
仮想通貨(暗号資産*1)の中でも時価総額が高く、日本国内の取引所大半で取扱のあるXRP(通称:リップル)。
XRPのウォレットは、ビットコインと比べバリエーションが少なく保管方法をどのようにしたら良いか迷いますよね。
理想的なのは、入出金を手軽に行うためのホットウォレットとしっかり保管するコールドウォレットを2種類以上用意し分散管理する事。
しかし!XRPの仕様上、ウォレットごとに20XRP必要なのでむやみにウォレットの数も増やしたくない。
そこでXRPのウォレットをリサーチしてみました。
ぜひ自分の使い方に合った保管方法を見つけてみてください!
*1)2019年5月、呼び名を「暗号資産」とする改正資金決済法が可決されました(参考|日本経済新聞)
目次
1. XRP対応のウォレット一覧
リップルに対応しているウォレットを以下に7つ紹介。
ウォレット名・種類・分類・日本語対応の有無を表示しています。
ウォレット |
種類 |
分類 |
日本語 |
Toast Wallet! |
ローカルウォレット (アプリ&デスクトップ) |
ホット |
× |
Ginco |
ウォレットアプリ |
ホット |
〇 |
Gatehub |
ウェブウォレット |
ホット |
× |
Ripple-client-desktop |
デスクトップウォレット |
ホット |
× |
bithomp |
ペーパーウォレット |
コールド |
× |
Ledger Nano S |
ハードウェアウォレット |
コールド |
〇 |
Cool Wallet S |
ハードウェアウォレット |
コールド |
〇 |
2. オンラインで簡単に管理できるウォレット
簡単に入出金をしたいならオンライン上で管理するウォレットがおすすめです。
ただし、秘密鍵を自分で管理していても、オンライン上にあるためハッキングの危険もあります。オンライン上で管理をするのは取引などに使う少額のみにとどめてくださいね。
2-1. Toast Wallet!
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導入、入出金のお手軽度:★★★★
セキュリティ:★★★☆
OS:iOS/ android/ Windows/ Linux/ Mac OSX/ Google chrome/
対応通貨:XRP専用ウォレットで、英語のみの対応です。
- XRPのみ保有している方
- スマホやパソコンから手軽にアクセスしたい方
- XRPの送金を頻繁にする方
- 操作がわかりやすい
- スマホで簡単に使える
Toast Wallet!はローカルウォレットなので、スマートフォンやPCなどのデバイスで保管することができ、アプリで入出金するような役割も簡単にこなせます。
操作も直感的で、気軽に送金ができるため頻繁に入出金する方にはこちらがおすすめです。
リップルで決済や送金をするときや、ペーパーウォレットからの復元に使える汎用性の高いウォレットです。
ダウンロードしたアプリの利用規約を読みスクロールすると、3つのボタンがあります。
- Create a New Wallet:ウォレットの新規作成
- Restore an Existing wallet:既存ウォレットの復元
- Submit Offline Transaction:オフラインでのトランザクション作成
この中から選びウォレットを作成してくださいね。
2-2. Ginco
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導入、入出金のお手軽度:★★★★
セキュリティ:★★★☆
OS:iOSのみ対応
対応通貨:ビットコイン/ イーサリアム/ ライトコインなど(FAQ:対応通貨について)
日本語対応・日本語サポートあり!
