
仮想通貨(暗号資産*1)に関することを調べていると「マイニング」という言葉が出てきますよね。
マイニングとは簡単に言うと、ネットワークを維持するための作業のこと。対価として新規に発行される仮想通貨が貰えます。
日本で人気のある仮想通貨の1つにXRP(通称:リップル)がありますが、XRPはマイニングを行うことはできるのでしょうか。
結論を言いますと、私たちはXRPのマイニングを行うことはできません。
これはXRPを管理するリップル社がマイニングを行う承認者を選出しているためです。
この記事では、私たちがXRPをマイニングできない理由やXRPがなぜそのような選択を取ったのかを分かりやすく紹介します。
※一般的に「リップル」と呼ばれる仮想通貨について、この記事では正式名称のXRPで表記しています。
*1)2019年5月、呼び名を「暗号資産」とする改正資金決済法が可決されました(参考|日本経済新聞)
目次
1. 私たちはXRPをマイニングすることはできない
ビットコインやイーサリアムなどは仮想通貨を得る手段として実際にマイニングを行いますが、そもそもXRPはマイニングによって新たな仮想通貨を得ることはできません。
ビットコインやイーサリアムなどの仮想通貨とXRPとを比べても、ブロックチェーンに記録される取引を承認するプロセスについての相違はありませんが、XRPにはその対価として報酬を受け取ることはできないということです。
XRPにマイニングがないわけではない
しかし、XRPがマイニングを行っていないわけではありません。
仮想通貨のマイニングについては、ブロックチェーンの種類に大きく関係しています。
ブロックチェーンにはビットコインやイーサリアムで採用されているパブリックチェーンと、XRPなどが採用しているプライベートチェーンがあります。
|
パブリックチェーン |
プライベートチェーン |
管理者 |
なし |
あり |
ネットワークへの参加者 |
不特定多数 |
一組織のみ |
承認作業 |
参加者全体 |
特定の管理者 |
この2つの大きな違いとして、承認作業を誰が行うのかということが挙げられます。
パブリックチェーンは、誰にも管理されていない分散されたブロックチェーンをいいます。ネットワークに参加することは誰でも可能で、参加者全員が承認作業を行います。このようなパブリックチェーンにあたる仮想通貨にビットコインやイーサリアムがあります。
一方、プライベートチェーンは一組織によって包括的に管理されたブロックチェーンをいいます。ネットワークの参加者は一組織に限られており、特定の管理者が承認作業を行います。
XRPはプライベートチェーン
そしてXRPはプライベートチェーンを採用しています。リップルネットワークを管理しているのはリップル社であり、リップルネットワークで承認を行う参加者はリップル社が選出します。
ここで注意してほしいのは、XRPはマイニングを行っていないわけではないということです。
先ほど述べた通りXRPはリップル社がプライベートチェーンを管理しているので、私たち一般人にはXRPのマイニングには参加できないようになっています。
2. XRPは特定の承認者によって承認作業を行う
私たちがXRPを自らマイニングできない理由は一つです。
XRPはプライベートチェーンを採用しており、特定の管理者にのみ承認作業を行わせているからです。
2-1. 特定の承認者はリップル社が選出する
XRPのマイニング作業は、リップル社が信頼している承認者(Validator)によって行われています。ビットコインのように不特定多数の承認者によって行われるものとは全く違うものです。
XRPの取引は承認者の投票によって誰が行うのか決まり、一定の承認者が承認することでブロックチェーンに記録することができます。
誰でも承認が行えるわけではない
現在、XRPの承認者のほとんどはリップル社が管理しているコンピューターによるもので誰でも行えるものではありません。
XRPのブロックチェーンはリップル社の信頼によって成立していることから、リップル社から選出された承認者のみがマイニングを行うことができる権利を持っています。よって私たち外部の人間がマイニングを行うことはできないのです。
2-2. XRPの承認者が増えるにつれ非中央集権ネットワークを構築していく
XRPの承認者のほとんどはリップル社が管理しているコンピューターであると述べましたが、今後リップル社は承認者を増やし、将来的には非中央集権のネットワークを構築することを目指しています。
現在リップル社は自社の承認者を廃止し、外部からの承認者を選べるようにする方針を考えているようです。
出典:Validators and Unique Node Lists-XRP LEDGER DEV PORTAL
リップル社が承認者として選出しようと考えているのは、リップルネットワークを支えてくれる組織、主にXRPをビジネス利用している企業や組織のようです。
XRPのブロックチェーンは、特定の組織によって管理されていることから中央集権的であると物議を醸していますが、承認者を増やし実質的な分散化を目指すことで、非中央集権ネットワークを構築しようとしています。
