダウンロードして作成します。
ファイルのダウンロード後はネット接続を切り、作成は必ずオフラインで行うよう気を付けて作業してくださいね。
以下の記事では、詳細な作成方法をダウンロードの手順から解説しています。
3-2. 代表的なハードウェアウォレット
◆TREZOR(トレザー)
対応通貨
ビットコイン・ビットコインキャッシュ・ビットコインゴールド・イーサリアム・イーサリアムクラシック・ダッシュ・ジーキャッシュ・ネム・モナコイン・ERC20トークン
TREZORは専用端末を利用するハードウェアウォレットで、複数のアカウントをつくることが可能です。
パソコンではWindowsやOS X、Linuxで使用することができます。
スマートフォン・タブレットの場合Android端末でのみ使用ができ、USBケーブルで接続すれば使用できます。
保管できる通貨種類も約30種類となっており。いろいろな通貨を保有している人におすすめです。
◆LEDGER Nano S(レジャー ナノS)
対応通貨
ビットコイン・ビットコインキャッシュ・イーサリアム・イーサリアムクラシック・ダッシュ・ジーキャッシュ・ライトコイン・コモドコイン・ドッジコイン・リップル・ストラティス・ネオ・トロン・アイオータ・リスク・ERC20トークン
LEDGER Nano Sは、他社の製品に比べて軽量で安値であることが大きな魅力といえます。
今現在も30種類以上の通貨に対応していますが、今後のアップデートで対応通貨は100種類まで増える予定だそうです。
◆CoolWallet (クールウォレット)
対応通貨
ビットコイン
CoolWalletはカード型のハードウェアウォレットです。
Bluetoothで端末とダウンロードしたアプリとを紐づける仕組みのため、スマートフォンやタブレットで使用する仕組みです。
もしもこのウォレットを紛失してしまったとしても、紐づけてある端末が無ければ拾った人が資産を引き出すことはできません。
アカウント設定は、1つのカードで5つまで作成が可能。
クレジットカードサイズとなりますので、ハードウェアウォレットの中で最も小型です。
まとめ
コールドウォレットは、インターネットから隔離して秘密鍵を保管できる仮想通貨のウォレット。
オンライン上で管理するウォレットに比べてハッキングのリスクが低いことが大きな特徴です。
コールドウォレットにはペーパーウォレットとハードウェアウォレットの2種類があります。
ペーパーウォレットは無料で作成でき、作成方法も簡単です。ただし紛失した場合資産を取り戻すことができません。
専用端末を使用するハードウェアウォレットは端末が壊れたり、紛失したりしてもリカバリーフレーズがあれば復元できます。
取引で使う分はホットウォレットに、高額な資産や長期保有する分はコールドウォレットに保管し上手に利用しましょう。