- XRP以外の主要コインを保有している方
- スマホで気軽に仮想通貨を送金したい方
- 日本語に対応している
- デザイン・ユーザーインターフェースが高く操作がわかりやすい
GinkoはiPhoneのみ対応(Androidはクローズドβ版のみ、XRPは対応しておりません)のモバイルウォレットです。独自の暗号通信方法により高水準のセキュリティを実現しています。
このモバイルウォレットがあれば手持ちのコインがすべて管理できる方も多いかもしれません。
インストールしてから送金するまで説明書が必要ないほどわかりやすいので、初めてのウォレットにもピッタリです。
2-3. Gatehub
導入、入出金のお手軽度:★★★★
セキュリティ:★☆☆☆
対応通貨:XRPの他ビットコイン、イーサリアムに対応
英語のみ対応、ウェブウォレット機能だけを使うことができます。
- インストールなし、ブラウザで使いたい方
- ブラウザ上で操作するウォレットなので特別なアプリがいらない
Gatehubはウェブブラウザ上で管理するウォレットです。秘密鍵を自分で管理することができます。
Gatehub自体が取引所のため、仮想通貨の購入などをすることができますが、購入時には当然、本人確認等が必要になります。
リップル社公式のウォレットが廃止になった時に移行先となったのがこのウォレットで、そのためリップルのウォレットとして有名です。
しかし、二段階認証、秘密鍵を自分で管理する等セキュリティに関しては対策をしてあるにも関わらず、たびたびコインを紛失・盗難されている方の書き込みを見かけます。
用途を絞りこちらで保管をすることは避けることにした方が良いでしょう。
※2019年6月7日10億円分のXRPがハッキング被害にありました
けれども、ウォレットからウォレットへXRPを移行させるときの中間ウォレットとして使うには利便性が高く、存在を知っておくに越したことはありません。
Gatehubを使ったウォレットの移行、詳しくはこちら↓【リップルトレードユーザーじゃない方へも】
2-4. ripple-client-desktop(デスクトップクライアント)
導入、入出金のお手軽度:★★☆☆
セキュリティ:★★★☆
OS:Windows、Mac OSX
対応通貨:XRP専用ウォレット
日本語対応あり
ダウンロード:Mac https://macdownload.informer.com/rippleclient/
Win https://github.com/yxxyun/ripple-client-desktop/releases/tag/ripple-client-desktop-v1.0.29
- XRPのみお持ちの方
- 秘密鍵を自分で管理しPCでオフライン保存したい方
- オフラインにすればコールドウォレットとして利用できる
デスクトップクライアントは、デスクトップPC上リップルを保管できるウォレットです。
秘密鍵は自分で管理できるので、ウェブ上のウォレットに保管しておくよりも比較的安全性が高いです。
しかし、リリースが2016年5月14日で、それ以降バージョンアップがないので不具合が出る可能性もあります。
※秘密鍵は自分で管理しているので、仮にこのクライアントが動作しなくなったとしても新しくクライアントを入れなおしたり別のPCにインストールして復元することが可能です。
また、gatehubなどを介して復元させる等、他の方法で資産を取り出すことができます。
3. 高額保有、ガチホするならペーパーウォレット
こちらの章では高額保有や長期保存におすすめのペーパーウォレットをご紹介。資産の大半はこちらでしっかり管理することをお勧めします。
bithomp(ビットホンプ)
導入、入出金のお手軽度:★★☆☆
セキュリティ:★★★★
対応通貨:XRP専用ウォレット
英語のみ対応
- お金をかけずにウォレットを作成したい方
- セキュリティの高いウォレットを利用したい方
- 紙で管理するのでハッキングの心配がない
- 無料で作成できる
- ウォレットの作成が簡単
bithompはPCでダウンロードしてアドレスを生成、それを印刷して保管する形式のペーパーウォレットです。
印刷されたPUBLICキー(受け取りアドレス)に送金してリップルを保管します。PRIVATEキーは送金(引き出し)の際に必要な秘密鍵なので誰にも教えないようにしましょう。
作成はこちらから:https://bithomp.com/paperwallet/
4. 安全性重視、複数種類のコインを管理するならハードウェアウォレット
複数の仮想通貨(暗号資産)を管理する場合ペーパーウォレットだと面倒・・・。そんな方にはハードウェアウォレットでスマートに管理をおすすめします!