3. XRPのマイニングでは報酬が発生しない理由
新規に発行される仮想通貨が貰えるというインセンティブが働くことでマイニングをやる価値も生じていますが、XRPではマイニング報酬はありません。
この章では、XRPのマイニング報酬が発生しない理由について紹介していきます。
3-1. XRPはすでにすべて発行されている
XRPの発行上限は1000億XRPであり、そのすべてはすでに発行されています。
よって、マイニングの報酬としてそもそもXRPを受け取ることはできません。
また、リップル社は現在約510億枚を保有していますが、すべてロックアップされています。
ロックアップとは、ウォレットに入っている仮想通貨を凍結させることで、資金の移動をできないようにすることです。
リップル社は当時630億XRPを保有しており、2018年1月から毎月10億XRPずつロックアップを解除し市場に流通する計画を遂行しています。ロックアップによって解除されたXRPはマイニングによって受け取ることはできません。
3-2. ビットコインはマイニングの対価としてビットコインをもらえる
マイニングは、その取引が正しいものであるかを検証しブロックチェーンに記録する作業をいいます。
パブリックチェーンにおけるマイニングの場合ブロックチェーンに取引データを正確に記録することで報酬として新たに発行された仮想通貨を受け取ることができます。
XRPをマイニング報酬として受け取ることはできない
しかし前述の通り、XRPはすべて発行済の為マイニングの報酬としてXRPを受け取ることができないのです。
ビットコインのマイニングについては、下記の記事にて詳しく解説していますのでぜひチェックしてみてくださいね。
それでは、XRPの送金手数料(トランザクション手数料)はマイナーに支払われず、どこに行ってしまうのでしょうか。
XRPのトランザクション手数料(送金手数料)は破棄される決まりとなっています。
これはXRPのブロックチェーンをスパムやDoS攻撃(Denial of Service attack)などのサイバー攻撃からから守るためにあります。
XRPの現在の最小のトランザクション手数料は0.00001XRP(約0.00032円)であり、ごく少額の手数料で送金が可能になります。
- XRPはすべての枚数が発行されており新規発行されない
- トランザクション手数料はすべて破棄される
上記2点のことから、XRPのマイニングでは報酬が発生しません。
4. リップル社がプライベートチェーンを採用している2つの理由
なぜリップル社はプライベートチェーンを採用しているのでしょうか。
プライベートチェーンを採用している理由として、以下の項目を解説していきます。
- 迅速に取引記録を承認することができる
- 特定の管理者に託すことで管理を容易にしている
理由1:迅速に取引記録を承認することができる
プライベートチェーンのような取引の承認を一部の管理者に限定することにより、迅速かつ効率的な承認を行うことが可能になります。
XRPのようにあらかじめ決められた少ない人数が取引の承認を行うのであれば、取引データを改ざんされる心配もありません。
これを中央集権であると言う意見もありますが、その承認方法が他の仮想通貨の送金スピードを上回るポテンシャルとなっているのですね。
理由2:企業が管理することにより情報統制が取りやすくなる
XRPは仮想通貨プロジェクトという側面がありますが、リップル社という企業としての側面もあります。
企業の体制として包括的に管理しやすいプライベートチェーンは、リップル社にとっても相性が良いといえるでしょう。
プライベートチェーンは金融機関と相性が良い
プライベートチェーンにおいては、従来の中央集権的組織の枠組みから逸脱することなくブロックチェーンを取り入れることができることから、既存のシステムに取り込むことも容易いといえます。
特に、金融機関や銀行のような既存のシステムが色濃く残っている組織の採用にはとても適しています。
これらがプライベートチェーンを採用している理由と言えるでしょう。
XRPは既存のシステムにうまくマッチするように設計された仮想通貨であるようです。
5. XRPを手に入れるには、仮想通貨取引所を利用するのみ
ここまでXRPのマイニングについて述べていきましたが、XRPを一番簡単に手に入れる方法は仮想通貨取引所で手に入れるしかありません。
XRPを手に入れたいと思う方は、ぜひ仮想通貨取引所で取引してみてくださいね。
まとめ
この記事では、XRPのマイニングについて解説しました。
仮想通貨のマイニングについては、ブロックチェーンの違いによって可能か不可能かが分かります。
XRPだけではなく特定の管理者によって管理されているブロックチェーンは基本的にマイニングを行うことはできません。例えば企業が開発しているブロックチェーン。こういったものは自社で使いやすいようにするためにプライベートチェーンを採用しています。
仮想通貨でなぜこのブロックチェーンが使われているのか、なぜマイニングを行うことができないのかを考えてみると面白いのではないでしょうか。
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