自己管理にもプレゼントにも! 無料のペーパーウォレットとは?

ペーパーウォレットは安全と言われていますが、どんなものなのか知っていますか?

聞いたことはあっても詳しくは知らない人が多いのではないでしょうか。

2018年1月に発生したコインチェックの事件では、過去最高額となる580億円相当のXEMが流出。200万円以上になる高騰直後であったことも重なり、テレビでも大きく取り上げられました。さらに10月には金融庁登録済のZaifもハッキング被害に遭い、取引所の安全性に対する関心が高まっています。

そんな中、個人で出来る対策として注目を集めているのがペーパーウォレットハッキングリスクが低く、無料で作成できるウォレットです。

今回はこのペーパーウォレットについて解説します。ぜひこの記事を読んで、仮想通貨の安全な自己管理の参考にしてください。

1. ペーパーウォレットとは

ペーパーウォレットは自宅で誰でも簡単に作成することができ、かつセキュリティレベルの高いものです。この章ではペーパーウォレットのメリット・デメリットを解説します。

1-1. 紙で作る仮想通貨用ウォレット

ペーパーウォレットとは紙でできたウォレットです。出金に必要な秘密鍵をオフラインで管理する「コールドウォレット」の一種で、出金に使う秘密鍵と、入金で使う公開鍵を1枚の紙に印刷したものが一般的です。

キャンペーンで配られるQRコードもペーパーウォレットと同じ
仮想通貨のプロモーションイベントなどで、「仮想通貨のプレゼント」としてポストカードなどに印刷されたQRコードが配られることがあります。これは秘密鍵をQRコードの形で印刷したもので、ペーパーウォレットと仕組みは同じです。

1-2. メリット

ペーパーウォレットのメリットは以下の2つです。

  • 高いセキュリティ
  • 無料で作成が可能

■高いセキュリティ

ペーパーウォレットの最大のメリットは、セキュリティの高さです。

仮想通貨は出金に使う秘密鍵を盗まれることで資産が流出しますが、ペーパーウォレットに印刷した秘密鍵はネットにつながっていないので、インターネット経由で盗まれることはありません。

■無料で作成が可能

ペーパーウォレットは紙の印刷代以外に作成費用がかかりません。ちなみにペーパーウォレットと同じオフラインのウォレットであるハードウェアウォレットは購入費用が10,000円程度掛かります。

1-3. デメリット

反対に、デメリットとして挙げられるのは以下の3つです。

  • 管理が大変
  • 送金の手間がかかる
  • 一度しか使えない

■管理が大変

ペーパーウォレットは記載されているQRコードを読み取るだけで出金できます。そのため誰の目にも触れないように金庫や鍵付きの棚に保管する必要があります。

また紙の破損やインクの劣化でQRコードが読み取れなくなると出金ができなくなるので、水分や火気、太陽光にも注意が必要です。

■送金の手間がかかる

ペーパーウォレットは秘密鍵がQRコードで印刷されているため、QRコードリーダーが使えない取引所などへは直接送金することができません。その場合はウォレットアプリなどを使って一旦出金し、そこから送金したいアドレスへ送金しなければならないため、送金に手間が掛かってしまいます。したがって、入出金を頻繁に行う人にとっては使いにくいウォレットではあります。

■一度しか使えない

ペーパーウォレットはオフラインで秘密鍵を保管していますが、出金の際は秘密鍵(QRコード)を読み取ります。読み取った時点でオンライン上に秘密鍵の情報が載るので「オフラインで秘密鍵を保管する」というペーパーウォレットの安全性は失われてしまいます。安全な管理のためには、一度出金したペーパーウォレットに再度入金することは絶対にしないようにしましょう

2. ペーパーウォレット利用のススメ

ペーパーウォレットの利用をお勧めしたい理由は2つあります。

1つ目は、安全に保管することができる点。2つ目は、無料で簡単に作成することができる点です。

取引所が被害に遭ってもペーパーウォレットの中の資産が流出することはないので、すぐに移動する予定のない資産だけでも保管しておくと、被害を最小限に抑えることができます。

2-1. 使い分けが大事

ウォレットには様々な種類があります。ペーパーウォレットなどオフラインで秘密鍵を管理するコールドウォレットは使いにくい反面、セキュリティレベルは非常に高いという利点があります。反対に、オンラインで秘密鍵を管理するホットウォレットは使い勝手が良い反面、セキュリティレベルは低くなってしまいます。

しばらく使う予定のない仮想通貨をコールドウォレットに保管しつつ、メインで使用するウォレットについては取引頻度に合わせて選択するのが、使い分けの基本的な考え方です。

■10年後の利益を夢見て……ガチホにはペーパーウォレット必須

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チャートを気にせず生活

ペーパーウォレットに仮想通貨を全額保管し、金庫に入れて見ないようにします。価格がどうしても気になる人や、つい売買したくなるという人はチャートアプリなども削除して、情報をシャットアウトしましょう。

メリットで挙げたとおり、ペーパーウォレットは完全にオフラインのため、セキュリティは非常に高いです。長い年月寝かせて、仮想通貨が数十倍の価値に上がったとしても、盗まれていたら元も子もありません。取引は頻繁に行わないが仮想通貨を持っている、という人は是非ともペーパーウォレットで資産を自己管理しましょう。

■週末トレーダーや投資初心者は無駄遣い防止に

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無駄遣い防止

日常的にトレードをする人も、ペーパーウォレットを活用することをお勧めします。

例えば取引資金を5万円分と決めたら、それだけをアプリなどのモバイルウォレットへ入れます。そしてそれ以外はペーパーウォレットに保管。取引が終わったら5万円分の仮想通貨をモバイルウォレットへ戻し、利益が出た分はペーパーウォレットへ移します。

こうしておくと、ついやってしまいがちな「予定資金以上の額を投資に回す」という過ちを防ぐことができるので、投資初心者など自制心に自信がない人におすすめ。損切や利確など「まとめて手放すことが決まったら」ペーパーウォレットから出金して売却しましょう。

2-2. お年玉やクリスマスプレゼントに!

