
皆さんは「XRP (通称:リップル) 」のロックアップについて知っていますか?聞いたことはあるけれど詳しく知らないという⽅が多いのではないでしょうか。
XRPのロックアップは市場価格に⼤きな影響を与える要素なのでしっかりと理解しておく必要があります。
目次
1. XRPは発行枚数の約50%を売却制限している
XRPの発行枚数を売却制限、とは一体どのような事なのでしょうか。
こちらの章ではロックアップとは何か解説していきます。
1-1. ロックアップとは何か
ロックアップとは簡単にいうと、売却制限を設けることです。
金融の世界では、株などその銘柄を保有している者が⼤量に売却を⾏うことで相場を撹乱することを防ぐために行います。
ロックアップと呼ばれるのは、ロックアップ(lock up)、つまり元々の意味である鍵をかけて保管するという意味から来ているのです。
リップル社に売却制限をかける
XRPにおいては、総発⾏枚数の内一定の枚数がリップル社により売却できないようにすることでXRPの市場流通量をコントロールしているということです。
しかし、このロックアップされたXRPは毎月一定の枚数が市場に放出されています。市場に流通することによってXRPの総流通量が増えることになるので当然、価格に影響を与える可能性があります。
1-2. XRPは発⾏枚数の約50%が市場に流通していない
現在リップル社は総発⾏枚数1000億枚のうち630億XRPを保有しています。
その630億XRPのうちロックアップがかかっているのは90%にあたる550億XRP。
2018年1月より毎月ロックアップが解除されている
このロックアップされた550億XRPは2018年1月以降、毎月1日に10億XRPを上限に解除され売却が可能となりました。
XRPのロックアップが正式に発表されたのは2017年5⽉16日です。
ロックアップは2017年12月8日に実施され、各取引所のチャートで大きな値動きを確認しました。
取引所によっては1XRPあたり27円ほどだったXRPが数⼗分で32円 まで値上がりするところも。
(bitbankより出典)
(BitTradeより出典)
投資家のXRPに対する不安がロックアップの発表により解消された動きと考えられます。
2. ロックアップの目的は市場流通量のコントロールとリップルへの安心感の醸成
リップル社がロックアップを行う理由は2つあります。
① 価格を安定させ汎用性を持たせるため
1つは市場の流動性を活発にし、汎用性を持たせることが目的です。
XRPは銀行などのグローバルな決済問題の解決を⽬標に作られました。
リップル社がXRP保有することで市場の流通量をコントロールし、ロックアップを行うことにより価格をできるだけ安定させ汎用性を持たせる狙いがあります。
1000億XRPという⼤量の枚数が一度に市場で売却されると1XRPあたりの価格が下がり、投資家がXRPを一気に売りに出す事態が考えられます。
そのためロックアップという⼿段で市場にXRPが過剰供給されないよう調節しているのです。
② 投資家を安心させるため
2つ目の理由は、投資家の不安を払拭するためです。
投資家達により、総流通量の半分のXRPを保有しているリップル社により一度に大量な枚数を売却し意図的に価格を下げるのではないかという懸念がありました。
そのような不安を取り除くため、ロックアップにより利用者にも市場の流通量の目安を把握できるようにしてXRPへの安⼼感を醸成しているということです。
こちらが現在のXRPの供給量のグラフです:https://ripple.com/xrp/market-performance/
通貨に対する安心感は新たな買いを呼び込む要因になりますので、価格を安定させるためになくてはならない要素の一つだと⾔えます。
3. ロックアップは毎⽉10億枚を上限として解除される
XRPのロックアップ解除はXRP社が⾃由に行えるわけではなく、毎月解除できる上限が決まっています。なぜロックアップ解除の枚数が決められているのか理由を説明して行きます。
3-1. XRPは毎月10億枚を上限に売却することができる
リップル社はロックアップしているXRPを、毎月10億枚を上限にロックアップ分の売却をしています。
なぜ上限が10億枚かというと、10億枚ずつ売却すれば価格に影響を与える心配がないと考えたからかもしれません。
毎月10億枚はあくまで上限
しかし市場に影響が出にくいとはいえども10億XRPとは⽇本円換算で500億円ほどになります。2018年11月現在それだけのXRPが毎⽉売却されたら市場に影響を与えかねないのではないかとの意⾒もあります。
ですので、55ヶ月かけて550億XRPを売却する予定としていますが、市場価格への影響を考慮して10億枚を上限として売却しており、必ず10億枚売却するということではありません。
10億枚売却されなかった月がある
実際に価格が減少傾向にあったり、出来⾼が減っていたりして10億枚の売却が価格に影響を及ぼすと判断される場合もあります。そのような理由で10億枚売却されなかった月もあります。
売却されないXRPは再度ロックアップ
売却されなかった分のXRPは再度55ヶ月間ロックアップされます。
ロックアップ分の売却は市場にすべて売却されるものだと考えられていたのですが、市場での売却だけでなく機関投資家などにも販売しているようです。この方法だと市場に直接売られるのと違い価格に影響はないので、このような配慮も投資家に安⼼感を与える材料になっています。
3-2. リップル社による不正ロックアップ解除は難しい
リップル社はどのようにロックアップを行っているのでしょうか?