4-1. Ledger Nano S
導入、入出金のお手軽度:★★★☆
セキュリティ:★★★★
OS:Windows、Linux、Mac OSX
※・PC対応(スマートフォン、タブレットは不可)
対応通貨:XRP、ビットコインをはじめ27種類の仮想通貨に対応
USBのような形をしたハードウェアウォレットです。
- お金をかけても最高のセキュリティで保管したい方
- XRP以外にも仮想通貨を保有している方
- ウォレットの中では最もセキュリティの高いもののひとつ
- パソコンにつなげて簡単に送金できる
- 対応している仮想通貨の種類が多い
Ledger Nano Sは、本体に秘密鍵を暗号化して安全に保管するツールです。
パソコンにLedger Live という専用のアプリをインストールしてコインの相場を調べたり送金することができます。
フランスのLedger社が販売元で、日本の正規代理店で購入した場合のみ、日本語でのサポートが受けられます。
オークションやフリマアプリなどで中古品を購入するとサポートが受けられないだけでなく、不正アクセスされる可能性もあるので必ず正規代理店で新品を購入してくださいね。
4-2. Cool Wallet S
OS:iOS、android
※スマートフォンのみ対応
対応通貨:XRP/ ビットコイン/ ビットコインキャッシュ/ イーサリアム/ ライトコイン対応
日本語対応あり
- ウォレットを使用するのにわざわざパソコンを開きたくない方
- スマホと連携させられるハードウェアウォレットが欲しい方
- スマホだけでウォレットが使える
- カード型なので持ち運びに便利
Cool Wallet Sはカード型のハードウェアウォレットで、ワイヤレスで情報を同期することができます。
スマートフォンにアプリをインストールして設定すれば端末から利用可能です。
開発と販売を行うのは台湾のCoolBitX社で、2018年3月にSBIホールディングスが出資を発表しました。その出資比率は40%と大きく、話題になりました。
5. XRPのウォレットを使う上での2つの注意点
XRPのウォレットを使用する場合、2つの注意点があります。
◆ウォレット作成時は手数料20XRPがかかる
1つ目は、ウォレットを一つ作る際、最初に20XRPを入金しなければならないという点。
これをアクティベートと言います。
この20XRPは消費され戻ってこない仕様となっております。これはウォレットの数が乱立する事を防ぐためのもので、XRP自体の仕様なのです。
◆宛先タグに要注意!書かないと出金の際資産をなくすことも
2つ目は、送金時の宛先に注意すること。
ウォレットから取引所へXRPを送金する際は宛先タグが必要な場合があります。宛先タグとは、送金されたXRPが本人の物と識別するための数字のこと。
ウォレットが作成者個人ののウォレットに対し、仮想通貨取引所のウォレットは大口管理をしています。
取引所のウォレットに一度送金をし、そこから個人を識別して振り分ける管理方法をしている為「宛先タグ」が必要なのです。忘れずに確認を行ってくださいね。
詳しくはXRPの送金についての記事で解説しております。
6.信頼できる取引所のウォレットに置いておく事はあり? なし?
各取引所にもウォレットがありますが、取引所のウォレットは基本的にオンラインウォレットのため、ハッカーに狙われやすくリスクが高いのが難点です。
また、盗難された際の補償は取引所ごとに条件が違い、高額の場合は保障されないケースがほとんどです。
◆ハッキングに遭うのが先かセルフGoxが先か
しかしながら、自身で秘密鍵をなくしてしまったりとセルフGox(自分のミスで仮想通貨にアクセスできなくなること)してしまうリスクを考えると取引所の方が安全かもしれない、という考え方もあります。
◆むやみにウォレットをたくさん作るとお金がかかる
また、XRPのウォレットを作成して20XRPが預入されるとウォレットが有効(アクティベート)になります。
その20XRPは返金されませんので、まずは取引所に保管しておくのもひとつの方法かもしれません。
慣れない送金をむやみに行うのは資金を失う原因にもなりますし、自分の取引スタイル考慮しどのウォレットを作成するのか、どのように資金を保管するのかを計画することが大切です。
普段支払いに使う分のみホットウォレットに入れて残りはコールドウォレットに保管しておくなど、保管方法を良く考えることをおすすめします。
まとめ
XRPを保管できるウォレット7種類をご紹介しました。
スマホやパソコンで操作できるウォレットなら
- Toast Wallet!
- Ginco
- Gatehub
- Ripple-client-desktop
高額保有・ガチホするなら
- bithomp
安全性重視、複数種類のコインを管理するなら
- Ledger Nano S
- Cool Wallet S
大事な資産を紛失したり、盗難の被害にあわないようにするためには、普段使用する分はウォレットアプリやオンラインのウォレットに、資産として残しておく分はペーパーウォレットやハードウェアウォレットに分散して保管することをおすすめします。