ペーパーウォレットはアプリがあれば出金できるので、プレゼントにも向いています。

イーサリアムを考案したヴィタリック・ブテリン氏が、最初に仮想通貨に興味を持つきっかけとなったのは、父親からの「仮想通貨を知っているか?」という一言でした。子供にペーパーウォレットで仮想通貨をプレゼントすれば、最先端の話題をぐっと身近に感じることができるのではないでしょうか。

2-3. ペーパーウォレットデザインコンテスト

ビットコインキャッシュのペーパーウォレットを作成できるBitcoin.comでは、ペーパーウォレットジェネレーターという機能があり、好きなデザインでウォレットを作成することができます。

また、同サイトではペーパーウォレットのデザインコンテストを開催。2018年10月31日で応募は締め切られてしまいましたが、優勝者には100ドルが贈られるそうです。

好きなポストカードがペーパーウォレットになる!
ペーパーウォレットで必要なのは、入金用の「公開鍵」と出金用の「秘密鍵」のQRコード部分だけです。ペーパーウォレットを印刷したあと、公開鍵と秘密鍵をお気に入りのポストカードに貼り付ければ、自分だけのペーパーウォレット完成です。(QRコードを誤って切らないように注意してください)

3. ペーパーウォレットを作るときはオフラインで

ペーパーウォレットの最大の利点は秘密鍵がオフラインで管理されていることですが、作るときにオンライン状態で作ってしまうと意味はありません
難しい設定はありませんが、しっかり手順を守って作りましょう。

4. 安全なコールドウォレット、便利なホットウォレット

一言で「ウォレット」と言っても様々なウォレットが存在します。それぞれ長所と短所があるので、上手に使い分けましょう。

使い分けを見てみる

4-1. ホットウォレットとコールドウォレット

ウォレットには、ペーパーウォレットやハードウェアウォレット、アプリで気軽に利用することが出来るソフトウェアウォレットなど、多くの種類があります。

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取引頻度によって使いやすい保管方法は違う

利用端末は様々ですが、大きな分類基準はインターネットと接続されているか否か

インターネットに接続されているウォレットがホットウォレット、インターネットから隔離された環境で秘密鍵が管理されているウォレットはコールドウォレットと呼ばれます。

ホットウォレットでは、ウィルスやハッキングにより仮想通貨が盗まれてしまう危険性がありますが、コールドウォレットにはその心配がありません。しかし送金する際には、インターネットにつながっているホットウォレットのほうが手順は少なく、利便性の面で優れています。

ペーパーウォレットはコールドウォレットに分類され、セキュリティを保ったまま長期に保管することに長けています。

4-2. ハードウェアウォレットとペーパーウォレット

ペーパーウォレットと同じオフラインのウォレットとして「ハードウェアウォレット」というものがあります。USBメモリのような形をしたハードウェアを使って秘密鍵を保管します。

ハードウェアウォレットペーパーウォレット
秘密鍵の保管場所オフラインオフライン
入手方法正規販売店、正規代理店で購入自宅で印刷
入金、出金方法パソコンやアプリが必要QRコードを読むだけ
費用10,000円程度無料
対応通貨数種類~数百種類1種類
紛失したときリカバリーフレーズで資産が取り戻せる資産は戻ってこない
こんな目的におすすめ
  • 数か月様子を見つつ、いいタイミングがあれば取引に回したい資金の保管
  • 一つの端末で複数の仮想通貨を保管
  • 少相場が動いても年単位で動かす予定のない資金の保管
利用可能回数繰り返し使える使い捨て

ハードウェアウォレットもペーパーウォレットも秘密鍵をオフラインで管理しているため、安全性は非常に高いです。しかしハードウェアウォレットも万全ではなく、連携したパソコンやアプリがウィルスに感染して資産を奪われることがあります。

Ledgerのハードウェアウォレットでは、マルウェア(*1)に感染したパソコンを入出金に利用したためにウォレット内の資金を盗まれる被害が発生。
*1)コンピュータウィルスや悪意のあるソフトウェアなどの総称

この攻撃は中間者攻撃と呼ばれ、秘密鍵は盗みません。ハードウェアウォレット内の資産ではなく、ハードウェアウォレットへ入金される資産を狙った犯行です。

この攻撃では、パソコンに表示されるハードウェアウォレットへの入金アドレスを改変し、犯人のアドレスを表示します。表示アドレスが違うことに気づかず、そのアドレスに送金すると、犯人のウォレットへ送金されてしまいます。

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この攻撃への対策について、Ledgerは公式アカウントで利用者へ注意を促しました。

ペーパーウォレットも、作成方法や管理方法を誤ると安全ではなくなります。注意事項をしっかり確認して利用しましょう。

以下の記事では、ウォレットの種類について詳しく解説しています。

5. まとめ

今回はペーパーウォレットに関して紹介しました。ペーパーウォレットは仮想通貨が始まった初期からある原始的な保管方法ですが、そのセキュリティの高さはビットコインが誕生した2008年頃から変わることがありません。また誰でも簡単に作成することができるため非常に敷居は低いです。

最近では、アルトコインを複数保管することができるハードウェアウォレットもありますが、保有している仮想通貨全てが保管できるとも限りません。ある程度カバーできるハードウェアウォレットを使いつつ、カバーできない仮想通貨はペーパーウォレットで保管するといった形でウォレットを使い分けてみるのもいかがでしょうか。