エスクロー口座システムがロックアップを行う
リップル社が管理していて不正に解除できるのではないかと思う方もいるかと思いますが、実際はエスクロー口座というシステム上で⾏われています。
エスクローとは他⼈の財産を預かり管理する目的で作られた第三者の事を指します。
エスクロー口座には、特定の期間などの条件が成⽴するまでリップルを暗号化してリップルを隔離することができるシステムがあります。 これはシステムとして定められているものなので、解除することができない仕組みとなっているのです。
リップル社が管理していないので勝手に解除できない
また、リップル社が直接管理しているわけではないので、リップル社がロックアップの解除を行う可能性は極めて低いといえます。
リップル社はロックアップの不正解除の⼼配がないことを利用者に伝えることで、ロックアップに対しての不透明性を解消することができます。 通貨の透明性の確保がなされていないと、通貨の価格に直接影響を及ぼすことになるのでしっかりとしたクリーンな対応が必要になるでしょう。
4. 今後のロックアップ解除によるXRPの価格への影響
ロックアップが解除され市場の通貨流通量が増加するということは、需要と供給のバランスが崩れるので⼀般的には市場にネガティブな影響を与えることになります。
通常何も考えずに市場に通貨を供給し続ければ価格はあっという間に下落していくというのが市場の仕組みです。
ロックアップ解除が市場に与える影響は限定的
それに対しリップル社は前述の通り販売先や販売量をコントロールしており、一度のロックアップ解除が市場に与える影響は限定的であるとしています。
ロックアップの解除は55ヶ月という期間続くわけですから長期的に見れば価格に影響を与える可能性もあるといえます。
XRPの売買⾼が減少している時などは10億枚という枚数でも供給過多になり市場で吸収できなくなります。
その時は⼗分に市場に影響を与えてしまう可能性があるのでXRPの市場全体を注視しましょう。
まとめ
XRPのロックアップについて書いてきましたが、いかがでしたでしょうか?
XRのロックアップについてもう⼀度整理して内容をまとめておきますね。
◆ロックアップとは
- 鍵をかけて保管するという意味(lock up)で、決まった枚数のXRPを売却できないようにすること
◆XRPのおよそ50%はロックアップされていて市場に流通していない
- XRPは総発行枚数1000億枚のうち630億枚をリップル社が保有
- その630億枚のうち550億枚にロックアップをかけている
- 550億枚のXRPはエスクロー口座により管理されており勝手に売却することができない
◆毎月10億枚を上限にロックアップを解除し売却することができる
- ⼀度に⼤量にロックアップを解除して売却すると市場価格に影響を与えかねないため、影響を与えないように上限を設けている
- ロックアップ分の売却は市場だけでなく投資家へも行われている
これがXRPのロックアップについて理解しておいた⽅が良い重要なポイントになります。
XRPのロックアップは価格に影響が出ないように配慮されて⾏われているとはいえ、長期的に見ると市場への通貨の供給量が増えることになります。XRPの市場全体をよく注視する事が大切です。
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